「ごちそうさまでした」  
 箸を置いて、ぱちんと手を合わせる。たったそれだけなのに、様になるのは星君が美形だったからだ。  
 「お粗末様でした」  
 「粗末だなんて、とんでもないです。とても美味しかったです」  
 研のママがそう言ったのを、星君はにっこり笑ってこう返す。  
 まあ、とママが感心したのは言うまでもなかった。よく出来た子である。  
 「星君、今日はゆっくりのんびり過ごしていってね」  
 「泉君のお母さん、ありがとうございます」  
 「ね、星君、テレビゲームやろうよ! 僕これなら絶対負けないんだから!」  
 「これ、研! 食器の片付けくらい、手伝いなさい!」  
 どさくさに紛れて、食卓から抜け出そうとした研を、ママがしっかり捕まえる。  
 はーい、としょげた研を見て、キャロンとバリカンが声を揃えて笑った。  
 ――泉家にこの美少年がいわゆる「お泊り」に来たのは、初めてのことだった。  
 当初は他に数名、研のクラスメイトが泊まりにくることになっていたが、皆用事で来れなくなってしまった。  
 結局、予定通りに来たのが星君だけだったというわけである。  
 このお泊りについて、研よりもキャロンの方が喜んで喜んで仕方がなかった。  
 何せこのおませな娘、学校でも大人気の美少年にお熱なのである。  
 ともなれば、喜ばないわけがない。  
 「ね〜え、星君」  
 「ん? どうしたんだい、泉さん」  
 食器の片付けをしながら、キャロンが星君に声をかける。もじもじ照れつつも、嬉しそうだ。  
 「夜はあたしのお部屋で一緒に寝ましょうよ。ね、いいでしょ?」  
 「うひゃー、キャロンちゃん、大胆だなあ」  
 「んもう、バリカンったらからかわないでよ! あっち行って!」  
 「はややややや」  
 ぴょこぴょこ跳ねてきたおじいさんロボットを投げ飛ばし、キャロンは再び星君と向かい合う。  
 「ねーえ、星君どうかしら?」  
 間延びした、甘えた声でねだってくる。星君は「そうだなあ…」と鼻を鳴らして考えた。  
 実はこの美少年、人間ではない。ジュラル星人である。  
 星君は地球征服を目的とする彼らの障害――チャージマン研を抹殺するためにやってきた、刺客なのだ。  
 この夜のうちにでも、研を殺してやろうかと考える星君にとって、この誘いは少々面倒だ。  
 だが……。  
 ふと、キャロンと目が合って、星君は迷った。  
 
 この少女の熱っぽく潤んだ青い瞳、実は嫌いではないのだ。  
 時々その目を、ずっとこちらへ向けていて欲しいと思ってしまうことさえある。  
 感情を捨て去れ、という教えを受けてきた彼にとって、この欲求は許されないものかもしれないが――。  
 「泉君、今日は泉さんと寝てもいいかな?」  
 そもそもを言えば、今日の泉家への宿泊も想定していなかったことだ。  
 今日くらいはジュラル星人としての使命を忘れ、星君として過ごすのも悪くないかと結論を出した。  
 「ん? 僕は良いけど…星君、キャロンはね、すっごく寝相が悪いんだよ!」  
 「お兄ちゃんひどい! あたし寝相悪くなんかないもん!」  
 「どうかな〜」  
 「あら、でも研より星君の方が、キャロンのお兄ちゃんにふさわしいかもしれないわよ」  
 一緒に寝てくれるんですものね、と付け加え、ママが二人の間に口を挟む。  
 「研は一度か二度キャロンと寝て、眠れないなんて文句を言ったんですよ。それでそれっきりだったもの」  
 「ちぇっ。ママったら、ひどいな」  
 研が不満げに唇を尖らせた。  
 ふふふ、とキャロンとママが笑っている。  
 星君は困ったように笑いながら、投げ捨てられてしまったおじいさんロボットを立たせてやった。  
 
 
 
 夜の闇が深くなり、周りの家からも明かりが消え出した。  
 研とのテレビゲームを終え、風呂から出た星君は、キョロキョロと視線を泳がせキャロンを探す。  
 「ほーしくん!」  
 「あ、泉さん」  
 風呂場からいくつかの知らない部屋へ続く廊下に、キャロンが立っていた。  
 「お風呂気持ち良かった?」  
 「うん、とっても」  
 「よかったぁ! あ、来て来て、あたしのお部屋はこっちなの」  
 幸せそうに、無邪気に笑って、手を引いてくる。  
 星君は小さな手が自分の手に絡まっていることに照れながら、彼女についていった。  
 簡素なドアのドアノブをひねって、キャロンの部屋が姿を見せる。  
 電気もつけず、部屋の隅にある人形やぬいぐるみに囲まれたベッドに、ぽーんと身を投げて  
 「星君、こっちこっち!」  
 と、キャロンは手招きをした。  
 キャロンはもちろん星君でも余裕で寝転がれそうなベッドに、枕が二つ用意されている。  
 「ねっ。ちゃんと枕あるでしょ?」  
 「うん、でも……二人寝るには少し狭いね」  
 そうなのだ、一人一人が寝転がるには十分でも、ここに二人が来ると少々小さい。  
 
 「僕、床で寝るよ。泉さんはベッドを使って」  
 「そんなのさみしいじゃない! あたし、狭くっても平気よ。星君と一緒に寝たいわ」  
 「……」  
 そんな風に言われたら、断りづらい。何より寂しいのは、このジュラル星人とて同じだ。  
 「それじゃあ…」  
 星君はキャロンの隣で、体の側面をベッドに押し付け、キャロンを見つめるように横たわった。  
 「大丈夫、泉さん?」  
 「大丈夫よ。うふふ、星君がとっても近い!」  
 「ドキドキしちゃうな…」  
 「うん…」  
 キャロンは返事をしながら、ほわほわとあくびをしてゆっくり目を閉じる。  
 睫毛に輝くあくびの涙が月明かりに照らされ、とても美しい。  
 触れたくなって、睫毛に指を伸ばすと、んっ、と甘ったるい声が漏れた。  
 この距離、そしてこの声――胸の高鳴りが、性的な興奮に変わるまでさしたる時間は要さなかった。  
 だがジュラル星人の自分が、地球人の少女をこの腕に抱くなど、絶対にあってはならない。  
 誇りと理性、本能の間で、考えがぐらついているのが星君にはわかった。ひどく不安定で落ち着かない。  
 「あ…」  
 あれこれ考えるうち、キャロンとの距離が縮まる。キャロンの方から身体を寄せてきたのだ。  
 「えへへ…」  
 一度閉じた目を開け、照れくさそうに笑って星君を上目遣いで見つめている。  
 このままではどうにかなってしまいそうだ…。  
 星君は起き上がり、キャロンに背を向けてベッドに腰掛けた。  
 ――やはり、雄の部分が反応してしまっている。  
 用を足しに行くふりをして、これを適当に処理すればいいだろう。  
 ところが、その行動に移るよりも早く、キャロンにそれが見つかってしまった。  
 「あ、星君……おちんちんたってる」  
 「そ、そんな、その!」  
 「大丈夫? ぺろぺろしてあげましょうか?」  
 投げ掛けられた言葉は、驚愕のものだった。  
 ぺろぺろ――それはつまり、ああいうことだろう。  
 「君はどうしてそんなことを…」  
 「あのね、お兄ちゃんが時々しろ、ってあたしに言うの…。しないと苦しいんだって」  
 この時初めて、星君は研に激しい嫉妬と嫌悪感を覚えた。自らの妹に性的な処理をさせているのだ。  
 この可愛い唇で、可愛い手で、泉研の物を――。  
 「くっ…」  
 想像して、また下半身が疼き出す。  
 
 キャロンが心配そうな目で、こちらをじっと見ていた。  
 「星君、ねえ、やってあげる!」  
 「泉さん……」  
 普通に喋ろうとすることさえ、息が絶え絶えになって難しい。  
 もうこの際だ、成り行き任せで、この少女に快感を与えてもらうのも悪くはない。  
 むしろ、これは胸のうちで願っていたことなのかもしれなかった。  
 「ね、………甘えてもいいかな」  
 顔を片手で覆い、恥ずかしそうに星君が言う。  
 キャロンは喜んで、「うんっ!」と大きく頷き、ベッドから降りて床に膝をついた。  
 よいしょよいしょとばかりに、星君の勃起したペニスをズボンから取り出し、幼い掌で握りしめる。  
 「わあ、星君のおちんちん、お兄ちゃんのよりおっきくて可愛い!」  
 「か、可愛いの?」  
 「うんっ。あのね、そのぅ…星君のだから、可愛いの」  
 星君は、いや、このジュラル星人は、すっかり参ってしまっていた。  
 自分にとってどうしようもないくらい可愛いのは、己の一物などではなく、眼前のこの少女の方だ。  
 狂いそうなまでに愛でてやりたい、この娘の愛らしさと言ったら、どう形容すべきかわからない。  
 感情のない星に生まれてしまったことを、初めて心から憎んだ。  
 と、同時に、それを忘れることにした。そうでもしなければ、心底から快楽を得るなど無理だ。  
 ちゅっ、と亀頭にキスをくれたキャロンの金色の髪を撫でて、星君は微笑む。  
 「あ、はぁっ……」  
 口の中に肉棒を封じられて、熱っぽい扇情的な少年の声が響いた。  
 キャロンは懸命に舌先を使って、快感を与えようと口に含んだ亀頭を舐めている。  
 動きはぎこちないが、性的な快楽としては十分だ。  
 何より、キャロンが自分にこうしてくれていると思うだけで、最高の媚薬になる。  
 「っく…ん………んっ…、上手だね、ああ…っ、気持ち良いよ…」  
 そう言うと、キャロンは嬉しそうに目を見開いて、陰茎のいわゆる「裏スジ」をぺろぺろと舐め始めた。  
 体験したことのない甘い状況と、丁寧で一生懸命な舌による愛撫が、星君を絶頂へ導いていく。  
 とどめのように、キャロンがぱくっと亀頭のみをくわえると、中で音も立てずに熱いものが飛び出た。  
 「しまっ…!」  
 放出されたばかりの精液で汚れたペニスを口から引き抜き、キャロンの体を抱き寄せる。  
 
 小さい口から、液体を掻き出してやろうかと思った星君だったが、  
 「ごっくん」  
 という音が聞こえてきて、体の動きが思わず止まってしまった。  
 「そ、そんな…泉さん、飲んだの?」  
 「ダメだった…?」  
 「ダメじゃないよ。だけど、汚いじゃないか…」  
 「まあ、汚くなんかないわ! だって、星君のだから。えへへっ…」  
 うっとりとした表情で、腿に頬を擦り寄せてくる。  
 星君はキャロンを膝に乗せて、精液を飲み干してくれたその唇を自らの唇で愛撫した。  
 喰らわんばかりに激しくキスをしてみたり、触れるだけのキスをしてみたり、角度を変えて何度も、何度も。  
 様々なキスをするごと、少女もまた、その顔を変えた。  
 何も知らないような清純な乙女の顔であったり、見ているだけで欲情しそうな女の顔であったり――。  
 「泉さん、もう一度してもらってもいいかな?」  
 「うん!」  
 キャロンは言われるや否や膝から降りて、先の行為でペニスの先端に付着した精液を綺麗になめとった。  
 それからまた、ぴちゃぴちゃと可愛い音で星君を慰める。  
 もっと興奮したくて、星君はゆっくりと腰を前後に動かしてみた。  
 キャロンは多少驚いたようだが、すぐにその動きを受け入れて、歯を立てないよう努力する。  
 しばらくもすると、キャロンの方から口をすぼめて、竿を激しく上下に扱いた。  
 「あ、あぁっ、あ、泉さんっ!」  
 少女がどうしてもくわえきれない根本だけは自分の手で摩って、また口の中に精を射る。  
 自分の唾液をいっぱいまぶした精液を口の端から垂らして、キャロンは幸せそうに笑った。  
 「ハァ…ハァ…楽になったよ、ありがとう」  
 「どういたしまして!」  
 キャロンの口元に白く点々と飛び散る液体を拭って、幼い細い体を抱きあげる。  
 このまま一緒に眠ってしまっても良かったが、それではあまりにも一方的過ぎだ。  
 与えられるだけでは物足りない星君は、向かい合う状態で自分の膝に座らせたキャロンに、こう囁いた。  
 「泉さん、たなびたいことがあるんだ…ちょっと」  
 「…? なあに?」  
 「君のこと、気持ち良くしてあげたいんだけどダメかな。一度、見てみたいんだ」  
 ――泉さんが悦ぶところ。  
 最後の一言があまりにも強烈だったらしく、キャロンは耳まで真っ赤にして星君を抱きしめた。  
 
 顔を隠したいらしく、少年の胸に頭を埋めている。  
 「泉君に体を触られたことはある?」  
 「う、ううん、それはないわ…」  
 「じゃあ僕が…ね、顔を見せてくれ。見たいんだ、君が気持ち良いって言ってるのを」  
 そう言いながら少し体を引き離して、唇を吸った。  
 膝から降ろして、ベッドの上に寝かせてやる。金色の髪が、波のようにシーツに広がった。  
 少女のパジャマの裾から手を入れ、衣類をめくりあげて肌を撫でる。  
 すべすべとした触り心地の良い肌のその感触に、星君は思わずため息をもらした。  
 「ん、んっ、星君…!」  
 喘いだのは、星君の指がキャロンの乳首を撫でたからだ。  
 パジャマの中で、桃色の突起がこねくり回されている。  
 「あ、んっ、おっぱい、ちっちゃくて、ごめん…ね…」  
 「大きさなんか…泉さんの胸だから好きなんだ」  
 「はぁんっ!」  
 指で乳房を弄りつつ、掌で胸を押し回してやる。  
 乳房はほとんど膨らんでいなかったが、胸の辺りだけは他の部位と違う弾力を持っていた。  
 張っていて、押すと返ってくる。そこには、これから膨らむ予感がいっぱい詰まっているようだった。  
 我慢出来なくなり、ついにパジャマを胸の辺りまでめくりあげて、乳首を露出させる。  
 大きく固くなった突起が、ぷるぷると快楽に震えて、美少年の唇を誘った。  
 「ひ、あぁんっ、星くんっ」  
 乳首にしゃぶりついて、口の中で舌の愛撫を浴びせると、キャロンは体をのけ反らせて声をあげた。  
 性的な快感に溺れる表情は、少女と思えないほどに妖艶だ。  
 その隙に、下着へ手を伸ばす。  
 ぐちゃぐちゃに濡れたそれは、もはや下着としての機能を為してはいなかった。  
 「や、あ、星くん、おまたはダメよぉっ!」  
 「良いじゃないか。こんなに濡れて…」  
 唾液で胸を汚してからふと視線を落とすと、大きな染みを作った下着が見えた。  
 その上から恥丘を撫で回して、キャロンの下着を愛液塗れにしてやる。  
 「はぁ、はぁっ、や、ダメよ…ダメよぅ…」  
 快感に身を委ね、ただただ喘ぐ可愛い少女の姿に興奮が収まらない。  
 「僕、もう我慢出来ないよ…」  
 星君はこう言いながら、下着を脱がせて、美しく細い足を開かせた。  
 毛の生えていない、綺麗な色の恥部がまる見えになる。  
 
 陰核は勃起し、一切の男を知らない膣口はだらだら液体を流して、わずかに収縮している。  
 左手の指で陰核を摘みあげ、右手の指を一本だけ膣に突っ込み、キャロンをもっと鳴かせることにした。  
 「ハァ、ハァッ、あん、あ、あ、星くん、気持ちぃっ、あ、あ……!」  
 キャロンは恍惚とした、潤んだ瞳で星君を見つめている。  
 その目をじっと見据えたまま、陰核を摘む二本の指をぐにぐにと動かした。  
 瞬間、キャロンの体がビクッと一度だけ大きく震える。  
 「や、や、あ、あぁぁぁあーっ!」  
 と、可愛い悲鳴が上がり、強張っていた体がベッドの上で崩れた。  
 「あぁ…すごく可愛いよ、泉さん」  
 キャロンの愛液が絡み付く指をちゅぱ、と舐め取り、星君は微笑みながら少女を抱きしめる。  
 「やぁん、星君、なめちゃダメよ、汚いわ…」  
 「汚くなんかないよ」  
 「あ、は、んむ……」  
 愛液を絡ませた唾液を、キスでたっぷりと送り込む。  
 受け止めきれなかった唾液が、口の端から溢れ出た。  
 乱れた呼吸を整えるように息を吐きながら、キャロンは幸せそうに顔を赤らめている。  
 
 「星君、苦しくなぁい…?」  
 長い睫毛を揺らし、キャロンは視線を下に落とす。  
 大きく勃ち上がり、外気に曝されて震える、星君の陰茎が見えたのだ。  
 「もうこれは自分で何とかするから…」  
 「可哀相よ。あたし、星君のこと、もっと気持ち良くしてあげたいわ」  
 「その……いいのかい?」  
 「うんっ!」  
 「それじゃあ…お願いしようかな」  
 金色の髪をすっと撫でてから、星君はキャロンの体の至るところにキスを降らせた。  
 朱く、痕を残しながら  
 「これを、君の中へ…」  
 と、ペニスを手に取る。  
 これから起きることを示すように、星君は手に取ったそれでキャロンの陰核を摩った。  
 「あんっ! 星君、でもあたし…怖い! そんな大きいの入るのかしら…」  
 「優しくするよ。僕のこと信じていてくれるかい?」  
 綺麗な優しい表情で微笑みかけられて、キャロンはぽっと頬を赤く染める。  
 こうなったらもう、大好きな星君を信じて頷くだけだった。  
 星君は再びキャロンの足を開かせて、桃色のそこから胎内へと侵入する。  
 ぬぷり、と音を立てて、まず亀頭が中へ入った。  
 「ん、んーっ…!」  
 「痛くないかい?」  
 「だ、大丈夫…」  
 温かい愛液と、膣口の感覚が星君を刺激する。  
 亀頭の出し入れを繰り返しながら、徐々に徐々に竿も中へ挿入してゆく。  
 キャロンの中はキツく、侵入を拒まれているようだったが、その柔らかさと熱さで溶かされそうだった。  
 なんとしても全てを中へ入れたい。掻き回したい。そう思える魅力があった。  
 「ハァ……よし…動かすよ、泉さん」  
 「あ、あぁっ、星君が、中で、あぁぁぁんっ!」  
 じゅぷっ、じゅぷっ、と優しく浅いピストン運動を繰り返すが、キャロンは全く痛がっていない様子だ。  
 それどころか自分で腰を振って、さらなる快感を欲している。  
 可愛い者の淫らな姿に堪えきれなくなった星君は、ただ夢中でひたすら腰を打ち付け出した。  
 「星く、ぅ、あ、あんっ、はぁ、あぁっ、気持ちいっ、あ、はぁんっ!」  
 「いず、み、さ、あぁっ…」  
 全部入れたり、一気に引き抜いたり、中へ入る喜びと出ていく喜びを一緒に味わう。  
 名前を呼ぶと、膣がきゅうっと星君を締め付けた。まるで無数の触手のように絡み付いてくる。  
 口の端から唾液が零れそうになって口を閉じようとしたが、それが返って唾液を垂らさせてしまった。  
 
 「ん、あ…」  
 間抜けな声を伴って、体中に快感が走る。  
 「あんっ、あんっ、はぁ、はぁ、やぁぁあんっ!」  
 突き上げるごとに甘い悲鳴を漏らして、キャロンは小さな胸をぷるぷると揺らした。  
 その可愛らしい顔が、突然ひどく歪む。  
 まさか激痛を与えたのではないかと戸惑い、美少年の方も顔を不安で歪ませた。  
 「い、痛い?」  
 「ううんっ、はあぁっ………う、あ、あぁぁーっ!」  
 「あ、あぁっ、泉さんっ!」  
 尋ねた直後、キャロンは大きく体をのけ反らせて再び絶頂を迎えた。  
 激しい膣の収縮に衝き動かされ、星君も勢い良く精を吐き出す。  
 二人は荒い呼吸を繰り返しながら、名残惜しそうに幾度か腰を揺らし合う。  
 ずちゅ、と甘く深い空間から自らを引き抜き、星君はキャロンに頬擦りをした。  
 「泉さん、大丈夫かい? 痛くなかった?」  
 「うん、ちっとも! …星君は、気持ち良かった?」  
 「もちろん……これで気持ち良くなかったらどうかしてるよ、僕」  
 「ふふふっ」  
 はにかむ金髪の少女は、まるで絵の中の生き物のようだった。  
 こんなにも「可愛く」て、「綺麗」で「愛おしい」少女を表すにはまだまだ言葉が足りない。  
 だがそれでも、知り得るいくつもの「感情」を乗せて、ジュラル星人は…。  
 否、“星君”はこう唱えた。  
 「泉さんのこと、愛してるよ。僕、君じゃなくっちゃ、ダメなんだ…」  
 もっと一つになりたくて、キャロンの体を強く抱きしめる。  
 人の腕は短くて、懸命に伸ばしても、完全に少女の体を包み込めない。  
 とても不便でもどかしいが、だからこそ「感情」があるのかもしれない、と星君は思った。  
 キャロンが唇を求めて、顔を近付けてくる。赤い頬に手を添えて、星君も顔を近付けた。  
 青い瞳が、熱っぽく潤んでこちらを見ている。  
 彼の好きな、あの目だった。  
 
 
 
 白っぽい光に照らされて目を覚ますと、すっかり夜は明けていた。  
 「ほーしくん、おはようございます」  
 星君はぼんやりと目を開ける。  
 天井が見えるはずのそこには、陰険な目つきでこちらを見つめる泉研の姿があった。  
 「んう…泉君………泉さんは!?」  
 「ママんとこへ、朝ごはんの支度を手伝いに行ったよ」  
 
 思わず上半身を起こして、ひっくり返った声で尋ねるも、その返答は意外と普通のものだった。  
 昨晩のことは知られていないようだ。良かった良かっ……。  
 「星君、キャロンの寝相、悪かっただろ? は・げ・し・い夜だったんじゃない、昨日は」  
 「!?」  
 わざと「激しい」を強調させて、星君をからかうように言い放つ。  
 まさか、知っているのか。だが下手に確認すれば、それこそ墓穴を掘る可能性も否定出来ない。  
 星君は黙って、研の様子をうかがっていた。  
 このキチガイときたら、にたにた笑っているだけで何も、畜生、何も言いやしないのだ――!  
 無言の牽制は、キャロンが二人に食事だと伝えに来るまで続くことになる。  
 
 
 
 終  
 

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