傷ついた古代王国期の魔法使いジェイナスの世話をみているうちに、次第に心惹かれて  
いく様になってしまったティオシー。ある日ティオシーは偶然にジェイナスの部屋の前を  
通りかかると、ジェイナスは見知らぬ美しい女性と抱き合っているのを見てしまう。  
 
(ベッドシーン)  
 
そのことをリュース達に告げられず、思い悩むティオシー。濡場を覗き見た事だけは伏せながら、  
ジェイナスに「部外者を招きいれているのではないか?」と問い詰めると、ジェイナスは  
彼女はかつて作り出したホムンクルスの一人だと答える。しかし人形であるはずの彼女へ向けられる、  
ジェイナスの異常なまでの思いやりと熱い視線に、ティオシーの心は千々に乱れる。  
 
 思い余ったティオシーはジェイナスの留守を見計らって、このホムンクルスを封印すべく  
こっそり連れ出そうとする。  
しかし、その現場をジェイナスに見つかってしまう。  
 
「こんな・・、こんなものがあるから・・!  
 封印させてください。彼女がいなくても、私が・・、いえ、私たちがいるじゃありませんか!!」  
 
ジェイナスに想いをよせるティオシーは、涙ながらに訴える。  
しかし応えるジェイナスも普段の冷静なジェイナスと違っていた。  
 
「だめだ!彼女は・・、彼女だけは・・!   
  ・・もう二度と彼女を失いたくはないんだ!!」  
「どうして? あなたにとって、このホムンクルスは一体・・?」  
 
ティオシーはジェイナスに、このホムンクルスについて問いかける。  
一瞬、口を閉ざそうとしたジェイナスだが、獣の民が人の心を読むと思い込んでいる  
ジェイナスは諦めたように重い口を開く。  
 
「彼女は・・、この人は私がかつて愛した女性なのです。  
 彼女は、とある魔法実験の暴走によりこの世を去ってしまった。私もその時、その場に居たが  
 私は彼女を救うことが出来なかった・・。だから・・」  
 
そういったきり、ジェイナスは口をつぐんでしまう。  
 
その沈黙にティオシーも反論できずにいたが、ついに思い切って口にする。  
 
「・・私では、だめでしょうか。私では役不足かも知れませんが、貴方には過去ではなく  
 今を見て欲しい・・。今の私を見て欲しい・・。 私たち、いえ、私と共に生きていって欲しい。  
 そのために私にできることがあるのならば・・!」  
 
そういってジェイナスの胸元に飛び込んでいくティオシー。  
躊躇したジェイナスであったが、ためらいながらもティオシーを抱きしめるジェイナス。  
顔を上げジェイナスを見上げるティオシー。軽くその涙を拭いてやり、ジェイナスは  
静かにティオシーと唇を重ねる。  
 
 
ジェイナスの胸に抱かれ喜びに打ち震えるティオシーであったが、その期待に反して  
ジェイナスは優しくティオシーを引き離す。  
 
「分かりました。彼女は私が解放します。もう貴女を悩ませることはありません」  
 
ティオシーに笑顔でそう告げると、ジェイナスはホムンクルスに歩み寄ると、  
その胸元に嵌め込まれた水晶を外す。ホムンクルスは足元から霧となって次第に消えていく。  
 
彼女は最後に寂しそうな笑顔をジェイナスに向けたように、ティオシーには見えた。  
 
「・・あ、あの・」  
 
しばしの沈黙の後、ティオシーが恐る恐る声をかける。  
 
「すみません。しばらく一人にしてくれませんか・・。」  
 
みなまで言わせず、ジェイナスはティオシーに答える。表情は笑顔を作っているが、  
その瞳は反論を許さない強い意志を感じさせた。  
 
「・・分かりました。あの・・、ありがとうございます。私はいつでも貴方の  
 ために力になりますから・・。」  
 
ティオシーはジェイナスを励まそうと声をかけるが返事はない。  
後ろ髪を引かれる思いでティオシーは部屋を後にする。  
 
 
ティオシーが去り、ガランとした部屋に一人きりになったジェイナスはゆっくりと  
握り締めた水晶を見つめる。万感の想いを込めて手のひらの水晶を見つめる。  
最後に水晶に向かい、一人つぶやく。  
 
「さよなら・・・・。姉さん・・」  
 

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