「う…ここは…」  
 はたしてどれくらいの間、気を失っていたのであろうか。ぼんやりと両目がかすんで見えると  
いうことはまだ覚醒しきっていないということであろうが、それでも体に触れる柔らかい布地の  
感触と、背中に感じる、弾むようなマットの感触から、自分がベッドの上に寝かされていることを  
桜は自覚するのであった。  
「お気づきになられましたか、桜ちゃん」  
「智世ちゃん?それじゃここは…」  
「はい、私の部屋ですわ」  
「そうなんだ…智世ちゃんが…私を連れてきて…」  
「はい、あの後直ぐに…」   
 優しく語りかける智世の言葉を聞き、漸く桜も自分の現在の状況を把握し始める。全ての魔力を  
使い尽くして気絶してしまった桜を、智世は自宅の自室へと運び込んだのであった。ケルベロスの  
話では、疲労は酷いものの目立った外傷は無く、安静にして魔力の回復を待つしか無いとのこと。  
そしてケルベロスの言うように、魔力の回復に伴って、桜は意識を取り戻したのだ。  
 
「でも意識が戻っても暫くは体に力が入らないだろうから、安静にしているようにって  
ケロちゃんは言ってましたわ」  
「そっかー…あ、でもケロちゃんは何処にいるの?」  
「それなんですけど、ケロちゃんは先程の場所に残って、もう少し調査をするって…」  
「そうなんだ…」  
「今回の事件ですけど、ケロちゃんの推測では…」  
 ここに至り、初めてケルベロスの不在に気付く桜。それに対して智世はその不在の理由と今回の事件の  
顛末についての推測を桜に説明する。その説明は、先にケルベロスが智世に行った物を改めて桜に  
語ったに過ぎなかったが、桜にとっては事件の真相を理解しなおすには充分なものであった。  
「うーん…魔力を収集するのが今回の事件の真相だったんだ…」  
「その首謀者までは分からない、とケロちゃんは言っていましたわ。今もあの魔法人形を調べていると  
思うのですけど…ケロちゃん自身、人形から首謀者が分かる可能性は低いと言っていましたし…」  
「それじゃ、本当の犯人は分からないままなんだね…」  
 
 嘆息をつき項垂れる桜。智世も含めてこれまで友枝町に住まう多くの少女達を哀れな犠牲者とし、  
また桜自身も女の子の大切な部分を散々嬲られてしまった、まさに電気あんま地獄とでも言うべき甘く、  
しかし危険な災厄。その実行犯である魔法人形の排除には成功したものの、首謀者はその正体すら不明なのである。桜が項垂れるのも、仕方ないことであろう。  
 そんなベッドの上で落ち込む桜を、優しく慰めるのはやはり智世の大切な仕事なのだろうか。  
「桜ちゃん、今回の事件、首謀者の事を気にし過ぎるよりも、あの魔法人形を止めることが出来た事を  
素直に喜んで良いと思いますの。これから女の子達が犠牲になる事が無くなったんですもの」  
「でも…本当の犯人を何とかしないと、また同じような魔法人形が…」  
「その事ですけど、ケロちゃんが言うには、あの魔法人形はすごく高性能な物だそうです。でも逆に  
言うと、すぐに何体も作り出せるような類の物では無いそうですわ」  
「そうなの?」  
「はい。それに一度タネが分かってしまった以上、何とでも出来るとか。具体的な事は私にはちょっと  
分かりませんけど…」  
「そっかー…ケロちゃんもそう言ってるんだったら一安心しても良いのかな」  
「ええ、だから桜ちゃんはまず体力を取り戻すことだけに専念してくださいね」  
「うん、それじゃお言葉に甘えさせてもらおうかな…」  
 目を覚ましてから初めて笑顔を浮かべる桜。彼女のその笑顔を見られるだけで、智世は今夜、自分の  
身に降りかかった様々な災厄も全て忘却の彼方に追いやる事が出来るのであった。  
 
「ところで…桜ちゃん、あの魔法人形は姿を変えて相手を油断させるって、先程お話しましたよね?」  
「うん。ケロちゃんがそう言ってたんだよね?」  
「はい。ケロちゃんが言うには、おそらく相手が最も油断するような姿…つまり最も親しい相手の姿に  
変わるんだろうって」  
「そうなんだ」  
「…私の前に現れた時、あの人形は桜ちゃんの姿でしたわ。私が一番大好きなのは桜ちゃんですから、  
それは当然といえば当然ですけど」  
「あはは、ありがとう、智世ちゃん」  
 一番大好きという智世の言葉に、思わず照れてお礼を言ってしまう桜。そんな桜の前で、智世は急に  
表情を引き締めると真剣な瞳で桜に問い掛けるのであった。  
「で、ここが一番大切な点なんですけど…あの人形、桜ちゃんの前には誰の姿で現れたのですか?」  
「ふぇ?」  
「大切な事なのでもう一度お聞きしますわね。桜ちゃんの前に誰の姿で現れたのですか?」  
「そ、それは…その…」  
 突然の問い掛けに思わず返事に詰まってしまう桜。困惑する桜に対して、早く返答するようにとずいずいと  
迫ってくる智世。その表情は真剣な眼差しと共に、何かを期待しているかのよう。  
 
「さあさあ、桜ちゃん。誰の姿だったんですか?」  
「えっと…それは…その…小狼くん」  
「あう…」  
 智世の迫力に思わず答えてしまう桜。しかし彼女の言葉は智世が期待していた物とは違ったのであろう、  
落雷に打たれたかのようにがっくりと項垂れてしまう智世。その表情は哀しそうとも、寂しそうとも取れる  
複雑なものであった。自分の言葉を聞いた後の智世のひどい落胆振りを見た桜は、思わず彼女に言葉を続ける。  
「あ、でもでも、最初は小狼くんの姿で現れたけど、後で智世ちゃんの姿にも変わってたし」  
「小狼さんの姿の次は私だったんですか?」  
「えっと…確か次は雪兎さんだったような…」  
「あう…」  
 桜の言葉に一瞬笑顔を煌かせた智世ではあったが、続けられた言葉を聞いて再びがっくりと項垂れて  
しまう。そんな智世の姿に、桜は慌てて更なる言葉を続けるのであった。  
「と、智世ちゃん!雪兎さんの次は…確かお兄ちゃんだったけど…でもでも、その次は絶対に  
智世ちゃんだったよ!」  
「あう…小狼さん、雪兎さん、桃矢さんの後…結局、私は4番目だったんですね…」  
「あうあう…」  
 智世を元気付けるつもりの桜だったのだが、結局は彼女を落胆させるだけに終わってしまったようである。  
この後どうすれば良いのか…居たたまれない微妙な空気が漂う中、沈黙を破ったのは智世の方であった。  
 
「はあ…確かに、その御三人は桜ちゃんにとって大切な方達ですから…私より先に、だったとしても仕方無いですわね」  
「はう…ごめんね、智世ちゃん」  
 誰の姿を取るかを決めたのは、あくまで魔法人形の方であり、桜が智世に謝るようなものでも無い。  
だが魔法人形が桜の思考を読み取って変わるべき姿を決定したのは間違いないわけで、その意味では責任の  
一端は桜にもあると言えるかもしれないが。もっとも智世は、桜の責任について深く追求するつもりは無いのであった。  
「いえいえ。でも、その殿方三人は別として…私が4番目だったということは、女の子の中では私が  
最初だった、っていうことですよね?」  
「えっと…そうだね、女の子の中じゃ智世ちゃんが最初だったかな」  
「嬉しいですわ…桜ちゃん…」  
「う、うん」  
 瞳を潤ませ、恍惚とした表情を浮かべる智世。つい先程まで酷く落ち込んでいたとは思えないような  
智世の変わりように、思わず桜も後ずさりかける。もっともベッドに入っている今の桜には、後ずさる事など  
出来ようもないのだが。そんな桜をよそに智世はうっとりとしたまま言葉を続けるのであった。  
「本当は…桜ちゃんの前に現れた最初の姿が、小狼さんでは無く、私であって欲しかったですわ」  
「でも魔法人形の目的は、女の子の大切な場所を苛め抜くこと…」  
「その目的のためには、同性である私よりも、殿方である小狼さんの姿を選ぶのは当然といえば当然…」  
 
 そう、桜にとっては智世も小狼もどちらも同じように大切な人なのである。しかし電気あんまで女の子の  
大切な部分を嬲られるという一点においては、智世と小狼の間には歴然とした差が存在する。女の子に  
とって、女の子からされる電気あんまと、男の子からされる電気あんまとは全く別のもの。そして大好きな  
男の子からされてしまう電気あんまは、女の子にとって決して抗う事の出来ない至高の責め技、更に極上の  
悦楽をも同時にもたらしてくれる究極の嬲り技なのだ。そして大道寺智世はその真実に気付かないような  
愚鈍な少女ではない。  
「分かっていますわ…桜ちゃんは私の一番の友達であると同時に、一人の恋する女の子…」  
「私から…女の子から大切なところを苛められるよりも、男の子…小狼さんから苛められる方が、桜ちゃんに  
とっては幸せなんだって事も分かっていますわ…」  
「だから最初に桜ちゃんの大切なところを苛めたのが…小狼さんの姿であったとしても…認めるしかありません」  
 少し寂しそうに、切々と語る智世に対して、今の桜にはかける言葉が思い浮かばなかった。智世の言葉は、  
確かに桜の心情を正確に捉えたものであり、それを否定する事など出来ない。また肯定したとしても、  
智世を再び傷付けてしまうだけであろう。  
「智世ちゃん…」  
「でも…私にも、どうしても譲れないものがありますの…」  
「え?」  
 
 それまでベッドに横たわる桜ににじり寄ってきていた智世であったが、最後の言葉と共にベッドの足元の  
方に向かう。そして、そのままベッドに上がると、桜を覆っている布団の足元に入ってくるのであった。  
「智世ちゃん?」  
 不可解な智世の行動にベッドの上でゆっくりと身を起こす桜。一枚の布団の両端に二人が入って見つめ合う  
という奇妙な態勢。そして身を起こした事で、桜は初めて今の自身の格好に気づくのであった。  
「え?え?私…服を着てない?」  
「はい、桜ちゃんが気を失っている間に。折角用意したコスチュームでしたけど…あまりに汚れてしまって  
ましたので」  
「あう…汚れって…」  
 汚れの意味することを思い浮かべた桜は顔を火照らせる。地面に引き倒された事でコスチュームが汚れていたと  
いうのも勿論あるのだろう。しかし本当に汚れていたのは電気あんまで散々嬲られてしまった部分…  
女の子の大事なところに密着していたところの生地だと思い至り、恥かしさのあまりに言葉を失う桜なのであった。  
「申し訳ありませんが、先に脱がさせていただきましたわ♪」  
「はう…それで裸だったんだね…ってもしかして下着の方も?」  
「はい、体を冷やしてはいけませんので。ストッキングはもちろん、インナーショーツの方も脱がさせていただきました♪」  
 
 今の桜は上半身は素っ裸、下半身の方も新しく用意されたショーツ一枚を穿いただけの状態であった。  
普通なら肌寒さで気付くところだろうが、布団の中に入っていて気付かなかったのだろうか。あるいは  
未だに残る疲労のために、桜が気付かなかったのかもしれないが。  
「うー…脱がされてるのに全く気付かなかったなんて…」  
「それだけ桜ちゃんがお疲れだったということですわ。それに女の子同士ですもの、全然恥かしいこと  
なんてありませんわ♪」  
「智世ちゃんはそう言うけど…やっぱり恥かしいよー」  
「まあ、それはそれとして…桜ちゃん」  
「な、何?智世ちゃん?」  
 再び真剣な眼差しを桜に向ける智世。その瞳の中に宿る強固な意志を感じ取り、思わず桜も布団の  
中とはいえ、佇まいを整えてしまう。  
「先程、私にも譲れないものがある。そう言いましたわよね?」  
「桜ちゃんの前に最初に現れた姿が私でなく小狼さんだったことは…残念ですけど、仕方ありません。  
それはお譲りしますわ」  
「でも…その姿は魔法人形が真似ただけの幻みたいなもの。本当の小狼さんの姿ではありません」  
「そう、桜ちゃんが女の子の大切なところを苛められてしまったのも、所詮は幻…真実とはいえないのです」  
「だから桜ちゃんの本当の初めて…初めての電気あんまは私が奪わせていただきますわ」  
「これだけは誰にも譲れませんの♪」  
「ひゃ!と、智世ちゃん!何を?」  
 
 にっこりと微笑んだ智世は、最後の言葉と同時に布団の中で桜の両足首をがっちりと掴んでしまう。突然、  
両足を掴まれた桜は思わず声を上げるが、智世の行動はまだ止まらない。桜の両足首を掴んだまま、自らの  
右足をゆっくりと太股の間に差し込んで行く。閉じられた太股に割り込んでくる智世の右足。太股の内側を  
擦られて割り込んでくる感触に、桜は思わず悲鳴を上げてしまうのであった。  
「ひゃ!智世ちゃん!くすぐったいってば!」  
「あらあら、これから桜ちゃんにはもっと凄い感触を味わっていただきますわ♪」  
「だ、駄目ー!」  
 内股になって差し込まれてくる右足を防ごうとする桜。しかし白いタイツを履いている智世に対して、  
その抵抗はあまりに無力であった。すべすべとしたナイロン生地のタイツに包まれた智世の右足は、  
容易く桜の太股を滑りながら割り開き、ついに太股の付け根、すなわち女の子の一番大切な部分へと辿り  
着くのであった。足の裏を股間に密着されて、思わず甘い声を上げてしまう桜。  
「はにゃ!」  
「うふふ…この柔らかな感触…これが桜ちゃんの女の子の部分なんですね♪」  
「ひゃあああ!!」  
 
 ふにふにと足の裏で、桜の大事な部分を揉みしだく智世。ショーツだけは身に着けている桜であったが、  
元々それほど厚みのある生地でも無い。ショーツの生地一枚だけでは、大事な部分を揉まれてしまう感触を  
防ぐことなど出来ないのである。間断無く加えられる感触に、何とか智世の足を掴んで、その動きを止めようと  
する桜であったが…手と足の筋力の差、それにこれまでの経緯でほとんどの体力を失っている彼女の腕力では、  
到底智世の足の動きを止めることなど出来ない。何より女の子の大事な部分を揉みしだかれている現状では、  
手に力を込める事さえ至難の業なのだ。  
「うふふ…抵抗しても無駄ですわ、桜ちゃん。今の桜ちゃんの力では、私の足は止められませんの♪」  
「あう…や、やめて…智世…ちゃん…」  
「いいえ…これからが本番ですのよ」  
「!!!」  
 それまでの揉みしだく動きから一転、智世は土踏まずの部分を桜の恥丘に密着させるように位置を調整すると、  
激しく振動を加え始める。同時に桜の両足を引っ張ることで、密着度を更に高める念の入れよう。恥丘を激しく  
振動される快感に、桜の嬌声は音程を一段階上げてしまうのであった。  
「あああああ!」  
「ああ…素晴らしい声ですわ…桜ちゃん…」  
「いやあああああ!!」  
 
 桜の嬌声を耳にして、うっとりとした表情を浮かべる智世。勿論、その間も右足の振動を緩めることは無い。  
むしろ桜の甘い声による刺激で、智世自身の興奮も更に高められてしまい、振動は更に激しく、容赦の無い  
ものへと変化していく。その甘美な責め苦による桜の変化を、智世は敏感に感じ取るのであった。  
「ああ…足に伝わるこの湿った感触…」  
 恥丘を中心に激しく揺さぶられることに反応して、桜の女の子の部分はねっとりとした愛液の分泌を始めていた。  
それはショーツの生地を通り越し、更にはタイツの生地をも通り越して智世の足の裏にまで伝わる。  
にちゃにちゃとした湿った音が徐々に目立つようになるにつれて、桜の嬌声にも喘ぎ声が混ざり始め、  
その事が更に智世を恍惚とした表情に導いていくのであった。  
「あう…ああ…うう…」  
「ああ…桜ちゃんの声を聞いているだけで…私も…」  
「あああ!!」  
 段々と喘ぎ声しか上げることしか出来なくなる桜。いつもの可愛らしい口癖など到底出せる状態ではない。  
そんな桜を更なる快感へと導くため、智世は再び足の位置を調整する。今度は爪先を女の子の最大の急所…  
女の子の核の部分に押し当て、ピンポイントで激しい振動を送り込むのであった。ショーツの生地越しとはいえ、  
女の子最大の弱点を集中的に嬲られた桜は、先程よりも更に高い声を上げてしまう。  
 
「あああああああああ!!!」  
 陰核に響く振動は、更に女の子の部分の湿り気を増大させていく。つい先程までは少しでも振動を食い  
止めようと力を込めていた桜の両腕は、既に完全に脱力しており、震え続ける智世の右足に手を添えているだけに  
なってしまっていた。がくがくと桜の腰は震え始め、股間から全身を貫く快感の波は彼女の意識すらも確実に遠のかせていく。  
 もしも智世がその気であれば、このまま桜を電気あんま地獄で延々と嬲り続けることも簡単な事であろう。  
それこそ今宵、桜が魔法人形に延々と嬲られたことの再現も出来るはずである。智世にとって、快感の坩堝の  
中で喘ぎ続ける桜の姿を見続けることは、まさに夢のような願望。だが智世の今の願いは桜を喘ぎ続けさせる  
事ではなかった。桜の初めて…電気あんまで桜を初めて逝かせてしまう事、それが彼女の願いなのであった。  
「ああ…あ…ああ…」  
「桜ちゃん、もう限界でしょうか?」  
「あ…あ…あう…」  
「そう…限界なのですね…その辛さ、私にも分かりますわ」  
 智世自身も今宵、魔法人形の手によって嬲られ続けたのだ。桜とケルベロスに助けられたために、それまでの  
哀れな少女達のように意識を失うことは無かったのだが、逆に言うと電気あんまによる快楽地獄の真っ只中で  
助けられた事になる。最後まで逝かされなかった事…その辛さが女の子にとってどれ程のものなのか、智世自身も知っている。  
「だから…桜ちゃん…まずは昇天を…」  
「!!!!!」  
 とどめとばかりにショーツの上から爪先で器用に桜のクリトリスを摘み上げると、智世はこれまでで最大の  
振動を女の子の急所に送り込む。女の子の核から全身へと一気に広がる、まさに電撃のような快感に打たれた桜は、  
声にならない悲鳴を上げると同時に意識を失い、そのまま後ろに倒れこんでしまうのであった。  
 
「はあ…はあ…ああ…」  
「桜ちゃん、逝ってしまわれたのですね♪」  
 掴んでいた桜の両足を開放すると、智世は布団から出るとベッドの上を桜の方へとにじり寄っていく。  
上気した表情で荒い息をつく桜は、完全に脱力してしまい智世の行動にも全く気づくことが無かった。  
完全に昇天してしまった桜の表情を覗き込んだ智世は、感動に打ち震えうっとりとした表情を浮かべる。  
「ああ…桜ちゃんの逝ってしまった顔、素晴らしいですわ♪」  
 桜が初めて昇天した表情…それを見ることが出来たのは、智世のこれまでの人生の中でも最上の喜びであった。  
それに加えてただ自分一人だけが桜のそんな表情を独占することが出来たという優越感。桜が恋する少年である  
李小狼や、憧れの人、月城雪兎でも彼女の初めての昇天した表情を見ることは適わない…そんな少し歪な  
優越感を胸に智世は独り呟く。  
「分かっていますわ…桜ちゃんと私は女の子同士…」  
「だから桜ちゃんの本当に一番大切な初めては、私には奪うことが出来ないことも…」  
「…桜ちゃんの初めては、いつか小狼さんが奪っていくのでしょうか…」  
「それは仕方が無いこと…ええ、分かっていますわ」  
 
 いまだ意識をやったままの桜を見つめる智世の表情に浮かぶのは、納得したかのような諦念。賢明な彼女には、  
女同士の愛と男女の間の愛には、どうにもならない厳然とした差がある事など、ずっと分かっているのである。  
「だから…せめて…他の何かで…桜ちゃんの初めてを奪いたかったのです…」  
「ごめんなさいね、桜ちゃん」  
 桜に対する初めての電気あんま…それは所詮方便に過ぎない。本当に奪いたかったものは、桜の初めての  
昇天体験。将来、おそらくは小狼の手によって、桜は何度も何度も昇天させられていくのであろう。それが智世には  
悔しいというのが偽らざる気持ちだが、言ってもどうにもならないという事も理解している。だからこそ智世は  
初めてに拘ったのである。  
 そんな智世の気持ちは、今の桜には届かない。まだ目を覚まさない桜を介抱しようかと、彼女の上に掛かった  
布団を捲る智世であったが…そんな彼女が見たのは白のショーツ一枚だけを纏った桜の裸体。しかし愛液によって  
ショーツはぐっしょりと濡れてしまっており、更に智世の右足による振動で食い込まされたが故に、桜の大切な  
部分にぴっちりと張り付いている状態。濡れた白い生地からは、うっすらと桜の恥丘の上に息づく恥毛が  
透けて見えるのであった。  
「まあ♪桜ちゃんってば既に…♪」  
 まだまだ茂みと呼ぶよりは、少しの翳りと呼ぶ方が相応しい程のそれであったが、智世の煩悩を刺激するには  
充分であった。桜の介抱はひとまず置いて、自らも纏っている服を一枚ずつ脱ぎ捨てて行き、最後にはショーツ  
一枚だけの姿となる智世。そして再び、ベッドに上がると桜の足元に座り込む。  
 
 僅かに揺れるベッドの感触に、ようやく意識を取り戻し始めた桜。未だ朦朧としたままの意識の中で、桜は  
自分の足元に半裸で座っている智世の姿を視界に捉えるのであった。  
「智世…ちゃん?」  
「お気づきになられたんですね、桜ちゃん」  
「う、うん…でも、その格好って?」  
「桜ちゃんだけに恥かしい姿をさせられませんと思いましたので。私も脱いでみました♪」  
「ふぇ?」  
 完全に覚醒しきっていない桜は、ようやく自分に掛かっていたはずの布団が無くなっている事に気づく。  
ベッドの上には互いにショーツ一枚だけの少女が二人…静かな沈黙を破ったのは、再び智世の方であった。  
「桜ちゃんの初めての昇天、私のものにさせて頂きましたわ♪」  
「その時の桜ちゃんのお顔…素敵でした♪」  
「本当はそれでお終いにするつもりだったのですが…」  
「桜ちゃんの今のお姿を見ていると我慢できなくなってしまいましたわ♪」  
「だから二度目も私が頂きますわね♪」  
「はにゃ!」  
 再び桜の両足首を掴むと、すかさずショーツの上から恥丘に右足を押し付ける智世。そのまま右足の振動が  
始まると同時に桜の嬌声が再び室内に響くのであった。  
「ああああ!だ、駄目だよー、と、智世ちゃん!!」  
「駄目よ駄目よも好きなうちですわ、桜ちゃん♪」  
「ほ、本当に…だ、駄目だってばー!!!」  
「うふふ、素敵です、素敵ですわ、桜ちゃん♪」  
「はにゃ〜ん!!!」  
 女の子の部分を震わされる快感に、ただただ悶えるしか無い桜。果たして智世が桜の二度目の昇天を奪った  
だけで満足できるのであろうか。今宵、桜の本当の電気あんま無間地獄はまだ始まったばかりなのであった。  
 
 

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