「おーい、東郷」
「なんだ、また君か……こりないな、君も」
「まあいいだろそんなことは。それより、チョコくれよ、チョコ。レッツミーバレンタイン」
「……英文の意味がまず分からないが。私が貰ったチョコがそんなに食べたいのかい?」
「なんでだよ、俺は東郷からのチョコが欲しいんだよ」
「……はぁ、なんというか。君は君のままだな。ほら、これしかないから我慢してくれたまえ」
「やったー」
↓
「ほら、バレンタインチョコレートだ」
「おおっ、ありがとうご、東郷。いやー、東郷から率先してチョコを貰えるなんて珍しいな」
「いやなに、あれだけ毎年のごとく言われてるんだ、逆のことも起きるさ」
「そうか。いや、それにしても毎年のことながら美味そうだな」
「市販のチョコを湯煎して型にはめただけじゃないか」
「いやいやそれにしてもだよ。ハート型のチョコなんて東郷しかくれたことないからな。はは、ありがとう」
「……気づいているのか、いないのか。……わざわざハート型なんて何も想っていないのに用意などするはずないだろうに。この鈍感……」