「この制服ともお別れだな」
溜息混じりの土浦の声に俯いていた香穂子が顔を上げる。
放課後の練習室。
1曲付き合えよ、と言われて合奏した。
切ない響きが体中に染み渡ってただでさえ沈みがちだった香穂子の
気分を陰鬱なものにしていた。
「3年生から、音楽科だもんね」
土浦は音楽科転科を決め、香穂子は普通科に残ることを決めた。
「転校するわけじゃないから、いつでも会えるさ」
「うん……」
付き合い始めたのはクリスマスから。
普通科同士の気安さが二人を結び合わせてくれた。
だが土浦は4月から音楽科にいってしまう。
「で…でも、土浦くん、音楽科の制服は似合わなさそうだよね」
「俺も、それは憂鬱だ。あの制服着なきゃならないのかと思うとさ」
あはは、と軽く笑う声が空しく響く。
「…」
「…」
神妙な空気が居たたまれなかった。香穂子は居心地の悪さにうろうろしてしまう。
「香穂」
不意に抱きしめられた。
「俺は……」
言い淀む土浦の唇を香穂子は自分の唇で塞いだ。
何を言っても言われても空しい気持ちになってしまう。そう思ったからだ。
自ら積極的に土浦の口の中を舌で舐めあげて官能を刺激しようとする。
「……香穂…ここ…学校だぞ?」
香穂子の意図は伝わったみたいだった。戸惑う土浦の声が聞こえる。
「わかってる…よ。でも、今じゃなきゃダメ」
そう言って、より深く土浦を感じようと背伸びして抱きしめた香穂子は
自分の体が宙に浮いたのにビックリしてしまう。
「いいんだな?」
問いかけに頷いて香穂子は答えた。
土浦の手が制服の中に侵入してきたのは頷いた直後で、
ブラの上から胸を揉まれる。
ピアノ奏者の大きな手が香穂子の制服の中でのたうち回っている。
あんなに繊細な曲を弾きこなせるのに、こういう時の土浦の手の動きは
無骨そのものだった。
324 名前:音楽科と普通科 2/2 投稿日:2007/06/06(水) 14:29:10 ID:OoHmZZkr
「どこまで脱いでいいんだろうな?」
「…」
いくら何でも全部脱いでというのは恥ずかしすぎる。
これまでは土浦の部屋だったり、出かけた先でラブホに入ってみたりしたのだが、
学校ではキス止まりだった。
それだけでも相当ドキドキしてのことだったのに、今二人はそれ以上のことを
しようとしている。
鼓動はいつも以上に早くなった。
結局、土浦は香穂子の制服を脱がせたりはせず、スカートの中から下着だけを
ずり下ろさせた。
壁に香穂子を凭れさせて、その前に跪いた土浦は香穂子の片足を自分の肩に
担ぎ上げて秘部に顔を埋めた。
「……ぁっ……」
ちゅくちゅくと舌先で敏感な場所を弄られて香穂子は震えに全身を包まれる。
「すごいな。あっという間に濡れてるぜ」
「……だって………」
欲しかったから……と恥ずかしげに香穂子が顔を背けながら言うと、
土浦は更に香穂子の足を上げさせて奥まで見えるような格好にさせた。
指と舌が連動して香穂子の秘部を愛撫する。
「……ああ……っ」
「香穂、手貸して」
立ち上がってキスをしてきた土浦が差し出された香穂子の手を自分の股間に導く。
固くなり始めたそれを香穂子は手で扱いて育てていく。
「あ……んっ……」
ブラの中に潜り込んできた土浦の指先が乳首を摘み、もう一方の手は秘部を
刺激し続けている。
「もう、いいか?」
耳元で囁かれるのにもびくりと肌が震えた。
香穂子は頷いて、自ら楽な姿勢を探し出そうとした。
立ったまま、下から突き上げるように貫かれる。
初めての体位に香穂子は一瞬体を硬くしてしまったが、ゆるゆると繋がった場所を
撫でつける土浦の指にいいところを刺激されて力が抜けた。
「……っ……ああ……」
片足だけをついた不安定な姿勢でがくがくと揺すぶられる。
縋るものを欲して香穂子は土浦の首に腕を回した。
「香穂……」
「梁……太郎っ」
普段は呼ばない土浦の下の名前を呼んで香穂子は彼のモノを締め付けた。
体の奥に熱い迸りを受けて、香穂子はくったりと力が抜けていくのを感じていた。
ピアノの音が聞こえた。
目が覚めた香穂子は自分の下に土浦の制服の上着が敷かれていることに気がついた。
冷たい床に直に触れないようにという土浦なりの気遣いなのだろう。
ラ・カンパネッラ。
土浦は一心にピアノに向かっている。
そんな姿を見てしまうと、やはり彼は音楽科に行くべきなのだろうと思わずにはいられない。
弾ききった土浦の背中に抱きついて振り返らせると、香穂子はそんな土浦にキスをした。
了