アイドル:三村かな子  
シチュエーション:強姦、凌辱、多人数、NTR、アヘ  
 
 
 てくてくてく。  
 少しだけ肌寒い夜の中、薄明るい照明が照らす公園を私――三村かな子はプロデューサーとゆっくりと歩く。  
 アイドルという職業に就く私にとって、こうしてゆっくりと公園を歩く時間はあまり作ることは出来ないのだが、それもこれも、プロデューサーという人物がいてこそだ。  
 ただ。  
 アイドルとプロデューサーという関係ならば、それも間違ってはいなかっただろう。  
 だけど、今の私とプロデューサーは、そんな関係ではなかった。  
 
 かな子のことが好きなんだ。  
 
 プロデューサーと繋がれた手。  
 つい先ほど抱きしめられて耳元で紡がれた愛の告白の言葉。  
 ほんの少しだけ触れるように感じられたプロデューサーの唇の感触。  
 それらを不意に思い出して、顔が赤くなるのを感じて俯いてしまう。  
   
 繋いだ手は汗ばんでいないだろうか。  
 大人なプロデューサーが、子供みたいな反応する私に幻滅していないだろうか。  
 この心臓の鼓動が聞こえていないだろうか。  
 なんてことを考えつつプロデューサーを窺ってみれば、少しだけ合った視線が逸らされてしまう。  
 その耳と首筋がぼんやりとした灯りながらも真っ赤に見えて。  
 ああ、プロデューサーもやっぱり人なんだなあ、と少し感心してしまった。  
 日中は少し暖かくて、そのまま制服の上着の代わりにカーディガンなんて恰好で仕事に着たのを始めは後悔したけれど。  
 繋がれた手は暖かくて、そこから熱が全身に広がっていて。  
 ぽかぽかとした陽気に包まれているように、私は心地よい気分だった――。  
 ――だからだろう。  
 がつん、とした硬い音がしたかと思えば、不意に後ろから伸びてきた何かによって塞がれてしまう口に、思考が追いつく筈もない。  
 甘い匂いが鼻腔から脳に届いた途端に朦朧とし始めた意識の中、地面に倒れていくプロデューサーの姿と、私とプロデューサーを囲む数人の姿が見えた気がした。  
 
 
「ん……うん……?」  
「おっ。かな子ちゃん、気づいたみたいだぜ」  
「かな子ッ」  
 ぼんやりと。  
 まるで海で揺蕩うかのように意識が、浮かびあがってくる。  
 ぴくり、と身体が震えるに気付いたのか、近くにいた誰かが声を上げた。  
 それにほんの少しだけ遅れるプロデューサーの声。  
 その声の元を探した先に、彼は――後ろでに手を縛られる形で――いた。  
 
「ふにゃ……あれ、プロデューサー、何してるんですかぁ?」  
「かな子っ、大丈夫かッ」  
「大丈夫って、何が……あれ、私なんで……?」  
 切羽詰まったプロデューサーの声。  
 スカウトされた時、ライブの時、オーディションの時、怒られる時。  
 そういった時に聞いた声とは全く別の声は、心配の色があまりにも大きくて。  
 その声に疑問を感じた私は、すぐにその理由が理解出来た。  
「えっ……なんで私、縛られて……」  
「そんなもん、俺らが縛ったに決まってんじゃんか」  
「そうそう、縛るならお手のもんよ、俺ら。亀甲縛りでも問題ナッシング」  
「そりゃ褒めるようなもんでも無えだろ」  
「違いない、ぎゃははは」  
 ぎちり、と。  
 身じろぎしてみれば、寝かされた状態のままに縄で縛られた両手が揺れた。  
 それに続く形で聞こえた幾人かの声に周囲を見渡してみれば、ぼんやりとした意識でもようやく状況を把握することが出来た。  
 ようするには、だ。  
 捕えられたのだ、私とプロデューサーは。  
 それを証明するかのように、周囲を見渡す私の近くに数人の男が近づいてくる。  
 恰好を見るに、如何にも遊んでいますという青年達であろうか。  
 高校の同級生の男子達よりも幾分か大人な感じのする男達は、にやにやとした笑みのままに近づきつつあった。  
 
「いやー、それにしてもかな子ちゃん可愛いわー。テレビとか写真集とかで見るよりも、やっぱ生もんが一番可愛いわ」  
「同意同意。実物はやっぱり違うよな。背も思ったよりちっちゃいし、何より――」  
「胸だろ、やっぱり。こりゃあ、Eぐらいはあるんじゃねえの」  
「おいおい、Eとか凄すぎだろ。ええっと……まあ、凄いよな」  
 じろじろとした、遠慮の無い視線に羞恥が顔をもたげる。  
 その視線が顔や腕、腰や脚に向かうのにぞくりと背筋を震わせて身じろぎをすれば、それに応じてふにゃんとたわむ胸に視線が集中した。  
 それから逃れようと身を動かしても、両手が頭上で縛られたことから身体をくねらせることしか出来ず。  
 それに応じて、またふにょんと胸がたわんだ。  
 ごくり。  
 男達の喉の音が聞こえた気がした。  
 
「お前らっ、俺とかな子を離せッ」  
「はあ? 一体何言ってんの、おたく?」  
「それだとわざわざあんた殴って、かな子ちゃんを捕まえた意味無いじゃん。ちったあ頭使えよな」  
「そうそう。それに……あんたなんか別にいらねえんだよな、ちったあ黙ってろよ」  
「ぐふっ」  
 どすり。  
 そんな音が聞こえてきそうなぐらいの勢いで、プロデューサーが蹴られる。  
 続けてもう一度、二度、三度。  
 血を吐くのではないかと思えるほどに咳き込むプロデューサーのスーツは、薄汚れた地面で汚れてしまっていた。  
 
「先に言っておくけど、声を上げて助けを呼ぼうとしても無駄だからな。滅多に人の通らない路地にある閉鎖された工場の倉庫……どうだい、無駄だろ?」  
「うわっ、なんかかっこつけてるし、こいつ。うわっ、うわっ」  
「うっせえ、黙れよ。……つーか、まあそういう訳だから。あんまり煩くすると、ぶっ殺すからな」  
「そうそう、そういうこと。さーてと、それじゃあかな子ちゃん、そろそろ俺達と遊ぼうか」  
「えっ……ひゃあっ。ちょ、ちょっと、どこ触ってッ」  
 げほっ、ごほっ。  
 数度咳き込んだプロデューサーが心配で傍に駆け寄りたいが、両手を縛られていてはそれも出来ない。  
 咳き込みながらこちらを窺うプロデューサーの目が心配するな、というぬくもりを与えてくれるが、どうやらそれも勘違いであったらしい。  
 ぺとり。  
 ぬくもりがあるとは言えない、むしろ冷たい部類とも呼べる男の手が、むき出しの太ももに触れる。  
 むにもに、と軽く揉んだかと思えば、さわりさわり、と軽く撫でていく。  
 その感触に――電車で痴漢されたかの如くの恐怖に、背筋がぶるりと震えた。  
 
「や、止めてッ、触らないでッ」  
「や、止めろ、お前らッ! 何をしようとしてるんだッ」  
「んー、何って……ナニ?」  
「ぎゃは、エロいことに決まってんじゃんよ、そんなことも分かんねえの?」  
「っていうか、ちょっと黙ってろって言ったじゃねえかよ、この野郎」  
 さわさわ。  
 太ももを触っていたかと思えば、ふくらはぎに手を移されたり。  
 お尻を触り始めた手が、強く揉んで軽く揉んで、を繰り返したり。  
 腕を触っていた手が、下に下にと降りて、胸の回りをさわさわと触ってきたり。  
 人の手とは思えない、まるで蟲が這っているかのような感触にぞわりと背筋が震え、身を捻って躱そうとする。  
 けれど、両手が縛られてそれも出来ず。  
 言葉を放ったプロデューサーが数度蹴られている横で、涙が零れる。  
 
「ちょ、触らないで……お願いしますから、触らないでぇ……」  
「あーあ、泣いちゃった。どうするー?」  
「どうするも何も、かな子ちゃん犯すことに変わりねえし。これ以上時間かけても面倒だし、ぼちぼち犯るか?」  
「ひっ」  
「えー、俺もうちょっとぷにぷに楽しみたいな」  
「どんな性癖だよ、お前」  
 ぽろぽろ、と。  
 先ほど――本当につい先ほどにプロデューサーの言葉で流した嬉し涙とは違う涙に、男達は嗜虐心がそそられたのか。  
 もにゅん、むにゅんと気持ち悪い感触で胸を揉んでいた男が、懐からはさみを取り出した。  
 ギラリと薄明りに輝くはさみは普段使っている印象を全く控え、私には暴力の塊として移った。  
 男はそんな私の反応ににやにやしながら、私の胸元――制服に、それを宛がった。  
 じょきり。  
 じょきり。  
 はさみが一度、二度、三度と動いて、私の制服を切り裂いていく光景に、声を上げたい。  
 だけど、ひやりとした感触が胸元からへそにかけて触れていくと、それが自身の身に突き立てられるのでは無いかという恐怖に、それも叶わない。  
 じょきり。  
 はさみが動き終わる。  
 切り裂かれた制服の隙間から冷たい空気が入り込んで身体を震わせ、その動きで少しだけ切り裂かれた制服がずれる。  
 ちらり。  
 すすす、と制服がずれていく感触の後に強くなった寒気に、脇腹が露わになったのだと知れた。  
 
「おおー、脇腹チラリズム、めっちゃエロいわ」  
「胸元からちらりと覗くピンクのブラもエロいわー。俺、これだけでいけるかも」  
「どんな早漏だよ。まあいいや、それじゃー、開けゴマー」  
「ッ……」  
「おおーっ」  
 嫌だ。  
 怖い。  
 恐怖と嫌悪、それに羞恥が口から出ようとするが、視界には未だぎらりと光るはさみによって、それを押しとどめる。  
 そして。  
 ぺらり、と左右に開かれた制服によって、私の裸体は露わになることとなった。  
   
「うおー、想像より全然でけえ……」  
「ごくり……肉付きよくて、むちむちしてて……めっちゃエロい」  
「ッ……触らないでぇ……」  
 ぷるん。  
 自分でもわかるほどに、制服という縛りが無くなった胸が揺れる。  
 それを男達が見逃すはずも無く、冷たい感触のままに胸や脇腹に手が触れていく。  
「うわっ、めっちゃ柔らけー。服の上からでも相当だったけど、こりゃまじ嵌るわ」  
「腹とかもすげえ。ぷにぷにしてるんだけどそれなりに引き締まってて。健康的なエロっての、そんな感じ」  
「うぅ、揉まないでぇ……プロデューサーも私も、帰して……ひぅッ、そ、そんなとこ舐めちゃだめっ」  
「そろそろいい加減に諦めれば、かな子ちゃん? このまま強情に我慢しても楽しくないでしょう?」  
「お前ら……いい加減にしろよ、かな子を……ぐふぅ」  
「お前もいい加減に黙ってろよな……そうだ、いいことを考えたぜ」  
 ふにふに、もにもに、むにゅむにゅ。   
 感触を楽しむように揉まれる胸や脇腹に、嫌悪感から震えが止まらない。  
 ぶるぶると身体を震わすと揺れる胸と脇腹に、男達はさらに楽しむかのようにそれを揉んでいく。  
 すると。  
 ざわり、と胸――その先端を過ぎていく感触が不意に訪れる。  
 それを予想していなかったからか、びくりと震えた身体に男達は厭らしい笑みを一層強くして、私の両方の胸や脇腹に口を付けた。  
 れろり、れろり。   
 れろれろ、むちゅ。  
 はむはむ、かぷかぷ、ぞろり。  
 右の胸、左の胸、脇腹、胸の下、へそ。  
 露わになっている至るところが舐められていく感触に、反射的に漏れそうになる声を必死で押さえつける。  
 気持ち悪いのに、嫌悪感しか抱かないはずなのに。  
 それでもびくりと震えそうになる身体を抑える私を見かねてか、声を上げたプロデューサーがまた蹴られた。  
 そうして。  
 プロデューサーを蹴っていた男が、にやりとした笑みを浮かべて、私に近づき、耳元で囁いた。  
「かな子ちゃん、かな子ちゃんが俺達と一緒に楽しんでくれるんなら、あの男がどんなに喚いてもこれ以上蹴らないって約束するけど……どうする?」  
 
「えっ?」  
「俺達もあいつが喚くたびに蹴るのも疲れるしさあ、かな子ちゃんと離れるのも嫌だしさあ。かな子ちゃんも、あいつが蹴られるのを見るのは嫌でしょ? だから交換条件、俺達と一緒に楽しんでくれるんなら、あいつは蹴らないようにするよ」  
 そう耳元で囁かれて、私は自然とプロデューサーに視線を飛ばす。  
 げほごほ、と。  
 痛そうに咳き込むプロデューサーは、頭部も蹴られたのか、蹴られた時に怪我したのかは分からないが、こめかみからわずかな血を流していた。  
 きっと痛いだろうと思う。  
 それでも、きっと諦めの悪いプロデューサーのことだ、アイドルになることを自信の無さから渋っていた私をスカウトした時みたいに、諦め悪いままに声を再び上げようとするだろう。  
 そのたびに、きっと蹴られて痛い思いをするというのに。  
 それを和らげてあげることが出来たらと思うが、しかし、その代償――交換条件は男達と共に楽しむこととある。  
 きっと、一緒に遊ぶだけということではないだろう。  
 広い意味で言えばそういった意味も含まれるのかもしれないが、こうして捕えられ、制服を切り裂かれ、露わになった胸や肌を揉まれ吸われ舐められている状況からして、それだけでは無いことが窺い知れる。  
 ――犯されてしまうのだろう。  
 その事実にぞくりと背筋を震わせるが、しかして、それを断ってしまえば男達は何をするかが分からない。  
 断ってもきっと私は犯されるであろうし、それに声を上げてプロデューサーは蹴られるだろう。  
 なら……少しでも、被害は少ないほうがいい。  
 恐怖に背筋を震わせながら、私は確かに頷いていた。  
 それと同時に、湧き上がる男達の歓喜の声。  
 私には、それが獲物を前にした獣の雄叫びのように聞こえた。  
 
「じゃあ、交渉成立だね。一緒に楽しもう」  
「ッ……んっ」  
「じゃあ俺も、遠慮無しにいただきまーす……ん、れろ」  
 そうして。  
 私の耳元で囁いた男がキスをしてきたのを始めとして、先ほどまで楽しむようにしていた男達が一斉に襲いかかってくる。  
 ちゅぱちゅぱ、と胸を吸えば。  
 れろりれろり、と乳首を丹念に転がして。  
 れろれろ、とへそを舐めていれば。  
 つっつー、と脇腹から胸に至る部分までを指で楽しんだり舐めたり。  
「んちゅ……一緒に楽しむんだろう? ……ほら、口あけて」  
「……ん……んちゅる……ちゅる……んふ……んっ」  
 それらを歯を噛みしめて耐えていれば、つんつん、と唇を刺激してくる男の舌。  
 それに応える気の無い私であったが、一緒に楽しむんだろう、という言葉をささやかれては、否応無しにプロデューサーのことが頭に浮かぶ。  
 ファーストキスこそプロデューサーに捧げることが出来たものの、そういった深いキスは当然のことながらまだである。  
 もっとも、これから男達にされることが未経験であるのだから、そういった拘りも無意味であるのだろう。  
 観念した私は、再びキスをして、舌を入れようとしてきた男を受け入れた。  
 ぬるり、とした熱い感触が口の中へと侵入し、蹂躙してくる。  
 熱い男の唾液が私の口へと注がれ、溢れでていくそれを楽しみながら、男は私の舌にそれを絡ませていく。  
 口の中を吸われ、唾液を注がれ、酸素が足りなくなってくれば鼻で呼吸し。  
 鼻で呼吸して気の抜けたところに、乳首が甘噛みされて――ついに、びりっとした感覚が身体を走る。  
「はは、かな子ちゃん、だんだんと感じてきたんじゃねえ? ほら、乳首が固くなってきた」  
「こっちもだぜ。それに、なんかぴくぴくとしてるみたいだしな」  
「んっ、そんなんじゃ、ちゅぱ……んんっ」  
「うはっ、まじエロい。……さあて、こっちはどうかなっと」  
「んんんッー」  
 酸素が足りない。  
 それは分かっているのに、男が縦横無尽に口の中に舌を入れるものだから、それを補給することも叶わない。  
 必然的に、ぼうっとしてきた頭に緊張など出来るはずも無く。  
 それまで受け入れることは無かった刺激に、身体が反応してしまう。  
 乳首の先端を舌でほじられ、軽く噛まれたかと思えば優しく舐めて甘い刺激を送ってくる。  
 ぴくり、ぴくりと身体が反応してしまうのを男達はにやにやとしながら、そのうちの一人がスカートをまくる。  
 プロデューサーと一緒に仕事をするときのためにと、常日頃から用意している真新しい上下セットの下着。  
 今日はピンクのそれであるが、ブラは先ほどはさみで切られたためにその原型をとどめていない。  
 それと対をなす下着に、男が触れる。  
 
「うわ、むにむにしてちょっと蒸れてて……すげえエロいわ。さすがかな子ちゃん、やっぱりかな子ちゃん」  
「んんっ、触らっ、ない、でっ、んちゅ、んんっ」  
「なんかどんどん濡れてきてるし……かな子ちゃん、実はエロい子?」  
「そんなことっ、んはっ、ないっ、あんっ」  
 ちゅるちゅる、と肌を舐めたり吸ったりされる音に混じって、確かににちゃりと音がするのを私は聞いていた。  
 びくり、と身体が震えるが、男達はそんなこと関係無しに――むしろ嬉しそうにその責めを強くする。  
 それに呼応するかのように下着越しに私の女性部分を触る男は、実に厭らしい笑みのままに下着を横にずらして女性部分を直に触れてくる。  
 にちゅり、ぬちゃり、くちゅり。  
 微かな音の筈なのに、身体の中をさかのぼってか、実に鮮明に女性部分からの音が耳に届く。  
 そのたびにびくりぴくりと身体が震え、胸の先端や身体の奥がじんじんと震える。  
「んじゃ、かな子ちゃんのお汁も味見させてもらおうかな、っと」  
「ひゃうんッ、ちょ、そんなとこ舐めちゃッ」  
「んじゃ吸っちゃおう、ずぞぞぞーと」  
「きゃうんっ、そ、それもだめぇ……だめえ、だめぇぇッ」  
「か、かな子ぉぉっ」  
 身体が熱くなってきた。  
 ぞわり、と先ほどの嫌悪感のようなものではなく、何か飲み込まれそうな感覚に背筋が震える。  
 ぺろり、と女性部分が舐められて、舌の先端がわずかばかりにそこに食い込んで、びりびりとした甘い感覚を身体に走らせる。  
 ずずず、と女性部分が吸われれば、それと同時にわずかばかりに吸い出されて、ぞくぞくとした震えを身体に走らせる。  
 胸の先端が、胸の奥が、肌が、女性部分の奥が、入口が、徐々に徐々に甘い感覚を強くしていく。  
 プロデューサーに見られているというのに、彼を守るためだというのに、犯されているというのに。  
 一度感覚を受け止めると意識したからにはそれらは最早止める術は無く。  
 女性部分――その敏感な部分をぺろりと一舐めされた時、私はそれまでよりも強く身体を震わせた。  
 
「かな子ちゃん、いっちゃいましたー」  
「いったかな子ちゃんもエロいなー。そこらのAVよりも、断然エロいぜ」  
「ぬらぬらてかてか光ってら、かな子ちゃんのここ。ほら、かな子ちゃん、こんなんなんだぜ」  
「いやぁ……」  
「さて、と……そろそろ本番といこうかな」  
「……えっ…………づづううぅぅッ?!」  
 びくり、びくり、と。  
 肺から酸素が押し出され、甘い感覚が快感へと変わっていって、ようやく私は絶頂に達したのだと理解した。  
 身体が震えるたびに女性部分から熱い蜜が垂れるのを敏感になった肌で感じて、絶頂に達したのだということ、それがプロデューサーの前だということ、甘い快感を未だ身体が欲しているということに、何より羞恥が勝る。  
 にちゃりと男が指に絡ませた粘液が自身の蜜であるのを見せられて、私は顔を出来るだけ背けようとした。  
 それがいけなかった。  
 身構えるより何より先に、にちり、と粘液の音がしたかと思うと、身体を貫く激痛が脳へと届いた。  
「うわっ……かな子ちゃんの膣、きっつい。ぎちぎち締め付けてきて、ちょっときつすぎるぐらいかも」  
「い、痛いッ痛いいッ。抜いて抜いてッ」  
「ちょ、ちょっとかな子ちゃん暴れないでよ。一緒に楽しむんじゃなかったの?」  
「痛いもんは痛いもんッ、抜いてぇぇ……」  
「ちっ、面倒くせえな。おい、クスリと酒もってこい……かな子ちゃん、口あけて」  
 先ほどまで感じていた甘い快感など、全て消し飛んでしまう。  
 それほどの痛みが股のあたりから脳まで突き抜けるほどに襲いかかってくるのを、身体に力を入れて耐えようとしてみる。  
 だけど、そうすれば余計に痛みが強くなることとなり、けれど力を抜けば痛みが再び襲ってくることとなり、私はぼろぼろと涙をこぼしながらどうしようかと揺れる。  
 処女、プロデューサーにあげたかったな。  
 痛みの端でそんなことを考えていれば、男からの言葉にふるふると震えながら口を開く。  
 ぽいっ。  
 口の中に何かが投げ込まれる。  
 そのことを理解した後にキスされると、男の口から何かが私の口に流れ込んでくる。  
 唾液だろうか、どことなく冷たく、それでいて熱いと感じてしまうその液体を、舌を絡められて酸素を求める私はごくりごくりとそれを喉へ送っていく。  
 何処か甘いそれを全て喉から奥へと送った私は、男の言葉からそれがお酒であるとお理解した――。  
「はぁ……はぁ……ッ、ひゃああんっ」  
 ――それと同時に、ずきずきと痛みしかなかった下半身に、ずくん、とした別の痛みが訪れる。  
 それは痛みというよりは何か別の感覚――甘い甘い、堕ちるほどに甘い快感だった。  
 
「へー、アッパー系かあ。よく持ってたなこんなの」  
「こんなこともあろうかと、ってな。いや、持ってて良かったよ」  
「こんなことって、どんだけ犯す気満々なんだよ」  
「いやいや、でも助かったぜ。かな子ちゃんの中、だんだんと具合良くなってきた」  
「んっ、なにこれ、こんな、あんっ、のって、きゃふん、」  
 ずくん、とした痛みはすぐにずくり、としたものへと変わり、それはじゅくりとした快感へと変わっていった。  
 じわり、と女性部分が震えたかと思えば、次に待っていたのは痛みに耐えながらでも分かるほどに蜜が溢れ出てくる。  
 じゅわりじゅわり。  
 どこにこれだけの量を蓄えていたのだろうか、と疑問に思う暇もなく、それを自身ので感じていた男は抽挿を開始した。  
 抜いて、差す。  
 たったそれだけの行動の筈なのに。  
 私は、痛みに変わる形で快感を身体中に走らせていた。  
「はっ、はへっ、な、なにこれぇ、こんな、こんなっ」  
「はっはっ、かな子ちゃんめっちゃ気持ちよさそう。俺も気持ちええよ、めっちゃ気持ちええ」  
「どんなや、かな子ちゃんの膣中は?」  
「かな子ちゃん見た目ぷにっとるけど、そんなん関係無しに締め付けてきて、でもええ感じに柔らかくて……めっちゃ名器っぽい」  
「んあっ、あんっ、はっふ、はふぅっ、あへぅ」  
 ずるずるずる、と男の男性部分――肉棒が抜かれていくと、きゅんと私の女性部分――膣が寂しそうに震える。  
 ぐちゅぐちゅぐちゅ、と肉棒が勢いよく入ってくれば、奥まで達したところで甘い痛みと快感が背筋から脳まで一気に駆け巡る。  
 それだけの一往復の動作なのに、私の身体はびくりびくりと感じて震え、自分の膣で出たり入ったりする肉棒をもっと感じようと自然に求めていく。  
 ずちゃずちゃ、と浅い部分を刺激されれば、ぐりぐりと奥まで入って最奥――子宮の入り口を刺激される。  
 男の腰が打ち付けられるたびに男の恥骨によって敏感な部分――クリトリスが刺激されて、びくりと身体が甘い疼きを求めていく。  
「はぁ、はぅっ、だめぇ、こりぇ、かんじす、ぎちゃぅ、あっ、あんっ」  
「よがってるのもエロいねえ、かな子ちゃん。おい、ちゃんと撮っておけよ。これ一本で一生抜けるぜ」  
「へへ、これ売ったらどれだけ売れるだろうな。アイドル三村かな子のレイプ動画ってな具合でよ」  
「か、かな子……」  
「プロデューサーさんも可哀そうに。かな子ちゃん、これでまっとうなアイドルには戻れなくなっちゃったな」  
「お、お前らが……お前らがかな子をっ」  
「そうは言うけどさ、見ろよあれ。かな子ちゃん、嫌がってないだろ? むしろ感じちゃってるだろ? そういうことだよ。かな子ちゃんはこういう変態的にエロい子だったんだよ」  
「うぐっ、締め付けてきて……もう出ちまう」  
 ごりごりごり。  
 わざと膣の壁に押し付けられて進んでいく肉棒に、視界の端で白い光がちかちかとする。  
 撮影の時のような光源など無いはずなのだが、出たり入ったりして快感を送ってくる肉棒にどうでもいいかと意識を逸らす。  
 びくりびくりとし始めた抽挿される男の肉棒だけが欲しいのだ、とした私は、もっと奥まで欲しいと言うかのように、打ち付けられる男の腰に脚を絡ませる。  
 ぐっと絡ませた脚を押し付けると、そんな私に興奮したのか、男の抽挿のペースが早く激しくなる。  
 そして。  
「はっ、はっ……出る、出る出る出るぞっ」  
「ひゃんっ、はんっ、お、奥で、奥でちょうら、いっ、も、もっときもひ、よくッ……つああぁぁッ」  
 ごつんごつん。  
 固い子宮の入り口とクリトリスが刺激されるたびに白くなっていく意識は、しかして肉棒の感覚だけは鮮明にとらえていて。  
 びくびくと震えていたそれがずしん、と最奥にまで突かれ、次いで塊のように熱い何かが子宮の入り口に放たれたと共に、私はもう一度絶頂へと達した。  
 
「……あっ…………ぷろでゅーさー」  
「んじゃ次は俺っと……うわぁ、ぬぷぬぷと吸い込まれていく。かな子ちゃん、膣の中までエロいわあ」  
「ふえっ? ちょ、ちょっとやすませて……んんんっ……んくっ、ひゃんっ」  
「おい、次がなんでお前なんだよ、勝手に決めんな」  
「悪い悪い、かな子ちゃんのおまんこがひくひくと俺を呼んでてな。我慢できなかった」  
「んじゃ、俺は口もらおうっと。かな子ちゃーん、お口あーんして」  
「ひゃっ、はんっ、あ、おちんちん、だぁ、あーんぐッ」  
 どろり、と。  
 男の肉棒が抜かれていくと、それを追う形で白い塊のような粘液――精液が、膣から零れ落ちていく。  
 熱い塊が去っていくことにどことなく寂しさを覚えた私は、ふとこちらを茫然と見るぷろでゅーさーと視線が合わさる。  
 何か悔しそうで、何か悲しそうで、何か怒ってそうで、何か茫然としていて。  
 そんな顔をするぷろでゅーさーにその理由を聞こうとするが、次いで挿入された別の男の肉棒に、どうでもいいかと意識を薄れさせる。  
 そんなことより、今は与えられる快感を受け取りたい。  
 それがぷろでゅーさーを助けることになるのだと、もはや端の方にある理由を掲げながら、私は目の前に出された肉棒を、にこりと見やる。  
 先ほどまで私の中にあったものとは違う、醜悪ながらも何処となく可愛らしいそれ。  
 むわっと酸い匂いが鼻腔をくすぐるが、それすらも愛おしく軽く先端に口づけを交わし、私は迷うことなくぱくりとそれを口に咥えた  
 
。   
「うわっ、かな子ちゃんの口ん中、めっちゃ暖っけえ。かな子ちゃん、かな子ちゃん、舌もっと使って」  
「んっ、んんっ、これ、こうでっ、ひいっ、きもひい、いっ?」  
「うん、めっちゃ気持ちええ。舌使いながらもっと奥まで入れて……そうそう、上手いよかな子ちゃん」  
「くそっ、もう我慢できん。かな子ちゃん、手解くから手でこすって」  
「あっ、俺のも俺のも。こんなエロいかな子ちゃん前にして、もう我慢できんって」  
「あっ、はぁ、んっ、んっ、ひーよぉ、つぅぅ、はきゃんっ、ひゃうんっ」  
 口の中を押し広げて突きこまれた肉棒は、とても熱かった。  
 皮が弛んでいるところがあるかと思えば、つるつるとまるで磨かれたかのように綺麗な先端の部分に、どこか可笑しさを覚えつつ、舌を絡ませていく。  
 ぐるり、と先端を舐めたり、先端をつついたり、先端の先にある穴――尿道部分に舌を押し付けたり、舌の先でほじってみたり。  
 奥まで入れてと言われて喉のあたりまで入れて、舌を絡ませながら口から出して口づけをしてまた喉まで入れて。  
 喉の奥を突かれると子宮を突かれているかのように甘い疼きを感じて、私は再び膣に肉棒を抽挿している男の腰に脚を絡める。  
 もっと欲しい、もっと奥まで突いて欲しい、熱い塊が欲しい、もっと色々と感じたい。  
 頭上で縛られていた両手が解かれて、その手に熱い肉棒が握らされても、私は怖じることなくそれを扱く。  
 腰をずんずんと打ち付けられつつ乳首とクリトリスを刺激され、口の中や喉の奥を肉棒でこすられ、左右の手の中で暴れようとする肉棒を扱いて、私は耳の穴を刺激されつつその尿道を刺激していく。  
 そして。  
「あひっ、あへっ、ひゃん、まら、まらいっひゃうっ、お、おくにぃ、くちもおまんこもおくにだひてぇぇッ」  
 痛いのか、感じているのか、快感なのか、苦痛なのか。  
 自分が感じているものが一体何なのかが分からなくなるほどに白くなっていく意識の中、ごすり、と子宮の入り口を突かれて私は再び絶頂を迎えた。  
 びゅくり、びくり、ぶりゅり、びゅるり。  
 子宮に精液を注がれて、喉の奥で精液を注がれて、胸や顔に精液をかけられて。  
 くらくらとしそうな匂いの中、その熱さに感じて私は絶頂を迎えつつ、再び絶頂を迎えていた――。  
 
 
「うわっ、かな子ちゃん、尻ん中もめっちゃゆるゆるで、でも締め付けてきて……めっちゃ気持ちええ」  
「んっ、んぐっ、もっ、もっひょおくまれふいれぇっ、はんっ、はへっ、んんっ」  
「俺の上でぶるんぶるんしてるかな子ちゃんの胸……くうー、アイドルにこんなこと出来るなんて、生きててよかったー」  
「かな子ちゃんの脇、マジ気持ちええわ……。先っちょが胸にこすれて」  
「かな子ちゃん、まじ舌使い上手過ぎ、わろた。おまんこに突っ込むよりも気持ちいいかも」  
「さらさらヘアーがくすぐったくて、気持ちよくて……やべえ、出るッ」  
 そうして、何回目に膣中に精液を注がれたか分からないほどになって、私は自分から腰を振るようになっていた。  
 男の腰に下から突き上げられて、前屈になって露わになったお尻の中に太くて長くて硬い肉棒を突きいれられて、喉の奥まで肉棒を入れられて、両手で熱い肉棒を扱いて、脇と腕の間にまで肉棒を沈めてくる人がいて。  
 まるで全身が犯されているみたいだ、と思わないでもないが、ここまで気持ちいいのならそんなことはどうでもよかった。  
「ほーらかな子ちゃーん、口開いてー」  
 ごくりごくり、と口の中に注がれるお酒と共に何かを飲み込んで、再び強くなる甘い疼きに腰の動きを速く強くしていく。  
 ぐちゃぐちゃ。  
 汗なのか、男達の何かなのか、よく分からない汁が胸からへそへと流れていくのに、びくりと甘い快感を得る。  
 腰を前後に動かせば下から突き上げる男の肉棒が引っ掛かり、お尻に突きいれる男の肉棒が身体の奥を捉えて痺れを催す。  
 上下に動けば下からの突き上げが子宮を強打して甘い痺れと強い快感を身体全体に走らせて、喉の奥が強く突かれて意識を白く染め上げていく。  
 意識も、身体も、心も、思い出も、何もかもが。  
 白く、白く――ただ白く染められていって。  
「あへっ、あはっ、おくにぃ、おくにちょうらいぃ、イんっ、イクゥゥゥゥゥゥッ!」  
 男達の肉棒から精液が吐き出され、顔に、胸に、へそに、髪に、背中に、お尻の中に、子宮の中に注がれていく。  
 その快感にぶるりと身体を震わせながら、口に注がれた熱い精液をこくりこくりと飲み込んでいき。  
 ちらり、と視界の端に入ったスーツの汚れた男の人が泣いていることに気付く。  
 ごめん、かな子ごめん。  
 そう泣いている男の人が何が悲しいのか分からない私としては、頭を掲げるしかなかったが。  
 一緒にたのしくきもちよくなることが出来れば泣き止んでくれるだろうと思った私は――。  
 ――ちろり、と誘うように唇をなめのであった。  
 
 

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