公園のブランコに、揺れるわけでもなく揺らされるわけでもない少年が座っている。  
 全身を黄色のタイツで包んだ彼の視線の先には、麗しい若草色の髪の少女がいた。  
 記憶を失ったその少女は、砂場で小さい城を作っている。  
 彼女が泉家に来てから、数週間経った。  
 研はナオコと名付けられた少女に、色々なことを教えてきたつもりだ。  
 記憶を無くしたことによって支障が出ていた日常生活のあれこれはもちろん、関係のないことまで――。  
 「あ」  
 ふと見ると、砂場にナオコがいない。  
 どこへ行ったのだろう、と辺りを見回すと、背中から細い腕が伸びてきたではないか。  
 「研君」  
 美しいソプラノで紡いだ少女は、振り向いた研の唇にそっと唇で触れた。  
 ちゅっ、ちゅっ、と音を立てて、ナオコは研の唇を啄む。  
 滑り台で戯れる子供達が一斉にこちらを見ていたし、犬の散歩をしていた老婦人も驚いている。  
 ベンチでくつろぐ夫婦らしき男女は目を見開いて、黒い野良猫はしっぽを振って、それぞれ二人を見ていた。  
 「ナ、ナオコちゃん、今日はもう帰ろうか!」  
 口づけを楽しむ少女の体を引き離し、その手を引いて、研はそそくさと公園を後にする。  
 ナオコは目を真ん丸にして、不思議そうな表情のまま手を引かれていた。  
 
 
 
 「ダメだよ、ナオコちゃん!」  
 家に着くなり、研は目元を吊り上げて、ナオコを自分の部屋に閉じ込めた。  
 「キスはああやって、みんなの前で堂々とするもんじゃないんだから」  
 「ごめんね……」  
 少ししょげたように、表情を曇らせて、ナオコはベッドに腰掛けている。  
 研は「はふーっ」とため息をついた。ミスを思い出したのだ。  
 ほんの数日前、ナオコに「キス」という行為を教えたのは研だった。  
 記憶を取り戻す過程では、全く関係のないことだ。  
 だが研は、少女を愛し自らの欲を満たす為の手段として、どうしてもキスを伝えたかったのである。  
 ――ねえ、キスって知ってる?  
 こんな風に尋ねて、唇を重ね合うことを研はその身で教えてやっていたのだ。  
 キスを覚えたナオコは、その気持ち良さに何度も何度もキスを求めてきた。  
 それがたまたま、いつも二人きりの時だから気付かなかったのだ。  
 キスを公の場でしてはならない、とナオコに教えるのを、研は忘れていたのである。  
 「キスはね…こうやって、二人っきりの時にするもんさ」  
 
 「二人っきり…」  
 研の言葉を繰り返すように唱えたナオコの唇を、そっと塞ぎながらベッドに押し倒す。  
 ボリュームのある、若草色の髪が、草原のようにシーツに広がった。  
 口をこじ開けて、舌を割り入れる。  
 ナオコは少し戸惑って、最初こそ研の舌から逃れたものの、すぐに自分から舌先を触れ合わせるようになった。  
 舌を使って口内を犯すだけでも、ぴちゅ、ちゅるっ、と卑猥な音が漏れ出す。  
 それを楽しみながら、研はナオコに自らの唾液を送り込んだ。  
 「ん、ふ、んっ…」  
 甘い声を吐きながら、研の唾液を飲み込んでゆく。  
 が、全てを飲み込むことは出来ず、唇の端からつっと残りの液体が流れた。  
 「ねえナオコちゃん、今日は違うこと教えてあげるよ」  
 唇を離し、ナオコの口の端を拭って、研が微笑む。ナオコは首を傾げた。  
 「なあに?」  
 「セックスって知ってる?」  
 すると研は、ナオコのワンピースの中に手を突っ込んで、下着を秘裂がまる見えになるようにずらした。  
 さらにワンピースをめくりあげて、下半身を露出させる。  
 ナオコはそれを、ぼんやりと見ていた。  
 「ここ、どんな場所か知ってるでしょ?」  
 研の指が、ナオコの割れ目に沿って這う。  
 「あっ…おしっこするところ…?」  
 「うん、そうだね。でもそれだけじゃないんだよ」  
 「他には何をするの?」  
 「男の子のちんちんをここに入れるんだ。それがセックス、っていうんだよ」  
 「セッ…クス」  
 「やってみる?」  
 首を傾げて、研が尋ねる。  
 多少の間があったものの、ナオコは小さく頷いて、  
 「うん」  
 と返事をした。  
 「よーし、それじゃあ早速やってみようか!」  
 ベッドの上に広がったナオコの髪を一房だけ手に取り、口づけて、舐める。  
 それから研は、ナオコの生殖器に指を突っ込んだ。  
 キスだけでたっぷりと濡らされた穴は、研の指一本だけでぐぷっと卑猥な音を響かせる。  
 「あ、あはっ……研君、あたし…変な感じ…」  
 「大丈夫だよ。セックスもね、キスと一緒でとっても気持ちの良いことだから」  
 「気持ち良い…? あたし、これ、気持ち良いのかしら…?」  
 くぷっ、ぬぷっ、と膣を掻き回されながら、顔を赤らめてナオコが呟いた。  
 「うん、きっとそうだと思うよ。もっと気持ち良くしてあげるからね」  
 ナオコを愛撫する研の股間も、既に大きく勃起して、タイツを突き破らんばかりである。  
 
 その研の変化に驚きながら、ナオコは「あっ、は…ん」と喘ぎ声を出した。  
 少年の指が根元まで中に入り、繰り返し繰り返し関節を曲げてくるのだ。  
 研が肉壁を摩るたび、身体中の全てにおかしな痺れが走ってゆく。  
 「あ、やっ、あ、あぁぁーっ!」  
 とどめを刺したのは、研が陰核を指で摘みあげたからであった。  
 初めて性の快感を知る少女に、クリトリスへの愛撫は刺激が強すぎたのだ。  
 「いやっ、研君…あたし、おしっこ出てる…」  
 「おしっこじゃないよ。これはね、僕のちんちんが入りやすくなるように出てくるものなんだ」  
 だから安心してね、と言って、研はにっこり無邪気に笑った。  
 ナオコの膣から指を抜き取り、愛液を絡ませたその指を、ぬちゃぬちゃ鳴らして少女に見せる。  
 「ちょっとぬめっとしてるや…舐めてごらんよ、ナオコちゃん」  
 「う、うん」  
 差し出された少年の指に、ナオコはちゅうっと吸い付いて、ぺろぺろと舐め始めた。  
 液体自体の味はよくわからないが、研の指の味がして、ナオコにはそれが嬉しかった。  
 粘つく愛液を口の中で転がしていると、研がまた舌を入れてくる。  
 「ん、んむうぅ……」  
 声を漏らすと、それすら塞ぎたいかのように、唇を被せてくるではないか。  
 キスの快楽に捕われていると、研の手がナオコの胸に触れた。  
 服の上から、乳首を摘みあげて、クリクリといじくり回してくる。  
 「あ、あぁんっ! 研君っ、おっぱいっ、やぁっん! あぅっ! あぁっ!」  
 少々刺激されて、気持ち良くなってしまったナオコの乳首は、それだけで勃起してしまった。  
 「わあっ、ナオコちゃん、乳首立ってる! うふふっ、可愛いなあ」  
 「そんな…あたし、恥ずかしい…」  
 ぷくっと膨らんだ乳首が、布を押し上げて存在を主張している。  
 「や、あ、はぁん!」  
 研は服ごと乳首をれろれろと舐めて、桃色の幼い部位を唾液で透かした。  
 胸は透け、下半身を露出させられたナオコに、もはや着衣の意味はなかろう。  
 変態的な姿にさせられた自分が気持ち良い、その時だった。  
 「あ、け、研君、固いものが当たってる…」  
 ナオコの足の付け根に、ごりゅごりゅと何かが当たってくるのだ。  
 視線を落とすと、それは研自身であった。  
 「…ん、うん、ちょっと、苦しいんだ……セックスしたら、楽になると思う…」  
 「じゃあ早くしなくっちゃ…」  
 
 ナオコは起き上がり、研の背中に手を回して、ジジーッとファスナーを下ろしてやった。  
 体にぴったり張り付いているタイツを脱がせてやって、少年の裸体を露わにさせてゆく。  
 研の股間の立派なものは、ぼろんっと勢い良く布からはみ出してきて、ぴくぴくと脈打っていた。  
 先端は赤みを帯びて、透明な液体をだらしなく垂らしている。  
 「研君、おちんちん、すごい…。いつもと違う!」  
 「う、うん。…もう、入れちゃってもいい?」  
 「い…いいよ」  
 ナオコは再びベッドに横になると、研の陰茎を真っ直ぐ見つめながら、研が触れてくるのを待った。  
 まず、研はナオコの足を大きく開かせた。横にずらした下着から覗く割れ目も、ぱっくりと開く。  
 中途半端な状態の下着を完全に脱がせて、秘部を丸出しにしてやると、愛液が音を立てた。  
 「研君と、セックス…」  
 うっとりとした声色でナオコが唱える。  
 雌としての本能が記憶の無い少女の体に働きかけて、こんな言葉を言わせているようだった。  
 「あ、あ、あぁぁぁぁーっ!」  
 ずちゅずちゅっ、と深く潜るような音を伴って、研のペニスがナオコの膣に侵入した。  
 「や、はんっ、け、研くぅんっ!」  
 「ハァ、ハァ…ナオコちゃん!」  
 ゆっくりと、しかし確実に、熱く固いものがナオコの中を犯してゆく。  
 ぎちぎちと肉がこじ開けられて、陰茎が奥へ奥へと入っていった。  
 もちろん成人男性のそれには敵わないが、ナオコにとっては研のものも充分に大きい。  
 それを逃すまい、とばかりに膣はしっかりくわえ込んでいた。言うなれば、これも本能か。  
 愛液を分泌して、研の肉棒をとろとろと包み込む。  
 ナオコから出る体液に興奮して、彼女の体内で研はさらに大きく固くなるのであった。  
 一度、奥まで到達したことを確認して、一気に引き抜く。  
 じゅぷぷっ、と音を立てて、愛液塗れになった研のペニスが、女の穴から出てきた。  
 「あ、あぁぁぁっ!」  
 容赦なく、また中へ突っ込む。  
 ぐぽっ、ぬちゅっ、ぱんっ、ぱんっ――。  
 幾度も繰り返される出し入れに、ナオコはすっかり理性を失って、自らで腰を振り始めた。  
 「研君、あたしっ! あ、あ、気持ち良いっ…! や、は、あんっ、もっとぉ!」  
 「うん、もっと、ハァ……ハァ……ナオコちゃん…!」  
 ぬちゃっ、にちり、ぐちゅぐちゃっ――。  
 さらに卑猥な水音で互いの聴覚を犯し合い、絶頂へ導く。  
 
 「うっ!」  
 「きゃぁんっ!」  
 胎内で自分の温度とは違う、熱いものが広がってゆくのがナオコにはわかった。  
 研が少女の最奥で精を放ち、液体で膣をいっぱいにしたのだ。  
 「ハァハァ……研君…」  
 「ハァ…ハァッ、ナオコちゃん、気持ち良かった…?」  
 「う、うん。あのぅ…でもね、あたし…」  
 「?」  
 「もっと…もっと教えて欲しいの。もう一度、して?」  
 深く繋がり合う研の体を抱き寄せて、ナオコは夢中で彼の唇にキスをした。  
 研もナオコの首に腕を回し、舌を絡ませたり歯列をなぞったりして、それに応える。  
 その都度、ナオコの体から愛液が溢れてくるのがわかった。  
 唇が離れた時、少女の表情は少年を試すかのような、妖艶な顔つきとなっていた。  
 わからなかった、というのは口実だ。  
 そのことにすぐ気が付いた研は、にっこり笑う。  
 「うん、もっと教えてあげる…」  
 そう言って再び腰を揺らすと、少女の体は水音を鳴らして、官能的な喘ぎ声を漏らすのだった。  
 
 
 
 翌日は、久しぶりの日曜であった。  
 研の父と母は、その久方ぶりの休日を二人きりで過ごすことに決めたらしい。  
 家に残された子供達とロボットは、テレビで映画を見て過ごしていた。  
 「今だ、そこだっ、やっつけろ!」  
 「きゃあっ、あぶなーい!」  
 バリカンとキャロンはすっかり夢中になって、映画のヒーローに声援や拍手を送っている。  
 ナオコは同じソファで研の傍に寄り添うに座って、甘えるように体を擦り寄せてきていた。  
 「研君…」  
 映画に夢中になるバリカン達に気付かれないよう、ひっそりと小さな声でナオコは語りかける。  
 「ん?」  
 声をしっかり聞こうとして、研が体をさらに近付けた瞬間だった。  
 ――セックス…したい。  
 早くしよう、と付け加えて、研の胸を撫で回す。  
 ダメだよ、と言う前に、タイツの上からナオコが性器に触れてくる。  
 研はここで、またミスを思い出した。  
 “セックスもキスと同じように、二人っきりの時にするものだって教えてない!”  
 「ナ、ナオコちゃん!」  
 間の抜ける声が出て、妹とおじいさんロボットが一斉に振り向く。  
 ナオコは驚いて、手を引っ込めていた。助かった。  
 あはは、あは、と渇いた笑いが研の口から零れる。  
 
 「ご、ごめん、ナオコちゃんが僕に話があるんだって。ちょっと僕の部屋に行ってくるよ」  
 「そうなの? お兄ちゃん、映画は?」  
 「キャロンとバリカンで見ててくれれば、それでいいから。行こっ、ナオコちゃん」  
 ぽかんとして目を真ん丸くするナオコの手を、いつかと同じように引っ張った。  
 ナオコに教えることは、まだまだたくさんありそうだ。  
 今日はとりあえず情事中の声の殺し方から学ばせよう、と研は考えている。  
 
 
 
 終  
 

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