夕食後、日野香穂子はリビングで寝そべりテレビを見ていた。流れているのはオーケストラの演奏。去年  
コンクールに参加するまでは全く興味のなかった番組だが、今では楽しみに観ている。知っている曲が演奏  
されていたりすると、妙に得をした気分になれる香穂子だった。  
ぶつん。  
「あ! 何する」  
突然テレビを消され抗議の声を上げかけた香穂子だったが、消した張本人、自分の母親の厳しい顔に言葉  
を飲み込む。  
「香穂子。ちょっと、そこに座りなさい」  
雰囲気に呑まれおずおずと正座すれば、正面に座った母親は真剣な目で。  
「香穂子――あんた、煙草吸ってないでしょうね」  
「……はい?」  
 
 
「とまあ、『最近煙草くさいんじゃない』かと言われたあげく、母に喫煙疑惑をかけられてしまいました」  
「それは俺のせいなのか?」  
『禁煙』と書かれた携帯灰皿に灰が落とされる。  
「先生の匂いが移っちゃったんですよ」  
音楽準備室で金澤と差し向かいになる香穂子は、文句や抗議と呼ぶには程遠い口調で言い返した。  
「それじゃあ言わせてもらうが、俺だってこの前学年主任に『ひとりの生徒ばかり構うと余計な心配を  
 されますよ』って嫌味言われたぞー」  
「……私のせいですか?」  
考え込む生徒を前に金澤は笑い、  
「えこひいきは教師の特権。  
 教師のところに入り浸るのは生徒の勝手。ま、そーゆーことだ」  
香穂子はまだ腑に落ちない部分もあるらしいものの、そうですねと素直に教師に微笑んだ。  
窓からの日差しは強い。薄いカーテンを引いてはあるが、室内にまで外の暑さが侵攻してきそうだ。八月も  
中盤を過ぎ、暦の上ではとっくに秋の空気はまだまだ暑い。  
「しかしお前さんもわざわざそんなことで俺のところ来るなよなー。やれやれ、夏休みもなしに働く教師に  
 追い討ちかけるとはなんて酷い生徒なんだ……」  
 
「夏休みがないのは私もですよ。受験生だし、さっきまで夏期講習でしたし」  
夏休み期間に香穂子が登校してきたのはそういったわけだった。  
ただ、部活や何やら、あるいは用事がなくとも学校に来る生徒は割と多いので、夏期講習中の生徒の姿が  
特に目立つということはないし、講習が終わっても残っている者がいても不自然ではなかった。  
金澤が音楽教師で、普通科の香穂子の担任でもなんでもなくて、去年行われた学内音楽コンクールまでは  
接点すら無く、故に受験生の目下の関心事であろう進路相談にはいまいち関わりが薄いのを考えの外に  
置けば、だが。  
その証拠とでもいうように、椅子に座る二人を区切る机の上には、受験勉強とは無関係の楽譜が載っている。  
「おー、ちゃんと練習しているようだな。感心感心」  
金澤がめくり癖といくつもの書き込みが残った楽譜を見て言えば、香穂子は少しだけ照れてみせた。  
「あんまり練習時間とれないんですけど、弾いてるとやっぱり楽しいんです」  
「そりゃお前さんがバイオリンと上手く付き合ってる証拠だ。良かったな」  
「はい」  
楽譜はドヴォルザーク作曲『ユーモレスク』――かつて香穂子がセレクションで演奏した曲だ。あの時との違い  
は今あるのはコンクール用に編曲した譜面ではなく、原曲そのままのものであるということ。  
コンクールが終わったのちも香穂子がヴァイオリンを手放すことはなかった。音楽の道に進むまでには至らな  
かったものの、今でも学内でヴァイオリンを奏でる香穂子の姿が見られる。  
こうして金澤の元に赴き演奏するのも、その一環、としてもいいかもしれない。  
むしろ『そう』でなくてはいけないのだろう。  
少なくともあと半年は二人は『教師と生徒』だ。  
「日野は素直でいいなー」  
煙草のにおいの染みついた手が、香穂子の頭を撫ぜる。  
遠慮のないスキンシップに頬へと血が昇りきる直前、手は離れる。  
「あ、すまんすまん。こーいうことしてるから臭い移っちまうんだよな」  
「たぶん、これくらいなら大丈夫だと思うんですけど」  
離れるのが淋しいのか、離れるのが当然の関係が悔しいのか。香穂子にはよく分からない。  
「匂いがうつるコトなんて、なんにもしてないのに。変ですね」  
 
――視界に、がくんと顎を落とす金澤が見えた。  
「先生、煙草」  
「あ、ああ、いやすまん」  
尽きる寸前の煙草を慌てて押し潰し、金澤はこれみよがしの溜息を吐いた。  
「あのなあ……日野、お前さんは言動に気をつけるべきだと、先生思うぞ」  
しばし黙考。  
「あ」  
深読みすればまあ男性と二人きりになっている状況下で話すには危険であろう内容になっていたことに  
ようやっと気づく。  
「生徒にセクハラされるとはなあ。先生悲しいぞー」  
「そんなつもりじゃなかったんですってば!」  
たぶん。おそらく。内心はともかく。  
――さらに誤解を招く――『誤解』なのかどうかは知らないが――言葉は、抑えた。  
なんとなく途切れた会話に、そこはかとなく空気が変わった気がする。  
香穂子は落ちつかなげに膝上のヴァイオリンケースを触り、金澤は金澤でどうにも歯切れの悪い表情を  
浮かべている。  
「……あー、そろそろ、帰るか?」  
頷こうと思った。思うだけは、した。  
 
あれ、おかしいな、とぼんやり考える。  
こんな他愛ない、綱渡りを連想させる会話なんて何度も交わしてきたはずだ。『好き』と言葉に出せない  
もどかしさを、同じ匂いを纏うほどに近づいても触れられない距離感を、ずっと仕方ないとそれでもいいと。  
一年、頑張った。これからも、ちゃんと、待てるはずなのに。  
なのにどうして――こんな、些細なことが――  
 
動かない香穂子を心配してか、金澤は椅子から立ち香穂子の隣へと回る。  
ゆっくりと、ヴァイオリンを、机の上、楽譜の上へと載せる。  
「もしもしー、日野――っうわ?!」  
がたんっ、と椅子が横倒しになる。  
 
金澤は背が高い。香穂子が抱きつくと胸に顔をうずめる格好になる。  
金澤は『大人の男』だ。『女の子』でしかない香穂子が抱きしめようとしても、体格差から腕はまわりきらず  
しがみつく格好になる。  
じっと耳を済ませると、早い鼓動が聞こえた。金澤のものかもしれないし、香穂子自身のものかもしれない。  
「日野、ほら、離れろって。今なら先生怒らないから、な?」  
焦る声をどこか遠くで聞く。  
告白から一年、なにひとつなかったのは『先生と生徒』の立場を曲がりなりにも守ろうとしたからだ。その  
努力が、今、香穂子のせいで無駄になろうとしている。  
「日野、大人をからかうんじゃない」  
「からかってないんかいません」  
冗談でこんなことが出来るものか。  
怒りを載せた警告は、震える声に霧散する。  
「『そんなつもりじゃなかった』んだろう?」  
「……」  
「だったら、離れるんだ」  
香穂子は、動かない。触れ合う部分からじんわり汗が滲んでくる。時間にすれば数秒かもう少し長い程度か。  
だが、それだけあれば、  
「……おいおい、嘘だろ」  
金澤が、自分自身で香穂子を引き剥がそうとしないのを自覚するには充分だった。  
――目眩がした。  
「……本気にするぞ」  
「本気にしてください」  
瞬間。理性、とか、世間体、とか、大事なものが身体の奥へと押し込まれる。  
金澤の手が香穂子の肩へと圧し掛かる。跳ね上げた顔へと唇を落とした。今までの硬直加減が嘘のように  
滑らかに動く身体には、現金だと苦笑するしかない。  
「……あ、ファーストキス」  
ぽつん、と香穂子が呟いた。  
「おいおいー、そんなんで大丈夫か? これからもっと凄いことするぞ?」  
もしかしたらこれで怖気づいてくれるかもしれない――相手に選択権を押し付ける気弱な願望は、香穂子が  
小さく頷いて。それで全てが決着した。  
 
 
最後の藁。  
例え話だ。荷物を限界ぎりぎりまで積んだラクダの背に、一本の、軽くてそれこそ吹けば飛んでしまう藁を  
載せる。それが、ラクダの背を折る。  
単なる例え話だ。物事には限界があり、些細なきっかけでも決壊することがある。  
折れた背は、たぶんもう戻らない。  
 
 
香穂子の記憶は曖昧になる。  
一糸纏わぬ姿で、ソファに。音楽準備室で金澤に押し倒されている。床に目を遣れば金澤の服の下に自分の  
下着が見え隠れしている。そう子どもっぽくもなく、背伸びしすぎる感じでもない、お気に入りの上下揃いだった。  
――金澤に会う日には好きな下着を特に選んで身に着けていたのは――偶然だ。偶然に決まっている。  
よく覚えていないが、自分の足でソファまで歩いたはずだ。服は制服から下着、靴下に至るまで全部自分で  
脱いだはずだ。  
もし金澤が手を貸したのなら。  
こんな風に、今現在のように触れられたのなら、その熱さを憶えていないはずがない。  
「……その、電気消すか」  
おずおずと聞かれた。  
「ええと……あんまり、意味ないかも。昼ですし」  
「あ、そうだよなー、うん」  
カーテン越しの夏の日差しは強い。電灯が点いていようといないとお構いなしだ。  
「混乱してるな、俺。大人なのになあ」  
苦笑が真剣さに取って代わる。近づく吐息に、目を閉じた。唇にあついものが触れて。離れる。  
目を開ければ、困った顔の金澤がいた。  
どうしたのか聞こうとひらきかける口へと。  
「……っ。ん、ふ、っ」  
入ってくる。あわせる肌より熱の高い、舌。やわらかいようなそれが口内をなぞる度、酸素と思考能力が  
削られなにも考えられなくなるような、そんな気がした。  
出ていく時には、淋しさすら感じた。二人の間に唾液が細いアーチを作り、たわんで香穂子の顎へと滴る。  
ああ、そういえばさっきは緊張のあまり口元を固く結んでいた。大人のキス、なんて初めてだったから頭が  
回らなかった。  
「……やっぱり、煙草臭いか?」  
 
キスは確かに苦かった。だから肯定を返したけれど、それだけではないような気もした。  
伝える前に金澤が動く。  
胸をさぐる手は、大きくて、固くて、頭を撫ぜてくれた手だとちゃんと分かるまで少しかかった。背を僅かに  
反らす。大きく動けばソファから落ちてしまいそうで、ちょっとだけ怖い。  
「せんせ……っ」  
「心配するな。支えとくから」  
再びのキス。今度は予測できたせいか、落ち着いて受け入れられた。無精ひげが肌を、煙草の苦みが  
ちくちくと舌を刺す。不思議に心地好い、と思う。  
胸を触る手は、相変わらず優しい。物足りないくらい。どうすればいいのか迷っている印象すら受ける。  
「大丈夫ですよ」  
もっと乱暴に扱っても。  
『女』として扱って欲しい。  
「だからなあ……男の前でそういう台詞はなあ……」  
「先生にしか言いません……でもこれじゃあ先生が男じゃないみたい――ひっ」  
たどたどしく上手い表現を探す香穂子の語尾が跳ねる。  
乳首をかり、と引っかかれたから。金澤の膝にて割られた脚の内、特にやわらかい場所へとその手が  
滑っていったから。  
「お前さんの気持ちはよーく分かった。でもな」  
笑顔は、普段どおりのおちゃらけたものではあったが。  
「一応、俺は大人だからな。頑張ってオトナの気遣いをしてみせるぞ」  
瞳は、真剣すぎて怖いくらいで。  
「――そうでないと本気で枷外れちまう」  
囁く声に、動けなくなる。  
 
動けないと思ったのは錯覚だ。胸元へ、首筋へ落とされるくちづけに。指の動きに、反応するのだから。  
ちゃんと動けるのに、と口惜しく思うのは、それでも自分からは何もできないからだ。与えられる感触に溺れる。  
相手の熱を感じるごとに頭の芯がとろけて――何も返せない子供だと突きつけられる。  
「あ……」  
自分のものではない指が、身体のなかで一番敏感な部位を、すくう。  
「慣らさんと辛いだろうな――ちょっと我慢しろよ」  
 
ごつい指が金澤自身の口元へと運ばれ、  
数分前に香穂子のなかへ入った舌が指へと絡む。煙草の残り香のする唾液がたっぷりと塗りつけられた。  
見上げるその挙措に、香穂子は、ひどく、そう、――自分が金澤に欲情したのがはっきり自覚できた。  
濡らした指が沈む。反らす喉から喘ぎが洩れた。  
唾液を潤滑油代わりに体内で動くのが知れる。同時に、唾液とは別の体液がそこを滑るのも。  
「大丈夫か……?」  
「……っあ、はい……っ」  
そうか、との返答後、指が抜かれた。湿った水音がした。  
金澤が足を組みかえる。そうして脇からなにかを取り出した。見るのは初めてだが、香穂子も用途は知識  
としては知っている。いわゆる避妊具、コンドームというやつだ。  
香穂子はそんなことまで考えていなかった。駄目だなあ私、なんてぼんやり眺める。  
「……いや、恥ずかしいからまじまじと見ないで欲しいんだが」  
「あ、はい、ごめんなさいっ」  
慌てて目を瞑る。圧し掛かってくる体温はいっそ息苦しい。  
と。耳の近くにくちづけられた。  
「おーい、息まで止めなくていいんだぞー」  
「――っは?!」  
慌てて目蓋をこじ開け、ついでに無意識に止めた呼吸を再開する。思いっきり苦笑いされていた。  
「お前さん、可愛いなあ」  
「どうせ、私には何にもでません」  
すねた口調で言えば、何がと返される。  
「先生は……その、ちゃんとしてるのに……私は……なんにも……」  
口に出すと恥ずかしくて消えたくなる。  
「そんなことはないぞ。俺は日野の顔を見ているだけで充分楽しい」  
「……セクハラ〜」  
ぼそっと呟いて、  
「セクハラ同士、お似合いですね」  
「――ああ、そうだな」  
冗談のような泣き笑いながらの台詞に、金澤は抱きしめることで応えた。  
 
香穂子のそこに、熱を帯びたものがあてがわれる。  
「出来るだけでいい。力を抜いておけ、な」  
頷くが、恐怖心までは堪えきれない。覆いかぶさる背へと、両の手でしかみついた。普段身長の関係で  
見上げるだけの顔が、今はこんなにも近い。それだけで痛みへの恐怖を上回る感情が生まれる。  
金澤が低く囁いて。  
 
入ってくる。  
痛い。  
悲鳴を上げてしまうかもとは思っていたが、あまりの痛さに声すら出せない。代わりに涙がみっともなく溢れる。  
早く許容を越えて麻痺してくれないだろうか。そんなことすら願う。  
だというのに、細い腕はひたりと金澤を捕らえたまま。止めないで欲しいと望む香穂子の心そのまま。  
「痛いか……って痛いに決まってるよな……すまん、日野」  
荒い呼吸は、程度の違いはあれど、どちらも。じっと動かず、金澤は香穂子の息が少しでも整うのを待つ。  
「も、動いても、大丈夫です」  
「……本当か」  
「はい……その代わり、キス、して」  
要望通りにされる。繋がった箇所のうち、一方はどうしようもなく痛い。狭い場所を貫かれ行き来されるのは、  
快楽とは無縁の状態だ。  
慣れたら、と頭の隅で考える。慣れたら気持ち好いと感じられるようになるのだろうか。湿った音を立て絡む  
もう片方の箇所が、一度めよりずっとキモチイイのと同様に。  
自分からも舌を差し出してみる。受け入れられ、蹂躙される。「たべられる」のが幸せだと思ってしまう。  
息継ぎにと名残惜しくも離れた瞬間、唐突に解った。  
「あ、そっか」  
唾液と、熱と、煙草の苦さと。それは。  
「かなざわひろとの味だ……」  
――金澤が一瞬ひきつったようだ。  
「反則だろうが……」  
「え? なに……いっ?!」  
引き金は、どこにあるか分からない。なけなしの理性を保ってきたが、今のでほぼ根こそぎ吹き飛んだらしい。  
腰が打ちつけられる度、香穂子は金澤の背へと爪を立てた。深く、痕を残すほどしがみついていないと、痛み  
でどうにかなってしまいそうだ。  
 
喘ぐ唇を割ってくるものを受け入れる。酸欠でくらくらする。痛みを和らげて、もしくはごまかしてくれるようだった。  
そうして近づいたおかげで、金澤の『その瞬間』を潤んだ視界に収めることができた。  
初めて見る顔と、苦痛に紛れての僅かな感触で。  
満たされるのを知った。  
 
 
腰の痛みが治まるまで、ということで、香穂子はソファに寝かされている。後始末を手伝おうという金澤の  
提案は丁重に断って、そこをティッシュで拭うのから着替えまで苦労しつつ自分でやった。  
行為の後でなんだが、裸をこれ以上見られるのが恥ずかしかったから、というのもある。  
「血、あんまり出ないんですね。もっとたくさん出るかと思ってました」  
「個人差があるらしいからな」  
「……先生、詳しいですね」  
「おい、ちょっと待て話を振ったのはお前さんだろうが。その目はずるいぞ」  
他愛もない会話を続ける間に日は傾いて、学校を出なければ――相手と別れなければならない時間が迫る。  
んしょ、と掛け声をかけて香穂子は起き上がる。  
「大丈夫か? 一人で帰れないんだったら送るぞ」  
「大丈夫です。いざとなったら母に連絡して迎えに来てもらいます。それに男の人に送られたほうが  
 驚かせちゃうだろうし」  
「何を言う。具合の悪くなった生徒を教師が送っても問題ないだろう」  
「……そうですね」  
その通り。どうしたって、『教師と生徒』には変わりない。  
「正門までは、送ってやる。ほれ、掴まれ」  
左手に香穂子の鞄とヴァイオリンケースを持ち、金澤は右手を差し出した。香穂子は嬉しそうに笑い、はい、  
とひとつ返事をした。  
 
そういえば――手を繋ぐのは、少なくともまばらだが人目があるところで寄り添うのは、初めてかもしれない。  
『具合の悪い生徒を支える教師』という大義名分があるからこそ出来ること――原因には、この際目を瞑ろう。  
(順番逆だなあ……)  
普通こういう段階を踏んでから一線を越えるものだろう。我慢の効かなかった自分は、本当に子供だ。  
「先生」  
「ん、どうした」  
「――あと半年して、『教師と生徒』じゃなくなったら、デート、しませんか」  
かといってすっとばした段階がそれきり踏めないわけでもない。  
「いつか言ってたじゃないですか。野球観戦連れてってくれる、って。私、楽しみにしてます」  
その後に「冗談だ」と釘を刺されたのは都合よく忘れてみた。  
金澤は、  
「そうだな。楽しみだな」  
香穂子と同じく笑った。  
 

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