「ありがとう、行って来るわ」  
 駅のロータリーに赤い車が入った。大きなバッグを抱えた女が降りる。髪  
と瞳の色で外国人とすぐにわかる。若くてそしてかなりの美人だ。運転席か  
ら女に声が掛かった。  
「どこへでも迎えに行くから電話して…それじゃあ気を付けてね」  
 女は頷いて手を上げる。車が走り去るのを見送ると女の表情が曇った。  
「…ごめんなさい…今日はバレエのレッスンじゃないの」  
 およそ美しい顔には似つかわしくないと思われる長いため息を洩らし女は  
駅の構内に入っていった。  
 
 しばらくしてこの女はプラットホームに立ち電車を待っていた。黒髪のカ  
ツラを被り、瞳の色を隠すために色の濃いサングラスをかけている。目深に  
被った帽子で顔を覆い表情は読み取れない。  
 女は洗面所で変装したのだ。大きな女の出身国製のバッグにはバレエの練  
習用の道具など一切詰められてはいなかった。  
 電車が入ってきた。彼女のつぶやきを騒音が掻き消す。  
「…駅でアタシは変わるのよ…」  
 
 目的の駅に電車が到着した。女は電車を下り出口を目指す。待ち合わせて  
いる相手の場所へ急ぐ。  
 女は普通の人間ではない。50キロ四方を見聞きできる能力を持っている  
のだ。すぐに相手を簡単に見つける。…外国人の男だった。  
「よぉ、待ってたぜ」  
 男は女と肩を組んだ。  
「時間が惜しい…行こうか」  
 女はただ黙って男に伴われて歩く。  
 
 駅に程近い連れこみホテルがひしめき合う界隈にふたりは足を進めた。夜  
のけばけばしいネオンは消えどこか閑散とはしているが明るい昼間でもどこ  
か猥雑な雰囲気を持っている。  
「ここでいいか…」  
 迷う様子もなく男はとあるホテルに当たりをつけ女に視線を向けた。肩を  
抱かれた女は無言でうつむく。ふたりは足早にホテルの中に消えていった…。  
 
「…脱げよ」  
 男は女を促す。男はすでに全裸になりベッドに横たわっている。ヘビース  
モーカーらしく待っていましたとばかりにタバコを加えていた。女は返事を  
しない。  
「奴は…ジョーはまだ気付いていないんだろう…アルヌール」  
 ドアの前で立ち尽くす女を見やり静かに笑いながらハインリヒがつぶやい  
た。女が目を見開く。  
「ええ、ハインリヒ…彼は何も…」  
 ふたりはお互いに相手の姓で呼び合っている。  
 
「はやく脱げ…こっちに来い」  
 ハインリヒと呼ばれた男が変装したままのアルヌールに命令する。冷たく笑う。  
「…奴もまさか俺が日本に来る度にお前を抱いているとは思っていないだろう」  
 意を決したようにふうと呼吸を整えて女が部屋の奥に進む。ベッドの傍に置かれ  
た応接のテーブルに荷物を置いた。帽子、カツラ、サングラスをゆっくりとその身  
から外す。無言で身につけていた服を脱いだ。ブラウスとスカートを丹念に形を整  
えてハンガーに掛ける。安っぽい備え付けのロッカーに静かに入れる。  
「着衣の乱れには一番気を使うのか」  
 男の嘲笑にも女は動じない。返事もせず鮮やかな赤いランジェリー姿でベッドの  
脇に腰掛ける。男が上半身を起こした。屈強な男の体は生身の肉体を持たずひとめ  
で異質な素材であることがわかる。男は女を掻き抱くと勢い良くベッドに倒れ込む。  
「はははは…」  
 男が勝ち誇った笑いを上げた。それでも女は黙っている。  
「奴も気の毒なこった。てめぇが生死の境目をさまよっている時にお前を手篭めにさ  
れちまうとはなぁ」  
「…ううっ…」  
 押し倒された女が小さく呻き声を洩らした。  
「ま、俺の予想に反してお前達がすでにヤっちまってたのが意外だったが」  
 男の手が乱暴に赤いブラジャーをずり上げる。若い女の乳房がプルンと揺れて  
その姿をあらわす。男が乱暴に女の乳房を揉みしだく。…右手はマシンガンの銃  
身となっていた。冷たい鋼鉄の掌に感触に女は体を強張らせる。  
「ひっ…」  
 怯えた女の声に男が顔を上げてニヤリとした。  
「お前俺と何回ヤった…何回ヤってもココロを開かないんだな…カラダはカンジ  
まくるのによぉ」  
 女は瞳を潤ませながら首を左右に振った。  
 
 女の上に圧し掛かった男は乱暴に胸を引き掴む。苦痛に女が顔を歪ませる。  
「いっ…痛いわ…やめて…そ、それにこのままだとストッキングが破れてしまう…」  
 女の若い体は白くはきちれんばかりに身が引き締まっている。くびれた腰には赤  
いガーターベルトがまかれていた。まだ両足にストッキングを身に付けている。同  
じデザインの赤いレースの飾られたショーツが白い肌に映える。健康的な白い肌の  
色に対し赤いレースの下着はひどく淫らに感じられた。  
 男がチッと舌打ちして見せた。女から飛びのく。ヘツドボードにのせたタバコを  
咥え火を付けた。  
「ったく女ってのはどうしてそんなややこしいの身に付けるんだ。待ってやるから自  
分で全部脱げよ。俺の両手じゃ破れてしまうぞ」  
 空いた左手を女に示す。男の左手は鋭いナイフになっているのだ。  
 女が上体を起こしてベッドに腰掛ける。ずり上げられたブラジャーのホックを外し  
た。応接のソファに投げ出す。ガーターベルトのサスペンダーからストッキングを外  
す。ゆっくりと両足を引き抜く。男が急かす。  
「早くしろ」  
 女は答えない。ソファにストッキングを投げ込むと今度は腰を浮かせてショーツを  
脱いだ。下着を身に付ける順番を実は男も知らなかった。ガーターベルトを身に付け  
てから女は大事な部分の下着をはくものなのだ…脱ぐときは逆になる。  
(ヒルダは持っていなかった…物資不足だったんだな。苦労ばかりさせた…)  
 男にとって唯一のかけがえのない女性はもうすでにこの世にいない…。目の前に華  
奢で白い背中を向けている女は…心を未だに許していない。  
 一糸纏わぬ全裸となった女の肩が震えている。か細い声が漏れた。  
「…もう…イヤ…」  
 
「ハインリヒ、こんなことして…あなた楽しい?」  
 女が振り向き男を睨む。涙が滲んでいた。  
「…メンテナンスの度に、日本に来て、遊びに出てくるといって研究所を留守にして  
はこうやってアタシと外でコソコソ会って…」  
 悪びれた様子もなく淡々と男は答えた。  
「…楽しいさ」  
 男はタバコの煙を吐き出す。灰皿にタバコをねじ込んだ。  
「他の男の女を寝取るほど楽しいことはない。日本に来る唯一の楽しみだ」  
 男は乱暴に女の腕を取り抱き寄せる。女は抵抗する。  
「んんんっ!いやっ!」  
 暴れる女を簡単に押し倒す。両手首を片手でねじ掴むと女の頭上でベッドに押し  
付けた。体重をかけて女の両足に割って入る。それでも女は身をくねらせて虚しく  
足掻きを続ける。  
「俺と奴…仲間でも機械が一番多く組み込まれいるふたりなのに奴はなんで見かけは  
普通なんだ?博士はフェアじゃない。俺を見てみろ…俺のカラダはまるでロボット  
だ!この手だってそうだ!」  
 硬い銃身の指を女の秘密の割れ目に潜りこませる。激痛に女が絶叫した。  
「アアッ!アアアアアーッ!イッ!イヤアッ!イヤアアアアーッ!」  
 
「お前はマゾだよ…もう濡れてきやがった。こんなもん突っ込まれて感じてやがる」  
 男は自嘲地味に笑う。冷たく硬い鋼鉄でできた指が女の柔らかい肉壁の中をえぐ  
る。程なくして粘度を持った生暖かい液体が男の指に絡んできた。女の喘ぎ声とは  
別にびちゃびちゃと水の撥ねる音が部屋に漏れ始める。  
「いや…いや…ああっ…」  
 女は苦痛に顔を歪ませている。男が女の中で動かしている指に力を込めた。  
「ここは生身だから痛いか…オモチャで弄ばれるようなもんだ。俺とは変態プレイの  
ほうがイイんだろ」  
「あうっ!…ど、どうして…こんな…ひどい…」  
「…ひどい?俺は優しくないか?当然だろう。元はといえばお前のせいだ。この俺を  
道化扱いしやがった。俺だって…」  
「あああっ!!」  
 男が女の両足を押し開く。女は男の腕を掴むが状況は変わらない。女の足をくの  
字に曲げて両脇で抱えると一気に挿入する。女が喉を反らせて悲痛な悲鳴を上げた。  
 男は女に構わず腰を揺する。男根は易々と女の中に入っていく。  
「アッ…アァッ…アッ…アッ…」  
 女のあげる声には苦悶の響きがあった。男は女と繋がるとさらに激しく腰を突き  
動かす。大きな女の乳房がぷるぷると揺れた。  
「…それともあの時奴が死んでいたら…素直に俺に抱かれたか?仕方なくあきらめ  
て俺のものになったのか?」  
 男の動きに喘ぐだけで女は何も答えない。  
「…お前を初めて抱いたときは最高だったよ。今思い出しても身震いするね。皮膚が  
被されていなくて機械が剥き出しになった奴の前で!」  
 男に刺し貫かれたままで弾かれたように女が叫ぶ。  
「イヤッ…イヤアアアーッ!」  
 
「奴とジェット…イワンが大気圏からテレポートさせたとはいえ全身大ヤケドで重  
症だった…博士はそれこそ不眠不休でふたりの面倒を見たな。頼りのイワンは力を  
使い果たしてのびちまってた」  
 男は体側に抱えた女の両足を伸ばすと自らの両肩にそれぞれのせる。腰を動かす  
度に女と繋がっている部分からヌチェヌチャと肉と肉が擦れ合う音がする。女は  
唇をきつく閉じていた。それでも口元からは小さな呻き声が洩れている。  
「仲間で皆で破壊された研究所を建て直して、博士をサポートして…お前も必死で  
看病したよな」  
 男が冷たく笑った。  
「俺はお前とふたりきりになる機会をずっと伺っていた…博士がいよいよ皮膚のコ  
ーティング手術に取りかかるってんで休んでもらって…俺とお前がまだのびてるふ  
たりの看護について…くっ…!」  
「!アアッ…イヤッ!アッ!」  
 男が激しく腰を動かし何度も突く。女が仰け反る。男がニヤリとする。  
「お前はいやだといつも叫ぶよな…最初も泣き叫んでいた…でもよぉ、ふん!」  
「あひいっ!」  
「マシンガンの銃身をてめぇにぶち込んでみたらすぐに汁を垂れ流してきやがった!」  
「アアーッアアッ!」   
「おまけに処女ではないときてる…奴とはとっくの昔に済ませてたってワケだ。そ  
れともまた別に初体験の相手がいたのか?」  
「イヤッ…アアッ!イヤッ!」  
 男の息も荒くなっていた。突然女から身を離す。未だ硬直しそそり立った肉棒を  
引き抜く。宙に女の透明な液体が糸を引いて漂った。すかさず女の腰を掴み、後ろ  
向きにさせると乱暴に突き倒す。膝立ちに優美な曲線を描いた女の尻が男の前に晒  
された。  
 
「…お前が誰と寝ていようが興味はない」  
「アアアッ…イヤッ!」  
 女の悲鳴にひるむこともなく男は女の尻を掴むと自分の腹に引き寄せる。  
「俺はお前とヤレたらいいんだよ…」  
 男は男根を女に突き立てる。腰をグラインドさせて女の奥に侵入していく。  
「アァァァァァーッ!アッ…アアッ!」  
 女が断末魔の叫びを上げた。グチュウッ…女の体の中から行き場を失った空気  
が押し出され音を立てる。陰茎は根元まで女に差し込まれ、男と繋がっている女  
の肉の穴の際からはてらてらと粘液が溢れ絡み付いていた。  
「ほらな…今日もずいぶん景気がいいぞぉ。クチュクチュ音が聞こえるだろう」  
 男が笑いを噛み殺してつぶやく。さらに女を貶める。  
「意識のない奴が横になってたカプセルに押し付けられて…俺に犯された時はどう  
だった?スカートをめくられて、パンティを足に引っ掛けたままで後ろから突っ  
込まれた時は感じたのか…どのくらい興奮したんだあっ?ご無沙汰だったんだろ  
う…あの時もヌレヌレで具合は最高だった…」  
 男が鋼鉄のカラダを女の尻に勢い良く打ち付ける。その冷たい感触に女の背に悪  
寒が走った。  
「うっ…イヤッ!…もう、アアッ!もう…やっ!やめてっ!イヤよぉぉぉッ!」  
 女は首を左右に激しく振る。女の体の子宮の入り口にまで男が何度も到達する。  
男が動く度に凄まじい激痛が体の中から広がった。女はベッドのシーツを握り締  
め、爪を食いこませた。男が高らかに笑う。  
「やめるもんか…お前は俺から逃げられはしない…」  
 
「ははは…逃げられるもんか…俺達はこの世にたった九人しか存在しない“仲間”  
なんだからな。余程の事がなければ皆おっ死ぬこともない。ククク…道具は持って  
きたか?」  
 女と繋がったまま男が声をかける。男の動きは鋭く女へのいたわりは微塵も感  
じられない。思いのままに腰を前後左右に揺すり、弧を描き女を激しく突きたてる。  
「あっああっ…バッ…グの中アッ!アァッッ!」  
 女は喘ぎ男に突かれる度ただ身をくねらせている。白い背中に亜麻色の髪が振り  
乱れ、まるで実りの季節を迎えた麦畑が風に吹かれて波立っているようだった。  
「ようし…」  
 男は女の中に分身を突き入れたまま動きを止めた。上半身をベッドから伸ばす。  
応接のソファに置かれた女のバッグを掴むとベッドの上に投げ込んだ。ファスナー  
を強引にこじ開ける。男が中身を見てほくそえんだ。  
「どうやって手に入れたんだ…こんなもの。ええ?」  
「…通信販売…うゥゥ」  
「とんでもないもの研究所に届けさせるなぁ、お前も…これがいい。西欧中世風か」  
 男は木製の手枷を取り出した。女の両手首を掴むと後ろ手に手枷をはめる。  
「やあぁぁぁぁッ!」  
「こんなオモチャ、本気を出せばお前にだってすぐに壊せるだろう…ただの余興だ」  
 男は再び腰を動かす。両手で女の尻の膨らみを引き掴んだ。両手の指は谷間に潜  
りこませた。すぐに菊の花を思わせる肉のすぼまりを捉える。  
「イヤッ!イヤアアアアーッ!」  
 女が暴れた。しかし抵抗しても男を払いのけることは不可能だった。  
「なんでもかんでもイヤがればいいってもんじゃないぞ…ほらよぉ」  
「ヒイイイイイイイッ!」  
 男は女のアヌスのヒダを押し開くと、冷たい鋼鉄の指を差し込み掻き回した。  
 
 苦悶に満ちた悲鳴を女は部屋に響かせる。身体中から汗を吹きこぼしながら  
うめく。  
「うううっ…アアア…アアッ…ハ、ハインリヒ…そんなに…そんなにア、アタシが  
…憎いの…」  
 男の女を虐げる動きがはたと止んだ。女は尻を男に突きだし、男とつながった  
ままで肩をベッドのマットに押し沈めている。荒く息をする。  
「ア…タシが、憎くて…こんなことをするの…」  
 男は黙っている。女の苦悶に満ちた喘ぎ声が部屋にこもる。しばらくして男が  
舌打ちをしてみせた。  
「…小娘が」  
 小さく呟くと再び女の身体を攻めたてる。刺し貫いた女の二つの穴を弄ぶ。  
「アアアッ!アッ!ああッン!ヤアッんっ!」  
「俺の相手ができるのはお前しかいないだろう…それだけだ。憎んでなんかいない  
…でも愛しちゃいない。もっとも俺は命がけでお前を守る気でいた時期もあったが  
ね。可愛さあまって憎さなんとかってヤツか」  
 女を激しく突きたてながら男は冷たく言い放つ。女はただ声をあげることしか  
できない。官能とは程遠い恥辱にまみれた悲しい悲鳴をただあげる。  
 女の白い背に後ろ手にはめられた木製の手枷が鎮座している。肉体にはめられた  
異質なそれは存在感があり華奢な女の身体には圧迫感があり痛々しかった。だが男  
は女を気遣わない。俺の身体は生身の肉体より無機質の素材のほうが大部分を占め  
ている!手枷に親近感を覚えた。女が全裸でいるよりも拘束されていることにたま  
らなく興奮できた。  
「俺は生身のトコもそうじゃないトコもお前が気に入ってるんだ」  
 男が腰を突き動かすピッチを上げていく。さらに直腸の中の指を大きくこねくり  
回す。女の喘ぐ間隔が狭まっていく。  
「心配するな…子供なんかいらねーよ。いつもどおり外で出してやる…いくぞ!」  
 
 男は吐き捨てるように呟くと、女のアヌスを貫いていた指を乱暴に引き抜く。両  
手で女の腰を抱え込み勢い良く腰を大きく振り動かした。  
「アアッ…アアーンッ!アアッアアッ…アッアッ…アゥッンッ…」  
 女は男に突かれる度に切ない声を漏らした。苦痛に喘ぐ悲しい響き。男は満面の  
笑みを浮かべさらに激しく女の身体の奥へ己を突き入れる。孤を描き螺旋状にねじ  
込んでいく。  
「うっ…うれしいか…そ、外に出されるのが…ええ?こんなに締め付けやがってよお  
っ!安心したのかっ…ええっ!?」  
 男も息を弾ませながら女を罵倒する。分身が絡み付く粘度の高い女の分泌物と肉  
の壁に柔らかく纏わりつかれ快感に呼吸を乱し男も言葉が続かなくなっていた。  
「くっ…奴は…このこと…を知ったら…俺をころ…す、殺すかな…はは」  
 男はうつむいて低く笑いながら呟いた。腰の動きが止まる。女は弾かれたように背を反らせ  
て男を仰ぎ見る。女の腰をしっかりと引き寄せたまま男は呟く。  
「敵を倒すのさえためらう奴だが…お前を寝取られたとあっちゃいくら仲間とはいえ  
黙ってはいないだろう…殺すだろうな、それっ!」  
「アアアーッンッ!」  
 激痛に女が叫ぶ。男が激しく奥に己の肉欲の権化を突きたてる。  
「まあ俺だって簡単には殺されない…原爆を内蔵してるんだ…死ぬときは奴も道連れだ  
…ありがたくない道連れだがな。あの世でも奴のツラ拝まなくちゃいけねぇ…ふん…  
ふんっ!」  
 男は掛け声とともに女の尻に鋼鉄で装甲された腹を打ち付ける。腰の動きを加速さ  
せていく。  
「アアーッ…アアッアア…イヤッ!」  
 女の否定の叫びは今自分に加えられている行為への否定なのか、男の言葉への  
否定なのか…肉欲に支配された男には判断がつきかねた。  
「ははは…お前は俺に抱かれるしかないんだよおっ!奴を失いたくなければなあっ!  
お互いこの機械が入ったバケモノの身体がぶっ壊れちまでなあ!」  
「いやあああああああああああああああああっ!」  
 
「うおぉぉ…うおおおおぉぉぉぉぉっ!」  
 男は女を思うさま陵辱し尽くして果てた。獣のように咆哮する。勢い良く屹立し  
たままの分身を引き抜く。すぐさま先端から白濁した肉欲の権化が飛び散った。そ  
れは熱を帯び異臭を放ちながら女の白い背中に、木製の手枷をはめられた両手にだ  
らだらと滴り落ちる。  
「アアアッ!…ううぅぅ…ううっ…」  
 女はへなへなと力なく前に突っ伏した。肩を震わせながらベッドのマットに顔を  
沈める。くぐもった泣き声が辺りに漏れる。  
「なんだ…中には漏れちゃいない…今回も大成功だ。なんで泣く…」  
 男の嘲りの感情を含んだ問いに女は答えない。男はやれやれと首を振りながらタ  
バコとライターをヘッドボードから取り、裸のままソファに腰掛けた。タバコに火  
をつけ、ゆっくりと口にくわえる。  
「いつもどおりここからは別々に出よう…次のことは研究所で決める」  
 女は顔を上げずうつ伏せのままただむせび泣いている。男は舌打ちした。不思議  
だった…裸で泣き崩れる女を目の前にしても罪悪感のカケラもない。己の精液にま  
みれた女を見ると征服欲が満たされて実に心地よい。けだるい体の疲れに喪失感よ  
りも達成感が沸き起こっていた。男は静かに笑うと立ちあがった。  
「…このことは俺とお前だけの秘密だ。ずっとなー」  
 女は男の言葉に反応しない。  
「秘密にしてるのがいちばんさ。お互いにな…先にシャワー浴びるぞ」  
 吐き捨てるように女に言葉を投げかけると男は浴室に向かった。  
 
 
 

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