小ネタ 島村卯月 高橋礼子  
しまむらさんが男女の関係を垣間見たというシチュエーション。  
 
 
「礼子さん、礼子さん、起きてますか?礼子さんは寝癖をどうやって直すんですか?」  
やってきた卯月に、まだ目が開いてない礼子はベッドの中で答えた。清潔に設えられた礼子の部屋。  
「ん~寝癖ぇ~?ついててなにか問題あるの~?かわいいじゃなぁ~い」  
もう礼子さんのイジワル。  
「あなたのプロデューサー君に聞けばいいじゃない」  
欠伸をしながらむにゃむにゃ言われる。  
卯月のプロデューサーはとても女の寝癖を直せるような人ではないこと位分かってて言ってる。  
「礼子さんに聞いてるんですっ!いつもサラサラの黒髪なんですから教えてください!」  
「もう、かわいい子ね。ってちょっとこらプロデューサー君!?」  
その言葉に卯月は硬直する。礼子さんのプロデューサーの声が微かに聞こえたのだ。  
「ん…礼子さん、今日は早いね…昨日は素敵だった……」  
「ちょ、ちょ待って」  
「キスは」  
「卯月ちゃんが来てるのよ!」  
「フフ・・・・・・いつもは気にしないのに、どうしたんだい」  
「だーかーらー」  
「かわいいくろかみだね、いいにおい」  
え、え、え、え、え??  
二人はそういう関係かもしれないという噂は聞いていたけど…  
「あのね、卯月ちゃんが今寝癖の直し方聞きにきてるの」  
「ああ、優しいね、礼子さん。だいすき・・・・・・もういっかいしよう。ね」  
「いまそこにいるのよ」  
間の後で礼子のプロデューサーが飛び起きた。裸だった。  
卯月は棒立ちになるしかなかった。  
「……」  
「あっおはよう!寝癖直すならシャワー浴びたらどうだい!」  
「なんでアンタが答えてるのよ」  
的確にツッコむ。これが大人の女の余裕か。  
「そ、そ、そ、そ、そうですね。し、失礼しましたー!!」  
慌てた状態の返答をして、島村卯月は礼子の部屋を出た。  
 
朝から水気の無いシャワールームに卯月は入り、シャワーを浴びて髪を洗う。  
礼子さんと礼子さんのプロデューサー。まぁ、そういう。関係ですよね。  
アイドル業界でアイドルとプロデューサーとがそういう関係になるのは珍しくもないし・・・。  
正直生々しかったけど、ああなっちゃうよね。  
 
私もいつかプロデューサーと…そういう関係になれるかな・・・  
私のような普通のアイドルを、女としてみてくれるのかな・・・  
 
考えただけで胸が痛くなって、シャワーの中で涙がこぼれ落ちる。  
「うう・・・」  
まだ、時間が必要なんだ。もっともっと頑張って立派なアイドルにならなきゃ。  
でも、それで、好きになってくれるの?  
「うううう」  
歯を食いしばって。少し泣いた。  
 
~終わり~  
 

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