ここは古びた温泉旅館の露天風呂、時刻は午前零時を回った頃。
雲間から天頂近くに昇った月が覗く中、俺は女性と一緒に湯に浸かっている。
彼女の名前は柊志乃、年齢は三十一歳だが一応はアイドルタレントになる。
そして俺は彼女の担当プロデューサー、新興の弱小芸能プロダクションの所属だ。
この仕事に転職してまだ数か月、勉強する事ばかりの毎日を送っている。
年上の志乃には、日頃からミスを突っ込まれたりする事も多かったりするんだ。
「はぁ……やっぱりイイお湯だわ、撮影中は緊張で堪能するどころじゃなかったから。
プロデューサーさんもずっと『たちっぱなし』で見てたから、お疲れでしょ?」
志乃は俺の右肩に頭を預け、左腕を俺の右腕に絡ませていた。
当然に彼女の胸が俺の右腕に押し当たり、その柔らかな感触がヤバい。
言うまでもなく俺のジュニアは勃ちっぱなしで、志乃も当然それは知っていた。
いつの間にか迫って来ていた彼女の右手が、俺の竿を包む様に掴んでくる。
そのほっそりとした指が絡み付く感触だけで、俺は思わず声を漏らしていた。
―――――
そもそも俺と志乃がこの旅館に来たのは、もちろん仕事のためだ。
ウチの事務所に、CS局から秘湯探訪番組への出演オファーが来たのだ。
もちろんグルメ要素もあるが、一番の呼び物は露天風呂での入浴シーンだった。
アダルト専門局ではないものの、地上波よりは高い露出度が求められていた。
乳首とアンダーヘアの露出こそないが、撮影自体は全裸でとの条件なのだ。
そんな仕事を抵抗なくこなせるのは、ウチの事務所では志乃だけだった。
ロケ地の温泉旅館は、実は秘湯と言うほどに知られていないって訳ではない。
確かに場所としては温泉地の端っこ、少し山側に外れた場所ではある。
でも都心から日帰り圏内でもあり、この地では老舗の一つとして知られていた。
だがそれは、あくまでも大広間と大浴場を持つ『本館』の話だ。
客間全てが離れとなった『別館』がある事は、一般にはほとんど知られていない。
その別館は長年の常連か、常連の紹介でしか予約できない場所だった。
離れの一つ一つに露天風呂が付属し、客同士が顔を合わせずに済む構造だ。
それ故に政治家や芸能人の密会場所に使われる事も多い、特別な場所だった。
しかし近年の不景気により、その常連の足も途絶えがちになった。
宿泊料が本館の一番いい部屋の倍以上って言うから、まあ仕方のない事かも。
客が入らない施設を維持できるほどには、本館の客入りも順調じゃないらしい。
そこで女将が代替わりすると、方針の転換が行われたって話だ。
この別館をマニア向けの秘湯として、宣伝しようという事になったのだ。
ただあまり人気が出過ぎても困るから、CS局の番組とのタイアップになった。
その辺のバランス感覚を考えると、新しい女将は結構なやり手の様だ。
今日の撮影は無事に終わり、スタッフは先程撤収を終えていた。
彼らは本館に宿泊する事になっており、この離れには俺と志乃だけが残った。
ここは和室が二間に、二十四時間入れる専用の露天風呂付きの環境。
だからこそ、深夜になっても誰にも気兼ねなく温泉が楽しめた。
俺が温泉を堪能していると、そこへ志乃も後からやって来たってワケだ。
「し、志乃さん、いくらなんでもそんな事までされちゃうと、俺……ううっ」
志乃に分身をしごかれて、俺はあっという間に高まるのを感じていた。
ただでさえ撮影中は、彼女のあられもない姿を見せつけられ続けていたのだ。
胸元を大きくはだけた状態で、裾を乱して太腿を大胆に露出した浴衣姿。
全裸での入浴シーン撮影中に至っては、当然彼女のすべてを目にする事になった。
昼間からずっとそんなものを見せられ続けて、俺は何度勃起したか分からない。
もちろん志乃だって、俺がそんな状態だった事は察していたのだろう。
「だってプロデューサーさん、ずっとオアズケ状態で辛かったんでしょう?
まだ二十代ですものね、そんなの当たり前よ……だ・か・ら」
志乃はそこまで言うと、立ち上がって俺の正面に回った。
月光を背にした彼女の白い裸身が、まるで月の女神のように美しく見える。
その色白の肌と長い黒髪、そして同じく黒々としたアンダーヘアのコントラスト。
豊かなバストは大きさの割に垂れておらず、今にもむしゃぶりつきたくなる。
「今夜は思いっきりサービスしてあげるわ、日頃の感謝を込めて……ね。
まずは背中を流してあげるから、湯船から出て椅子に座って」
椅子に座った俺の背後に志乃が立ち、手のひらでボディソープを泡立てている。
そして彼女はタオルなどを使わず、直接手のひらで俺の身体を擦りはじめた。
首筋から腕、肩口から胸板へと彼女の手が撫でつける様に這い回る。
必然的に彼女の乳房が俺の背中に押し当てられ、その感触がたまらない。
「どーお、プロデューサーさん……こういうサービスは、初めてかしら?」
志乃が俺の腹部を撫で回しながら、耳元でささやいてきた。
俺はくすぐったいのを我慢しながら、彼女に向かって言葉を返す。
「ええ、まあ……こういったサービスをしてくれる様な所は、行ったことないんで」
「あらそうなの、奇遇ね……私もよ、フフフッ」
とぼけた口調で切り返す志乃に、俺は思わず苦笑してしまった。
俺の脚までを手で擦り終えた志乃は、そこでまたボディソープを追加し始めた。
今度は手のひらだけじゃなく、彼女の身体前面にもたっぷりと泡を付ける。
それから再び俺の背中に抱き付いてくると、彼女の両手が俺のジュニアを捉えた。
「いよいよ今回のスペシャルサービスも、メインイベントよ。
プロデューサーさんを私のこの手で、極楽に案内してあげるわね」
志乃はそう言うが早いか、慣れた手つきで俺の分身を刺激し始めた。
同時に身体を上下に動かし、俺の背中に自分の身体を擦り付けてくる。
所謂そーゆーフーゾクで行われる、ボディ洗いと手コキって奴だ。
志乃のテクニックは、少なくとも今まで俺が体験した事のないレベルにあった。
指の使い方一つをとっても、的確に俺のツボを刺激してくれている。
左手でのタマを弄ぶような刺激の仕方なんて、もうさすがとしか言えなかった。
「うああっ、志乃さんっ、凄いよ……俺っ、もうっ……!」
たまりかねて俺が声を上げると、志乃が耳元で甘くささやき返す。
「いつでもイイわよプロデューサーさん、好きなだけ出して……はむっ」
志乃が俺の耳たぶに噛み付いた瞬間、俺は完全に彼女の軍門に下っていた。
竿の根元に集まっていた熱い塊が爆発し、激しく脈打ちながら放出を開始する。
腰の奥からゾクゾクとしたモノが脊髄を駆け上がり、脳の芯まで痺れさせていた。
志乃は俺の耳たぶを甘噛みしたまま、笑みを浮かべてその様子を見ている。
一通りの射精が終わると、そこで志乃は俺の身体からゆっくりと離れた。
「――私が思っていた通りね、精液がこんなに黄色くなるまで溜め込んじゃだ〜め。
適度に処理をしてないと、そのうち身体を壊しちゃうわよ」
志乃はそう言って、俺の身体にお湯を掛けてきた。
ボディソープの泡と一緒に、出したばかりの精液が排水口へと流されていく。
彼女は俺の身体に付着していた泡を全部洗い落とすと、椅子から立つように促した。
「今度はプロデューサーさんが、私にサービスしてくれる番よ。
私の身体の隅々まで、プロデューサーさんのその手で洗って欲しいわ」
今度は志乃が椅子に座って、俺がその背後にしゃがみ込んだ。
俺はさっき彼女がしたのと同じ様に、手のひらにボディソープを取って泡立てる。
その手で彼女の首筋、肩から両腕、そして背中と擦っていった。
さすがに男の俺がボディ洗いもどきをするのは、違うだろうと思ったんだ。
背中から尻を経て脚までを撫で回し終えたところで、俺は志乃に声を掛ける。
「――さてと、この続きは正面からでイイのかな?」
「もちろん、それでお願いするわ……デリケートな場所は特に念入りにね」
志乃の許可が出たので、俺は早速彼女の正面に回った。
両手にボディソープを付け直し、たっぷり泡立ててからその手を彼女に向かわせる。
そして形の良い推定Eカップの膨らみを、両手のひらでがっちりと掴んだ。
その柔らかさとボリューム感は、まさに至上の触り心地だった。
俺は下から軽く持ち上げる様に揉み込みながら、指先で乳首を転がしてやる。
「ふわっ、はぅぁ……プロデューサーさん、意外と上手ぅ……」
俺が与えた刺激に、志乃は満足そうな微笑みを浮かべた。
どうやら乳首が弱いと睨んだ俺は、勢いづいてそこに責めを集中させる。
徐々に硬くなってくる突起をつまみ、あるいは指の腹で転がし、押し潰してやる。
その度に志乃が甘い吐息を漏らし、身体を何度もビクンと跳ねさせた。
「もう……おっぱいばかりじゃなくて、ちゃんと別の部分も洗ってよ。
もっと下にあるでしょ、こう……へこんだ部分が」
志乃がすねたような口調で言ったので、俺は苦笑しながらそれに応えてやる。
ただし、少々ひねくれた方法で。
「――ここですよね、志乃さんの……お・へ・そ」
俺はもちろん彼女の意図を全部分かっていながら、敢えて焦らしにかかった。
右手の人差し指の先を彼女のへそに突っ込み、念入りにこじる様に洗ってやる。
同時に左手は彼女の腹部や脇腹を擦り、あえて下腹部には触れてやらない。
すると見る見る志乃のほっぺたが膨れて、唇がとんがった。
「プロデューサーさんの意地悪、年下のクセに生意気にも焦らす気?
だったらお望み通り言ってあげるわ、私のお・ま・ん・こ、洗ってちょうだいよ。
そのイヤラシイ指先で、念入りに奥までじっくりと……お・ね・が・い」
志乃自身の口から懇願の言葉を引き出した事に、俺は満足してうなずいた。
改めて彼女の両脚を大きく開かせ、まず黒々としたアンダーヘアに泡を付ける。
かなりの濃さだが手入れが行き届いていて、生えている面積はかなり狭い。
当然ながら、その下にある半開きの割れ目はほぼ露出した状態だった。
俺は左手の指でその肉裂を更に大きく開かせると、右手の指を内側へと伸ばす。
彼女の秘肉は鮮烈な印象で、赤い粘膜は既に透明な蜜をたっぷりとまとっている。
そこへ俺の指先が触れた瞬間、志乃の身体がまた大きくビクンと跳ねた。
「はぅあっ……そこぉ……プロデューサー……さんっ、もっとぉ……っ!」
志乃が鼻にかかった甘い声で、俺に向かってより強い刺激を求める。
俺は笑顔でうなずくと、指先で蜜のしたたる彼女の粘膜を刺激してやった。
肉びらはあまり大きくなく、だらしなくはみ出したりなどはしていない。
縁の辺りこそ多少黒ずんではいるが、内側は鮮やかなピンクに近い赤だった。
こうして間近で見ると、それほど使い込まれてない様にも思える。
「――じゃあ、中に指入れますね」
俺は志乃に一声掛けて、まずは右手中指一本だけを膣内に挿し入れていった。
指の腹を上に向け、彼女の天井の感触を確かめつつ奥へと進めていく。
ヒダの発達具合、そして内部のうねりなどをじっくりと探る様に確認した。
指が根元まで飲み込まれたら、今度はぐるりと大きくかき回す様にする。
さすがの柔軟性で、これならあと二本でも三本でも指が入りそうだ。
早速人差し指を追加して、激しく内壁を擦りたててやる。
すると面白い様に彼女の身体が跳ね、蜜の分泌量がどんどん増してきた。
「中だけじゃなくて、外側も……クリも弄ってぇ……っ!」
志乃が鼻にかかった声で懇願するので、俺はそれに応えてやった。
親指で彼女の硬くとがった肉芽を、包皮の上から押し潰すようにしてやる。
同時に内側から二本の指で膣壁の天井を突き上げ、ちょうど挟み付ける形にした。
その瞬間、志乃は言葉では表現できない嬌声を上げ身体を大きく仰け反らせた。
同時に先程よりももっと多量の蜜が流れ出し、ボタボタと垂れ落ちている。
「志乃さん……もしかして、イッたの?」
俺がささやく様に小声で訊くと、志乃は荒い息をしながら小さくうなずいた。
そして彼女がしなだれかかる様に抱き付いてきたので、俺はそれを受け止めてやる。
俺たちはしばし無言で見つめ合うと、そのまま唇を重ねていた。
俺たちはお湯を被って泡などを洗い流すと、そのまま脱衣場に出た。
バスタオルで身体の水分を拭き取り、下着や浴衣を着ないで全裸のまま部屋に戻る。
目の前の畳の上には、二組の布団が並べて敷かれていた。
これはおそらく志乃が露天風呂へ乱入する前に、準備しておいたに違いない。
だって予定では、二間ある和室に別々に寝るはずだったのだから。
「……まあ細かい事は置いといて、続きを始めましょうよ」
志乃が先に口火を切って、布団の上にごろりと仰向けになった。
膝を折った状態で脚を大きく開き、両手を伸ばして俺を誘っている。
早速とばかりに俺は右手で自分のムスコを握り、彼女の入口に押し当てた。
しかしほんの少しだけ先端を埋没させたところで、ふと冷静さを取り戻した。
「あ……志乃さん、このままだと……まずいんじゃ……」
俺が慌てて腰を引こうとすると、志乃の両腕が俺の首に巻きついてきた。
同時に彼女の長い脚が俺の腰に絡み付き、絶対に逃がさないと意思表示する。
必然的に俺と志乃の身体が密着し、挿入も深まってしまった。
まだ根元までは行かないが、七割方が彼女の膣内に収まっている状況だ。
「そんな些細な事、プロデューサーさんは気にしなくてイイのよ。
この私がイイって言ってるんだから、思う存分突いてきて欲しいな……んっ」
志乃は言葉が終わると同時に、唇を重ねてきた。
それも単なるキスじゃなく、舌を俺の口内に入れてくるディープキスだ。
彼女の舌が好き勝手に暴れてくれるので、俺も負けずに舌を絡め返す。
当然の様に身体の密着度が更に増して、下半身の結合もより深まっていた。
「んっ……ぷぁ……フフッ、プロデューサーさんの、全部入っちゃったね。
生だって思うと、それだけでも背中にゾクゾクって来てるの……」
「俺もですよ、生は初めてなんで、もうすぐにでもイッちゃうかもって思えて。
でも……思い切って、動かしてみますね」
俺はゆっくりと腰を前後させて、志乃の膣内の感触を存分に味わった。
柔らかさと適度な締め付け、そして発達したヒダと擦れ合う感触がたまらない。
志乃もそれは一緒なのか、俺が一突きする毎に甘い吐息を漏らしている。
その鼻にかかった艶のある嬌声が、余計に俺の頭を蕩けさせていった。
「ダメだ……俺、もう我慢できないですよ……」
俺は自分が再度の高まりを迎えつつあるのを察して、志乃に一言告げた。
すると彼女は笑顔で小さくうなずき、俺の耳元でささやき返してくる。
「もちろん、いつでもプロデューサーさんの好きなタイミングでイイわよ。
全部受け止めてあげるから、遠慮しないで膣内(なか)で……ね?」
我慢の限界を突破した俺は、全力で抽送の速度を上げて行った。
俺の分身が激しく前後し、激しく粘膜同士を擦り合わせる。
淫蜜による湿った摩擦音と、肉のぶつかる乾いた音が強まってくる。
俺はいよいよこれが最後とばかりに、思いっきり深く突き入れてやった。
肉棒の先端を彼女の一番深い場所に強く押し付け、さらにグリグリとグラインドする。
「あぁんっッ、プロデューサーさんっ、深いぃぃ……っ!」
志乃が切なげな声を上げて、その身体を大きく仰け反らせた。
すると結合の角度が変わって、挿入がさっき以上に深まっていった。
何かコリッとした塊が俺のカリ首付近を擦ると、そこで二度目の射精が始まった。
「うああっ、志乃さんっ、志乃さん……っっ!」
「ひぁああぁ……んッ、中でビクビクしてる、出てるぅ……ッッ!」
俺は頭の中が真っ白になりながら、無意識で志乃の身体を強く引き付けていた。
それは彼女も一緒で、もうこれ以上はないくらいに二人の身体が密着した。
お互いがもうその瞬間の快楽だけを求めて、獣の本能に従っていた。
やがて射精が終わっても、俺たちは繋がったままでずっと抱き締め合っていた。
そのままお互いの髪を撫でたり、軽いキスをしたりしてしばしの余韻を味わった。
絶頂の波が引いてから、何分あるいは何十分が経っただろうか。
俺は完全に萎えきった分身を、ようやく志乃の胎内から抜き去った。
すると彼女の秘裂からは、泡だった白っぽい粘液がどろりと流れ出した。
おそらくは俺の精液と、彼女の淫蜜との混合物なのだろう。
「その……志乃さん、やっぱり俺、マズイ事したなって思うんです」
俺はウエットティッシュで後始末をしながら、志乃にそう話し掛けた。
すると彼女は上体だけを起こすと、微笑みながら俺に言葉を返してくる。
「どうして? 私がイイって言ったんだし、お互いに分別のある大人同士じゃない。
これで結婚しろなんて迫る気もないし、プロデューサーさんももっと気楽に……」
「俺だってこれが一夜限りだって分かってますし、志乃さんの恋人面する気もないです。
でも他の担当アイドルとの公平性で考えると、ちょっとマズイんじゃないかって」
俺が真剣に今の思いを口にすると、志乃はそこでプッと吹き出した。
「やだ、そんな事……だったら簡単な話じゃない、みんなと公平にヤッちゃえば?
少なくとも私が知る範囲では、嫌だって言う娘は一人もいないはずよ。
何だったら、今から全員にメールして確かめてみようか?」
俺は全裸のままで写メろうとする志乃を、必死で思いとどまらせた。
しかしこうなると、早晩この話は事務所のみんなに伝わってしまうのだろう。
俺は明日事務所に戻るのが半分怖くもあり、また半分楽しみでもあった。
《END》