オーボスは滅んだ。
嬉しいはずなのに、何故か嬉しくない。
オーボスを滅ぼしても、それで滅ぼされた故郷が蘇る訳でもない。
セブンチェンジャーも、もうこの世にはいない。
それよりも何よりも、"あいつ"の中に俺の姿はない……
あの時、俺は「つくし」で野菜カレーを頬張っていた。
「どうだね、ヤンチャー君。もし、行く当てがないなら、うちで厄介にならんかね」
ひかるの父上が、俺に話かけてきた。スプーンを咥えたまま、
俺はカウンターの向こうでメニューを作っているひかるの両親を見た。
「心配しなくてもいいのよ。大歓迎するから」
「え、本当に良いのか!?」
ひかるの母上にも同じ事を言われ、俺は暫く考えた。でも、1分も時間を要しなかった。
「わかった。暫く、そっちに厄介になる」
あっさりと俺は了解の返答をした。
今にして思えば、本当にこれで良かったのか疑問に思う。
当てだったらもう1つ2つある筈なのに、そこへ行く気が、あの時の俺には無かった。
無理して押しかけても、辛い思いをするだけなのがわかりきっていたから。
ひかるの家に居候するようになって1週間くらい経った。
部屋はひかると一緒だ。女の子と一緒の部屋というのは、居心地の悪いものだとばかり
思ってたけど、あいつの場合は、不思議とそんな気はしなかった。
時々不都合な事も起こるけど、そんなに不満のある事でもなかった。
だが、一つだけ気がかりな事があった。
それは部屋の窓をいつもカーテンで閉め切っている事だ。
窓の向かいには、"あいつ"の部屋がある。ひかるはその事について触れるのを
酷く嫌がってたみたいだし、俺も極力その話には触れないようにした。
もし、俺がひかるの立場だったら、似たような事をしたかもしれないからだ。
いつものように夜が訪れ、俺はひかると一緒に寝床に着いた。
寝床に着いたと言っても、ベッドで寝ているひかるの下で、
俺は床の上で布団をかぶってごろ寝している。別に不満には思ってない。
でも、この日は、いつもの夜と違ってた。
「……ヤンチャー君、起きてる?」
俺の方を向きながら寝ていたひかるが、小声で俺に話しかけてきた。
眠りかけたばかりの俺は、不機嫌な顔をしながら目を開けた。
「何だよぉ」
「一緒に入って?」
「は?」
「だからぁ……ベッドに入ってって、言ってるでしょ!」
顔を真っ赤にして怒るひかるに、俺はいまいち状況が飲み込めないまま、
ひかるのベッドに入った。
元々一人用のベッドに2人も入ってるせいか、窮屈な感じがした。
俺をベッドに入れた理由もわからないまま、俺はまた眠りに着こうとしたが、
ひかるは俺をじっと見たまま、寝ようとしなかった。
「お前もさっさと寝ろよ。明日、寝不足になっても知らないぜ」
「ねぇ……ちょっと、話に付き合ってくれる……?」
寂しそうに話しかけるひかるに、俺は何だか尋常ならざる予感がしたが、
取り敢えず、話し相手をしてやることにした。
「あのカーテンの事、ずっと黙ってたよね」
「あぁ、あれか?俺、別に気にしてないからな」
閉めっぱなしのカーテンの事を、ひかるは済まなそうに言うが、
俺は何ら気にしてないふりをして返事した。
でも、俺もうすうすわかっていた。閉められたのはカーテンだけじゃないって事を…
最近になって気付いた。星史が螢と付き合っている事を。
人前じゃ決して満遍の笑みを見せない螢が、あいつと2人っきりの時だけ、最高の笑顔を見せている。
俺はあいつと出会い、守ろうと頑張った。その気持ちは、やがて、所謂恋愛の感情に変わっていった。
俺がそれに気付いた時は、既に螢は星史のものになっていた。
螢は星史にしか本当の意味で心を開かず、
星史もまた、まるで大切な宝物のように螢と触れ合っている。
俺が味わったこの取り残されたような気持ちを、ひかるもまた味わっている事を知るのに、
そう時間はかからなかった。
俺もひかるも、いつのまにか星史を避けるようになった。そして螢も……
俺たち、これで良かったんだろうか?いや、そんな筈は……
そんな事を考えながら、俺はひかるに言った。
「……別にカーテンの事を気にしてはいねぇよ。でもよぉ、お前、最近変だぜ」
「どう言う事?」
「いつまでもあんな奴の事でいじけていやがって!」
俺がそう言うと、突然、ひかるは起き上がって、俺をキッと睨んだ。
「何よ……アンタに何がわかるって言うの!?」
「わかるさ!俺を自分の部屋に入れたのも、
本当は星史にふられた腹いせがしたいだけなんだろ!」
俺もまた怒りながらひかるに反論した。そして、ベッドから降りると、俺は部屋を出ようとした。
「俺に星史の代わりをやれって言うんなら、ここから出て行くぜ!」
そう言いながら、部屋のドアを開けようとした次の瞬間、
ひかるが背後から俺に抱き付いてきた。ギュウっと腹の辺り抱き締め、左肩に顔を乗せた。
俺が振り向こうとした途端、左肩の辺りに雫がポタっと落ちる感触がした。
「……でよ…アタシを一人にしないでよ…ヤンチャー…君…ヤ…ヤンチャー……」
ひかるが俺の背後から涙声を漏らす。その寂しそうな声に、
俺は肝心の一歩が踏み出せなかった。あいつ、俺がいなくなるのを本気で哀しんでいやがる。
そんなひかるを、俺は平然と見捨てる事ができなかった。
真っ暗な部屋の中、俺たちは再びベッドに戻った。床には、俺のランニングシャツとズボン、
そしてひかるのパジャマが無造作に散らかっていた。
俺はブリーフだけを履いたままの格好で、ベッドの上にいる。
その下には、やはりパンツだけしか履いていないひかるが、恥ずかしそうに俺を見上げている。
「そ、そんなにジロジロ見ないでよ……」
「今のお前……何だか可愛いよ……」
歯が浮いたような事を言いながら、俺はひかるとキスした。普通の接吻を2回ほどすると、
舌を絡ませるディープキスに移った。何度かやっている行為だ。でも今日は、いつもと違った。
「ヤンチャー……今日は最後までやっていいから……」
ディープキスを止めると、ひかるは顔を真っ赤にしながら言った。
すると俺は、今度は、ひかるの胸を弄くり始めた。片方の胸を揉みながら、もう片方の乳首を吸う。
「ぅ、く……や……くすぐったい……」
母乳など出ないのに乳首を吸われ、ひかるはえもいわれぬ感触に苛まれているようだった。
そんなひかるを無視しながら、俺は今度は、もう片方の乳首を吸い始め、
さっき乳首を吸った方の胸を揉む。あいつの胸は、同い年くらいの女の子と比べても
そう変わらない大きさだった。俺はそんなひかるの胸を弄くり、その乳首を吸う。
本来なら、亡き母上の母乳を吸ったり、螢の胸を愛撫しているところを想像している筈なのだが……
何故かこの時は、母上の姿も螢の姿も見えてこなかった。
まさか、俺の中に2人の姿は無いも同然だと言うのだろうか……?
認めたくない邪推が俺の中で頭をもたげてきた頃、俺の股間の辺りを、
すべすべした感触が撫で回していた。俺の愛撫を甘受していたひかるの手が、
俺の大事なところを撫でていた。ひかるが俺のブリーフから大事なものを出すと、
そいつはすっかり固くなっていた。
ペチャ、ペチャ……
「うむ……ん……!」
床の上に、俺のブリーフとひかるのパンツが投げ捨てられていた。
その上で俺とひかるは、横たわりながら、69の体勢で互いの大事なものを舐めていた。
完全に固く張っている俺のものが、温かいひかるの口の中に包まれ、
ひかるの秘部が俺の舌によって舐め回されている。
ひかるの秘部を舐めていると、俺の唾液とは違うものが、中からトロトロと出てきた。
ひかるもそれに負けじと、俺のものを舐め回し、咥えながら上下にしゃぶる。
ひかるの執拗な舌戯に、俺は射精感がこみ上げてくると、舌をひかるのものから離した。
「やだ、どうしたのよ……」
「仕上げに入るぜ。このままじゃイッちまうだろ!」
俺がそう言うと、ひかるはようやく舌戯をやめた。
「やだ、後ろからいくの……?」
腹ばい状態のひかるが、明らかな不満を口にした。しかし俺は、何も言わず、蜜で濡れぼそった
ひかるの秘部を、ひかるの唾液に塗れ、固くなった俺の怒張でなぞった。
入り口を確認すると、俺は一気に中へと突っ込ませた。
「うぐ……あぁっ!!」
俺のものが中に突っ込むと、暫し堪えた後、ひかるは苦痛の声を上げた。
真っ暗な部屋の中で、俺はひかるを背後から責めるが、
俺の視界が、シーツの上に落ちる赤い血を認めた。それは、ひかるの秘部から落ちてきた。
そして、俺に背後から責められたひかるは、明らかな苦痛を顔に出した。
そんなひかるに、俺は罪悪感を感じてしまった。何だか、単にひかるを苛めてる気がしてならなかった。
ほんの一瞬の出来事の筈なのに、それは永遠の苦痛のように思えてならなかった。
ヤンチャーのものが、アタシの中の処女膜を一撃で打ち破った。余りの激痛に、
アタシは何もする気力が起きてこなかった。そしてヤンチャーもまた、これ以上の行動に出ようとしない。
今更ながらに思う。どうして、こんな事をしたんだろうと……
ヤンチャーの言う通り、あいつへの腹いせがしたくてやったんじゃないだろうか?
仮にそうだとしても、腹いせなんかでアタシの大切な物を踏み躙らせたくない。
それを許したのは、もしかして、アタシの中でヤンチャーを受け入れようと言う気持ちがあったからか?
友達としてではなく、それ以上の……
「…わ、わりぃ……」
後ろから、小さな声でヤンチャーが謝ってきた。彼のものは、アタシの中で妙な異物感を
醸し出していたが、先の激痛のせいか萎えていくのが感じ取れた。
ヤンチャーの詫びを受けとめ、止めようかとも考えたが、それを声にする事ができなかった。
もしかしたら、あいつもあの娘と……
そう考えると、ここで止めさせるたら、中途半端で後々悔しい気持ちに苛まれると思った。
「……アタシなら、大丈夫だから。続けて……」
そう言うと、アタシは中にヤンチャーのものを差し込んだまま、体を90度回転した。
暗がりの中だが、ヤンチャーの顔がはっきりと見える。至近距離からの彼の顔に、
アタシは安堵して、微笑んだ。
「ホントに大丈夫かよ……?」
「最後までって言ったでしょ?まだまだ降り返し地点なんだから」
心配するヤンチャーに微笑みながら言うと、アタシは彼とまたキスをした。
そのキスはディープキスに変わるのに、そう時間はかからなかった。
「んあぁっ!んあぁぁぁんっ!!」
喘ぎ声が闇に包まれた部屋に響き渡る。両親の部屋から夜毎聞こえてくる母の喘ぎを、
以前だったらとても恥ずかしく思っていたアタシが、今、すっかり固さを取り戻した
ヤンチャーの突きに、歓喜の喘ぎ声を上げている。両親が夜毎営んだ事を、娘のアタシが
今受け継いでいる。故郷を失い、大切な家族、同志をも失った孤独の少年に、
アタシは自分なりの形で、精一杯の愛を注ごうとしている。
上から被さるように、自分のものをアタシの中で前後に動かすヤンチャーに、
アタシもまた、腰を上下に動かしながら、彼のものを、命の躍動を受け入れようとする。
「あ、く……お前、すげぇよ……ホントに初めてか?」
「初めてに決まってるでしょ!ここまでやれるなんて、正直、自分でも信じられないけど……!」
そう言いながら、アタシはヤンチャーとの行為を続行する。
ズジュッ、ズジュッ……!
腰の中から淫らな音が聞こえてくる。
「あんっ、んあぁぁぁっ!!」
歓喜に喘ぎながら、ヤンチャーのものがアタシの中を擦る感触を味わった。
「お、女の体って……こんなに温かいものだったなんて
……俺、離れたくない……離したくない……!!」
素直な感想を述べながら、ヤンチャーはアタシの中を飽く事無く味わっていく。
アタシの温かさを全身で持って受けとめようと言うヤンチャーの体を、
アタシは腕を伸ばして抱き締めようとした。やがて、アタシたちは座位の体勢を取った。
「んあぁっ!んあぁぁぁんっ!!」
喘ぎ声が闇に包まれた部屋に響き渡る。両親の部屋から夜毎聞こえてくる母の喘ぎを、
以前だったらとても恥ずかしく思っていたアタシが、今、すっかり固さを取り戻した
ヤンチャーの突きに、歓喜の喘ぎ声を上げている。両親が夜毎営んだ事を、娘のアタシが
今受け継いでいる。故郷を失い、大切な家族、同志をも失った孤独の少年に、
アタシは自分なりの形で、精一杯の愛を注ごうとしている。
上から被さるように、自分のものをアタシの中で前後に動かすヤンチャーに、
アタシもまた、腰を上下に動かしながら、彼のものを、命の躍動を受け入れようとする。
「あ、く……お前、すげぇよ……ホントに初めてか?」
「初めてに決まってるでしょ!ここまでやれるなんて、正直、自分でも信じられないけど……!」
そう言いながら、アタシはヤンチャーとの行為を続行する。
ズジュッ、ズジュッ……!
腰の中から淫らな音が聞こえてくる。
「あんっ、んあぁぁぁっ!!」
歓喜に喘ぎながら、ヤンチャーのものがアタシの中を擦る感触を味わった。
「お、女の体って……こんなに温かいものだったなんて
……俺、離れたくない……離したくない……!!」
素直な感想を述べながら、ヤンチャーはアタシの中を飽く事無く味わっていく。
アタシの温かさを全身で持って受けとめようと言うヤンチャーの体を、
アタシは腕を伸ばして抱き締めようとした。
やがてアタシは起き上がると、繋がったまま、ヤンチャーの上に乗った。
生まれたままの姿で、互いの腰をぶつけ合いながら求め合う。
すると、別の感触がアタシの中から出てこようとした。体の小さな震えが、その前兆となった。
「ヤ、ヤンチャー……アタシ、もう、ダメ……!」
途切れ途切れに言う。何かがアタシの中から放出されようとしている。これ以上続けたら、
一斉に暴発してしまう。するとヤンチャーも……
「やべぇよ……俺も…俺も……!!」
自らの限界をアタシに告げる。
「いいよ、ヤンチャー……アタシの中で……今日なら大丈夫だから……!」
「で、でも……あ!!」
そう言った瞬間、ヤンチャーのものが、アタシの中で暴発した。熱い奔流が、
アタシの中に注がれていくのが感じ取れた。しかし、ヤンチャーは勢い良く自分のものを
引っこ抜くと、残っていた奔流を、アタシの体の表面に注いだ。
「ちょ、ちょっと、ヤンチャー……あ!!」
ヤンチャーが自分のものを引っこ抜いて間も無く、アタシは体を仰け反らせ、
自分の秘所から欲望の奔流を暴発させた。そして、そのまま力無く倒れる。
力無くその場でへたり込むヤンチャーがアタシを見下ろす。
アタシの腹から腿にかけて、ヤンチャーが出した白濁色の欲望が染み込み、
アタシの大事なところの入り口から膝下にかけて、半透明の自分の奔流が垂れ込んでいる。
アタシは体に力が入らず、ただハァハァと息をするしかできなかった。するとヤンチャーは、
ティッシュを2,3枚取り出すと、アタシの体にかかったものを丁寧に拭いてくれた。
「ごめんよ。俺、調子に乗って……」
申し訳なさそうに謝るヤンチャー。アタシはヤンチャーの言葉に感極まると、
無力な体を起こして、ヤンチャーを抱き締めた。
「お、おい、お前…!」
ヤンチャーは顔を真っ赤にしてうろたえる。まだ膨らみ始めの胸が、
ヤンチャーの体の厚みに押される。
「ヤンチャー……アンタ、ホントに優しいのね……」
「べ、別にそんな事は……!」
アタシの言葉に、ヤンチャーは顔を真っ赤にしたまま否定するが、そんなヤンチャーを無視して、
アタシはずっと彼を抱き締めた。夜が明けるまで……
あれから一夜明けた朝。いつものように、アタシが家を出ると、いつものように家を出る星史と出会った。
「おはよう!」
「よぉ!」
もう何日ぶりになるか、アタシは星史に挨拶する。しかし、星史は特別気にする事無く、
いつものように挨拶する。鈍いのか、それとも…
「ところで、昨日出された宿題は?」
「宿題……あ!?」
アタシの言葉を聞いた星史は、突然、血の色が引いたような顔をした。どうやら、宿題を忘れたらしい。
「ひかる!頼む!宿題写させて!」
「ダ〜メ!忘れる方が悪いんでしょ!今日1日中、廊下に立たされるわね」
両手を合わせてお願いする星史を、アタシは平然と突き放す。
「や〜い、や〜い。立たされ坊主〜〜!!」
「あんだとーー!てめーにまで言われたくねーー!!」
割って入って来たヤンチャーにからかわれると、星史は顔を真っ赤にして怒り、
ヤンチャーに掴みかかった。たちまちの内に、大喧嘩を展開する2人だが、
アタシはあっさりと無視して学校へと向かった。
−もう、アタシは大丈夫
心の中で、そう自分に言い聞かせながら……