電車で痴漢に遭いやすいのは、派手な美人よりも地味めな、  
 大人しそうに見える女性だとよく言われている。  
 俺が担当する新人アイドル、元書店員の鷺沢文香は間違いなく後者だ。  
 アイドルとして名前が売れ始めてきた今、不審者に遭遇するリスクはますます増大してきているといえる。  
 元警官の片桐早苗やカラテ使いの中野有香に護身術を習うという手もあった。  
 が、いかに技を磨いても、いざというとき決断的に行動できなければ意味が無い。  
 場馴れするために、ちょっと痴漢役をやって欲しいと最初に頼まれたのは一ヶ月ほど前だったろうか。  
   
「ぁ……は、あ……う…………!」  
   
 もう何十回目かの、痴漢撃退の練習。  
 既に本来の意味を失って久しく、事務所の角に向かって立つ文香は、  
背後から彼女の大きな胸を弄る俺に抗おうともしない。  
 抱きすくめられて身動きの取れない彼女の、暑くて短い吐息。  
 長い前髪の奥、普段は静かで理知的な瞳が緩み、潤んでいる。  
 
 初めて「痴漢撃退練習」をした時もこんな感じだった。  
 押し黙って身体を微かに震わせ、か細く喘ぐ。  
 「練習台」の領域を超えて、ムネを揉んだり尻を触ったりしても怒らないどころか、  
ますます色気を増し、誘ってくる文香を襲わないでいられるほど、俺は枯れてはいなかった。  
 
 以来、他のアイドルたちやちひろさんが帰った後。  
 誰もいなくなった事務所で俺たちは毎日のように、こうして「痴漢撃退の練習」をしているのだった。  
 と、壁についていた文香の右手が少し滑った。体勢を崩すようなことはないが、手汗の痕が光っている。  
 頬もかなり紅潮してきているし、物思いに耽る暇は無い。  
 もっともっと可愛がって高めてやらねば、お互いにもたない。  
 右手にぎゅっと力を込め、文香の左乳を思い切り握った。  
 服を着ている時にはビジュアル面でさほど主張してこない文香のおっぱいは、  
実のところかなり大きく、また柔らかい。  
 なにせトップとアンダーの差で、あの女子高生らしからぬ成熟したトランジスタグラマーが売りの  
あの安部菜々を凌駕しているのだから。  
 書店で本の束を運んでいる時、本の上に乳が乗っているのを見た時の衝撃は未だに忘れられない。  
 そんな、若くハリのあるおっぱいは軽く触っただけでも、シャツとブラジャー越しに心地良い反発を指先に伝えてくる。  
 一度揉んでしまえばもう痴漢の役を演ずることなど出来ない。  
 良く言えばシンプル、悪く言えば地味なシャツの下で、  
文香の小さめで慎ましい乳首がどんなに硬くなっているか、  
想像するだけでも理性が飛びそうになる。  
 
 持って生まれた体質なのだろうか、先月まで処女だった文香は今、  
俺の手で胸を犯されながら身体をぴくぴく痙攣させ、下唇を噛んで嬌声を抑えようとしている。  
 初めて彼女の胸を揉んだ時も、今ほど乱れてはいなかったように思える。  
 連日痴漢プレイをされすぎて、感度が上がりすぎて、こんな媚態を見せるようになったのだろうか。  
 
 文香の方から言い出したこととはいえ、夜の事務所で痴漢の真似事をされ、  
胸を揉まれ尻を触られ服を剥がれ、そのままなし崩し的に初めてを奪われた翌日、  
また同じように俺に迫ってきた時には驚いたが、これが彼女の本性というわけか。  
 服の上から楽しむのはもう十分だろう。  
 俺は左腕で文香の腰を捕らえたまま、右手をシャツの裾から差し入れ、  
ブラジャーを下から押し上げて胸に直接触れようとした。  
 ホックを外さず無理矢理ずらすのは文香の希望でもある。  
 確かに、順を追って丁寧にやるよりも力任せにやった方が乱暴で、より痴漢っぽい。  
 こうすると、普段なら胸元から飾り気の無い、質素な白ブラジャーが覗くのだが、今日は違った。  
 
「文香、黒なんて持ってたのか」  
「あ、はい、アイドルなんだから……下着にも、もっと気を配ったほうがいいかと思って……  
 へ、変でしょうか?」  
「そんなことない。いいよこれ、すごくいい」  
   
 地味な服と黒下着の組み合わせがアンバランスで扇情的。  
 白下着も、穢れ無き乙女を腕ずくで汚しているように思えて背徳的なのだが、やはり、  
いつも物静かな文香がこんな大人なブラをしていたというギャップの方が凄い。  
 服の中の乳首を指先で探り当てると、鎖骨の方まで押し上げられて弛んだブラ紐が肩の上で揺れた。  
   
「あっ、そ、そこは……」  
   
 もっと文香を気持ちよくしてやりたい。  
 今まで見たことの無い、彼女の表情を見たい。  
 ただその思いで、硬く勃った乳首を指の間で転がす。  
 少し強めに挟み、コリコリしたそれをきゅっと押しつぶしてみると、文学少女が息を呑んだ。  
 ものも言えず、甘く喘ぐことしか出来ない文香が愛おしくて、自分を止められない。  
 長めのスカートをまくり上げ、股へ手を伸ばすと熱くぬめっている。  
 柔肉に指を沈め。乳腺を揉みほぐして先端をいじめながら、  
もう一方の手で股の薄布を乱暴に引きずり下ろす。  
 ぐっしょり濡れたパンツもやはり漆黒で、俺の手との間に粘液が糸を引いている。  
 愛液に浸されて役に立たなくなったそれを膝上に残し、  
覆いかぶさるような体勢で股間へ手を伸ばす。  
 昨日も一昨日もさんざん生セックスしたというのに、今夜も文香の陰唇はいやらしく開き、  
男を求めてひくひくしている。  
 中指の第一関節までを膣へ差し込むと、急な刺激に蜜が漏れた。  
 きゅっ、と肉が締まり、指に文香の悦びが伝わってくる。  
 一際濃厚な汁がどろっと溢れ出て、股から太もも、手まで汚していく。  
 掌を曲げて窪みを作ってみると、流れてきた粘液が小さな池を作った。  
 なにか変な薬でも使ったかのような濡れ方だが、まだまだ愛液は尽きない。  
 入り口からある程度登った膣壁の奥側を探り、指の腹で少し強めに押してみるとすぐに悲鳴を上げた。  
   
「! ひっ、そ、そこは……!」  
   
 恐怖と快楽に囚われた文香を、左中指で苛む。  
 今までの経験から知った、文香の弱そうな辺りを散発的に突いてみると、捉えた身体から力が抜けた。  
   
「あ、も、もうダメ、いっちゃ、出ちゃいま、す……!」  
   
 言うと同時に、文香の股から透明な液体が勢い良く噴き出てきた。  
 ぴしゃっぴしゃっと断続的に、尿のような液体が出ている。  
 事務所の角、壁と床を濡らしていく。色や匂いから見て、まず間違いなく潮であろう。  
 淫らな水を排泄しながら、文香は焦点の合わない、ぼうっとした眼をしている。  
 絶頂しているらしきその眼に知性は全く見られず、それゆえ透明で純粋で、  
例えようもなく美しかった。  
 下半身と床と俺の手をびしゃびしゃにして、力なく文香は言った。  
   
「あ……ごめんな、さい……事務所、よごしちゃい、ました……」  
「いいよいいよ、後で掃除するし。気持ちよくなってくれたんだろ。だったらいいんだよ」  
   
 文香の感度が良くなるにつれ、こうして潮を吹く頻度も上がってきている。  
 一ヶ月でこれなら。これからどんどん凄いことになっていくかもしれない。  
 ブラをずらされ胸を揉みしだかれ、スカートをめくられ股を弄られ潮を吹かされ、  
さすがに消耗したらしい文香は肩で息をしている。  
 少し休ませてやろうかとも思ったが、彼女が俯いた拍子、髪の毛が背中から顔の下へ流れ、  
薄紅色に染まったうなじが見えると、その余りの艶めかしさに止まれなくなった。  
 すばやく服を脱ぎ、下半身を露出させて文香に覆いかぶさる。  
 何か言われかけたのを無視して、そのまま一気に挿入した。  
 
「あ、ま、まって、ください、ひ、いぃぃっ……!」  
 
 イッたばかりの女性器は何より貪欲で、指を入れた時よりも遥かに強く肉の締まりが感じられる。  
 文香の、胸や尻とは対照的に小さめな膣がぎゅうぎゅう収縮するものだから、  
ただ挿れていくだけでも射精しそうなほど気持ちいい。  
 下唇を噛んで瞬殺されそうなのを耐えながら、どうにか奥の方まで竿を埋め込み、  
またゆっくり抜いていく。  
 雁首に引っかかった粘液が膣口から二人の腿、会陰に垂れていく。  
 文香の乱れ方、濡れ方が余りに凄まじくて、  
自分まで飲み込まれてすぐに絶頂してしまいそうな恐怖を感じる。  
 本能任せに腰を打ち付けて種付けしてやりたい気持ちを抑えながらバックで責めていくと、  
今度は文香のほうが動き始めた。  
 俺と壁と壁に挟まれた窮屈な状態で、突かれながら腰を前後に使い始めたのだ。  
 
「ずいぶん、積極的だな……!」  
「あハ、だって……気持ちいいん、です……これ、いい……」  
 
 短時間にいろいろやり過ぎたせいで変なスイッチが入ってしまったのだろうか。  
目も声も完全に蕩け切っており、まるで娼婦のよう。  
 股からは壊れた蛇口のように愛液がとめどなく溢れ、唇の端からは涎も垂れる。  
 文香は俺が考えていたよりはるかに淫蕩で、敏感で、貪欲な女だったのだ。  
 初めての男に体中弄られて、あちこちの穴から液体を漏らしてしまう、  
そんなどうしようもないエロ女にもっと溺れたくて、俺はピストン運動を強めた。  
 下からえぐり込むような角度で男性器を突き込むと、  
さっき指で責めた辺りを上手く刺激できるらしい。  
 竿を抜いて、すぐまた挿入したくなるのをぐっとこらえて、一瞬間を持たせる。  
 空洞の膣内を寂しく、切なく感じてもらいたいのだ。  
 
「え? あ、どうして、はやく、いれ……!」  
 
 最後まで言わせず勢い任せに突き上げると、さっき出したばかりだというのに  
またしても潮が噴き出た。  
   
「ひゃっ……! あ……! また、も、ダメ、だめぇ……!」  
   
 事務所の床のことが気にかかったのか、快楽に流されるばかりだった文香の眼にすこしだけ理性が戻った。  
 同時に、今の自分の有り様が急に恥ずかしくなってきたらしい。  
 パンツもブラもずらされ、しかし服は着たままで、獣のように喘いでいる。  
 男に後ろから犯され潮を吹かされ、悦びに叫んでいる。  
 声を抑えようと、壁に突いた右手の甲に唇を付けた。  
 そんな乙女のような仕草がいじらしくてたまらない。  
 もっともっと可愛がって、抑えきれないくらい大きな声を出させてあげたい。  
 その一心で、俺は再び文香の胸を蹂躙し始めた。  
 手マン潮吹きセックスと続いて、しばらくお預けを食らっていた形のおっぱいが  
久しぶりの刺激に狂う。  
 しっとり汗ばんだ乳肌は熱くて滑らかで、ずっと触っていたいほどだ。  
 突然乳搾りを再開されて、衝撃に文香は体を大きく反らせた。  
 潮とバックと胸揉みを一度に感じさせられて、わずかに残った理性がまた溶けていく。  
 手と唇の間に唾液が糸を引いている。唇の間から僅かに舌が覗いていた。  
「なあ文香、こっち向いて」  
「は、ぁい……あむ、ちゅ、うぅぅ……」  
 
 だらしなく飛び出た舌を咥えて、自分のと絡み合わせる。  
 唇と唇を合わせて、キレイに並んだ歯を舐め、唾液を飲ませ合う。  
 粘膜と粘膜の間で品の無い水音が鳴り、上でも下でも繋がり合う快感を増幅してくれる。  
 キスの最中も目を閉じず、こちらをじっと見つめてくる文香が可愛すぎて、もう息が止まりそう。  
 刺激されて液体を分泌するという点では上の口も下の口も変わらないらしく、  
口で激しく愛し合っていると唾液の量もいや増した。  
 セックスで濡れることも知らなさそうな外見の割に、いざ抱きあうと何処もかしこも  
べたべたにしてしまう文香を、ちょっと煽ってみたくなった。  
 
「なあ、こんだけ色々出てるんだから、おっぱいからもなにか出たりしないのか?」  
「あむぅ……そんにゃの、んちゅ、れ、出まへんよう……! ぼにゅーは、こっ、ころもが、れきない、と……!」  
   
 子を孕んで腹を大きく膨らませ、乳首から白い液体を垂れ流す文香の姿を想像してしまって、  
いよいよ忍耐の限界が迫ってきた。  
 未成年のアイドルとセックスするというだけでも言語道断なのに、  
生で中出しするなどもってのほかだと分かってはいる。  
 分かってはいるのだが、本能が外出しを許さない。  
   
「文香、もう出る……中に、出すぞ……」  
「っ!」  
   
 そう囁いただけで、また彼女は潮を吹いた。  
 十何回かの潮吹きで床も壁もびしょびしょだが、そんなことは後だ。  
 今はこの、極上の淫婦に膣内射精して妊娠させることしか考えられない。  
 奥の膣壁、文香の一際弱いところを強く突き上げると肉筒がぎゅうっと締め付けて、それが限界だった。  
 抱きすくめた彼女の胎へ、精液を注ぎ込む。  
 二度、三度と竿が膣内で跳ね、白濁が子宮を犯していく。  
 射精しながら文香の膣に抱きしめられるのが気持ち良すぎて、変な声が出そうだった。  
 種付けされる文香は、何も言えないでただエクスタシーに飲まれている。  
 さすがに潮の勢いは弱まり、少ない量がぴゅっぴゅと飛び出るだけになっていたが、  
快感は変わらないらしかった。  
 
 挿入したまましばらくつながっていたが、やがて文香が床へ崩折れ、  
恍惚の表情を浮かべたままこちらを見上げてきた。  
 まるで鏡のように入ってきた光をそのまま反射する、虚ろな眼。  
 今なら何でも言うことを聞かせられそうな気がして、消えかけていた情欲が燃え上がった。  
   
「なあ、俺の……文香の潮でべたべたなんだ。きれいに……してくれないか」  
   
 そう言うと文香は返事もせず、ゆっくりと膝立ちになって俺の腰に両手を回し、  
二人の淫液に塗れた男性器をそっと、躊躇いなく口に含んだ。  
 潮吹き中出しの快感がまだ抜けきらず、またフェラチオに慣れてもいない文香の舌使いは  
かなりたどたどしいが、射精した直後の性器にはこれくらい拙い奉仕が丁度いい。  
 竿の中程を唇で挟み、少し頭を引いて唇を突き出すような表情を作って、  
主に先端、亀頭の周りを舌でゆっくり舐め清めてくれている。  
 乱れた髪をかきあげて、こちらを見上げる上目遣いの視線が淫靡。  
 裏筋や雁首に張り付いた潮、愛液、精液を舐めとっては飲み込み、  
その度に文香の細い首が少し動く。  
 ちゅぅぅっと尿道を吸い上げられると、思わず腰が砕けそうになった。  
   
「あ……いまの、らめれひたか……?」  
「い、いや良かったよ。気持ち良すぎて……」  
「……れひたら、やはっはれふ。ほんれよんらこほはあっはんれふけろ、りっはいすぅのは、はいめへれひたはぁ……」  
   
 意図してのことか否か、咥えたまま喋られると口や舌の動きが男性器に伝わって、  
もどかしいような快感でじっくり高められてしまう。  
 先っぽの方を舐め終えて、文香はもっと深く竿を飲み込み始めた。  
 言われた通りきちんと男根を舌でお掃除フェラしながら、更なる快感のため喉で奉仕しようとする。  
 まだ慣れないものの、時折鈴口を吸い上げてもくれる。  
 きれいにしてもらったはずの先端からまた我慢汁が漏れ出てくるまで、時間は掛からなかった。  
 手を使わずに口と喉だけで愛されていると、大量射精して萎えかけていたものもすぐに完勃ちに戻ってしまう。  
 粘り気のある唾とカウパーが混ざり合って、お掃除する端から汚れていくような有り様だが、  
もはやそんな建前に意味は無い。  
 潮吹きセックスの余韻が抜けて、代わりにご奉仕フェラに取り憑かれた文香は、  
段々頭を大胆に振り、より多くの汚液を絞り出そうとしてきた。  
 
 じゅっぽじゅぽと淫らな水音を鳴らし、よだれを垂らしながら、  
アイドルの命とも言える喉を男の快感のためだけに捧げてくれている。  
 この満足感と背徳感からは、もう逃れられそうに無かった。  
 文香が根元近くまで竿を飲み込もうとした時、余りにあっさりと、俺は限界を迎えた。  
 口の奥、喉頭に向かって子種を撒き散らす。  
 先ほど膣内射精したばかりなので量は少なめだが、  
フェラチオ初体験の彼女にとってはまだこれでも多すぎるくらいだろう。  
 突然喉の中に粘液を注がれ、噎せかけた文香は慌てて口を男性器から離した。  
 その時の唇の摩擦がまた致命的で、鼻と頬に精液が少し掛かってしまう。  
 口に手を当て、何回か咳き込む。  
 手皿に精液を溜めて、涙目で俺を見上げて言った。  
   
「うぅ……あの、これ……飲んでみても、いいですか?」  
「え、なんでまた……うまいもんじゃないだろう」  
「……本で……男の人に、口で奉仕した後は、ちゃんと出てきたのを飲むと……  
 そうしたら、とても喜んでもらえる、と」  
   
 一体何を読んだのかは知らないが、断る理由など無い。  
 無言で頷くと、文香は手に受けた白濁液に口をつけ、少しづつ飲み下し始めた。  
   
「……はぁ……は、んぐっ……ん、こく……」  
「大丈夫か? 苦しくないか」  
「はい、飲めます……んぐっ、なんだか、不思議な味です……  
 これがさっき、私の中に……注がれてたんですね……」  
   
 顔を汚されながらも掌に受けた子種汁を舌で掬い上げ、口へ少しづつ運ぶ様は、  
淫らすぎていっそ非現実的ですらあった。  
 普段の大人しい文香しか知らない人間に、  
今の淫蕩極まる様を語ってやってもきっと信じないだろう。  
 毎日男とセックスして、生の精子を子宮で受け止めて潮を吹いて、  
お掃除フェラで搾精して精飲まですると言っても、妄想として片付けられることだろう。  
 この一見地味な女の、底無しの性欲を俺だけが知っている。  
 そういう類の事実は男としての自尊心、所有欲、満足感等を完全に満たしてくれるもので、  
こうしている間にもどんどん、俺は自分が文香に惹かれていくのを感じていた。  
 だから、俺がいつになく変態的なことを言ってしまったとしても、それは仕方ないことだったろう。  
   
「なあ文香。飲みにくかったら、口の中で唾と混ぜて薄めるといいぞ」  
「? こんな、感じですか……?」  
   
 言われるがまま、口内に溜めたザーメンでぶくぶくとうがいをしてくれる。  
 一見ただのうがいだが、文香の口の中は精液で満たされており、  
どれだけ口を濯いでも綺麗になるどころか一層汚く、臭くなるのは明らか。  
 自分の出したスペルマをこんな風に愛され弄ばれて、不快に思う男などいるはずがない。  
 虚ろな目をして、自ら口の中を汚していく文香を見ているだけで、また我慢汁が出そうになった。  
 左右の頬が交互に膨らむ、その内側に自分の精子がある。  
 ぐじゅぐじゅ、ちゅるちゅると口中をザーメン漬けにして、殊更音を立てて飲み込んでくれる。  
 最後、開いた口の中に何も残ってないところまで見せてくれるのは、全く予想外のサービスだった。  
   
「ふう……これが、精液の味なんですね。美味しくはないですけど……でも、また飲んでみたいです。  
 飲ませて、くれますか……?」  
   
 澄んだ瞳でとんでもないことを言う文香を観て、俺は本日三回目の射精を予感し始めていた。  
 

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