悪魔。  
 そんなもの、この世にいないと思ってた。  
 今日、この日までは。  
 
 
 天才と呼ばれた幼い少女はその日、悪魔を目にした。  
 少女の身の丈の何倍もあるその巨大な悪魔は、巨大なハンマーを持ち、獲物を見つめている。その悪魔の身体からは、血の匂いしかしなった。  
 「ウハハハハハッ!!」  
 電子音の混ざったような声で、その悪魔・・大男は叫ぶように笑った。少女には、男のその笑いから、悪意しか感じられなかった。  
 (悪魔だ!)  
 少女はそう直感した。  
 そう決め付けると、すぐに少女は出口へと走り出した。  
 しかし少女が走り出すと、男はからかうような声を上げながら、その進路を塞いだ。  
 右へ、左へ。  
 少女は男の動きを何とか捌くと、一気に駆け・・・  
 
 ガシリッと。  
 少女の足は掴まれていた。  
 「ひいっ!」  
 少女は悲鳴を上げた。駆け出せなかった。読まれていたのだ。  
 (掴まれた!逃げられない!)  
 少女の頭が真っ白になった。  
 死を覚悟したのか。いや、そうはっきりと分ったわけではない。ただ、現実から思考を離されてしまっただけだった。  
 「キャアアアアア!!」  
 だがそれも、一気にズルズルと引きずられる頭の痛さで元に戻る、戻ってしまう。  
 「ハハハハハッ!!」  
 男は、ハンマーを振り上げる・・そう確信してしまった少女は、目を瞑らずとも、視界が無くなった。  
 今度こそ、死をはっきり意識したのだ。  
 
 
 ビリ、ビリッという音で、少女は目を覚ました。いや、寝ていたわけではないが、意識がほとんど無かったのには変わりない。  
 「え・・?」  
 「メーイー!!」  
 男は何が面白いのか、メイの服を次々に破いていった。  
 メイはそれを、特に恐ろしいとは思わず、ただ、固まりながら見つめていた。  
 (何を、しているんだろう?)  
 少女には、その手の知識が全く無かった。ゼロ、とまでいかなくとも、年の割には知らなすぎた。  
 悪魔だとはっきり断定したはずの男だったが、今となっては意味不明の男になっていた。  
 「ね、ねえ。何をしているの?」  
 もう、ほとんど全裸に近くなった少女が男に問う。少女には、羞恥心というものが、本来人並みにあったはずだった。しかし、一度意識の電源を落とされたためか、少女の『そのテ』の感覚は、まるで無いものかのように薄れていた。  
 「フ、フフフフフッ」  
 男は笑った。そして、極力下品な言葉で答えた。  
 「お前の○○○に、俺のこの極太のチンポを突っ込んでやるのさ!!」  
 「チンポって何?○○○って何?」  
 温室育ちの少女の言葉に、今度はハンマー男が固まる番だった。  
 
 少しの間、男は固まっていたが、その内、  
 「ウハッウハハハッ!」  
 と、大きく口を開けて笑い始めた。ビクッと、少女はその笑い声に反応する。  
 「オシエテヤル!○○○トハ、ココノコトダ!!」  
 男は突然少女の両足を掴み、股の間を自分の顔へと引き上げた。  
 「ひゃあっ!」  
 突然身体が引っ張られたため、少女は小さく驚きの声を上げた。その後、自分の大事な部分が男の目の前に晒されている事を知り、別の種類の驚きを覚える。  
 「やあ!見ないで!!」  
 「フハハハッ!マダ毛モ生えてイナイヨウダナ」  
 少女の顔が、見る見るうちに赤くなって行く。いまだ両親にしか見せていない部分が、よく知らない、それも危険な変態男に見られているのだから。  
 少女の恥ずかしさは頂点に達していた。  
 「ハハハッ、クセエ、クセーぞメイ!!」  
 ふざけ半分、男はそんな事を言った。しかし少女にとって、その言葉は強烈な言葉だった。  
 「う・・うあ・・うあああんっ!」  
 
 「アア?」  
 ハンマー男は変な顔をする。泣き出した訳が分らないからだ。タイミングがおかしいのではないか、とも思った。  
 「ああん!あああっん!!」  
 「オイ、ソレ以上ナクト、ヤッチマウゾ!!イテーぞ、ハジメテハ?」  
 男は延々と続く泣き声に痺れを切らし、軽くおどした。  
 その言葉で、少女もようやく泣き声を抑えはじめる。  
 「ひっ・・ひっ・・くっ・・・」  
 「オラ、ヒロゲナ!」  
 「ヒッ!キャア!!・・・だめええええ!!」  
 男は乾いた指で、少女の入り口を何の躊躇いもなしに広げた。小さすぎて、入らないのではないかと考えたからだった。しかしその行為は、少女の気持ちなど全く考慮に入れていないからできるものだった。  
 「いやあああっ!!触らないでえ!!」  
 「ウルセー!」  
 男はそのまま左手でメイの幼い膣口を広げたまま、自分の下半身を纏うものを脱ぎ始めた。  
 「きゃああああ!!」  
 男に触れられてる部分ばかりが気になり、少女は男の動きに気づかなかった。恥ずかしさと焦る気持ちのせいで、いつの間にか、少女の目からは大粒の涙がこぼれていた。  
 
 不意に、少女の陰部を触っていた指が離れた。  
 それに気づき、少女はすぐに顔を上げる。そこには醜悪なモノを取り出し、少女の恥ずかしい部分へと、それを近付けようとしている男の姿があった。  
 「ひっ・・な、何をするの!?」  
 少女の問いに、男は嬉しそうに答える。  
 「ん?ダカライッタだろ?コレ、コノ俺のチンポを、オマエノコノ小便クサイ○○○にイレルンダヨ!!」  
 「そ、そんなのい・・ひいいっ!!」  
 少女の言葉を最後まで聞かず、男は少女の入り口に熱い塊を触れ合わし、擦り付けた。ピクピクと小さく反応するその動きが、少女にはとても気持ち悪く思える。  
 「ハジメテハ痛いぞメーイー!?」  
 男は少女を不安がらせた。少女の恐怖が自分に向けられる事、それこそが、男の快感だった。  
 「イヤ、痛いの嫌あああ!!」  
 もはやメイは、完全に泣き叫んでいた。それを見て、男は別の考えを思いつく。  
 「ソウダナ、イタイのはオレモイヤダ。おい、コレヲクワエロ」  
 「・・え?」  
 「ナメレバ、イタクナイ」  
 男はそう言って、少女の顔の前に股間を突き出した。少女は、強いアンモニア臭と何かが混じったような、強烈な匂いに意識を失いそうになる。  
 「こ、これ?だって臭い・・」  
 「良いからヤルンダ!!」  
 短気な男は、少女の口にいきなりペニスを突っ込んだ。  
 
 「うぅおえっ!」  
 少女は、口の中から入ってくる物体の、その匂いと苦い味に強い嘔吐感を覚えた。  
 (苦い、臭い!!気持ち悪いっっ!)  
 そんなメイの叫びをまるで知らないように、男は腰と、掴んだメイの頭を前後に動かし始める。そしてそれを吐き出そうとする少女の舌が、はからずも、男に強い快感を与えてしまう。  
 「ウォオッ、ウハッ!ウハハハハハッ!!」  
 意外な舌使いに、男は狂喜した。ますます調子に乗り、メイの頭を激しく動かす。期待を長く待った巨根には、強すぎる快感でもあった。  
 男にはすぐに、絶頂が近づいてきた。  
 「んーーッ!んーーーっ!」  
 少女なりに、男の高潮感が分った。  
 (何か、来るの!?)  
 少女の予想通り、それはやってきた。  
 少女の口の中で暴れまわっていた巨大な生き物が、さらに膨張し、破裂したかのように何かを放ったのだ。  
 「ウオオオオオオオオオオッ!!」  
 「ううっっん!?」  
 咄嗟に少女は口を離・・せなかった。男の手ががっちりと少女の頭を抑えていたからだ。苦い液体が、口一杯に広がって行く。  
 メイは懇願するように男の顔を見上げた。しかし男は薄笑いを浮かべているだけだった。メイの口の中では、いまだ男の肉棒は欲望を吐き出し続けていた。  
 
 「ハハ、ウハハハハハッ!!」  
 (吐き出したい!吐き出したい!!)  
 吐き出したいのに吐き出せない。もう、メイは呼吸すら満足にできなくなっていた。  
 (何で私がこんな目に!!)  
 「死んじまうぞメイ!!ウハハハハハッ!!」  
 「んーんーっ!!」  
 苦しそうなメイを見ながら、不意に男はメイの鼻をつまんだ。  
 「!!」  
 (死んじゃう!)  
 
ゴクッ、ゴクゴクンッ  
 
 呼吸が、完全に出来ないと判断したメイは、慌てて男の精液を飲み干した。苦さすら、後になって気づく程、死への恐怖で頭が一杯になっていた。  
 (苦いよお・・っ)  
 
 男はそれを満足そうに見つめた後、指を少女の鼻から離した。しかし、口の所有権は渡さなかった。  
 「フウー・・」  
 男の射精は、実はまだ続いていたのだ。尿道から、最後の精子を垂らす。それがちょうど舌の上に落ちたために、少女は顔を思いっきりしかめる。  
 「さて、これからがホンバンダ!」  
 「えっ!?」  
 
 少女の抗いを抑え、男はメイを組み敷いた。  
 そして間髪いれずに、ペニスを処女の元へと近づけて行く。  
 メイの顔が恐怖に染まっていく。それに対しハンマー男の口元は、ますます歪んで行く・・・  
 
 ガツンッ  
 
 その音と同時に、大男の意識はブラックアウトした。  
 「お、おじさんっ!!」  
 目の前には、ハンマー男の持っていたハンマーを構えた、中年の男がいた。メイのよく知っている、近所のパン屋の男だった。どうやら、大男をハンマーで倒したらしい。  
 「メイちゃん。大丈夫かい?何もされていないかい!?通りを歩いていたら、メイちゃんの悲鳴が聞こえてきてびっくりしたよ」  
 その言葉に、羞恥心の戻ったメイは、慌てて身体を極力隠す。  
 「うん。まだ・・されてない。でも・・お口の中、苦い・・・。・・・・・怖かったよお!!」  
 最後の方は、涙声だった。  
 恐怖から開放された少女は、今は最も信頼できる人間・パン屋のおじさんの腰の辺りに抱き着いた。  
 「そうか。大変だったね・・・」  
 パン屋の声は、確かにできるだけ、親身になって答える。  
 
 しかし擦るように動かすメイの頬には、固い物体が確かにあった。  
 

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