目が覚めると、冥加は椅子に縛りつけられていた。  
「!!? なんだこれは!?」  
ぼやけていた意識が一気に覚醒する。  
冥加の両手足は造りの立派な椅子にビニールテープで固定されていた。  
よほど厳重に巻いてあるらしく、脱出しようと暴れてみてもビクともしない。  
周囲を見回してみると、重々しいデザインの家具が整然と飾られた、自宅マンションのリビングルームである  
ことがわかった。  
その過ごし慣れた空間で、なにゆえ自分は椅子なんぞに縛りつけられているのか・・・  
混乱する冥加の目の前で、隣の部屋へ続く扉が開いた。  
「あ、目が覚めたんですね、冥加さん」  
「貴様は・・・小日向かなで!」  
現れたのは、冥加にとって不倶戴天の敵であり、また友人以上恋人未満の微妙な関係をここ数ヶ月の間続けて  
いるかなでだった。  
冥加が椅子に束縛されているという異常事態にも動揺した様子はなく、かなではニコニコと微笑みながら近付  
いてくる。  
その変わらない笑顔で、冥加はこの状況を作り出した犯人が彼女であることを悟った。  
「貴様、これはいったいどういうつもりだ?遊びのつもりなら悪趣味にも程があるぞ」  
「どういうつもり、は冥加さんの方ですよ」  
かなでは動けない冥加の両頬に手のひらを当てて顔を近付けると、そのまま膝の上に跨った。  
突然のかなでの行動に冥加は驚くが、やはり身じろぎすら満足にできない。  
膝に跨り、ぴったりと体を密着させて、かなでは冥加の首筋をそっと撫でる。  
その指で、ゆっくりと冥加の上着のボタンを外し始めた。  
「な・・・!貴様、何をする!」  
「動けないでしょう?腕も足もぐるぐる巻きにしてますから。ビニールテープってなかなか切れないんですよ。  
 だから冥加さんはもう抵抗できません。諦めてください」  
「・・・貴様は何がしたい?こんなことをして、何か意味があるとは思えんな」  
「意味ならありますよ。私、もう待ってるだけは嫌なんです」  
最後のボタンを外し終えて、現れた素肌の胸板にかなでは滑るように指を這わせた。  
ぞわぞわとくすぐったい感覚が冥加の背筋を走り、思わず顔をしかめる。  
「冥加さん、私、あなたのことが好きです。あなたの恋人になりたいんです」  
「何を言うかと思えば・・・くだらんな。  
 俺と貴様は終生のライバル同士。恋人などという甘ったるい関係ではない」  
「・・・あなたがそんなだから・・・私はこうするしかないんです・・・!」  
泣き叫ぶように言って、かなでは冥加の露出した首筋に噛みついた。  
鋭い痛みが走り、冥加は眉を寄せる。  
かなでの唇が吸いついた場所には、生々しい赤い鬱血痕が残っていた。  
「ニアが言ってました。  
 冥加さん相手だったら待ってるだけじゃダメだって。  
 先に進みたいなら、いっそのこと無理矢理にでも既成事実を作ってしまえって」  
「あ、あの女・・・他人事と思って勝手なことを・・・!」  
「それに、枝織ちゃんも協力してくれました。  
 冥加さんに睡眠薬を盛ってくれたの、枝織ちゃんです」  
「枝織ぃいいッ!貴様、実の兄を売るとはどういうつもりだ!!」  
かなでは冥加の叫びなどまるっと無視して膝の間にしゃがみ込むと、ベルトを外しにかかった。  
どうにか戒めを解こうと冥加は力を込めるが、何重にも巻かれたビニールテープは微塵も緩まない。  
「暴れちゃダメですよ。大丈夫、優しくしてあげますから・・・」  
「要らん世話だ!」  
かなではどこか陶酔したような表情で冥加のベルトを外し、ズボンのジッパーに手をかけた。  
ゆっくりと焦らすようにそれを下ろしながら、うっとりと息を吐く。  
「冥加さん・・・好きです。大好きです・・・っ」  
 
浮かされたように呟きながら下着をくつろげたところで、  
「へあッ!!?」  
奇妙な声を上げて、かなでは思わず仰け反った。  
取り出した冥加の逸物は、かなでの想像を遙かに越えてご立派だった。  
「フ・・・まだ30%といったところだ」←なぜか誇らしげ  
「こ、これでですか!?」  
体格に恵まれている冥加は、その分身もまた恵まれていた。  
AV男優以上の巨根に、処女のかなでは言葉を失う。  
なにしろ彼女の記憶にある男性器と言ったら、父親の他には幼なじみの如月兄弟(5歳まで)しかない。  
「どうした?恐れをなしたか、小日向かなで。俺のモノはまだまだこんなものではないぞ。  
 貴様の中学生レベルの肉体ではこれを受けきれまい。悪いことは言わん。  
 馬鹿なことはやめて、さっさと俺を解放しろ」  
「くっ・・・こんな・・・こんなところで退くわけにはいきませんッ!」  
かなではガッシリとその巨大な逸物を鷲掴みにすると、躊躇いもなく唇を寄せた。  
「ん、ちゅ・・・っ。はぷ、ちゅぱ・・・」  
「ぐッ、貴様・・・っ、やめろと、言っているのが・・・わからんか・・・!」  
「ちゅ、ちゅ・・・ん、やめませんっ。ンは、ちゅうっ、はむ・・・っ。  
 絶対、絶対、最後まで・・・既成事実作るまで・・・やめませんから・・・っ、んぷ、ちゅうッ、ちゅっ」  
「く・・・ぁ・・・ッ」  
かなでの柔らかい手のひらが半勃ちの陰茎に絡みつき、ふっくらと可憐な唇が亀頭を啄む。  
もどかしいくらいのその優しい刺激に、冥加は思わず呻きを漏らした。  
それに気を良くしたのか、かなでは更に大胆になる。  
舌を見せつけるように伸ばし、それを陰茎の根本、睾丸の方に当てる。  
そのまま裏筋をねっとりと逆方向に舐め上げれば、さしもの冥加玲士も腰を浮かさずにはいられなかった。  
「ぁ、すご・・・またおっきくなった・・・」  
「く・・・、80%・・・!」  
「ああ、まだそんな・・・すごいです、まだ大きくなるんですね・・・」  
熱っぽい息を吐きながら、かなでは少し強めに根本を握る。  
指の腹でぐりぐりと押すように刺激しながら扱き上げ、口を大きく開けて先端部を飲み込んだ。  
冥加のモノはあまりにも大きすぎるため、かなでの小さな唇には全てを収めきれない。  
そのため口に含めるのはせいぜい亀頭部分だけだったが、そのぶん茎の部分は手のひら全体を使って熱心に  
愛撫した。  
「はむ・・・っ、ん、ちゅう・・・ッ。  
 んんっ、は・・・冥加さん、先っぽからお汁が出てきましたよ・・・?」  
「くっ、それは貴様の気のせいだ・・・!」  
「そうかなぁ?ぬるぬるのとろとろ、どんどん溢れてくるような気がするんですけど。  
 ちゅーちゅーしてあげますね?」  
「やめ・・・ッ、く、ぐ、ぅぁあ・・・っ」  
「ん、ちゅぅーっ、ちゅ、ちゅ」  
真っ赤に充血した尿道口に唇を当て、宣言通りにかなでは溢れ出る先走りを吸い始める。  
音を立てているのは、もちろんわざとだ。  
 
ライバルと認めた女に勃起した性器を見られるのも、快感に屈して出た先走りを吸い取られるのも、プライド  
の高い冥加にはとても耐えられない。  
耐えられないはずなのに、その快感は何倍にも増幅されて冥加の理性を灼いた。  
かなでの立てるぴちゃぴちゃという淫らな音が耳の穴まで犯し尽くし、歯を食いしばっても漏れ出る声を抑え  
きれない。  
「男の人が感じると、こんなふうになるんですね・・・。  
 真っ赤になって、血管が浮き出て、ビクビク震えて・・・すごい、エッチです・・・」  
「そんなにまじまじと見るな・・・!  
 くそっ、これでもう気は済んだだろう、いい加減もう放せ!」  
「ダメですよ。・・・ん、この子に私の処女、奪って貰うんですから・・・。  
 ちゅ、ちゅ・・・っ、それで・・・私の中に、いっぱい射精してもらって・・・  
 冥加さんの赤ちゃん、妊娠するんです・・・っ」  
「ちょっと待て!いろいろ飛躍し過ぎだろうがぁぁああ!!」  
冥加は叫ぶが、もちろん待てと言われて待つかなでではない。  
かなでは自身のセーラー服の前を開けると、可愛らしいリボンのついた水色のブラジャーを外して、その慎ま  
しやかな膨らみを冥加の眼前に晒した。  
「ん、と・・・私、おっぱいちっちゃいんですけど・・・」  
言う通り、それはお世辞にも立派とは言い難かった。  
谷間もない。重量感もない。  
ただ、染みひとつない真っ白な隆起に薄紅色の突起が小さく主張している様は、迫力はないがそれなりに官能  
的だった。  
見ただけで滑らかだとわかる、肌理の細かい象牙色の膨らみは小さいながらも柔らかそうで、サイズに合わせ  
て小さな乳首は触れられてもいないのにピンと勃ち上がっている。  
上向きに勃起した赤い乳首は、いかにも触れて欲しそうにふるふると震えていた。  
冥加は思わず目線を逸らす。  
「えと、確か本ではこうやって・・・ん、しょ・・・」  
かなではその慎ましい膨らみを両手で精一杯に寄せると、その間に冥加の逸物を挟み込もうとして、  
「あ、あれ? あれあれ?」  
ものの見事に失敗した。  
というか、圧倒的にボリュームが足りなかった。  
「フ・・・フハハハハハハ!! 貴様のその貧相極まりない体でそんな芸当ができるものか!  
 身の程を知るがいい!!」  
ここぞとばかりに高笑いをしながら嘲る冥加。  
こんな状況でも上から視線を忘れないその姿勢はいっそ清々しい。  
かなではフグのように頬を膨らませると、挟むことを諦める代わりに固く勃ち上がった乳首を陰茎の裏筋に宛  
てがった。  
「挟むことはできなくても、ん、こうやってぇ・・・ッ、スリスリすることは・・・できちゃうんですからっ」  
「な、なにを・・・ぅあッ」  
勃起しきった乳首はコリコリと弾力があって、それで敏感な裏筋を逆撫でに擦られるのは感覚的にも視覚的に  
も結構な快感をもたらした。  
「ん、あっ、私のおっぱい・・・気持ちいいですか?  
 コリコリが当たって・・・おちんちんビクビクして・・・悦いですか・・・ぁ?」  
「ぐ・・・っ、フ、そう言う貴様の方が・・・っ、感じているようだが・・・?」  
 
「ぁ、だ、だってぇ・・・っ。こんなの、エッチで・・・乳首、気持ちいいんだもん・・・っ。  
 ちゅ、ちゅうっ、んん・・・っ、ぷは・・・」  
小日向かなでと言えば、その印象は可憐にして純粋無垢。あどけなささえ感じさせる清廉な少女だ。  
そのかなでが、肌蹴た乳房を隆起した男根に擦りつけながら、興奮しきった面持ちで舌を伸ばし、先走りを  
啜っている。  
それは目にしただけでクラクラする、とてつもなく淫靡な光景だった。  
「ん、ふ・・・冥加さん・・・っ、みょーがさん・・・ッ」  
譫言のように冥加の名を連呼しながら、かなでは自身の左手をそっとスカートの中に忍ばせる。  
「すごい、におい・・・っ、熱くて、火傷しちゃいそう・・・。  
 冥加さんっ、冥加さんの・・・おちんちん・・・っ」  
やがて、歯を食いしばって快楽に耐える冥加の耳にも、くちゅくちゅという湿った水音が届いた。  
スカートの中でかなでが自らの秘部をまさぐっている音だということは、すぐにわかった。  
「いま・・・ぁ、準備、しますから・・・ッ。セックスの準備、しますからぁ・・・。  
 だから、くださいっ。コレくださいっ。  
 私のこと、ちゃんと・・・恋人にしてください・・・ッ」  
ねっとりと唾液を絡めた舌で雁首を舐め回し、固くなった乳頭を裏筋に擦りつけ、かなでは荒い呼吸で自慰に  
興じる。  
紅潮した頬はあどけなくも色香を放ち始め、潤んだ瞳はねだるように冥加を見上げていた。  
冥加だって、意地を張ってはいてもやはりかなでが好きだ。  
ぶっちゃけメチャクチャ好きだ。愛していると言っていい。  
そんな相手の乱れる姿を目の前にして、陰茎は100%に勃起する。  
「冥加さん、冥加さんっ、みょーがさ・・・んンッ!!」  
不意に、かなでの声が張りつめた。  
唇で雁首をギュッと締めながら、背中を丸めてビクビクと痙攣する。  
軽く達してしまったのだということは、その反応でわかった。  
プルプルと小刻みに震えていたかなでは、それが治まるまで待つと、スカートを捲り上げて膝立ちになる。  
冥加の目に晒すようにショーツをずり下ろすと、ぬらぬらといやらしく光る愛液の糸が割れ目から伸びていた。  
「ぁ・・・・あの、準備・・・できました」  
その宣言に、冥加は知らず喉を鳴らした。  
かなでが膝を上って馬乗りになるまでの間、縛られているせいで逃げることも手繰り寄せることもできず、  
ただ待つより他にない。  
くぷ・・・っ  
ぬるぬるの、にちゃにちゃの、ぷにぷにの割れ目が先端に押し当てられる。  
かなでは弄ぶように亀頭を割れ目で往復し、クリトリスを突つくように擦りつけて、小さく笑った。  
「小日向・・・ッ」  
「冥加さんの、おっきくて上手く入るかわかんないから・・・コレ、使いますね?」  
スカートのポケットから小さな瓶を取り出し、その中身を臍の辺りから垂らす。  
それはローションだった。  
粘性の高いひんやりとした液体が敏感な部分に触れて、冥加は小さく息を詰める。  
「これ、ニアに貰ったんです。お互い初めてなら、あった方がいいって。貰っておいて良かった」  
「あの女・・・余計な入れ知恵ばかりしおって・・・!」  
 
感触だけで淫らな液体が、かなでの下腹部を伝って冥加の陰茎を濡らす。  
かなでだけではなく、ニアや枝織にまで寄ってたかって犯されている気分だ。  
「じゃ・・・ホントに、入れますね・・・?」  
「待・・・ッ!!」  
ふっくらと柔らかな肉が亀頭を包み込む感覚に、冥加は上げかけた声を飲んだ。  
「ん、う・・・く・・・ぅッ」  
ギチギチと張りつめた巨大な逸物が、かなでの体重で狭い膣道を押し広げていく。  
かなでのそこは熱く、柔らかく、そしてなにより小さかった。  
押し入る方の冥加でさえ痛みを感じるほどだから、受け入れるかなでが痛くないはずがない。  
かなでの目尻に涙が滲む。  
「ッ、おい!もうやめろ・・・っ!抜け!痛いのだろうが!」  
「嫌ぁ・・・ッ!する、の・・・!するもん・・・!  
 冥加さんと、最後まで・・・セックスするもんっ!」  
駄々っ子のように首を振りながら、かなでは息を詰めて結合部に体重をかける。  
文字通りの体を裂くような痛みは必死で飲み込んだ。  
肉体を貫こうとする強烈な異物感に恐怖を覚えるも、それを懸命に抑え込んで、かなでは結合を深めていく。  
椅子に拘束されたまま手も足も出ない冥加は、それを阻む術を持たない。  
やがて、冥加の先端はギチギチと締め上げる狭い膣内で小さな抵抗にぶつかった。  
それ以上の侵入を拒むように絡みつく襞状のそれは、かなでの純潔の証に違いない。  
「おい、もう、これ以上は・・・」  
「ふっ・・・ふっ・・・、ッ!!」  
冥加の制止を遮るように、かなでは短い呼吸を繰り返して息を整える。  
そしてグッと息を止めると、  
「〜〜〜〜〜ッ!!!」  
一気に全体重をかけて、自らの胎内に冥加のそれを収めきった。  
メリメリ・・・ッと亀頭が何かを引きちぎるような感覚があって、冥加は呻いた。  
かなではブルブルと肩を震わせながら、冥加の首にかじりつく。  
「か、は・・・ッ、かはッ、い、ぅぅう・・・ッ」  
筆舌に尽くしがたい激痛。男の身である冥加に、かなでのそれを推し量ることはできない。  
ただ、痛みに涙するかなでの頬を拭ってすらやれない今の自分に憤りを感じる。  
・・・もしかしたら、もう少しは違っていただろうか。冥加は考える。  
意地を張らずに真っ直ぐ彼女と向き合っていれば。  
彼女の望むように真っ当な付き合い方をしていれば。  
もう少し普通に、ごく当たり前の恋人たちのように、優しい破瓜の瞬間を彼女に与えてやれたのだろうか。  
「・・・み、みょーがさ・・・」  
やっと顔を上げたかなでは、堪えきれず苦痛を表した顔に痛々しい笑みを浮かべていた。  
無理に作った、滑稽なくらい強張った笑みだった。  
「冥加さん・・・ッ、ちゃんと・・・入りました・・・っ」  
その笑顔に・・・冥加は、ごく自然に、呼吸をするより当たり前に、かなでの唇に顔を寄せる。  
かなでは答えるように瞳を閉じ、そっとおとがいを持ち上げた。  
順番は少し違えてしまったが、それが二人のファーストキスだった。  
 
音を立てて、何度か小鳥の啄みのような軽いキスを交わす。  
それはまるで子供の戯れにも似て、下半身で繋がっていることが嘘のようだった。  
やがて口付けは本能のままに濃度を増していく。  
舌を差し入れたのはどちらが先だったか。  
唇を舐め、歯列を割り開き、唾液を混ぜ合わせながら、しばらくの間ふたりはキスに没頭した。  
名残を惜しむようにしながらそれでも唇を離すと、唾液が銀の糸となって二人を繋いでいた。  
「・・・ぁ・・・」  
かなでは耳まで赤くして恥じらう。  
その可愛らしい反応を視覚だけで堪能しながら、冥加は耳朶をくすぐるように囁いた。  
「小日向、この戒めを解いてくれ」  
それに対するかなでの返答は、  
 
「 嫌 で す 」  
 
にべもなかった。  
即答だった。  
悩む姿勢すらなかった。  
「な・・・ッ、貴様、こういうときは恥じらいながら外してくれるものだろうがッ!!」  
「その手には乗りません!どうせ外したら逃げるに決まってます!絶対嫌です!!」  
「なんという強情な女だ・・・!もっと場の雰囲気を考えろ!」  
「何と言われようが、絶対に解放してなんかあげません!  
 このまま私の中できっちり射精までイってもらいます!」  
色気もへったくれもない舌戦を繰り広げつつ、かなでは腰を持ち上げる。  
亀頭が出るギリギリのところまで引き抜き、そして、そのまま垂直に腰を落とす。  
「〜〜・・・ッ!!」  
「く・・・ッ、そら見たことか・・・っ。  
 生娘の分際で、無理を通そうとするから要らぬ痛みを味わう羽目になる・・・!」  
「も、もう生娘じゃありません・・・!冥加さんので、処女膜破れちゃいましたから・・・っ」  
「う・・・く、それはそうだが、先程まで生娘だったことには変わりあるまい!  
 屁理屈をこねるな!」  
「屁理屈言うのは冥加さんです・・・っ!宿敵だとか、相入れないとか、難しいことばっかり・・・!  
 私はただ、普通に愛し合いたいだけなのに!」  
かなではもう一度引き抜き、そして落とす。  
苦痛の声を喉の奥で押し殺し、それを何度か繰り返した。  
ついさっきまで処女であったかなでの膣内は、とにかく狭くて熱かった。  
ギュウギュウと締め上げる膣襞は次から次へと溢れ出るとろとろの分泌液でぬめって、冥加は思わず何度か声  
を漏らす。  
引き抜くときは雁首が肉壁を引っ掻き、突き入れるときは亀頭が膣道を削った。  
そのたびにかなでの膣口はキュンキュンと締まり、不規則に冥加のモノを刺激した。  
「ン、ふ・・・冥加さ・・・ッ、冥加さぁん・・・!」  
そのうちに、かなでの声音に艶めいたものが混じりだす。  
 
「冥加さん・・・ッ、な、なんか、私・・・っ、変に、なって・・・っ」  
苦痛の色が濃かった声に、それとは違うものが入り始める。  
オスを求めるメスの声だ。  
上手く閉められない唇からは、たらたらと涎がこぼれていた。  
生理的な涙が膜を作る大きな瞳が、求めるように冥加を見つめる。  
冥加は四肢の自由を奪われながらも、かなでの膣奥を目がけて腰を打ちつけた。  
「ひはッ!ぁあアッ!!」  
腹の方の壁を擦られながら奥を叩かれ、かなでは鋭い悲鳴を上げながら反り返る。  
その声は、既に苦痛よりも快感の方が勝っていた。  
だから冥加はもう遠慮を捨てて、がむしゃらに腰を上下した。  
「あッ、あッ、んンッ、あッ、みょ、がさ・・・ッ、ふぁッ、ひぁああアッ!!」  
「く・・・っ、初めてのくせに、あられもなく大声で喘ぎおって・・・!」  
「ら・・・って、だってぇ・・・ッ!冥加さ、だから・・・、好きな人と、だからぁ・・・ッ!  
 んッ、ンッ、やぁ、そこぉ・・・ッ!!」  
そこ、と言いつつ、かなでは自ら感じる部分に当たるよう腰をくねらせる。  
その様が、どうしようもなく冥加の劣情を煽った。  
ちょうど臍の裏側辺り、他の部分よりコリコリと僅かに弾力のあるところに横向きの襞が密集していて、そこ  
を擦られるのが悦いらしい。  
その部分は密集する襞が吸盤のように吸いついて、冥加にとっても強い性感をもたらす。  
何度か強めに擦り上げるとかなでの膣道はギュッギュッと断続的に中の陰茎を締め上げ、その瞬間が近いこと  
を冥加に知らせた。  
「やぁッ、も、なんか・・・来ちゃ・・・っ!!」  
出し入れするたびに掻き混ぜられる愛液と先走りの混合物が、白く泡だって結合部で水音を立てる。  
そのいかにも淫らな音が、二人の脳髄を犯した。  
冥加は考えることをやめ、ただ一心に、かなでを絶頂に送りつけることだけを考えて腰を動かす。  
無様に先に達してしまわないことだけが、冥加に残された最後のプライドだった。  
「小日向・・・ッ、さっさと・・・イってしまえ!」  
「や、だぁ・・・っ!ンンッ、ぁあッ、みょーがさんッ、冥加さんも・・・一緒がいい・・・ッ!!」  
「くだらん意地を・・・張るな・・・ッ!」  
「ふぁッ、やぁあッ、うンッ、ああアッ!!やだ、やだ、わたし・・・も・・・ッ!!」  
大きな、波だ。  
白い白い、大きな波。  
「冥加さん・・・ッ!!」  
次の瞬間、かなではそれに飲み込まれた。  
「ぁぁああああ・・・ッ、ぁあアアアーーーー〜〜〜〜ッ!!」  
「・・・ッ!!」  
かなでが絶頂の壁に叩きつけられた一拍後。  
達したことによって瞬間的により強くなった締め付けに、冥加もまた耐えきれず精を吐き出した。  
かなでの膣壁が搾り取るような動きをする。  
それに煽られるように、冥加は息を詰めながら断続的に射精した。  
熱い迸りをかなでの小さな子宮内に全て出し終えたあと、萎えた一物が膣圧で押し出されると、破瓜血の混じ  
ったピンク色の白濁がどろりと太股を伝った。  
 
「えへへ〜、これで名実共にっ、恋人同士ですねッ!」  
「・・・」  
幸せ満開といった表情で腕にしがみついてくるかなでに、冥加は思いきり渋面を作った。  
事が終わって、既に両手足の戒めは解かれている。  
しかし、今更かなでを突っぱねる体力は残っていなかった。  
「最後までしちゃったし、中に出したんですから、ちゃんと責任取ってくださいね!」  
「・・・俺の責任なのか、それは?」  
「当然です!」  
「く・・・っ、何を言っても無駄なのだろうな、貴様には・・・」  
「はいっ、無駄です!何を言われようが、もう冥加さんを諦めるなんてできませんから!」  
冥加的に、ものすごくやり直しを要求したい初体験だ。  
言いたい文句は山ほどある。  
しかし、傍らの幸せそうな笑顔を見ていると・・・  
「冥加さんっ、冥加さんっ、・・・大好きです!」  
まあ、いいか。  
結局のところ、そんなふうに全てを許してしまう冥加は、とことんまでかなでに甘いのだった。  
 
おしまい  
 

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