その夜、ギルモア研究所に1人の賊が押し入った。その男はフランソワーズの腹部にピストルを押し付 
け唇を奪っていた。  
「止めて下さい、イワンが・・・赤ん坊が寝ているんです・・・ウグッ」  
「スカール様の仇だ!今日はお前と赤ん坊しかいないことは分っているんだ。騒いでも無駄だ」  
男が髪の毛を引っ張りベッドルームへ連れて行こうとした。その時、カチューシャが弾け飛んだ。  
男はベッドルームにフランソワーズを入れると、その足でドアを閉め、こう言い放った。  
「俺はこの研究所をずっと見張っていた・・・そしてアンタを必ず抱くと誓ったんだ」  
男の平手打ちが飛んできた。  
「キャーッ。」  
男は冷酷な声でこう言った  
「脱げ・・・嫌なら殺す」  
もう一発平手打ちが飛んできた。  
「脱ぐか・・・はいと言え!」  
フランソワーズは消えるような、か細い声で  
「はい」  
と返事をした。  
ワンピーズを脱ごうした時男の手が、ワン・ピースを裾まで引き裂いた。  
「!」  
「じれったいな手伝ってやるよ」  
 絹らしい上等そうな生地が悲鳴を上げた。衣服としての用をなさなくなったワン・ピースの下から、 
清潔そうな肌色のブラジャーとパンティに包まれただけの肢体が覗き、それを見た男の表情に、獣の欲 
望を尚一層色濃く浮かび上がらせた。  
「………」  
 恐怖と怒りに彩られたフランソワーズの顔に、絶望の色が浮上したのはその時だった。  
 そして、自分が大切にしていた何かを撃ち砕かれる事を察した。絶望の黒雲が、フランソワーズの心 
に湧き起こり、四肢の力を奪いさった。  
せせら笑いながら男はさらに下着を脱がせにかかった。  
「…おお、これは…」  
 
ブラジャーが紐を引きちぎられて乱暴に外されると、包まれていた乳房がプルンと弾みながらその姿を 
覗かせた。それを見た男は感嘆の声を上げた。  
そして、むしゃぶりつくように乳房を吸った。指が、フランソワーズの乳首から離れ、同時に男の身体 
が、床に押さえつけられたフランソワーズの下半身に下りて行った。  
予測は当然すぎるほど的中し、男は最後に残ったパンティーを引き裂いた。  
秘裂に隠された性器が、男の目に晒された。  
「それほど男を咥えこんではいないらしいな。009とは何回ヤッたんだ?」  
「………」  
男は改めてフランソワーズにのしかかり、腰を動かして位置を確かめ、一気に挿入した。  
「んん!」  
 凶悪な肉の牙が、フランソワーズの秘裂に深々と突き刺さった。巨大な肉棒が膣壁を無理やり押し広げ 
る激痛に、フランソワーズは身体全体が真っ二つに引き裂かれるのでは無いかという恐怖さえ感じていた。  
「う、うあ、ああ、あ、い、いいな…」  
 何のいたわりも感じられない痛烈なピストン運動が、フランソワーズの膣内でしつように続いた。 
下半身を襲うやるせない痛みに、フランソワーズはただ歯をくいしばって耐えるしか無かった。  
 どれほどの時間が経ったのか、フランソワーズには分からなかった。だが、自分の下腹部に加えられ 
るピストン運動が、一段と激しくなり、それが果てしなく続くのではないかと思えた時、不意に男の動 
きが止った。  
「うぐっく、くく…」  
 顔をしかめ、全身をビクビクを震わせつつ、男はフランソワーズの膣内で射精した。  
「…ふうう…」  
 男は至福の表情を浮かべ、ようやくフランソワーズから身体を離した。  
「・・・ふふふ、アンタは今日から俺のセックスの奴隷だ」  
男は着替えを済ますと、何やら紙切れのような物をベットの上に放り投げた。  
そして、何事もなかったように部屋を出て行った。  
 
「博士、フランソワーズは?」  
ジョーが聞いた。  
「いや、なんでも急に用事が出来たとか言って街へ出かけたが・・・」  
ギルモアが答える。  
「そうですか・・・イワンを置いてですか・・・珍しいな」  
 
フランソワーズは紙切れに書いてあった住所のマンションのホーンを押していた。  
「やっぱり来たか・・・入れ」  
男は嬉しそうに言った。  
「アンタの体はもう俺を忘れられない筈だ・・・脱げ」  
フランソワーズは言われた通りコートとワンピースを脱ぎ下着だけになった。  
男はいきなり抱きついた。その時フランソワーズの目に隣のビルの屋上で洗濯物を干す女の姿が目に入った。  
「カーテンを閉めて下さい。人に見られてしまいます」  
「かまわん!」  
「お願いです」  
「じゃあ這うんだ・・・はいと言え!」  
「はい」  
フランソワーズは言われた通り四つんばいに這った。  
それを見た男は獣のようにバックから責め始めた。  
フランソワーズは自分がもう戻れない所まで来ているのが今、改めて分ったのであった。  
 
フランソワーズの兄ジャンはフランス空軍の若きパイロットである。今は基地に泊り込みで任務についている。  
今日は、その兄が久しぶりに休暇を取り、妹であるフランソワーズのところに帰ってきた。  
二人が家路に着いたのはもう深夜だった。  
「フランソワーズ、先にシャワーを浴びるといいよ」  
「兄さんこそ、疲れているんでしょ。早く浴びたら」  
「いいや君が先でいいよ。君こそ日本から帰ってきたばかりで疲れているんだろ」  
「じゃあそうするわ」  
フランソワーズはバスルームに入ると着ているもの脱ぎ、熱いシャワーのコックを捻った。  
しばらくすると、なんとジャンが裸でバスルームに入ってきたではないか。  
「兄さん!何か探し物」 
フランソワーズはジャンがバスルームに何か探し物でもしにきたのかと思い小さな叫び声をあげた。  
「一緒に入ろう。君の裸が見たい」  
そんなフランソワーズの声を無視するかのようにジャンは呟いた。そして、フランソワーズの乳房と 
秘部を必死に隠している手を掴みあげると同時にキスをした。  
「君があの日本人にいやらしいことをされていると思うと僕はたまらないんだ」  
「ジョーは、そんな事しないわ」  
「嘘をつけ!」  
「本当よ!」  
「じゃあ、僕の言う通りにするんだ。わかったね」  
 
フランソワーズは生まれて初めて見せる兄の暴力的な態度と言葉に大きな戸惑いを覚えたが不思議な力 
のようなものを感じ反抗する力も失っていた。  
ジャンはお湯を張ってあったバスタブに、キューブを落とした。薔薇の香りがおバス中に広がる。  
「薔薇風呂だよ。いいだろ、たまには」  
シャワーをざっと浴びてから温度を調節した湯船に足を踏み入れた。薄紅色の  
お湯は、まるでワインを張ったように見える。二人で入るとさすがに狭い。た。湯船に浸かったフラン 
ソワーズをジャンが後ろから抱きすくめるようにした。ジャンの開いた脚の間にフランソワーズの身体 
を置いているような感じになった。  
ピシャン、と一滴、蛇口からしずくが滴り落ちる。  
しばらくく二人は無言だった。  
ややあってから、ジャンは言った。  
「もっと寄りかかってもいいよ」  
「……」  
湯気に当てられてのぼせてしまいそうだった。ただでさえ心臓がどきどきしてるのに。  
「どうした?緊張してるのか?」  
身体が強張っているのが分かるのだろう。ジャンは後ろからフランソワーズの顔を覗き込むようにして訊いた。  
「……だって、こんなの初めてなんだもの」  
「じゃあシャワーを浴びようか・・・身体を洗ってあげるよ」  
二人でシャワーを浴びたままジャンはフランソワーズの唇に唇を押し当てた。少し長めのキス。  
キスしたまま、その手で胸をまさぐった。  
「あ……」  
「君って身体の割に、胸、大きいね。着痩せするタイプなんだって、脱がせてみてはじめて分かった」  
そう言いながら、親指を使ってその先端を弄んだ。見る見るうちに尖ってジャンの指を押し戻そうとする。  
「……いやらしいわ」  
「当たり前だろ、男なんだから。男がえっちでなくなったら、男じゃなくなっちまう」  
 
ジャンは再びバスの中へフランソワーズを導いた。  
身体を少し浮かせて、湯船の上に突き出た左の乳首にそっと口を寄せた。舌を這わせると、ぞくぞくと 
中に快感の波が走る。  
大きく息をついて顎を上に向ける。吐息はバスキューブの香気とともに窓の擦りガラスに吸い取られ、 
冷やされてあっという間に水滴に変わる。ぽちゃん、と水が滴り落ちる音が近くに聞こえる。  
「柔らかいよな、女のひとの身体って」  
胸から舌を離し、ウエストに手を添えるようにしてフランソワーズ抱きながら、ジャンは言った。  
「僕と全然違う」  
盛り上がった筋肉のあたりを右の指でなぞる。水滴が滑らかに肌の表面を覆っている。  
「君が欲しいいんだ。僕はもうこんなになってるだろ」  
肉芯ををフランソワーズに触らせながら耳元で囁いた。  
「君どうなんだ。見せてみろよ」  
両膝をついてジャンの方へ寄りかかるようにしてるフランソワーズの股の間にそうっと手を差し込んだ。  
柔らかい海草のように陰毛がなびいて視線を遮っている。ジャンはたくみにそれをかいくぐってフラン 
ソワーズの奥に辿りついた。  
びくっと身体が震えてしまう。  
「……濡れてるよ。すごく」  
「うん……」  
ジャンにまさぐられるまま、フランソワーズは腰を浮かせてバスタブの縁に手をついた。 
声上げないように必死に指使いに耐える。  
気持ちよすぎて、どうにかなってしまいそうだった。  
「君のここが一番好きなんだ。ぶち込んでやる」  
「だめ。言わないで」  
フランソワーズはたまらずジャンを遮った。口を塞いだ。  
舌と舌を絡ませて唾液を吸いあった。口づけが激しくなるに従って、二人の身体を包むお湯が揺れて、 
縁に当たって弾ける音が高くなる。  
 
フランソワーズは唇を離して、ジャンの肩に腕を回してぎゅっと抱きついた。 
胸板に当たって胸がぐにゃりとつぶれる。  
フランソワーズはジャンの耳に囁きかけた。  
「もう何も言わないで。抱いて」  
「……いいよ」  
そう言ってジャンは自分の上にフランソワーズを跨がせた。ジャンに導かれるまま、フランソワーズは 
ジャンの真ん中にそろそろと体重をかけていった。  
自分の中がいっぱいに満たされていくのが分かる。同時に鋭い快感が一気にフランソワーズの大事な部 
分から、脳天めがけて駆け上がる。  
思わず、声を上げた。それは自分が予想していたのより大きく反響してバスル―ムのドアや窓を震わせた。  
ジャンは大きく腰を使ってフランソワーズを突き上げた。お湯が溢れる。顔に飛沫が当たる。  
気がつくと、もう湯船に張ったお湯が半分までなくなっている。自分たちのあられもない格好よりも、 
そのお湯の量の減り具合にたまらなく興奮する。  
「なんか、変だわ。私達・・・」  
切れ切れになりながらそう言った。  
「立って、向こうを向いてごらん」  
ジャンはフランソワーズを立たせて、バスルームの壁に両手をつかせた。濡れそぼった髪の毛先からし 
ずくが滴り落ちる。ジャンはそれを優しく掻き上げて整えてくれる。  
目の前に無防備にさらしたフランソワーズの背中を抱くようにして、立ったまま、後ろから身体を重ね 
てきた。息を呑んだ。  
「いや!そんなの無理よ」  
「大丈夫、力を抜いて」  
「―――あ……」  
立位のまま、強引に挿入された。  
「―――す、素敵だ!フランソワーズ。僕は誰にも君を渡さない・・・・」  
ジャンの声がバスルームに響き渡った。  
 

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