961プロダクションの業績は、ここ数年で飛躍的な進展を遂げていた。  
そこにはかつて我那覇響や四条貴音という二人のトップアイドルが所属していたものの  
ライバル視している765プロの陰に隠れて今一つ注目を集めきれていなかった事務所だった。  
しかしここ数年は前途有望なルーキーアイドルが961プロの門をくぐり、アイドル業界に花を咲かせていた。  
渋谷凛を筆頭に高垣楓、神崎蘭子、城ヶ崎美嘉・莉嘉の姉妹等の存在は  
今や961プロの身を大きく引き上げて、各業界から引く手数多の  
トップ事務所として961プロを君臨させている。  
CDを出せばオリコン上位は確実と言われている彼女たちの功績に  
961プロ社長・黒井崇は笑いが止まらなかった。  
かつて目の上の瘤だった765プロは大きく引き離されて二番手に甘んじている。  
 
(くくく……どうだ高木ィ! 貴様のような甘い人間の経営する事務所など  
 私の覇者の理念の前には、こうも差が出来てしまうものなのだ……!)  
 
しかしそうした勝者の笑いの陰には、幾人もの涙と血汗が流れているものだ。  
それは流れに流れ、溜まりに溜まって悲愴の池沼を形成し  
絶望という名の澱みを静かに形成していた。  
 
   #  #  #  
 
「入るぞ」  
 
郊外にあるマンションの一室にスーツ姿の男が訪れた。  
最上階の角部屋であるこの場所は、他の住人と大きく隔離されている。  
訪ねて来た男はまだ二十代半ばだった。しかしその顔には  
心身の慢性的な疲労が黴のようにこびりついていて  
外見を十も老けて周りに見せていた。  
 
「久し振りだな」  
 
インターフォンを鳴らすと、客と同年代と思しき男がドアを開けた。  
端正な顔立ちと言えるが、その容貌を眼下の深く濃いクマが台無しにしている。  
 
「毎度あの社長がこき使ってくれててね」  
「全く、あの人は相変わらずか……」  
「まあ、『あの時』よりかは楽だよ。要らない金まで吸い取る魔女がいなくなったからな」  
「そうか。まあ、ゆっくりと疲れを取ってくれ」  
 
訪問者はクマ目の男に促されて敷居を跨いだ。  
部屋の奥からは何やら青臭い匂いが漂ってきている。  
哀願する悲しげな女の声と、男の汚い罵倒がその空気を穿ちながら耳に入って来た。  
 
「先客が何人か来ているようだな」  
「ああ、三人ほどな」  
「珍しいもんだ。滅多に予定はかち合わないのに」  
 
更に歩を進めると、狭いリビングで男三人が一人の女を組み敷いて激しく犯していた。  
いずれも真裸である。それを見ると、服を脱げば人もまた  
自然における一介の動物であると再認識させられる。  
 
「おおっ、久し振りだな!」  
男たちはリビングにやってきた来客に目を向け 性撃の手を緩める。  
親愛のこもった眼差しは、それまで女に向けていた烈々とした憎悪とは真逆のものだった。  
 
「やっているな」  
「おうよっ! この忌々しいクソ女を犯し殺すのが唯一の捌け口だからな」  
 
女尻を乱暴に掴み、剛犯していた男は言った。  
ピシッピシッと彼女の尻肉へ彼は強かに平手打ちを食らわせる。  
何度も行っているためか、白く美しい尻肌には朱い手痕が痛々しいまでに染み付いていた。  
 
「ああんっ、ああっ……!」  
 
女は平手で打たれる度に女は苦悶と快感の混じった嬌声を吐き、豊かな尻肉を震えさせた。  
一切の愛情なき手鞭の苦痛を、多少なりとも快感に代えようとする所に  
彼女の劣悪な境遇とそれに順応しようとする涙ぐましい努力が透けて見えた。  
 
「おらァッ、もっとしっかり腰を触りやがれッ!」  
 
彼の振り落とした手が、また尻の手痕を一層赤くする。  
「てめえが俺から今まで搾取した分  
 休まずチンポに奉仕しろォッ!」  
 
哀れな彼女に向ける彼の形相は、鬼と形容するのも生ぬるい。  
順応しようがしまいが関係ないと言わんばかりに、彼は彼女をいたぶり犯し続ける。  
彼の頬に広がっている酷い火傷の痕が、怒号を女に浴びせる度に醜く引きつり  
それが一層、彼を悪鬼のように見せていた。  
これはかつて彼が城ヶ崎美嘉のプロデューサーだった時についたものだ。  
美嘉を売り出す際に連日厳しい営業ノルマを課せられていた。  
彼はある時目標ノルマにほんの一歩届かず、後日黒井社長に呼び出された。  
職務怠慢として社長は彼を痛烈に罵倒し、熱湯を注いだばかりの  
マグカップを彼の顔面へと投げつけた。  
このような仕打ちを毎回受け続けた結果、彼の頬には消えない傷が残ってしまった。  
やがて美嘉が売れ出すと、黒井は彼の外見では営業に支障が出かねない  
と言ってのけ、別のプロデューサーへ美嘉を任した。こうして美嘉Pはお払い箱となったのだ。  
彼は最後まで自分を気遣い、一緒になって泣いてくれた美嘉の優しさが今でも忘れられないという。  
 
「皮肉なもんだな……。極悪な搾取で俺たちを地獄に落とした  
 このクソ女が、俺たちの唯一の捌け口だとか……」  
 
ソファーで煙草をくゆらせている痩せぎすの男が呟いた。  
不動のトップアイドルに君臨する神崎蘭子を彼はプロデュースしている。  
髑髏を連想させる浮き出したあばら骨とこけた頬が  
極限まで神経と肉体をすり減らしたこれまでの出来事を雄弁に語っていていた。  
蘭子Pはこれでも、入社時は女性社員から二度見を受けてしまう程の美男子だった。  
それが今や、道行く女子校生からガイコツガイコツと嘲笑を買うまでに堕ちている。  
 
「休んでないでもっとしゃぶれ! この肉穴ビッチめぇっ!」  
 
フェラをさせているもう一人の男が彼女の頬を激しく叩く。  
彼は国民的ローティーンアイドルの筆頭株である佐々木千枝のプロデューサーだ。  
彼もまた尋常ではない営業ノルマを初期から課せられていて  
一度悪徳金融に多額の借金をした事もある。  
安月給ではとても返済しきれない額を背負わされた彼は  
最後にその会社が雇った暴漢たちに袋叩きにされた。  
今でもその後遺症で、彼は麻痺のある右足を引きずっている。  
 
「くっ……! いいか、てめえの雌豚マンコでザー汁をしっかり飲み込めぇっ!」  
 
涙を流して嫌がる彼女を無視し、美嘉Pは苛め抜いた蜜穴に勢い良く淫精を豪射した。  
避妊具を一切着けていない生の淫棍が  
肉悦にビクビクと打ち震えながら、雌膣を襞奥まで白く汚していく。  
 
「ふぅ……俺、一度休憩するわ。……入るか、十時P?」  
「悪いな、使わせてもらう」  
膣口からヌッと引き抜かれた美嘉Pの太い肉根は、だらしなく白い太糸を先端に垂らしていた。  
膣孔の支配権を譲り受けた彼――十時Pは、すぐさま彼女にかぶりついて  
盛りのついた犬のように女体を蹂躙した。  
 
「ほら、チンポ汁出すぞ! しっかり飲みやがれ!」  
 
千枝Pは逃げないように彼女の頭をぐっと押さえ  
喉奥まで長竿を挿入し、ビュルビュルと雄汁を豪快に注ぎ込んだ。  
その夥しい臭汁に耐え切れずに彼女は苦悶の表情を浮かべてむせる。  
喉を亀頭で塞がれて行き場をなくした勃起汁は  
鼻腔を上へと駆け上り、鼻穴から外を拝んだ。  
 
「はははっ! 傑作だな!」  
「淫豚にはお似合いの化粧だぜ」  
 
美嘉Pと蘭子Pは柏手を打って、愚童のように白淫を鼻穴から流している彼女を指差して笑った。  
 
「どうだ、チンポ汁の味はよぉ……」  
千枝Pは骨張った手で彼女の口を押さえて、口内の汚汁を無理やり咀嚼させた。  
青臭い匂いは咽喉を完全に支配下へと置いている。  
その悪臭にむせかえりながら、彼女は多量の淫汁を飲み干していく。  
飲んでいかないと息すら満足に出来ないのだ。  
眉間に皺を寄せる彼女の瞳孔は、涙に滲んでいた。  
 
「薬臭くて苦いだろうよ。何せ胃の中には……  
 スタミナドリンクしか入ってねぇからな!」  
 
千枝Pは乱暴な動作で彼女を仰向けに転がし  
汚した口唇へ自らの巨槌を再度突き入れた。  
 
「んぶぅぅっ……! んう゛う゛……っっ!」  
 
体重のかかった鬼のような抜挿により、太い肉塊は喉奥を幾度となく犯す。  
ぶら下がった肉嚢が激しく揺れ動き、彼女の目蓋に何度もぶつかった。  
 
「むぐううっっ! ん゛ん゛ぅぅっっ!」  
 
彼女は泣き叫んだが、その声は口内を制圧した肉兜に虚しくぶつかり、外へ出る事はなかった。  
 
「さて……俺もそろそろ混ざろうかな」  
「ああ、混ざれ混ざれ。一緒にこのクソ雌をいたぶってやろうじゃないか」  
千枝Pは肉根を挿入したまま、彼女の脚を掴んで自分の方へと引っ張った。  
 
千枝Pは肉根を挿入したまま、彼女の脚を掴んで自分の方へと引っ張った。  
体を曲げられた彼女は精汁のまとわりついた二つの淫穴を天に向けて剥き出しにされる。  
十時Pと蘭子Pの二人は、それぞれ膣穴と肛穴に肉根を咥え込ませて、激しく攻め立てた。  
三穴は執拗な肉根責めを受けて、唾液、膣液、腸液などのあらゆる汁液を溢れさせている。  
これはもはや人間として扱われていない。  
いずれ食料として屠殺される家畜の方が、まだ愛情を注がれる分幸せと言えた。  
恥肉の性処理穴以上の価値など、ここには存在しないのだ  
 
「おらぁっ!」  
 
彼らは掛け声と共に彼女の穴という穴へ、一斉に勃根を深く突き入れた。  
憎悪に満ちた姦精が、ぶびゅぶびゅとけたたましい猥褻音を帯びて  
今日もまた彼女を心まで汚していく……。  
 
   #  #  #  
 
男たちからボロボロに犯されている女は  
かつて961プロに所属していた千川ちひろという名の事務員である。  
黒井社長の寵愛を得ていた彼女は、ここにいる者の中では最も羽振りの良い人間だった。  
彼女が入社してから961プロは社則から経営方針まで、劇的に変化した。  
そもそもの始まりは、経営に悩む黒井にちひろがあるスタミナドリンクを紹介した事に始まる。  
それは素晴らしい効力を持っていて、一週間は寝ずに活動できる代物である。  
社員に飲ませて効果を確認した黒井は、早速会社でそれを大量に購入し、社員たちに支給した。  
作業能率向上により、みるみる上がっていく業績に黒井は狂喜した。  
そしてそれは961プロを更に黒く染め上げた。  
それまで黒さが多少なりともあるアイドル事務所であったが  
それ以降は極端なまでの成果主義と拝金主義の塊と化し  
闇の方がまだ明るいと思うまでにどす黒く変貌した。  
黒井は件のドリンクを摂取する事を社員に義務付け、プロデューサーたちを馬車馬のように働かせた。  
ドリンクの本数は業績が伸びるにつれて減るどころかむしろ増えていく。  
しまいに社員たちは胃にスタミナドリンクのみを流し込んで働くただのロボットと化した。  
やせ細り、一睡も許されないまま働かされる彼らを  
業界人たちは哀れみをもって「幽霊」と呼称した。  
そんな黒井の陰に付き添い、影響与えた人物こそちひろだった。  
彼女はスタミナドリンク提供の件以来黒井社長と懇意になり  
その関係を更に強めていった。  
社長の彼女に対する信頼は、時を追う毎に厚くなっていく。  
やがて彼女の進言にも注意深く耳を傾けるようになり  
いつしか一事務員でありながら、彼女は事務所内で最も発言力のある人間となっていった。  
また、件のスタミナドリンクを生産している製薬会社は  
彼女の親族が経営しているものであり、強力なコネを作った事による利益は  
そのまま彼女の生活を豊かにしていった。  
スタミナドリンク摂取義務化の次に、彼女は自ら数割引のドリンクセットを販売し始める。  
これを飲んで他の社員と差をつけろと言うのだ。  
プロデューサーたちはそれがちひろのポケットマネーになると薄々感じながらも  
他人より優れた成果を出すためにより安価なそれに手を出さざるを得なかった。  
その価格は本数を増やしながらどんどんつり上がっていき  
ドリンクを箱買いするために車を売ったり、家賃が払えなくなった社員が続出した。  
社員たちが魂と身を削って貧窮極まりない日々を送る一方  
ちひろは豊富な純利を得て豪遊し、数台の高級外車を保有するまでになっていた。  
その美貌と才覚で彼女はやがて社長の愛人に収まり、支配は磐石と思われた。  
社員たちの憎悪に満ちた眼は、既に傀儡と化していた黒井よりも  
諸悪の根源であるちひろへと向けられた。  
明日をも分からない苦渋の日々に、精神を磨耗し尽くしたプロデューサーたちは  
緻密に計画した上で覚悟を決め、ちひろを例のマンションに拉致監禁した。  
それから数ヶ月もの間彼女は性辱を受け続け  
彼らの性処理玩具として絶望の中で命を繋いでいた。  
 
   #  #  #  
 
この監禁部屋は、961プロを解雇された人物二人が家賃を払っている。  
彼らはかつて渋谷凛と島村卯月のプロデュースを担当していた。  
しかし度重なる酷労によって身体を壊し、それを理由に事務所から見放されてしまったのだ。  
現在はパートやアルバイトを転々としながら、ルームシェアをして何とか暮らしている。  
 
ちひろの世話については、それぞれのバイトを調節してシフトを組み、昼夜交代で見張りをしていた。  
昔の無茶な労働が祟り、彼らは一日三時間の睡眠しか出来ない身体になっていた。  
それ以上寝ようとしても、必ず現役時代の悪夢にうなされて目を覚ましてしまうのだ。  
第三の住人であるちひろは冷たい手錠と硬い鉄鎖で柱に括り付けられている。  
彼女の生活費は、時々行われる乱交時のカンパで賄っていた。  
かつての仲間たちも彼らへの協力を惜しまなかった。  
明日は我が身かもしれない――そういった不安を誰もが心に抱えながらプロデュース業をしているのだ。  
復讐心。それが幽鬼同然の彼らを生かしている唯一のエネルギーと言ってもいい。  
 
排泄に関しては、厳重な監視の中でポータブルトイレにさせていた。  
排泄時の様子は写真に取り、その手の業者に売りつけて飼育費の足しにする。  
食事は一日二回、バイト先のスーパーやコンビニで得た残り物を持って帰り、与えていた。  
しかし、彼らのちひろに対する復讐心は休む事を知らない。  
例えば食事の時、彼らは弁当にある処理を施して彼女に与えていた。  
 
「ほら、いつものように『ドレッシング』をかけておいたぜ」  
 
二人はドレッシングと称してヨーグルトのような精汁を何重にも弁当に重ねがけし  
それを食事として毎度差し出していた。  
温めた料理はその悪臭を湯気で鼻腔へと押し上げる。  
見るだけで吐き気を催すような汚食ではあるが、ちひろに選択肢は存在しなかった。  
彼女は苦渋の涙を流しながら、その汚らわしい食事を犬のように口に運ぶしかなかった。  
 
「本当なら犬の糞でも食べさせてやりたいくらいなんだ。  
 人間様の食事を出してやるだけありがたく思えよ」  
 
粘ついた白い体液が皓歯に引っかかり、纏わりつく。  
味を感じないようにして数回の咀嚼で無理やり喉へ通した。  
 
   #  #  #  
 
ちひろが拉致監禁され、暗い淫辱の闇に堕ちてから早くも十ヶ月が経過した。  
その間彼女は昼夜問わず男の肉槍に貫かれ、膣襞が白く染まる程に淫精を注がれ続けた。  
朝に平手打ちを交えたレイプで起こされ、精汁飯で命を繋ぎながら来客たちの慰み者になる。  
ボロ雑巾のようになったまま疲れて寝て、また忌まわしい明日を迎えるのだ。  
そんな生き地獄の中、彼女の体には異変が起こっていた。  
不特定多数の精汁を健康的な女体の恥穴に注ぎ込んでいれば  
余程の事がない限り、女体は胎児を孕む。これは自然界における普遍の摂理である。  
ちひろも例外にはならず、拉致されて二ヶ月後に悪阻を経験した。  
青ざめる彼女の下腹部は罪色の子を孕み、日に日に大きく膨らんでいった。  
しかしプロデューサーたちは、依然として彼女に性処理をさせていた。  
妊婦だろうが何だろうが、ちひろがちひろである限り彼女を虐げ続ける。  
それが彼らの残酷なまでに一貫した態度だった。  
むしろ彼らの憎悪は更に色を黒く深めていった。  
彼女に一切の幸福を排除しようと、病的なまでに暴姦し続けたのだ。  
それは臨月になっても苛烈さを増していくばかりである。  
 
   #  #  #  
 
「お願いっ……赤ちゃん、……赤ちゃん出させてぇ……っ!」  
 
ちひろの人生にとって最悪の日が訪れた。  
その日は首都圏に珍しく、雪の深々と降り積もっていた。  
961プロに使い捨てにされたプロデューサーたちは  
路上をさまよっていた仲間たちを含め、何とか全員を新しい職に就かせる事に成功した。  
底辺にてくすぶっていた男たちは十二月末のこの日  
歓喜に満ちた祝賀会を例の部屋で開催した。  
少ない給料を出し合って買い集めた安酒を彼らは浴びるように飲み  
人生再建の第一歩を踏みしめた安心感と喜びを仲間たちで分かち合う。  
酒は人を開放的にし、またその内にある一切のたがを外してしまうものだ。  
……ちひろが産気づいたのは、そんな夜の事だった。  
 
「いやぁっ……、いやぁ……っっ! ペニス、抜いてぇ……っっ!」  
酔った男たちは酒の勢いに任せて、いつものようにちひろを自らの屹立した淫根で攻め立てた。  
一人穴奥に射精し終わったら、また一人彼女の体に張り付いて順々と輪姦していく。  
床のカーペットは、生臭い水を吸って湿っている。  
それは激しい抜挿により彼女が破水した時の染み跡だった。  
陣痛と恥辱にまみれたこの生き地獄で、彼女は声にならない叫びを発していた。  
口、膣、肛門の三穴を男根で蹂躙され、悲涙をもって頬を濡らした。  
彼女の哀願を耳を貸さずに男たちは次々と肉穴を犯し続け、牡種汁をドブドブと豪射する。  
 
「休もうとしても無駄だ! ギリギリまでてめぇのビッチマンコを使ってやるから  
 しっかりしごけよっ!」  
肛門も口も胸も、ただただ獣じみた性欲を満たす道具でしかない。  
ちひろの体で姦汁の洗礼を受けていない場所など、どこにもなかった。  
 
「ああんっ、赤ちゃんが……、赤ちゃんが出……っ!」  
口から精汁をむせながら吐き出したちひろは、必死に産みの苦しみを訴えた。  
だがその口は再び新たな肉根によって制圧され、声は虚しくかき消された。  
 
「うるせぇな! てめぇのガキなんて知るかよっ!」  
「てめぇにやるのはチンポと汁だけだ! 全身でしゃぶりやがれ!」  
男二人が彼女の膣肛二穴に新たな男精汁を猛射する。  
肉壺人形と化したちひろを彼らは悪鬼の如く豪姦する。  
 
「いいかぁっ! お前が外車や一戸建てを買いやがっている時  
 俺は車も家具も全部売って、やっと食いつないでいたんだ!」  
「お前のせいで、今や家族にも見放されてこのザマだっ!  
 野垂れ死んでも、生まれ変わっても、俺はお前を犯してやる!」  
 
永遠に続きかねない淫辱の果てに、穢れきった膣道を  
胎児は長い時間をかけて降りていった。  
「ちっ……先をガキが触ってやがる。忌々しい!」  
唾を吹きかけて男が逸物を引き抜いた側から、どろりと白い水飴が恥穴より垂れ落ちた。  
「あっ……! ああっ……!!」  
「ほら、さっさと産み落とせっ! チンポ汁でぬるついているから出しやすいだろうがっ!」  
男は彼女の妊婦腹を無造作に蹴り上げた。  
するとたまらず彼女は最後の力を振り絞り、一人の乳児を産み落とした。  
彼の体は既に淫辱の洗礼を受けていて、白い粘汁が肌にまとわりついている。  
 
「おらぁっ! 出産祝いだ、受け取れぇっ!」  
一人の男が笑ってちひろの顔に小便を放った。  
それを見ていた男たちはゲラゲラと笑い合い、ぐったりと横たわっている母子二人に向かって  
次々と熱尿をびちゃびちゃとかけていく。  
屈辱の洗礼の最中、彼女はぼんやりとした目で我が子を見た。  
……彼は片言も泣き声を発しなかった。それどころか、微動だにすらしなかった。  
胎内にいる間に母の受けてきた苛烈な淫辱は  
この小さな生命にとってとても耐えられるものではなかった。  
男たちは悪鬼と成り果て、鬼畜の所業を朝明けまで続けた。  
 
   #  #  #  
 
数ヶ月後の出来事である。郊外の寂れた公園で、ある噂が流れていた。  
毎夜その近辺で全裸にボロボロのコートを纏っただけの痴女が  
春を鬻ぎにやってくるというものだ。  
歳は三十路前後で長髪は腰まで垂らし、その身なりは遠目から見ると不気味の一言だという。  
しかし大きな瞳と通った鼻筋、そして愛らしい口元は美女の条件を完璧に満たしていた。  
 
「ねぇ……チンポちょうだぁい……  
 このやらしい肉穴マンコに……赤ちゃん精液、沢山出してぇ……!」  
 
正常な精神ならば口先に出さない痴語の数々を、女は次々と繰り出して男を誘った。  
彼女の口走っている内容は支離滅裂であり  
ただ男たちに熟れた自らの女肉をとことん慰めて欲しいという主張のみが一貫していた。  
 
「ふへへっ……、美人さんよぉ……あんたとんでもねぇ変態だな」  
ある日、彼女を自分のダンボールハウスへと連れ込んだ一人のホームレスは  
彼女の口に垢まみれの肉槍をしゃぶらせる。  
女はただ口元に笑みを残して、それを口腔全体で舐り尽くす。  
 
「ちゅっ、ちゅばっ、んっ……はぁ……、じゅるる……!」  
 
頬をすぼめて唾液を口内で跳ねさせながら、彼女は中年男の肉根を嬉々として味わう。  
 
「ねぇちゃん、こっちのチンポコもしゃぶってくれや」  
 
彼の仲間のホームレスが彼女の顔の傍にぶるんと肉根を示した。  
それは雁裏に溢れんばかりの恥垢を溜め込んでいて、強い臭気を発している。  
 
「はははっ! くっせぇチンポだなぁ! 洗ってねぇのかよ」  
「ねぇちゃんの口マンコで濯いだ方が綺麗になるんだよ」  
「いくらなんでもこんなチンカスまみれのチンポ舐めるかぁ?」  
 
男たちが首を傾げる中、彼女は躊躇いなくその汚茎を頬張った。  
 
「おおっ、パクついたぜ!」  
「へっへっ……ねぇちゃんもチーズみてぇなチンカス食べられて嬉しいよな?」  
 
彼女は肉槍をくわえたままうなづいた。  
口の中では舌先を器用に用いて白垢をこそぎ取っている。  
 
「おっほほぉ……! いい舌遣いだぁ!  
 綺麗にされてチンポコも喜んでるぜ、ねぇちゃん!」  
口内で舌の愛撫を受けている彼の逸物は、始終ビクビクと跳ねている。  
「おら、ねぇちゃん。こっちのチンポも忘れちゃ困るぜ?」  
頬を小突いた肉槍も、彼女は一緒に口に含んだ。  
二本の肉魔羅に多量の唾液を絡ませて、甘く食んでいく。  
 
「へへっ、ねぇちゃん。あんた天使だよ。  
 俺たちみてぇなオッサンたちのチンポをこんなにも一生懸命にちゅぱついてくれてよぉ」  
「ああ。そのお礼におじさんたちの特濃ミルク、ごちそうしちゃうからね〜」  
彼女の後頭部を押さえながら、彼らは小刻みに腰を前後させた。  
 
「ああっ……いくっ! ねぇちゃん、いくぜっ!」  
「おじさんのチンポコ汁、全部飲んでくれぇっっ!」  
 
二人はぐんと背中を反らして、それぞれの肉砲からビュルビュルと大量の雄汁を快射した。  
放たれた精液は彼女の喉や口蓋にぶつかって所狭しと爆ぜていく。  
「ううんっ……!」  
「うおおっ……!?」  
狭い口内で律動した肉銃二本はぶつかり合った拍子に口外へと滑り出た。  
射精中のそれは、尚も勢い良く精汁を発射して彼女の美しい顔に白淫をまぶした。  
息苦しい程の猥臭がダンボールハウスに漂う中  
彼女はニタァと笑いながら男たちの亀頭に吸い付いた。  
尿道に残った僅かな精液すら貪欲に求めているのだ。  
 
「出されたものを残さないなんて、偉い娘だなぁ!」  
「ほぉら、これも飲んで」  
彼女の顔に付着した精液を指に取り、男は彼女に差し出した。  
彼女はその指を小さくしゃぶった。  
 
   #  #  #  
 
この痴女の正体はあの千川ちひろである。  
どのようにして彼女があの魔殿から抜け出したのかは分からない。  
ただ、ここにいる彼女は明らかに精神を患っていた。  
淫獄に繋がれ、人として生きる事に疲弊しきった彼女には  
狂う事のみがただ一つの防衛本能であり、救いでもあった。  
今となっては自分の名前すら忌まわしい記憶と共に闇へと捨て去り  
それを尋ねられてもただにこにこと笑っているだけである。  
ホームレスたちはこの狂女の過去や境遇をあえて知ろうとはしない。  
ただ彼女の提供する魅惑的な肢体を食べない手はないとして  
淫欲を解消した礼に少額の金や少量の食料を心づけとして与えていた。  
そして昼間でも場所を見つけては、彼女に群がって犯していたのだ。  
 
「ねぇ、早くアソコにもオチンポ……ちょうだぁい……」  
ちひろは恥液にまみれた顔も拭かずに、浮浪者二人に向かって淫尻を差し出す。  
自らの指で膣肛二穴を大きく広げて見せつける彼女はまさに痴女である。  
 
「あなたたちのオスチンポで……ヌポヌポハメまくってぇ……  
 空っぽのビッチマンコに、臭いオスミルク……沢山ご馳走してぇ……」  
 
白尻のキャンバスに咲いた二つの肉花は、古来より雌へと受け継がれてきた  
その淫靡な魔力で男たちの雄を瞬時に回復させた。  
 
「へへへ……じゃあ、今日も楽しませてもらおうかいっ! なぁっ!?」  
「おうよ。さぁ……ねぇちゃんも一緒に気持ち良くしてやるからな!」  
 
男二人はちひろの体をその脂で汚れた体で挟み込み、その両穴に根元まで肉棍を突き入れた。  
 
「んっ……、はぁ……っ!」  
 
たちまちの内に蜜汁の撥ね飛ぶ激しい淫交が繰り広げられた。  
男の手が彼女の乳肉を乱暴に揉みしだく。  
一度妊娠した彼女の乳は全体的に艶を帯びていて大きくなっていた。  
乳輪も大きく広がり、愛撫に応じて乳汁をぴゅるぴゅると噴いている。  
彼女の有り余る乳肉と尻肉を揉みほぐしながら肉姦する  
その快感は、至高のものと言える。  
 
「へっへっ、今日はまだ使っていないようだな」  
「運がいいぜ俺たちは! いつもはチンポ汁ダラダラと垂れ流してばかりだからよ」  
男たちは盛んに腰を振り、肉根を根元まで何度も打ち込む。  
彼女の肉襞は雄根にしっかりと吸い付き、引き抜く時も食らいついて来た。  
 
「おほぉ……! ねぇちゃん、相変わらず遊びまくっているなぁ。  
 こんなやらしいエロマン、風俗にもなかなかいねぇぞ!」  
「ケツ穴もすっかりチンポ焼けしてやがるぜ! こりゃあ完全にチンポ処理専用穴だ!」  
 
前後から豪姦されて、彼女はすっかりとろけた表情になっていた。  
男の業を慰める性処理人形へと変わっていく。  
 
「ああん……!オチンポサンドイッチ、しゅごいのぉっっ!」  
 
抜挿を繰り返す熱い一対の恥孔は、日常の鬱屈を和らげて理性を磨耗させていった。  
 
「ああっ……ダメだ! 俺、もう、いくっ……!」  
「ふおおっっ! で、出るっっ!」  
 
それぞれの淫穴に男の精汁が今日も大量に注ぎ込まれた。  
袋の中に溜め込まれていた熱い淫気が彼女の穴奥で爆ぜ、更なる高ぶりを呼び込んでいく。  
 
「おお、今日は早いな」  
「さぁ、今度は俺たちが楽しむ番だ」  
匂いを嗅ぎつけた浮浪者たちが入り口から覗き込んでいる。  
いずれも股間をギンギンと屹立させながら、ズボンを窮屈そうにさせていた。  
中には既にその見苦しい逸物を大気に晒している者もいる。  
二人は名残惜しみつつ彼女を離し、外へと出す。  
開いた肉穴に間髪入れずに別のホームレスが滾った肉槌を挿入れていく。  
そんな放埒極まりない生活を数週間送っていた彼女はある日  
一人の男に拾われてから彼女の姿を見る事はなかった。  
 
   #  #  #  
 
エンペラーレコードの社長であり、都内でも有数の富豪でもある大富社長は  
立派な邸宅の中を愛犬二匹と一緒に歩いていた。  
肌触りの良い高級ガウンを羽織り、いかつい表情をした  
猛犬の手綱を引っ張って、彼は地下室へ続くエレベーターに乗る。  
ここは大富邸の使用人でも限られた者しか訪れられない場所である。  
彼はある部屋の前で足を止めた。  
オートロックキーに暗証番号を入力すると、硬く閉まっていた扉が左右にスライドして開いた。  
 
「……さあ、マクベス、リア。楽しんでくるんだ」  
 
部屋の中には髪を腰まで伸ばした美女が産まれたままの姿で四つん這いになって待っていた。  
その出で立ちは人間ではなく犬や猫のようだった。  
首輪を嵌め、大きな乳首には銀色に輝くピアスが光っている。  
二匹の猛犬は鎖を外すと吠えながら我先にとその女の元へ駆け寄った。  
彼らは彼女の体に舌と肉根を激しく擦り付ける。  
彼女は脚を開いて、蜜の滴る痴唇を一方の雄犬に舐めさせ、もう一方の雄犬の恥根を手に握った。  
 
「んふ……はふ……ちゅぷ……」  
彼女は口元に笑みを残しながら、狗根を舐めしゃぶる。  
その尿臭漂う汚れた肉塊を嫌う事なく、むしろ嬉々とした表情で口に頬張っていた。  
 
「んぷっ……、ちゅび……。んっ、んっ……。  
 あはぁ……ワンワンの、雄チンポぉ……」  
 
彼女は淫唾を口外にだらしなく垂らして、二匹の畜生に性奉仕した。  
二匹の犬は尻尾を振って息を荒げている。  
口淫していた犬が、奉仕人の桃尻に赤い獣根をすりつけた。  
察した彼女は、たぎるその狗根を握り、後ろ越しに牝穴へと誘う。  
 
「んあぁ……っっ!」  
 
彼女の背に被さる形で、淫狗は牡根を付け根まで挿入した。  
雄犬は本能のままに腰を動かして彼女を牝にする。  
だらりと口から出した舌から涎を垂らし、それが彼女の背中にポタポタと落ちていく。  
彼女はうっとりとした表情で、口に狗根を含みつつ自らも盛んに腰を振るった。  
膣液がぶじゅぶじゅと大げさな音を鳴らして蜜交部で白泡を形成する。  
大富社長はそんな蛮交を眺めて興奮しながら、優雅にウィスキーを傾けていた。  
 
   #  #  #  
 
十五歳の頃、大富社長は自らの内に獣姦嗜好があると認識した。  
思春期に父親の部屋で見つけた、獣姦を特集したアングラ雑誌を盗み見した事が引き金となった。  
犬や馬に犯される金髪美女の恍惚とした表情は、今も彼の視床下部に焼き付いている。  
成人した彼はあらゆる獣姦に関するアングラメディアを蒐集した。  
病膏肓に入った彼は、映像だけでは満足できずに  
実際に現場で獣交を観賞してみたくなったのだ。  
それも演技ではなく、真性の獣姦嗜好の女性を欲しがった。  
二匹の愛犬の相手を探していた彼は、最初961プロから765プロに移籍した  
とあるアイドルに目を付けていた。  
彼女は自分好みの肢体の持ち主であり、非常に獣姦映えするに違いないと見ていた。  
そんな邪な事を考えていたある夜、彼は郊外を彷徨い歩く例の痴女の存在を知って  
即座に探し出し、そのまま自宅で囲った。  
当初目をつけていた人物とは違うものの、余り目立たず  
いざという時後腐れのないような人間が本来望ましいのだ。  
その点で彼女――千川ちひろは及第点以上だった。  
おまけに元から淫乱で狂っていたので、少し調教しただけで  
獣姦嗜好癖を植えつける事に成功した。  
身体を整えるとそれなりに美しく変身したので、また驚いた。  
二匹の愛犬も気に入ってくれたようで、事ある毎に彼女に会いたがった。  
 
   #  #  #  
 
「あはぁん……っっ!」  
獣香に満ちた部屋でちひろの嬌声が甘く響く。  
つがいにした「三匹」に目をやると、それぞれの雄犬は彼女の口穴と肉壺に  
濃臭に満ちた獣精をビュル、ビュル、と注ぎ込んでいた。  
二匹とも長い赤舌を口からだらしなく垂らし、肉悦に酔っている様子である。  
二匹はその巨きな恥瘤を口腔と恥孔にがっつりとねじり込んで、尻を牝に向ける。  
尻尾を大きく振って受精汁が牝肉に浸透していく時間を  
犬は快射の余韻に浸りながら待つのだ。  
 
「うっ! ……ふぅ……」  
その痴態を観賞していた大富社長も、ガウンの裾から出した肉砲を自慰し続けていた。  
自らの望んだ畜生と人間の浅ましい肉の交わりに、彼もまた涎を溢れさせて感動の中で射精したのだ。  
 
   #  #  #  
 
後日、大富社長はかねて約束していた及川牧場へと足を運んだ。  
今回の訪問理由は、殺処分が予定されている牡牛を一匹購入するためである。  
牧場主に代わって購入に関する最終承諾の旨を彼に説明したのは、その娘である及川雫だった。  
語尾の間延びした穏やかな人柄は、田舎の地に相応しいものである。  
また、作業服越しにも分かる程の豊満な胸元も魅力的な娘だった。  
 
「この子はあまり良い子にはしていませんよー。  
 女の子を見るとですね、すぐに発情しちゃって見境がなくなるんですー。  
 元気はいいんですけどねー……」  
 
雫の説明に対して大富氏は笑顔でうなづきながら聞いている。  
その視線が作業服の下で盛んに自己主張している  
自分の豊乳に向けられている事を彼女は気づいていない。  
 
「いやいや、いいですとも! 男子は元気なのが一番良い。  
 実はね、一度この子を見た時にね、波長が合うというんですかね。  
 シンパシーを感じたんですよ……この子との時間を共有して生きていきたいと思ったのです。  
 ですから是非、この牡牛を譲っていただけませんか?  
 これ以上『適した』子はもう見つからないと思うのです」  
「素敵ですねー、その話っ! 分かりました。  
 大富様に譲らせていただきます。では大切に飼って下さいねー」  
 
大富は殺処分されかけたその牡牛を屋敷で改めて見た。  
なるほど、体は大きく精力絶倫な様子が伺える。  
腰の下には暴力的な大きさの鬼砲が鎮座して我慢汁を始終垂れ流していた。  
性質もいたって粗暴である。やりがいを感じた大富は  
それを上手く手懐けた後に……人間の女を犯すように訓練したのだ。  
 
   #  #  #  
 
ある日の事、大富社長は懇意にしている各界の著名人を自らの豪邸へと招き入れ、パーティーを開催した。  
来賓の業種は多岐に渡り、いずれも一財産を気づいた癖のある人間たちだ。  
 
「皆さん、私のパーティーを楽しんでいただけているようで何よりです」  
 
パーティーも終盤となり、盛り上がりも落ち着き始めた頃合いだった。  
屋敷の主人である大富は、部屋前方にある舞台へと上がり、改まった様子で一礼した。  
 
「今夜、皆様には素敵なショーをご覧いただきたく思い、ご多忙とは存じながらもご招待いたしました。  
 ところで、世界において人と人ならぬものの恋愛譚は、古来より語られ続けています。  
 特に主神ゼウスが様々な動物に変身し女性と関係を結ぶギリシャ神話はそのような話の宝庫です。  
 取り分け印象深いのは、クレタ島の一連の物語です。  
 美少女エウロペは牡牛に化けたゼウスによってクレタ島へと運ばれ、クレタ王ミノスを産み落とします。  
 また、彼の妻パシパエは牡牛に恋をしました。彼女から生まれた牛頭人身の怪物ミノタウロスは  
 アテナイの英雄テセウスの英雄譚に登場します」  
 
「いやぁ、 大富社長は博識だ」  
「含蓄のある話ですな」  
来賓たちは大富氏への追従を口にしながら、深くうなづいた。彼の熱弁は続く。  
 
「さて、私は近日、現代のパシパエともいうべき女性と出会いました。  
 彼女もまた、人の身でありながら人ならぬものへと惹かれる運命の星の下に生まれた存在なのです。  
 私たちは彼女を、常軌を逸した者として哀れむべきでしょうか。あえて私は否と答えます。  
 人に対する愛、そして動物に対する愛――  
 それらは飼育・使役・食物といった観念を除けば全く差異は存在しません。  
 確かにパシパエの産み落としたミノタウロスは怪物であり、英雄に倒された悪しき存在です。  
 ですがその話は、当時のアテナイが国力において  
 クレタより優勢に立った事を示すものである事を留意すべきです。  
 私は彼女、そして彼女の愛する牡牛の『彼』を見ました。  
 二人、いやこの一組の恋人たちの間にある愛は間違いなく本物です。  
 一度見ていただければ、その真実が皆さん方にも自ずと明らかになる事でしょう。  
 ……ではご覧いただきます。新たなる世界の価値観の創造と共に。  
 この恋人たちの愛の生むものが果たして何物なのかを!」  
 
その時、フロアの灯りがスッと消えて、入り口の扉にのみスポットライトが降り注いだ。  
静かな観衆たちが注目する中、ドアが重々しく開く。  
 
   #  #  #  
 
「これは……!?」  
 
招待客の一人が目を見開いて呟いた。  
声こそ出さないものの、その場にいた客は皆新たな来訪者に釘付けとなった。  
見事な巨体の牡牛を引いて、はっとする美女が入って来たのだ。  
長く美しい髪をしたその女性の身なりは  
小さな二プレスを豊かな乳に張っただけで、後はその淫裸を惜しげもなく晒していた。  
観客の好奇な視線が注がれる中、彼女は微笑を浮かべて悠然と歩いていく。  
口元の笑みが彼女の妖艶さを一層際立たせている。  
やがて彼女は、広間の中央にて立ち止まった。  
そして牡牛の眼前に回って膝を折り、畜生と深い口付けを交わした。  
 
「んむ……ちゅっ……あふ……」  
 
牛は長く大きな舌で彼女の口元をベロベロと舐める。  
彼女は牡舌を甘く食み、また積極的に自らの舌をまとわりつかせた。  
 
「んふっ……ちゅばっ……あむっ……」  
 
一対の淫獣はぴったりと寄り添って、互いに唾液を交換した。  
熱い涎が互いの喉を伝って、ポタポタと床に垂れ落ちていく。  
頬を上気させた彼女は、鼻息を荒げて興奮する牡牛の腹下に潜り込んだ。  
そこには、人間の腕程もある極太の牛根が屹立としている。  
根菜を洗うように両手で撫でさすると、ブンブンと上下に揺らして喜んだ。  
 
「んむっ……」  
 
異形の獣根に口づけをした後、彼女はその肉兜を軽く頬張った。  
 
「むぐぅ……むぶっ……はぁはぁ……はぶぅ……れるれる……」  
 
臭気を放つ精嚢を軽く揉みほぐしながら、彼女はちゅぷちゅぷと音を立ててしゃぶった。  
同じ人間相手でもこんなに浅ましい口淫はとても出来ないだろう。  
牡牛は時折野太く鳴きながら、尻尾をフルフルと左右に揺らしている。  
見るからに交尾欲を高ぶらせているのが感じられた。  
 
「んぶぶっっ……!?」  
 
牡牛は長い淫鳴を上げながら、肉妻の口内に臭種汁を注ぎ込む。  
彼女は勢い良く喉奥を叩く高粘度の牡汁にむせながらも飲み干そうとする。  
だが大量の射精は受けきれずに、口端からどろりと零れ、性乳に垂れ落ちる。  
 
「けふぅっ……」  
飲み終えた彼女はげっぷを漏らしながら、獣根に残った淫汁も舐め取っていく。  
流石処分を検討されていた猛牛だ。  
一回の射精では到底抑えきれないらしく、腰を動かして更なる交悦を求めている。  
しかし、それは彼女も同じだった。  
 
「牛さんの、おチンポォ……」  
 
彼女は用意されたテーブルに両手をついて、桃尻を差し出した。  
牝牛の臭いを纏わずとも、牡牛は異種の牝を犯そうとテーブルに前脚を乗せた。  
 
「あはぁぁ……っっ!!」  
 
彼女の汁気の多い肉膣に、牡牛の爆根が無遠慮に奥まで挿入された。  
牡牛は鼻息を荒げて肉妻の淫穴を暴姦した。  
人間のうたう愛の営みではない、純然たる繁殖本能を満たす獣交がそこに在った。  
 
「ああんっ、おっ、おほぉっっ……!! 」  
 
牡牛の荒々しい交尾を彼女は嬉々として受け入れている。  
自らも挑発的に腰を振って、逞しい配偶者の淫欲を刺激した。  
 
「チンポぉ……っ! 元気な牛さんのデカチンポぉぉぉ……っっ!  
 気持ち良いれすううぅぅ……!」  
 
牡牛の肉根は既に妻の膣穴だけでなく、その奥にある子宮口をも犯していた。  
乳児のみ出入りを許されたその神聖な門戸を、獣根はいつものように蹂躙する。  
この狂艶を来客たちは見せつけられていた。  
いつの間にか用意された壁一面の巨大スクリーンには、女の牝穴を  
グロテスクな牛根が犯し続けるショッキングな映像が流れ、目を逃す場所もない。  
アップされた交姦部からは今にもスクリーンから飛沫が飛び出してくると錯覚する程に激しい。  
 
「どうです? 感動的でしょう」  
 
大富社長はニヤついた笑みで来賓たちに話しかけている。  
彼らは顔の筋肉の強ばらせたまま愛想笑いを浮かべて、媚びた。  
 
「いやぁ、流石は大富社長っ!」  
「こんな、かっ、感動的なステージを用意されるなんて温情に溢れている!」  
 
彼らの聞くに耐えない追従の中、女は暴牛の腹下で浅ましい姿を晒していた。  
瞳孔は淫感ですっかり曇り、夫と同じように舌をだらりと垂らしている。  
牛槌に突かれる度にその垂れ下がった淫乳は大きく揺れ動き、テーブル端にぶつかっては跳ね返る。  
 
「おほぉっっ……! いきます、いきますぅっっ!  
 牛さんのアニマルザーメンで孕むぅぅっっ!」  
 
牡牛は大きな獣声を張り上げて彼女の膣に濃縮された孕み汁を豪快に射精した。  
彼女の子宮は瞬く間に獣精に征服された。  
膣襞に染み込むように満たしつつも、牛根はなお射精を止めない。  
そのため全て受け止めきれずに、結合部の隙間から臭精汁は  
ぶびゅぶびゅと卑音を奏でて、異種の牝穴から溢れてくる。  
人間の射精ではまず見られない迫力に満ちた受精である。  
彼女はまだ足りないのか、むせかえる獣臭の中で獣根にすがりつき、体を精汁にまみれさせる。  
 
   #  #  #  
 
「黒井さん。どうです、楽しんでいただけていますか?」  
 
大富氏はパーティーに列席していた黒井社長に聞いた。  
彼は「なかなか素晴らしいものを拝見する事が出来ましたよ」とだけ言って、手持ちのワインを飲み込む。  
心の奥では大富氏を畜生同然の狂人として侮蔑していた。  
その黒井も、まさか己の眼前にて狂艶を披露しているあの狂女が  
かつての肌を交えた愛人・千川ちひろだとは思いもしていない。  
ちひろも、大勢の観客たちの中に結ばれるはずだった愛人がいるとは想像すらしなかった。  
彼女はただこれからずっと大富氏に飼われ  
彼からあてがわれた牡牛を伴侶として畜生のまま生きていくのだ。  
 
「はぁ……はぁ……」  
 
幾多の獣交の末に牛根がぬっと引き抜かれた途端  
大量の雄牛汁がぽっかりと開いた淫牝の肉穴からゴボゴボと零れ落ちていった。  
やり捨てられたちひろは快悦の痺れに酔いながら、床にずっと沈んでいた。  
 

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