「あ、あほーーーーーー!!」  
とある日曜日の昼下がり、夜知家を中心に、フィアの絶叫が響き渡る。  
珍しく平和な休日、これはそんな日の出来事。  
 
「ま、全く、ハレンチ小僧め。」  
先程の出来事を思い出して、思わず文句を呟いてしまう。  
まさしくハレンチ!!ハレンチ小僧の称号に相応しい所業だった。  
な、なにせ  
「ス、スカートの中に頭をいれるなど!!」  
ハレンチ極まりない!!  
まあ、私にも悪かった所があったような気がしない訳でも無いが、  
責任の殆どは春亮にある。  
あ、頭に『ク』の付く悪魔を、二十番機構《凌遅の鉈》で  
排除しようとした私を止めようとして、転んだだけなのは本当なのだろう。  
だが!!最終的にハレンチ行為に及んだ以上、悪いのは春亮なのだ!!  
今、ウシチチが春亮に説教をしているのがなによりの証拠だ。  
「春亮め、後でおせんべを大量に要求してやる。」  
それくらいはしてもらわんと、この怒りは収まらんだろう。  
 
………ジン  
 
「…………む?」  
そこまで考えた所で、なにか違和感を覚える。  
……………熱い?  
スカートの中が、さっきまで春亮が触れていたところが………  
春亮の吐息がかかった所が……… 熱に浮かされたように……熱い。  
「ま、まさか……」  
知識として別に知らない訳では無い。  
もしかしたらそういう事なのかと、浮かんだりした。  
だ、だが……  
「わ、私はハレンチ小僧とはちがうぞ!!」  
何となく認めたく無い。  
そして、『自分にもそういう感覚がある』という事に、少々の  
驚きを感じていた。  
プライドと好奇心がぶつかり合い………なんか一瞬で好奇心が勝った。  
……………よわいなぁ、私のプライドは〜。  
「す、少し確かめるぐらいなら………」  
自分に言い聞かせるように呟き、周囲に誰も居ないのを確認して、  
私は早足で自分の部屋へと戻った。  
 
自分の部屋で、私は手近な椅子に座り、スカートをたくしあげていた。  
さっきから三分間ぐらいこの体制のままだ。  
…………正直に言おう。  
これからなにをすればいいのか分からん。  
知識としてそういう行為があるのは知っている、だが、具体的に  
なにをすればいいのかまでは分からんのだ。  
…………………  
「ええい、このまま固まっていても仕方がない!!」  
と、とりあえず触ってみるか………  
自分の指先を秘所に持って行き、軽く押してみる。  
 
ぷにっ  
 
指先が柔らかい弾力を感じ、一瞬だけ体に電流が流れたような  
感じを受ける。  
しかし、  
「む、むう………今は特になにも感じんな。」  
指で押すだけでは駄目らしい。  
ぷに……ぷにっ…ぷに  
先程の、一瞬だけ感じた感覚を求め、何度も同じ場所を押す。  
「ん、んぅ……こ、これは中々………」  
指で押すたび、痺れるような気持ちよさを感じ、ついつい何度も  
それを求めてしまう。  
「んんっ……はぁ……んっ」  
ぷにっ…ぷに、ぷにっぷにぷにぷに  
繰り返す内、行為に没頭してしまい、次第にペースも早くなる。  
指も、より気持ちいい所を求めるようになり、様々な場所を押す。  
「ん!ああぁぁぁぁぁぁっ!!」  
いきなり、今までより遥かに大きい痺れを感じ、体が大きく跳ねる。  
「ん、んくぅ……い、今のは?」  
今のがなんなのかを確かめるべく、もう一度先程の場所を触れてみる。  
ビクッ…  
軽く触っただけで、いきなり痺れがはしった。  
「こ、この突起か?」  
触れた場所に、微かな突起を発見し、慎重に触れる。  
ビリッ……ビリッ  
触る度、強い痺れがはしる。  
どうやらここは、特別敏感な部分らしい。  
しかし、布越しに触ってこれならば………  
 
「ちょ、直接触ったらどうなるのだ?」  
少しだけ恐怖を感じたが、好奇心には勝てず、下着を半分だけ脱ぐ。  
無毛の秘所があらわになり、誰も見ていないというのに、羞恥心  
が沸き上がってくる。  
「え、ええい!!い、今更恥ずかしがっている場合か!!」  
強引に羞恥心を振り払い、先程の突起に触れる。  
「っっっっっっっ!!」  
とてつもなく大きな痺れがはしり、声にならない声を発する。  
「っ……はぁ………んっ……っ……こ、これはすごいな。」  
襲ってきた快楽の大きさに戸惑いつつも、無意識の内に、突起へ  
と手が伸びる。  
「ひゃあぁぁっ……あぁっ………っっっっっっ!!」  
指先が、まるでどうすべきかを知っているかのように、突起を、  
つまみ、なぞり、捏ねくり回す。  
その度、私の体は大きく反応し、逆に意識が朦朧としてくる。  
……なんだか………頭の中……白くなって………すごく……  
 
 
「っっっっっっ!!!!!!!!!!んひゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!  
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」  
 
……………………  
………………  
…………  
 
ドタタタタッ  
 
………足音?  
ガチャッ!!  
「フィア!!なにがあった、もしかしてまたクモっっ」「フィアさん!!一体な必殺・ふしだらブロッカー!!(視覚編)!!(レベルMAX)!!」  
「ぎゃああぁぁぁっ!!」  
バタリッ  
 
………春亮と………ウシチチ?  
いきなり……出てって……そういえば………私……恰好。  
 
 
 
 
!!!!!!!!!!!!!!  
そこで一気に意識が覚醒し、事の重大さに気付く。  
み、見られた!!わ、私の、あんな…………あんな………  
「フィ、フィア!!見てない!!俺はちっとも見てない!!」  
扉の外から、春亮の言い訳がましい声が聞こえる。  
あの焦りようからして、見たのだろう…………  
「………………」  
「フィ、フィア?」  
「………ぴ」  
「ぴ?」  
「ぴ▲□○●%×っ◎■××××?!!!!!!!!?」  
とりあえず、あまりの羞恥心から、訳の分からない事を叫んでしまった。  
 
 
「いやー、ウチとしたことが、そんなオモシロシチュエーション  
を見逃すなんて。一生の不覚やね。」  
その日の夕食の席で、事情を聞いたクロエが開口1番にそう言った。  
「う、うるさいっ!!も、もうその話はするな!!」  
クロエに向かっておもいっきり憤慨するが、当のクロエは、  
いつもの眠たそうな表情に、ニマニマといやらしい笑みを浮かべ、  
こちらを見ている。  
春亮とウシチチに至っては、明後日の方向を向き、すごく味の  
ある苦笑を浮かべている。  
ふ、不快だ、なぜだかもの凄く不快だ!!  
「でもね、ふぃっちー」  
ふと、クロエが少しだけ真剣な表情になり、そして言った。  
「『人間』なら、割と普通の事じゃあないんかな?」  
「………………」  
何となく釈然とはしなかったが、今はそれで納得しておくことにした……  
 

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