華奢な身体に見合わぬ豊満な乳房を揺らしながら、早苗が寄りかかってくる。
アイドルをやめさせずに、しかし愛し合うには、誰にも話せぬ文字通り密会を行うしかない。
その密会も、今日で何度目になるのか。
最早数えることすら億劫になっている。
「あ、また余所見してる。君を捕まえたのは私なんだからね?」
ぎゅむ、と、腕が幸せになる。
柔らかな感触、温かな温もりを直に感じながら、俺は苦笑していた。
「ん、少しね。早苗は嫌がってたけど、やっぱりその胸はグラビアでこそ映えるんじゃないかってさ」
「嘘。そんなことを考えてたんじゃないでしょ?」
「本当だってば」
「…キスしてくれたら、信じてあげる」
んーっ、と唇を突き出す早苗。
その額に軽く唇を当てると、不満そうに頬を膨らませる。
「でこちゅーじゃダメっ」
「キスはキスだろ?」
「でこちゅーだと、なんか小さい子をあやしてるみたいだもん」
「早苗は小さいじゃないか。胸以外は」
「あ、セクハラー!逮捕しちゃうぞ?」
「もう早苗に捕まってるよ」
「……意地悪」
早苗は溜め息をつくと、俺の股座に馬乗りになる。
俗にいう騎乗位というヤツだ。
「私、アイドルをやめたいって何度も思ったよ。アイドルをやめて、君と結婚して、毎日こうしたいって」
「俺だって、プロデューサーをやめて、早苗だけを連れていきたいって思った」
「そんなことしたら、私、君に失望するよ?」
「だからやめてないんだよ」
「……私、グラビアやってもいいよ?」
「多分、俺が色々複雑になるけどな」
「複雑って?」
「俺の彼女はこんなにエロ可愛いんだ!って自慢したくなるのと、早苗の身体を他の男に見られる嫉妬でさ」
肉棒が早苗の蜜壺に呑み込まれる。
最初は痛がっていたのに、今はあっさり最奥まで突き刺さるほどだ。
「私も毎日そうだよ。君が他の娘といるのを見るたび、他の娘をスカウトしてくる度に、不安になって。でも仕事をこなす姿が格好いいから、自慢したくなる」
「俺たち、似た者同士だよな」
「うん、私は君に逮捕されたアイドル。君は私に逮捕されたプロデューサー」
「手錠はひとつでいいな」
早苗が、覆い被さるように抱きついてくる。
まだ針は、真上から少ししか動いてはいなかった。