一瞬の油断だった。  
 「キャアッ!」  
 廊下の端。振り返りざまに、いきなり聖水をかけてやろうと考えたアリッサだったが、思いのほか、シザー ウーマンの足は早かった。振り返ったアリッサの眼前に、凶器が迫った。  
 「ジョキジョキー!」  
 アリッサはそのまま後ろに倒れ、幸いにも、直接大きな刃に刺されることは避けられた。しかし、状況は最 悪であった。アリッサの目の前の少女は、何のためらいも見せずに両刃をアリッサに向ける。  
 「アーッハッハッ!」  
 再び、聖水を構えるアリッサ。しかし殺人鬼の少女は、それを余裕を持って蹴飛ばす。  
 「あっ!」  
 膝を床につきながら、拾いに行こうとするアリッサ。しかしその背中に、殺人鬼はその軽い足を勢いを付け て乗せる。ほとんど、蹴りに近い。  
 「あうっ!」  
 「アーハッハッハッ!ナニヤッテンノアリッサ!?」  
 「くっ!」  
 その足を、全力を持って払いのけようとするアリッサ。もはや、アリッサは殺人鬼にただ怯えるだけの少女 ではなくなっていた。今、自分に足を乗せた少女に対する感情も、悔しさと怒り、それだけであった。  
 ガタンッという音が周囲に響く。殺人鬼の少女が足を払われる瞬間、反射的にアリッサの方へと倒れこんだ 音だった。  
 意外な程強い力で、アリッサを抑え付けるシザーウーマン。その目は、やはり他の殺人鬼達と変わらない。 獲物を捕らえたと確信した時の、獣の目だ。  
 「うっ!」  
 少女は突然、その白い手でアリッサの口を塞いだ。呼吸すらできない程、しっかりと。  
 
 「んーっ!」  
 「このまま、コロシテヤロウカアリッサ!?」  
 アリッサは大きく首を横に振る。  
 (悔しい。こんな奴に負けたくない)  
 そう心の中で言ってみても、現状は変わらない。だんだんと、苦しさが増してゆく。  
 「アッハッハッ!」  
 目の前の殺人鬼は尚も笑う。悔しさで、アリッサの目が濡れる。アリッサの意識が、ゆっくりと少しずつ遠のいて行く・・・  
 「バーーーッ!!」  
 突然、口元を塞いでいた物が離れた。  
 一気に酸素が流れ込んでくる。それと同時に、アリッサの意識も一気に現実へと押し戻される。  
 経験したこともないほどの激しく乱れた呼吸を、アリッサは抑えることが出来なかった。目の前の殺人鬼の事も今の状況も全て忘れ、ただ一心不乱に酸素を肺に入れる。  
 その様子を、ニヤニヤしながら殺人鬼は見つめる。  
 「アハハハッ!まだコロサナイッテ!その心臓をモラウマデハネ!」  
 まだまだ呼吸の荒いアリッサだったが、少女の台詞のおかげであっという間に頭がはっきりして行く。  
 「あ、あんた達なんかに!」  
 息も絶え絶えに、アリッサはどこまでも拒絶の意思を見せる。  
 だがその意思とは裏腹に、アリッサの足は動かない。いまだ身体中が酸素を強く欲していた。  
 (すぐに立ち上がらなくてはならないのに!)  
 「バーカバーカ!ムダダヨーン!」  
 バチンッという硬い音とともに、アリッサの頬に痛みが走った。  
 
 「キャアッ!」  
 「オトナシクコロサレタらー?」  
 叩かれた箇所に、今度は暖かく、粘着質な感触があった。見ると、真っ赤な舌がアリッサの頬を這いずって いる。  
 「イヤアッ!」  
 その奇怪な行動に、アリッサは今までにない嫌悪感を覚え、少女を突き飛ばそうとする。しかし、まるで思 い岩のように自分に抱きついている女は離れない。  
 「セッカクダカラ、死ぬマエニタノシマセテアゲヨウカ?」  
 アリッサの耳元に、少女はそう囁いた。・・確かに、そう囁いたのだ、愉しませると。  
 それが意図するところを、アリッサはすぐに理解した。  
 (冗談じゃない・・!)  
 再び暴れだすアリッサを、けたけた笑いながら少女は抑え付ける。そして慣れた手つきで、アリッサのスカ ート、下着と脱がせてゆく。  
 「ひっ・・いやっ・・・!」  
 どちらかと言えば、その手際の良さに驚きながら、アリッサは無為な抵抗を続ける。自分にのしかかるこの 少女のどこに、これほどの力があるのか。  
 「ヒャヒャッ、アリッサー?キレーナピンクイロダネー?」  
 アリッサは、すぐに恥ずかしさで耳まで赤くなった。それは、使命に燃えるルーダーから、一人の少女に戻 ってしまった瞬間だった。  
 同じ学校に通う友人にすら恥ずかしくて見せられない部分を、他人に・・それも自分を殺そうとする少女の 前に晒してしまったのだから、それも無理はなかった。  
 「ヒャヒャッ!ケモスクナーイ!イママデ見たムスメのナカデ一番イーヨ?アリッサー!」  
 (今まで見た娘・・?)  
 その台詞でアリッサは悟った。そう。シザーウーマンは、こうやって多くの少女を弄んだのだ。  
 
 「あんた・・あんたなんかに!」   
 「テイコースレバー?」  
 アリッサの必死の声も、少女は特に意に介さなかった。アリッサの頬を舐めていた舌を、ゆっくりと中心部 へと下ろして行く。  
 首、胸、乳頭へとナメクジの様に、アリッサの身体を這って行く少女の舌。そのおぞましい感覚に、アリッ サは寒気を覚えた。少女の目は、先程より爛々として輝いている。  
 「っうあ!!」  
 突然の痛みに、アリッサは声を上げる。乳房が、痛いほど強く噛まれたのだ。  
 「ヒャヒャッ!」  
 そのアリッサの反応に、少女は嬉しそうな声を上げる。そして間髪入れずに、アリッサの股を開かせ、自分 の腰を入れる。  
 「な、何っ!?」  
 「キマッテルデショオー?」  
 いつの間にか剥き出しにしていた少女の股間が、アリッサの秘所に触れる。まるで尿を漏らしてしまったか のように、少女のそこは濡れていた。  
 「ひっ!?」  
 アリッサの声に、シザーウーマンは満面の笑みを浮かべる。そしていよいよ、本格的に腰を擦り付け始める 。  
 ネチャネチャとした、股間の触れ合う初めての感覚に、アリッサは気が狂いそうなる。  
 「ひっ・・!ひっ・・・!」  
 その何とも言えない感覚に、アリッサは途切れ途切れ、声を上げる。気持ち悪いとも良いともつかない、不 思議な感覚。そんな波が、大小かまわず断続的にやってくる。  
 
 「ンームッッ・・」  
 少女は、身体をアリッサにすりつけるようにしながら、まるで乳飲み子のように、服の間からわずかに飛び 出すアリッサの乳を吸った。もちろん、その間も腰の動きを止めることはない。  
 「あっ・・は・・・っ」  
 股間の感覚より、そちらの方がアリッサにとって心地よい感覚を呼び起こすものだった。  
 「アリッサッ・・・!」  
 いつの間にか、シザーウーマンの声に、先程のケバケバシサがなくなっていた。まるで、ただの少女に戻っ たかのような声。  
 (もしかすると彼女は、同姓との性交の際には、こうなってしまうのだろうか?)  
 「んッ・・」  
 自分の声が、信じられないほど艶っぽくなっている事にアリッサは気づいていた。気づいているのに、止め られない。もはや、この快感の虜になってしまっていたのだ。  
 「あっ・・あっ・・・!」  
 「アリッサ!アタシ、アタシモウ・・・!」  
 「・・えっ?」  
 聞き返す間も与えないかのように、少女の動きは早くなって行く。それが、絶頂に向かっていく前兆である と、初体験のアリッサも本能的に理解した。  
 「んっ・・・!」  
 アリッサはそれに答えるかのように、自ら腰を振り始めた。恐ろしいほどの淫らな音が、二人をつなぐ部分 から漏れてくる。  
 「あっ、アッ、・・・・・ッッッ!!」  
 その瞬間、少女の股間から潮が噴出された。激しい絶頂の証だった。  
 一瞬遅れ、アリッサにも絶頂がやってきた。それは、一人でした時より、遥かに高い場所だった。頭が、完 全に真っ白になって行く・・・・・・・  
 
 意識が戻った時、アリッサの目の前には少女がいた。一寸遅れて、アリッサは記憶が呼び起こされる。  
 「あっ・・・!」  
 先程の痴態を思い出し、一気に赤面するアリッサ。それと同時に、自分の目の前にいるのが恐ろしい殺人鬼 だと言う事も思い出し、すぐに立ち上がろうとする。  
 しかし立ち上がろうとするアリッサの肩を、少女は空虚な目をしながら抑える。  
 「なっ・・!」  
 やはり、逃がす気はないようだ。いや、もうすぐに殺すつもりに違いない。アリッサは慌てて、聖水を目で 探す。  
 「アリッサ・・」  
 ふと、アリッサはせわしない動きを止めた。そのあまりに少女の声が、イメージからかけ離れた声になって いたためだ。それは、あまりに元気のない声だった。  
 「アリッサ。ダメ。ヤッパリ、ワタセナイ」  
 少女の言葉の意味が分らず、アリッサは困惑する。  
 「オニイチャンニモ・・マノモノニモ」  
 「な、何を?」  
 答えの代わりに、少女はアリッサを押し倒し、激しいキスをした。  
 「キャアッ!」  
 アリッサは慌てて押し飛ばそうとするが、やはり動かない。  
   
 「アリッサ・・ワタシガマモッテアゲルカラ・・これからはズーット、タノしモーね?」  
   
 アリッサの目が、見開いたまま固まった。  
 そしてそんなアリッサを見ながら、少女は再び、嬉しそうに行為を始めるのだった。  
 

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