「ありす、君はこのプロダクションに入った時のことは覚えてるよな」
唐突に切り出す、少し考えるような素振りを見せてから
「はい、あの頃は自分の名前が嫌いでしたが今は大好きです」
「そうかそうか、その時言われた仕事はしますって言ったよな」
「は、はい」
立ち上がり後ろを向きわざとベルトのバックルの音をカチャカチャ鳴らした
「ふぅ、実はありすに舐めてほしいものがあってな」
「え?」
振り返らなくても今の声の具合で不安が伝わって来るようだ
「なぁに、すぐにありすも馴れるよ」
にこやかに振り返ると予想通り不安そうなありす
「たのむぞ」
「え、あの、舐めるって…その、なにを」
ふっ、と笑いテーブルの手をやり
そして……
「アイスのCMだよ、オファーが来ててね、期待してるよ」
発売したばかりのアイスの広告を出した
ありすは少しだけポカーんとした後、元気に、そして少し怒ったように返事をした
なお、この後、偶然顛末を見ていた凛ちゃんに変態と罵られた模様