Canvas SS 瑠璃子の恋
「大輔・・・」
「ん、 どうした瑠璃子先輩?」
大輔の名前を口に出すと胸の動機が激しくなり頬も赤く染まっていくのが解る。
「大輔・・・私、私もう駄目、自分の気持ちが抑えられないの!」
そう言って私は大輔の胸に飛び込んだ。
戸惑いながらも大輔は私をしっかりと支えてくれる。
顔を上げ、大輔の顔を見つめると私は自分の気持ちを告白した。
「私、大輔のこと・・・好きよ」
「瑠璃子先輩・・・」
大輔の顔がゆっくりと近づいて来るのに会わせて、私も瞼を静かに閉じていく。
何も聞こえない・・・何も見えない・・・でも大輔の鼓動が感じられる。
私の唇に大輔の息が掛かる。
そして・・・。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ〜!!」
「はぁはぁはぁはぁはぁ・・・」
な、な、なんて夢なのよ!?
よりにもよって・・・何で私があいつに告白しなきゃなんないのよ!?
あまつさえ、あいつとキスなんて・・・。
無意識に自分の唇に指を当てていることに気がつくと、慌てて離す。