「そうだろう?」  
そう言って柚木は日野の耳を軽くはむ。  
「ひゃ…っ!な、何するんですか」  
息まで吹きかけられ、思わず日野は横に避けた。  
「何って…気持ちいい事してあげただけだよ?」意地悪い笑みを浮かべ、近づく柚木。  
「や…っ!近寄んないで…っ!」  
「何か俺が悪い事してるみたいだなあ…俺はとても良い事してるだけだろう?なあ…日野。」  
柚木の顔が目の前まで迫っている。既に唇すれすれの所まで近寄ってきていた。  
思わず日野はしゃがみ込んで避けた。  
「…まあ考えておいてよ。次は容赦しないから。」  
「つ、次って…!?」  
それきり、柚木は屋上からいなくなってしまった。  
 
 
日野は家に帰ってからもショックが消えなかった。  
あれは一体なんなのよ?  
いつもの先輩なんかじゃない。優しくなんかない、物凄く意地悪で、怖いー。  
 
 
そしてその翌日、柚木はいつも通りに戻っていた。  
それで少し油断があったのかもしれない。  
あれは夢だと思いたかったのもある。  
彼からの「お願い」をあっさり承諾してしまった。  
それは生徒会のアンケートだったのだが、嫌がらせなのか本気なのか  
柚木の意図が掴めぬまま、転んで怪我をしてしまい保健室へ連れて行かれる。  
 
怪我の治療をされ、にっこりと微笑まれ、まだ日野は戸惑っていた。  
夢だと言い聞かせつつも昨日の事が頭から離れてくれない。  
 
「…で、考えてくれた?」  
辞退の事だよと穏やかな表情のまま告げる。  
…やはり夢ではなかった。  
日野は辞められない意志を告げると、途端に空気が変わった。  
虐めたくなると言った彼の目は全く笑っていなかった。  
 
彼に手首を掴まれ押し倒される。  
「きゃ…っ。」  
「どうやらとことんまでやってあげないと気が済まないみたいだ。」  
「何を…する気ですか?」  
日野は背筋が凍りつく感じがした。  
「言っただろう?次は容赦しないと。」  
そう言って柚木は片手で日野の両手首を抑えつけつつ、  
開いた手で日野の顎を掴み無理やり口づける。  
舌が唇を割って入り、口腔の中を舐めていく。  
「…んっ…くぅっ…。」吸い付かれ、下唇を軽く噛まれる。  
唇を離れ、首筋を這う。「い…ゃあっ…んっ…!」  
制服の上から胸を揉まれる。やんわりと、時々きつめに。  
「…うっ…ん…。」  
「感じてるんだ?無理やりされてるのにね。もしかしてこういうの、  
好きだったりする?」  
思わず顔が赤くなり逃れようと暴れたが、  
あっさりと彼に足も抑えつけられ暴れる事も出来なくなってしまう。  
「大人しくしてろよ。自分が淫乱なのを認めてな。」  
「やだ…っ!」  
日野は頭を振る。  
「頑固だな。…じゃあ認めさせてやるよ。どれだけ辛抱出来るかな?」  
そう笑いつつ、制服を脱がしそれで両手首を縛り上げ、枕元にある棒にくくりつける。  
「何を…っ!」  
「言っただろう?気持ちいい事するんだよ。」  
そう言って柚木は日野の下着の上からそっと爪でなぜる。  
 
「やめ…っ!」  
「やだね。」  
時々下着越しではあるが日野の中にも入ってくる。  
「く…ぅっ…。」  
幾度も幾度もなぜられ、次第に日野はおかしな感覚にとらわれていく。  
「や…ぁ…はん…。」  
「いっぱい出てきたね…気持ちいいんだろう?」「ん…っ!」  
認めたくない一心でなお顔を振る。  
「いつまでその強情がもつかな?」  
そう言って柚木は日野の下着を脱がす。  
そして己の下を脱ぎ柚木自身を日野のソコへあてがう。  
「やだ…っ。」  
柚木はいきなり入れたりはせず、先ほどと同じように自身で入り口をなぜ続ける。  
時折、間違ったと言っては中に侵入してはすぐに出し。  
そんな事を繰り返しているうちに日野は身体が熱くなっているのを感じていた。  
「頑張るね。だいぶ熱くなっているみたいだけど?そろそろ欲しくないかい?…これがさっ。」  
「ああんっ!」  
そう言って柚木は一回だけ日野を貫いて、すぐまた出す。  
そうしてまたゆっくりとなぜていく。  
(もう…ダメ…ッ)  
「…ぉ願い…もう…して…。」  
「ん?何か言った?声小さ過ぎて聞こえないな。」  
なおも意地悪く笑い、なぜるのをやめない。  
「もう…勘弁…して…。」  
「認めるかい?」  
「認めるわ…だから…。」  
「じゃあ、言ってごらん。  
私のいやらしいアソコにあなたのモノを入れて下さいってね。」  
「く…っ!」  
「嫌なのか?じゃあもうおしまいだ。」  
そう言ってあっさり離れようとする。  
 
日野は涙をためながら  
「…わ、私の…いっ、いやら…しい…あ、そこ…に…あなたの…モ、ノを…入れて…下さ…っい…。」  
「まあギリギリ合格としようか。本当ならもっとはっきり言って欲しい所なんだけどね。その頑張りに免じて。」  
そう言って柚木は大きくなった自身で日野の中に侵入し、強く貫いた。  
「ひゃあああんっ!」  
何度となく皮膚のぶつかり合う音と愛液の音が保健室の中に響く。  
「ああ…っもう…ダメ…ッ。」  
「じゃあそろそろイクか?」  
「ぅん…っ」  
更に動きが激しくなる。  
「あっ、ああ…ああああああ…っ!!」  
そうして二人は頂点へと達した。  
 
その後は至極あっさりとしたものだった。柚木はてきぱきと後始末を終え、裸のままの日野をそのままにその場を立ち去っていってしまった。  
ただひとつ、  
「言う事聞かないようなら、またヤるからね。覚えておいて。」  
あの意地悪い笑みを浮かべたまま…。  
日野は恐ろしくなって己の肩を抱いた。  
どうしたらいいんだろうー?やめたくはない。せっかくこれから楽しくなりそうだと言う時にー。  
でも、やめなかったら柚木はまた襲ってくるだろう。あの瞳は本気だった。どうしたらいいのー?  
答えの出ぬまま、落ちかけていく赤い夕日を眺めていた。  
 
 
 

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