『ひっ・・・・・・ゃ、やだ、やめてっ・・・!』  
『来ないでっ、来ないでってばっ、やっ、たすけっ、助けてPくんっ!!』  
 
 
「何だ・・・何なんだよこれは」  
 だって、二人ともついさっきまで、隣で笑ってたはずなのに。  
 
 
『ぅあ、痛っ、や、ぁああああああああぁあぁああっ!!!』  
『ゃ、っぐ、ぅあああぁあああぁあああぁああああっ!!!』  
 
 
「・・・何で、何でこんな・・・・・」  
 
 
 何もできないまま、俺はただ、画面の向こうで犯される二人を。  
 
 
 
「美嘉っ、莉嘉ぁっ!!」  
 
 
 自分が担当するアイドル姉妹の姿を、茫然と見届けることしかできなかった。  
 
 
 
「えっへへー、Pくーん☆」  
 
 ぎゅっ、と後ろから声を掛けながら、女の子が抱きついてくる。  
 丁度デスクに座っていたから、中学生の彼女でも肩から胸に手を回して、がっしりと抱きつくことができたようだ。  
 女の子特有の甘い香りが、ふわっ、と薫ってきて、書類仕事続きで荒んだ心が癒される。  
 
「こら莉嘉っ、プロデューサー仕事中なんだから邪魔しないのっ」  
 
 と、そんな彼女をぐいっ、と首根っこを掴んで引っ張る年上の女の子がもう一人。  
 迷惑をかけるんじゃない、と口に出すものの、ちらちらとこちらに視線を向けながら唇を尖らせている所に気が付けば、  
 一人だけずるい、アタシも我慢してるのに、とでも言いたげにも見える。  
 
「いや、調度キリがいい所だったんだ。そろそろ休憩しようと思ってたし、迷惑なんてことはないよ」  
 
 そう言いながら、背中に頬ずりする年下の子を、そのままじゃ立てないからとやんわりどかす。  
 
「で、どうしたんだ、美嘉、莉嘉。二人そろって」  
 
 年上の方が、城ヶ崎美嘉。年下の方が、城ヶ崎莉嘉。  
 わが事務所きっての売れっ子アイドルであり、俺が担当する自慢のアイドル姉妹だ。  
 といっても、事務所内ではトップクラス、というだけで、まだまだトップアイドルには程遠いのだが。  
 
「ん、忙しそうならまた今度で良かったんだけど」  
「急ぎの仕事は粗方片付いたし、大丈夫だぞ。どうした?」  
 
 ここひと月ほどはデスクワークや事務所内での仕事が多く、あまり現場についていってやれなかった事もあり、姉妹そろって話すのは久し振りだ。  
 別段トラブルがあったという報告はないし、仕事のことではなさそうだが。  
 
「んっとね、ちょっとPくんを連れて行きたいところがあるんだー☆」  
「時間があるなら、今から良いかな?結構時間とっちゃうと思うんだけど」  
 
 今日は営業の予定もないし、残っている仕事はまだまだ余裕がある。  
 それにここ三日ほどは特に忙しく終電ギリギリまで残業し、朝一で出社してを繰り返していた。  
 ひと段落ついた今日ぐらい、少々早く仕事を切り上げてもバチは当たるまい。  
 
「あぁ、大丈夫だ。どこまで行くんだ?なんなら車出すけど」  
「ううん、歩いて行ける所だから。ありがと、プロデューサー★」  
 
 なにより、ここ数日碌にコミュニケーションを取れていなかったのだ。たとえちひろさんに睨まれようが、このお誘いを断るつもりはなかった。  
 
 
 
 
 今にして思えば、この時点で既に手遅れだったのだ。  
 もっとしっかり二人のことを見ていれば。  
 無理を押してでも現場に付き添っていれば。  
 後悔ばかりが浮かんでくるが、もう遅い。  
 今さら「もしも」を考えたところで、現実は変わることなく、ずしん、と目の前に圧し掛かってくるのだから。  
 
 二人に連れられて、事務所を出てしばらく。  
 やけに人通りが減っていくことに違和感を感じ、二人に声をかける。  
 
「なぁ二人とも、一体どこに向かって・・・」  
 
 がつん、と。  
 目の前で火花が散るような感覚。  
 視界ががくりと揺れ、後頭部に異様な熱を感じた。  
 急激に遠くなる意識の中で。  
 
 
 
 普段からは想像もつかない、淀んだ目をした二人が。  
 そんな目で薄ら笑いを浮かべた二人の姿が、見えた気がした。  
 
 
 
「・・・ぅ、ん・・・」  
 
 鈍い痛みに顔をしかめながら目を覚ます。  
 そうだ、確か美嘉と莉嘉に先導されながら、連れて行きたい場所があるって。  
 
「・・・ん、何だ」  
 
 目が覚めると、なぜか薄暗い部屋で、手をロープで縛られいた。  
 後ろ手に柱のようなものに括りつけられているようで、立ち上がることもできない。  
 
 そして、目の前には、目線の高さがしっかり合うような高さで、テレビが一台、ぽつんと置かれていた。  
 
「・・・美嘉?莉嘉っ!?」  
 
 声を掛けるが、返事は無い。どうも近くにはいないようだ。  
 まさか、不審者に襲われたのか。自分が付いていながらなんて情けない、とパニックになりそうな頭を必死で落ちつけようとする。  
 そのタイミングで、目の前のテレビの電源が入った。  
 
 そこに映し出された映像を見て、俺は息を呑み、愕然とした。  
 
 
 
『やっ、嫌、やめっ、ふぁっ!??』  
 
『お姉ちゃ、んぁ、あぅうっ!!?』  
 
 
 
 映っているのは、美嘉と莉嘉だ。  
 解らないのは、何故。  
 
 
 
 何故、彼女らは服をビリビリに破られ、半裸に近い状態で、見知らぬ男たちに嬲られているのだろうか。  
 
 ただ茫然と、呆気にとられていたのも束の間、何が起こっているのかを理解し、頭が沸騰しそうになる。  
 最悪の想定通りだった。何とかこのロープを解かなくては。いったい誰がこんなことを。二人はどこに。  
 ぐるぐると思考があふれ出し、考えがまとまらない。それでもとにかくここから動かねば、ともがいてみても、ロープはかなり頑丈に結ばれ、少しの綻びもできない。  
 そうしている間にも、画面の向こうで二人への愛撫は続いていた。  
 いや、愛撫と呼ぶにはあまりにも身勝手な、それは只の凌辱だった。  
 
『っく、ぁ、い、い加減にっ、ん、んむぅっ!!!』  
 美嘉が、唇を奪われていた。周りの男どもを振り払おうとする手を逆に軽々と掴まれ、恐怖に固まった顔に、隙アリと言わんばかりに一人がキスをする。  
 必死にもがいて顔を逸らそうとしているようだが、男の膂力には敵わない。がっちりと頬を押さえ込まれ、舌まで吸われているのだろう、ずぞぞ、とひどく下品な音が聞こえた。  
 
『ひっ、や、な、何っ、やだやだ、怖いっ、やだっ、Pくん、Pくん助けてっ、あ、くぅんっ!!?』  
 莉嘉が、無理やり仰向けに押さえつけられ、股間をまさぐられていた。ぶーん、ぶーんと、何かが震える音がする。  
 その音の発生源がわからないほどガキではないつもりだが、出来る事なら気付きたくはなかったし、信じたくもなかった。  
 Pくん、Pくんと助けを呼ぶ声が、段々と高く、苦しそうになっていく。助けに行くことも、いっそ耳を塞ぐこともできない状況に気が狂いそうな思いだった。  
 
 数十分もそうしていただろうか。いや、実際は十分と経っていないのかもしれないし、数時間も過ぎていたのかもしれない。  
 画面の向こうの姉妹は、残っていた衣服もはぎ取られ、抵抗する力も失い、ただぐったりと、男たちの責めに身をゆだね、時折ぴくりと体を跳ね、あ、とも、ん、ともつかない短い悲鳴を上げるだけになっていた。  
 腕の皮が擦り剥け、ロープに血が滲んで、痛みに顔が歪む。それでも諦めるわけにはいかない、いっそ腕が使い物にならなくなっても。  
 そうしてひたすら暴れていると、画面に変化があった。  
 カメラがズームにされ、ピントがぶれる。一瞬の後、再びしっかりと像を結んだ画面に映っていたのは、まだ毛も生えていない秘裂。  
 ぐちゅり、と。無骨な男の指が割れ目をなぞると、湿った音をマイクが捉える。かすかに聞こえた声は莉嘉のものだった。  
 画面が横にスライドし、こちらもうっすらと産毛が見えるか見えないか。じゅぷっ、と浅く指を突き立てられ、美嘉がぴくん、と反応する。  
 いやな予感に、血の気が引いていく。そのことと真逆に、じっとりと熱を帯びていく股ぐらが酷く腹立たしい。目の前で犯されているのは美嘉と莉嘉だというのに。  
 そして、嫌な予感ほど明確に現実に変わるのだ。  
 両方ともがカメラに映るように、二人の体が横たえられる。そして、まるで見せつけるかのように。いや、見せつけるつもりなのだろう。  
 こちら側にも、向こうの二人にも。  
 
『・・・ん、ぁ、えっ、や、やだっ・・・・・・』  
『・・・ぅ、いや、やめっ、てぇっ・・・・・・』  
 
 カメラ越しでも解るほどに、はちきれんばかりに反り返った、グロテスクな肉の槍。  
 ぷちゅり、くちゅりと、焦らすように腰を擦りつけられ、二人が再び抵抗を強める。  
 
『それはっ、ぅぁ、それっ、だけはぁあぁっ・・・!』  
『うっく、ふぅっ、や、やだっ、うぁぁっ・・・!』  
 
 じたばたと暴れる体を、周りの男たちが取り押さえる。  
 やめろ、おい、それだけは、何が何でも許さない、待て、待てよ、待てってば、やめろ、やめてくれ、  
 
 
 
『ひっ・・・・・・ゃ、やだ、やめてっ・・・!』  
『来ないでっ、来ないでってばっ、やっ、たすけっ、助けてPくんっ!!』  
 
 
 
 そして。  
 
 
 
『ぅあ、痛っ、や、ぁああああああああぁあぁああっ!!!』  
『ゃ、っぐ、ぅあああぁあああぁあああぁああああっ!!!』  
 
 
 
 二人は、その処女を、散らした。  
 
 
 つぅ、と、紅い血が、二人の秘裂から流れ出す。それにかまわず、男たちは欲望の赴くまま、腰を打ちつける。  
 苦しそうな二人の表情さえ、彼らにとっては興奮を掻き立てる燃料にしかならないのだろう。  
 小柄な莉嘉に覆いかぶさる様に。美嘉をまるで動物のように四つん這いにさせて。  
 胡坐をかいて座った体に、正面から抱きつかせる様に。寝ころんだ上にまたがらせ、まるで自分から腰を振って見える体勢で。  
 どれだけ二人が泣き叫ぼうが、まるで意にも解せず、男たちは二人の体を貪るように犯していく。  
 
 
 そうして、足を持ち上げて背中から抱えた体勢で、再び二人を揃えてカメラが捉える。  
 悲鳴はいつの間にか戸惑いを含んだ嬌声に変わっていた。きっと口を引き結んで、声を上げまいとする美嘉と、抵抗できず、小さな声を洩らし続ける莉嘉。  
 ゆさゆさと、二人の体を揺さぶる男たちの、腰を打ちつける強さと速さが増していく。  
 もはやもがくことも忘れて、その光景に目を奪われる。見るな。見てはいけない。頭では理解しているのに、体は言うことをきかない。  
 一際強く腰を打ちすえ、同時に姉妹の体も大きく痙攣する。  
 どくん、どくんと。白い粘液が、二人の秘部に注ぎ込まれる。収まりきらない分が、どろり、こぽりと零れ落ちていく。  
 もはや声も上げられなかったのか、がくりと力を失った姉妹は、恐らく意識を失っている。  
 ぬぽっ、と嫌な音と共に肉棒が引き抜かれた割れ目に、間髪入れずに別の男が逸物を突き入れる。  
 その衝撃で意識を取り戻した二人が、混乱したまま嬌声を上げ、顔を歪める。  
 しかし、その表情から見えるのが苦痛だけではないことが。意志に反して、彼らを受け入れはじめていることが。  
 それを感じ取れる程に、二人は雌の表情をその顔に表し始めていた。  
 
 がちゃり、と背後から音がする。  
 あまりに凄惨な光景を見せつけられ茫然としていたせいか、自分でもわかるほど緩慢に振り向いた。  
 
 
 
「ふふっ、見てくれた、プロデューサー?アタシたちの初めて★」  
「あ、ズボン膨らんでる!見せつけられてコーフンしたんだー・・・Pくんのヘンタイ☆」  
 
 美嘉、莉嘉。なにを言ってるんだ。  
 
「んー、でもなんか・・・」  
 
 つかつか、と莉嘉が近づいてくる。目の前でしゃがみこんだ彼女は、何のためらいもなく、ズボンのチャックを引き下ろし、その奥をまさぐり、  
 
「あはっ、やっぱり☆ Pくんのってちっさいんだー☆」  
 
 なんのためらいもなく、いきり立った俺の陰茎を引きずり出した。  
 
「あーホントだ、皮かぶっちゃってるし。なんかゲンメツだなー★」  
 
 いつも通りなら、顔を真っ赤にして目を背けるはずの美嘉も、あきれ果てたような目でこちらを見据えている。  
 
「でもよかったじゃん、おねーちゃん。こんな祖チンに処女あげなくてすんだんだもん、ね☆」  
「ん、そーだね。こんなんじゃ絶対気持ちよくなれないもんね★」  
 
 二人は、ステージ用の衣装を着ていた。  
 いや、見れば普段の衣装ではない。胸や秘部を覆う布を切り取った、まるで服としての役割を果たさない、いやらしい改造がされていた。  
 なんだこれは。ついさっきまで無理やり犯されていた二人が、なんで。  
 
 
 
「アレ、もしかしてわかってない?さっきまで見てたの、アレ録画したやつ。3週間くらい前かな、お仕事の帰りに連れてこられてココで撮ったんだー☆」  
「初めのうちは本気でイヤだったんだけど、あれから一日中ヤリっぱなしだったし。しばらくしたらもーどーでもよくなっちゃってさ★」  
 
 そんな、だって、二人ともそんなことがあったなんて一言も。  
 
「言われないと気付かないって?コレでもけっこーサイン送ってたつもりなんだけどなー」  
「結局その程度のことも気付けなかったPくんが悪いんだよ?気づいてくれなかったから・・・だから・・・」  
 
 入口から、ぞろぞろと軽薄そうな男たちが部屋に入ってくる。さっきまでの映像で二人を犯していたヤツらだ。  
 
 
「「アタシたち二人とも、このオチンポなしじゃガマンできないカラダにされちゃったんだから★☆」」  
 
 
 
 そういって、うっとりとした表情で、見せつけるように男たちの肉棒に頬ずりする。  
 信じがたい光景に茫然としている内に、二人は男たちの逸物を手に取り、口に含み、いやらしい音を立てて吸いつき、空いた手でまた別のモノをしごきはじめる。  
 
「んむ、じゅ、あむっ、ん、んふっ」  
「れる、ちゅ、んむっ、ん、んんっ」  
 
 ぽたり、と、床に雫が垂れる。触っても、触られてもいないのに、秘裂からとろりとした蜜が滴っていた。  
 口からも手からもあぶれていた男が、待っていたと言わんばかりに肉棒を突き入れる。  
 他の男のモノを咥えてくぐもった声は、はっきりと快楽にまみれていた。  
 
「んぷぁ、あっ、キタ、ちんぽきたぁっ★」  
「ぁっ、はぁんっ、いいっ、きもちいーよぉっ☆」  
 
 さっきまで見せられていた映像の中の、泣き叫ぶ二人の顔と。  
 今目の前で繰り広げられている、恍惚とした二人の痴態と。  
 
 もはや何がなんだかわからなくなった俺は。  
 
「んぁ、はぁっ、あ、えっ?」  
「ふぅっ、ん、んぁ、あっ?」  
 
 
 
 気づいた時には、まったく触れてすらいない、ギンギンに屹立したペニスから、どろりとした精液を吐き出していた。  
 
 
 
「・・・っぷ、あはっ、あはははははっ!!Pくん、触ってもいないのにしゃせーしちゃったんだ☆」  
「ただでさえ短くて細くて皮かぶっててお粗末なモノぶらさげてるのに、おまけに目の前で他のチンポがセックスしてるの見ただけで射精する様な早漏のドMとか・・・  
 ホント、なんでこんなヤツ一瞬でも好きになったんだろ?」  
 
 嘲りの目で嗤う莉嘉と、失望の目で見下す美嘉。  
 
 その二人の視線を受けながら。  
 
「っくぁ、あっ、ああぁっ★ や、いきなり激しすぎっ、あ、はぁああああっ!!?」  
「や、んぁっ、これっ、すぐっ、すぐイッちゃうよぉっ、ふぁ、んうぅぅんっ!!!」  
 
 激しく腰を打ちつけられて、蕩けた表情で快楽に溺れていく彼女らを見つめて。  
 言い表しようのない嫌悪と快感の混じりあった感覚に包まれながら、俺の意識は再び闇に沈んでいく。  
 壊れた蛇口のように、勢いなく精液を垂れ流す快感が、妙に頭にこびり付く。  
 噴水のような射精を浴びせられ、代わる代わる蜜壷に肉棒を突き入れられる二人の幸せそうな喘ぎ声が、いつまでも耳から離れなかった。  
 

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