「ふっふーん、どうPくん?私だってまだまだ若いでしょ?」
「……いや、何やってんです早苗さん」
ドヤァ、と言わんばかりのしたり顔のアイドルと、呆れた顔のプロデューサー。
運動会が近いから、と学生アイドルたちが体操服やチア衣装を披露した日の夜に、28歳の女が体操服でストレッチをしているのだ。呆れもする。
「ほら、私って童顔じゃない?それに小柄だから、まだまだ体操服を着れるかなって思ったんだけどさ!」
「それで本当に着るのはあなたぐらいなんですがね」
「でもね、ちょーっとキツかったりして。胸とか太股にばっかりお肉がついちゃったからねぇ」
すっくと立ち上がった早苗は、確かに体操服が似合っていた。
が、些か窮屈そうにも見えるのは、童顔に似合わぬ豊満な肉体のせいだろう。
「確かにエロいですね。まるでイメクラ嬢みたいで」
「ちょっ!?」
「そりゃ俺はプロデューサーですから。アイドルの色香に惑わされてるようじゃ務まりませんから、我慢はしてますがね。襲ってむしゃぶりつきたくなるぐらいエロいですよ早苗さん」
「あぅ……」
今度は羞恥心でショートしかけてしまう早苗。
よくよく考えればこんなのを何故着ようと思ったのか、自分でも自分の正気を疑わずにはいられない。
だが、女には女の意地があるのだ。
「い、……いいよ?」
「は?何がですか?」
「私を、食べてもいいよ?P君の好きなように私を食べて、味わってもいいよ?」
「……そんなことを言われたら、我慢出来ませんよ?俺だって欲望は人並み以上にはありますから?」
「うん、私もP君が好きだからね。は、初めてだから、優しくして欲しいかな、なんて」
早苗の声が途切れる。
プロデューサーに抱き寄せられた早苗が息をする前に、唇を奪われる。
ファーストキスの甘い感触に、普段は明るいアイドルの瞳から涙が溢れて止まらない。
唇が離されると、今度は早苗からプロデューサーの唇を求めて、背伸びしながらキスをする。
結局キスを繰り返し、事務所ではなく別の場所でとプロデューサーの家に二人で向かい、そして二人は結ばれることとなるのだった。