「…ぁ…っは…ぁあ…んっ」
一面に広がる果てない闇のなか、一人の少女が喘ぐ。
解けかけた金のみつあみを振り乱し
上気した顔を快感に歪ませている、その少女。
キッド…!
叫びたくても声にならない。
どこからともなく伸びた赤黒い触手によって
体の自由を奪われているセルジュは、
目の前で繰り広げられる光景を朦朧とした意識の中で見つめていた。
どうしてこんな事になってしまったのか。
考えられない。考えることができない。
たくし上げられた服から零れる豊かな胸に
細い触手たちがするすると絡み付いていく。
片方はふもとから頂まで螺旋のように巻きつき、
まるで搾乳を思わせるような動きで揉みしだく。
もう片方は筒状になった触手によって、
ぷつんと紅く尖った蕾を何度も吸い上げられる。
その度甘い声をあげるキッドの瞳に、いつもの覇気はない。
触手によって与えられる快感になされるがままだ。
こんなキッド、知らない。
「んあっ…はぁんっ!!」
一際高い声をあげて、キッドは首を仰け反らす。
赤い巻きスカートからスラリと伸びた太ももを、
まだ弄られていない場所から零れた蜜がつたっていった。
「ずいぶん気に入ったようだな。小娘。」
前触れもなく、何もない空間から声が響いた。
熱に浮かされた表情でキッドは僅かに顔をあげる。
闇の濃い場所から、その声の主は姿を現した。
鮮やかな青い髪、青い瞳の少年。
僕…
邪気に溢れた笑みを浮かべ、キッドの横に立ったその人物の姿は
紛れもなく『セルジュ』だった。
フェイト…どうして…
龍神の力を借りて、セルジュは自分自身の体を取り戻した筈だった。
現に今、セルジュは元の姿でいる。
なのに何故…?
疑問ばかりが頭を巡るが、霞んだ意識の中では思考は先に進まない。
おそらくこの惨劇を仕組んだ本人であろう
目の前のフェイトを睨み付けることさえ、
今のセルジュには叶わなかった。
「セルジュ、お前も中々いい格好だな。」
四肢を触手に固定され、身動きの取れないセルジュを見て、
フェイトは満足気にくつくつと笑い声をあげる。
「っん…ぁ…ひゃぁっ…」
その間にも、キッドは触手に蹂躙されて身を捩る。
フェイトは喘ぐキッドをチラリと見ると、蔑むように目を細めた。
それに呼応するように、新たな触手が伸び、
キッドの足に巻きつきながら上へと登っていく。
「は…ぁ…あ…っ」
触手が足を這う感触に、キッドは身を震わせた。
蕩けたようなその瞳には微かな期待のさえ伺える。
だが、ついにスカートの中にもぐりこんだ触手は、
溢れた蜜によって既にその意味を成さない下着を
ずるずると引きおろしただけだった。
「……んっ…」
くちゅ、と音を立てて、そこから離れた下着は
触手によって膝の辺りまでおろされる。
物足りなさからか、キッドは切なげな表情を浮かべた。
「…淫らな女だな」
その様子を見たフェイトは、そう言い放ち、キッドの背後に回った。
そしておもむろに手を伸ばし、蜜のつたった後の残る
太ももの内側をゆっくりと何度も撫で上げる。
「セルジュ、お前もそう思うだろう?」
撫でる動作を続けたまま、フェイトはセルジュを見つめた。
「触れる前からこんなにいやらしく垂れ流して…」
セルジュから視線はそらさずに、尚も執拗にフェイトは
キッドの身体を弄んだ。
足に触れていない方の手は、触手に絡みつかれた胸を
その上から乱暴につかむ。
自分の姿をした男が、キッドの身体を犯している。
その異様な光景を目の前にして、セルジュはますます混乱していった。
「しかし…お前も人のことは言えぬかな…」
フェイトはたっぷりと笑みを含んだ声で指摘する。
セルジュの身体は、余裕を持って作られた
ズボンの上からでもわかるほどに反応していた。
思いをよせる少女の、これほどの痴態を見せ付けられては
そうならない方がおかしい。
だが、セルジュの混濁した意識の中には、
はっきりとした恥辱と罪悪の念が広がっていった。
じゅぷっ…
「ひゃあああんっ!」
突然、足の付け根を行き来していただけだったフェイトの指が
キッドの膣に差し込まれた。
予期しない快感からか、キッドの身体が痙攣したように跳ねる。
ぐちゅっじゅぶっじゅぶっ!
フェイトの指が、遠慮無しにキッドの中をすりあげていく。
その度にキッドは胸を揺らしながら快感にもだえ、嬌声をあげた。
キッドの秘肉は差し込まれる指に絡みつくようにうごめき、
時々ぎゅんっっと締め付ける。
フェイトが指をかぎ状に曲げて、壁を刺激すると、
どろどろと蜜が溢れだした。
じゅぷん…
「…んぁ…」
ふいに、フェイトがそこから指を抜いた。
消えた快感を求めてか、キッドは身体を捩じらす。
フェイトはそこから離した手をセルジュの方に向け、開いてみせた。
付着したキッドの愛液が、くちゃあと粘って糸を引く。
その淫らな光景に、セルジュの自身は益々張りつめた。
いけないと思っても、そこに血が集まっていくのを止めることはできない。
だんだんと呼吸も整わなくなってくる。