時の卵クロノトリガーによって、クロノは死の運命から逃れた。  
 この日、A.D.1000年のクロノの家にて宴が行われた。  
 クロノ復活祭である。  
 息子が一度死んで蘇った事実なんて知らないジナは、何の宴かよく分からない様子だったのだが、タバンとララを呼び腕に縒りを掛けてごちそうを作った。  
 料理は大変好評だった。  
 そして、クロノは酔ったルッカとエイラに絡まれ、魔王はジナの妙なペースに飲み込まれていた。  
 宴は夜遅くまで盛り上がり、そして徐々に静かになっていった。  
 
   
 暗くなった部屋。  
 魔王を抱き枕代わりにしつつ爆酔しているエイラの豪快ないびきが響き渡る。  
 力強く抱きしめられている上にうるさくて眠れないという二重苦に、魔王はカエル、ロボと共にルッカの家に行けばよかったと少し後悔中。  
 だが、そんな中でもジナは飼い猫を抱き気持ち良さ気に眠っている。  
 しかし、今回の宴の主役であるクロノの姿がない。  
 部屋にもいない……どこにいったのかなぁと思い、目が覚めたマールが家を後にした。  
 
「あ、こんな所にいたんだ」  
 
 外に出た瞬間、冷たい風が吹き少し熱かった体が冷やされる。  
 ブルッと体が震えるが、目的の人が目の前に居り自然と笑顔を見せる。  
 木刀を持ち、上半身は黒いシャツ1枚のクロノも答えるように微笑んだ。  
 彼の額から汗が流れているのを見ると、いつもの自主練をしていたのだろう。  
 
「どうしたの? 眠れない?」  
「うん……クロノは?」  
「俺もだよ。それで眠れるように体を動かしていたんだけど……」  
 
 ますます眠れなくなった、と言った後、静かだった裏庭に2人の笑い声が聞こえた。  
 休憩も兼ねて、少し2人で話そうと誘われる。  
 断る理由など何処にもない。2人は近くの木の下に腰を下ろした。  
 そして、クロノが蘇るまでにあった様々な出来事を話始めた……  
 
 カエルの決意により覚醒した真のグランドリオンの事  
 ロボの働きにより蘇った緑の大地の事  
 
 話たい事は一晩では語れない。  
 だけど、それよりも彼に話たい、伝えたい事がある。  
 しかし、その話をなかなか切り出すことが出来ずにいた。  
 
「それでね……あの……」  
 
 下唇を軽く噛み意を決した。  
 真っ赤なのだと自分でも分かるほど顔が熱くなり、相手に聞こえてしまうのではないかと思うほど胸の鼓動が高まる。  
 
「私、思うの。今は夢なんじゃないかって……」  
「夢?」  
「うん……クロノがいなくなって、私すごく悲しかった。クロノに会いたくてたまらなくて、毎晩クロノ達と冒険した夢を見たの。  
 だから、これも私の夢なんじゃないかって……目が覚めたら、またクロノがいないんじゃいかって、とても怖かったんだ」  
「マール……」  
「だって、私クロノが好き、だから……愛してるって意味の好きだから……ずっとクロノと一緒にいたい……」  
 
 少し涙声になってしまったが、ずっと抱いていた想いをクロノに告げた。  
 当然不安もある。どうしても嫌な結果を想像してしまって涙が出そうになる。  
 クロノも驚いた様子。  
 それはそうだろう、ガルディア王国の王女が庶民でしかない自分に告白したのだから。  
 マールが黙ってしまっているのは返事を待っているからだろう、この時だけ静かな夜に戻っている。  
 だがそれもほんの僅かな間だけ。  
 
「……俺も、マールと同じ気持ちだよ」  
「え?」  
「俺もマールが好きだ。愛してるって意味のね」  
 
 今まで黙っていたクロノから出た言葉はとても簡単なものだった。  
 だが、それだけでとても嬉しかった。  
 見上げると、頬を赤くし少し照れているクロノの顔。  
 そしていつもの優しげな笑顔を見せる。マールも満面の笑みでクロノに答えた。  
 2人はしばらく寄り添って密着しながら、夜空を照らす月と星を見上げていた……  
 
 
 しばらく時間が経ち、夜風で体が冷えてきたから家に戻った。  
 その中で、マールは赤面しながらあるお願いをする。  
 少し躊躇したが、クロノはゆっくりと頭を縦に振って引き受けた。  
 マールは本物のお姫様だから、お姫様抱っこで2階のクロノの部屋に行った。  
 
「んッ……んぅ……ッ」  
 
 部屋の扉を閉めてマールをそっと降ろす。  
 そして少し緊張した様子で見つめ合い、唇を重ねた。  
 マールは髪留めを外し、最初こそ軽く唇を合わせるだけのキスだったが、徐々に舌の入った深いキスへと変化していく。  
 3度目のキスの後、再びお姫様抱っこでマールを持ち上げ、ベッドに寝かす。  
 彼女の上にクロノが覆いかぶさり、4度目の舌入りキスを交わす。  
 
「ッ……んッ、はッんむッ……」  
 
 マールの口の端から唾液が一筋流れる。  
 お互いの口に舌を入れ、絡め合い唾液を交換する。  
 唇が離れると、マールの顔や体を這うようにクロノの舌が動く。  
 頬から首、胸元と徐々に舌へと這っていく。  
 そして、舌が胸へと到達した時、マールの白い服を下にずらす。  
 
「ぁ……」  
 
 クロノの目に映ったのは、露になった少し小さめなマールの乳房。  
 恥ずかしさから片腕で胸を隠すが、すぐクロノが再び露にする。  
 
「ご、ごめんねクロノ」  
「……? なにが?」  
「男の子はエイラみたいにおっきい胸が好きって大臣が言ってたから……その、ちいさいでしょ? 私の胸」  
「俺は可愛らしい胸だと思うよ?」  
「うぅ、ありがと」  
 
 今まで微妙に気にしていただけに、クロノの言葉はとても嬉しい。  
 まだ恥ずかしさはあったが、マールは胸を隠す仕草を見せない。  
 そして、クロノは頭を彼女の胸へと近づけ、舌を伸ばし小さな丘の頂点に触れた。  
 その回りを嘗め回し吸い付いた。  
 
「く、くすぐったい、ふふ……」  
 
 まるで赤ん坊のようにチューチュー吸い上げ、空いてる片胸の頂点を指で軽く摘む。  
 最初こそくすぐったく感じて思わず笑ってしまいそうなのを堪えているマールだったが、徐々に反応が変わっていく。  
 
「ぁッ……クロノぉ、な、なんだか……変」  
 
 くすぐったかった感触が快感に変わっていき、マールはやや戸惑いを見せる。  
 体が熱い。息は荒くなっていき、声も段々と甘いものへ変わる。  
 普段の元気なマールから聞こえる嬌声にクロノの興奮も高まっていく。  
 クロノは乳房を攻めつつ、片手をマールの下腹部へと伸ばした。  
 
「あぅッ」  
 
 マールの体が少し痙攣した。  
 既に服越しからでも分かるほど濡れたマールの恥ずかしい部分を、クロノは攻め始める。  
 手を少し動かしただけでマールは嬌声を漏らして反応した。  
 
「ぁんッ……く、クロノ、ぁッ」  
「すごい、もうこんなに……このままじゃ服が汚れてしまうから脱ごうか、マール」  
 
 そう言って、彼女のベルトに手をかけた時だった。  
   
「クロ! マール!」  
 
 明らかに先程まで眠っていた人物の声と共に、勢いよく2階に上がる階段を登って来る音がした。  
 その声と音に2人は驚き、そして慌てふためく。  
 とりあえずクロノはマールから離れ、マールは服を調える。  
 それと同時に、声の主は2人の前に現れた。  
 
「クロ! 大変大変!」  
「そ、そんなに慌てて、ど、どうしたの?」  
「魔王 死にかけ クロかマールの不思議な力 必要!」  
 
 ふと目が覚めたら魔王が至近距離で虫の息だった。  
 だからマールのケアルガ、最悪レイズかアレイズが必要だと、慌てながらエイラは言う。  
 恐らくエイラの物凄い力で締められたのが原因だろう。  
 そう思いながらも、エイラには黙っておき2人は1階へと降りた。  
 ぐっすり眠っているジナの横で、確かに魔王が死に掛けていた。  
 時々ピクピク動く。  
 マールはさっそく魔王にケアルガを掛ける。  
 温かな光に包まれて、魔王の表情は徐々に良くなっていった……眉間に皺が寄っているあたり良いのかは不安だが。  
 
「これでジャ……魔王は大丈夫だよ」  
「よかった マール さすが!」  
「でも、よく考えたらエイラのキッスでも助けられたんじゃ……」  
「そういえば! エイラうっかり」  
 
 機嫌良く笑うエイラを見ながら、2人は少し溜め息を吐いた。  
 
「魔王助かった エイラ 安心した だからまた寝る クロとマール 続き続き!」  
「え?」  
「マール 元気な子 生む そしたら また宴する! 新しい命宿す それめでたい事」  
 
 クロノとマールの顔が一気に赤くなった。  
 特にマールが赤くなり、ドリストーンのようだとエイラが笑った。  
 そして、安心したのか笑い疲れたのか、エイラは床に寝てすぐにイビキをかき始めた。  
 その様子を、2人はただ赤面しながら黙って見ていた。  
 
「……マール」  
「……なに?」  
「今日は、もう寝ようか?」  
「うん……じゃあ、ラヴォスを倒して未来を救ったら、続きしようね?」  
「うん、わかった」  
「でも、今夜はクロノと一緒に寝たいな」  
「いいよ。じゃあ行こうか」  
「うん!」  
 
 2階に上がる前に、再びエイラが魔王を抱き枕にしようとしたので2人の距離を離す。  
 最後まで出来なかったのは少し残念な気がするが、クロノに想いを告げられただけで満足である。  
 そう思いながら、クロノと同じベッドの中で眠りについた。  
 
 
 
 翌朝、マールは魔王にアレイズをかけた。  
 
終わり  
 

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