「わたしの躰、匂うでしょう……セルジュ?」  
 水掻きのあるイレーネスの淡い紫色の両手が水からあがると、やさしく  
セルジュの貌を包んだ。イレーネスの水掻きに掬われた、龍神の滝の冷たい水が  
火照る頬にきもちいい。  
「うん、いい匂いがするよ」  
 亜人の人魚のイレーネスと人間のセルジュは龍神の滝で抱擁しあっていた。  
イレーネスの綺麗な人魚の肢体は仰向けになってくつろいでいる。セルジュは  
イレーネスが躰をあずけている岩に両手をついて、透き通ったきらめく水面に  
美貌だけを浮かべて仰ぎ見ているイレーネスを、逞しい胸から上を水面から  
出して見下ろしていた。  
 
セルジュは神秘的で艶めかしい人魚の躰に跨って、水面には目の覚めるような  
青の尾と、人でいえばほぼ膝上に跨っているセルジュのキュッと引き締まった  
お尻が映し出されていた。尾ひれが水面に出てパシャッ!と叩いた。  
「うそ……」  
「ボクよりずっと大人なのに拗ねているの?」  
「ふふっ、じゃあリーアはご先祖さまよ」  
 河原に置いたイレーネスの鎧の宝玉が降り注ぐ眩しい陽光に照らされて  
きらめく。  
 
「リーアをおばあちゃんとは言えないしね」  
「あなたが、この世界を統べるトリガーならわたしを変えて。お姉さん……  
セルベス姉さんが知った愛というものを、わたしの躰に壊れるくらいに刻んで  
欲しいの」  
 イレーネスの膝の上に押し付けられているセルジュのペニスが膨らんだ。  
 
「あっ、嬉しい……セルジュ」  
 
「イレーネス、きみの唇にキスしたい」  
「いいわ、セルジュ」  
 水面に浮んだイレーネスの美貌のなかでひときわ目を引く、真紅のルージュを  
引いたような唇がひらいて前歯を覗かせ、潤んだような金色の瞳が細くなった。  
ディープブルーの髪が水のなかで揺らいで、翼のかたちをした耳がくなっと折れている。  
 
 イレーネスのセルジュを包んだ腕とイレーネスの躰の傍に付いている腕が  
たたまれて、ゆっくりとふたりの貌が近づく。  
 僅かな時間の挨拶のような口吻。それでいて濃厚で甘く熟した果実のような味がした。  
 
「狂ってしまいそう」  
 
「イレーネスはいい匂いがするよ」  
「どんなかしら?」  
「母さんみたいな匂いがする」  
 
 
 ふたりの姿を影で見ている者たちがいた。  
 
「あいつはバカか!オレでもあん時、どう言われたいかぐらいわかるぜ!花の匂いとか」  
 
「へえ、キッドでもわかるんだ。力んで言うなっつうの、バカが」  
 
 レナが目を細めてキッドをしらっと見た。  
「なんか、言ったか?」  
「ん?なにも言ってないよ」  
「絡むじゃねえか!」  
「なにも言ってないってば!」  
「うっさいなあ、べらんめぇの旦那たちは黙っててくんないか」  
「うわあっ!」  
 ふたりは割って入ってきた赤い人影に躰を退く。  
 
 レナとキッドは思わず叫んでいた。赫い角と先に下がっている鈴がニョキッと  
ふたりに割って入ってきたのだった。  
「コスメフリークになんか言われたかないね。あれ、フリークスかな」  
 
「アタイに喧嘩を売ってるの?」  
 
「そんな、ど派手な格好でうろつかないでくれる」  
 レナがキッドを加勢する。  
「はいはい、喧嘩はおしまい。なんなら私が買ってあげるわよ」  
「げっ!」  
 レナがびっくりしてもうひとりの乱入者を見る。  
「なんでお前がここにいんだよ。ツクヨミ、こいつを消しちまえ」  
「アタイに命令すんなよ」  
「ほら、ガキは黙って、黙って」  
 レナのフライパンをさっと取ってリサがキッドの頭を叩いた。  
「あうっ」  
 
 
「おかあさん……?」  
 
「ご、ごめん……へんなこと言って」  
 
「それ、最高の誉め言葉だわ、セルジュ」  
 イレーネスは嬉しそうに金色の瞳を細めると、セルジュを跨らせたまま躰を  
廻して背中を向け、セルジュにペニスがぬるっと擦られイレーネスの脚の感触が  
快感として背筋に走っていった。  
「うっ!」  
 イレーネスは貌をセルジュに向けて「まだ、射精しないでね」と悪戯っぽく  
微笑む。イレーネスの水に濡れた美貌がセルジュの躰を熱くさせていた。  
目の覚めるような青の躰に翼のように生える背びれが水面から出ている。  
「ほんとに、いいの、イレーネス?」  
 
「セルジュこそ、いいのかしら?」  
 イレーネスがその言葉を吐いた時、昂ぶりで豊満な乳房が揺れて喘いでいたのを  
セルジュは知らない。ただ青の肩が微かに揺れて背びれがふるふると揺れているのが見てとれた。  
 セルジュはイレーネスの臀部のつぶらな窄まりを眺めた。  
「ボクはかまわないよ」  
「ありがとう。お願いするわ」  
 セルジュは熱くなったペニスを掴んでイレーネスの青のまろやかな臀部に亀頭を擦りつける。  
「ああっ!」  
 両手をついているイレーネスの躰が来るべき予兆に少しだけ仰け反った。  
水のなかでもセルジュのペニスにイレーネスの滑りが塗されてゆく。  
セルジュはイレーネスの魅力的でどしっとした臀部の傍に左手を付いて、右手に掴んだ  
ペニスを狭穴にあてがった。  
 
「はあっ……セルジュ」  
「挿れるから、イレーネス」  
「は、はい。来て、セルジュ」  
 しかし、イレーネスの狭穴は逞しくなったセルジュの強張りを容易には受け入れなかった。  
一度は滑って外れ、再度試みたらその弾力に戻されてしまう。  
 龍神の滝に小鳥たちの囀りと滝の流れる音に混じって、イレーネスの熱い吐息とセルジュの  
焦りの声が蕩けあって響いていた。  
 
「はあ、はあ、セル……セルジュ、もう、焦らさないでぇ……ああ……」  
 
「ご、ごめん、イレーネス。ボクは焦らしているわけじゃないんだ」  
 
 
「なんか凄いね……」  
 レナがぽつりと呟いた。  
 
「人魚のあそこってどうなってるんだ?」  
 
 キッドが疑問に思っていたことを呟いた。  
 
「そりや、一個だけでしょ」  
 ツクヨミがにべもなく答える。  
「あんた、セルジュに嫌われてるかも。ずばずば言うなって」  
 レナがぼそっと言った。もちろん最後のは聞こえないようにして。  
「アタイがなんでよ!ヤマネコ様の時もいっしょにいたのに」  
「いた時間なら、わたしのが上よ」  
「時間じゃないよ」  
 ツクヨミが少し拗ねていた。  
 
「そう、時間じゃないわね。あんたたちも、媚々でがんばんな。イレーネスに  
セルジュもってかれるよ」  
 リサが三人にとどめの一撃。  
 
 イレーネスは付いていた両腕を折って、肘を付くとセルジュもそれに  
合わせるようにして左肘を水のなかに付いてイレーネスの左の二の腕を  
掴んで躰を密着させるようにして狭穴に亀頭を埋め込んだ。  
 イレーネスの狭穴はセルジュの艶やかに張って、赤黒くてかる瘤によって  
無残に押し拡げられていった。  
 
「ああああっ!」  
 
 セルジュはイレーネスの尻に跨る格好で組み敷いて、人魚の一点の穴に  
挿入していった。か細い女の悲鳴が滝に響きわたる。堪えるはずだったものが  
解き放たれて、イレーネスに苦悶の声を上げさせるのだった。  
 それは激痛というものにも等しかった。いくら気持ちで和らげていたといっても、  
厳然として躰に苦痛は刻まれる。  
「だ、だいじょうぶか、イレーネス!」  
 
「こ、このまま挿れてちょうだい!このまま!」  
「いいのか、イレーネス」  
「いっ、いいから……。は、はっ、ああ……」  
 苦痛はセルジュも一緒だった。烈しく勃起しているペニスに釣り糸できつく  
縛り付けられているような感じがして、セルジュのこめかみにはドッと汗が  
噴出していた。  
 
 ある一点を通過するとセルジュの怒張は狭穴にぬるんと収まった。一瞬、  
セルジュはイレーネスの狭穴が裂けてしまったのかと思って、肉の繋がりの部分  
を見る。血は出ていなかった。しかし、ふたたびペニス全体への締め付けが  
襲ってきた。  
「セル、セルジュ……」  
「だいじょうぶ」  
「き、気にしなくていいから、好きにして……。すきに……いいから」  
 顔をガクッと折ってイレーネスはセルジュに声を掛けてくる。  
 
 とにかく、早く射精してイレーネスから抜き取ろうと考えていた。セルジュは  
ゆっくりと尻を振った。抽送がはじまるとイレーネスの貌が仰け反って叫びを  
上げた。  
「ごめん、動くから、イレーネス!」  
「はあぁあっ!動いて!うごいて!セルジュ!あっ、あ、あッ!」  
 イレーネスの咽喉が伸びきって、背びれに彼女の青い髪が掛かる。  
セルジュはイレーネスの躰を引き摺って律動を繰り返した。早く彼女を痛みから解放して  
やりたかった。イレーネスの締め付けで、セルジュの絶頂はほどなくやって来た。  
夥しい量の白濁がイレーネスの躰に迸る。  
 
「あああっ、セルジュ!」  
 イレーネスの躰が快美に顫えるなかで、その変化が現れた。手の水掻きが消え  
尾ひれが裂けて人の脚のかたちにみるみると変貌していった。素肌も  
ディープシーブルーから雪のような蒼白の素肌になっていた。ただ髪だけは青のままに、  
ぐんっと伸びて脚までもとどくくらいに伸びたのだった。  
 
 しかし、イレーネスの髪がどれくらい伸びたかは、はっきりとはわからなかった。  
ただ、青い髪が水面に妖しく散っていくので十分だった。イレーネスの背中や腰からも  
ひれが消えて、匂いたつような女らしさを纏っていた。  
 
 セルジュは名残り惜しいイレーネスの躰から怒張を抜き去る。  
「あっ、あうっ……」  
「イレーネス、ねえ、イレーネス……」  
「セル、セルジュ……」  
「綺麗だよ、イレーネス」  
「ああ……ありがとう」  
 セルジュは抜き取ったペニスを処女地の双臀のスリットにあてがい、  
イレーネスの耳に貌をよせる。  
 
「ちがうよ。ほら、みてごらんよ」  
「あっ……」  
 イレーネスの左手首を掴んで水の中から引き上げた。  
「人魚のイレーネスも綺麗だけれど、人間の女性の姿態のイレーネスも  
魅力的だよ」  
 手首を掴まれて上げられた手からも水掻きが消えていて、細く白い手が  
くなっと下を向いて垂れていた。セルジュは後ろから抱きついたまま首から  
右手を廻して、その左手を取って両手で掴んで唇に含んだ。  
 
「はあぁああっ、あっ、あ」  
「どうしたの?」  
「わ、わからない。全身が性感帯になったみたいで……せつないの、セルジュ」  
 イレーネスの朱に染まった貌がセルジュを見てはにかんでいた。  
「イレーネス、すごく綺麗だよ」  
 
 

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