「じゃあコレ、今日の授業のプリントと連絡帳ね」  
「けほっ、けほっ・・・ありがとう・・・ナナコちゃん」  
「ううん。気にしないで、それより風邪早く治してね」  
「うん、ありがとう・・けほっ、けほっ・・・」  
「あ、ゆっくり寝てて!じゃあ、ばいばい!」  
「うん、ばいばい・・・」  
少女は笑顔でクラスメイトに手を振り、今日学校を欠席した友人の家を後にした。  
そして、自分の家へと夕暮れの待ちを歩く、その友人に学校のプリントなどを渡すための遠回り以外は変わらない下校風景・・・の、はずだった。  
 
(あ・・・やだ・・・・・)  
ぶるっと、体が震える。下腹部からじんわりと何かがこみ上げてきた。  
(・・・どうしよう・・・・おトイレ・・・・行きたい・・・)  
突然襲ってきた尿意に困惑する、遠回りしなければ今頃は家だっただろう、もしくは帰り道の途中にあるコンビニでトイレを借りれただろう。  
だが、友人の家からのこの帰り道、何度もその友達の家には遊びに行き、自宅との往復を経験しているが運の悪いことにその道筋にはコンビニがなかった。  
 
(だ、大丈夫、家に帰るまでは我慢できるよ!うん!早く帰ろう!!)  
一刻も早く家に着くためにも駆け出し始めた。  
 
「はっ・・・はっ・・・・・・!!?んくっ!!・・・・〜〜・・・・っ」  
 
家まで三分の一という距離にきたとき、少女の下腹部を大きな波が襲った。  
その圧迫感、激しい尿意に自宅へと駆けようとする足が全く前にすすまない。  
(あ・・だめ・・おしっこ・・・もれちゃう・・・)  
震える体で電信柱にもたれかかり熱い息をはく。  
少し、じわ・・・っと下着の中に何かが広がりかける。  
 
(や・・やだ・・・ちょっとでちゃったよぅ・・・家までもたないよ・・・どうしよう・・・)  
ひざがカクカクと笑う、走ったために出た汗以外の冷たい汗が額を流れる。  
 
おもらし、小学校高学年にもなってそれだけはいやだ、ダレカタスケテ・・・少女は甲斐もないはずの願いを必死に祈った。  
 
だが、意外にもにも救いの手は差し伸べられた。  
「あら、菜々子ちゃんじゃない。どうしたの?こんなところで」  
 
菜々子と呼ばれた少女が振り向くとそこには長い髪の意思の強そうな女性が笑顔で立っていた。  
「愛美・・・さん。」  
「大丈夫?なんか調子悪そうだけど・・・」  
心配そうに顔を覗き込まれ、笑顔で必死に隠そうとする。  
「だ、大丈夫ですよ!い、今お帰りですか!?」  
「う・・うん、ちょっと仕事で徹夜してね・・・しんどいしんどい、一緒に帰ろうか」  
「は・・・はい!!」  
 
菜々子は心の中で助かったと思った。  
彼女、芹沢愛美の家は少女、相羽菜々子の家の途中にある。  
そこでおトイレを借りれれば・・・・十分に我慢できる距離だった。  
 
一緒に帰る帰り道の途中、話しかけてくる愛美の言葉はほとんど上の空であいずちを返すだけしか出来なかった。  
心の中で話を聞いてなくてごめんなさい、と謝り続けながらも愛美についていく  
 
ようやく芹沢家が見えてきた、安堵の表情が菜々子の顔に広がる。  
「さてと・・・じゃあ・・・」  
「あ、あの愛美さん!たしかパープルのCD持っていましたよね!私貸してほしいんで寄らせてもらっていいですか!?」  
「へ?うん。いいけど・・・」  
さっきまで熱でもあるようにボーっとしていた菜々子が急に笑顔になって話しかけてきたため少々愛美は驚きながらも快く承諾した。  
 
 
とうとう芹沢家の玄関先に着き、安堵が緊張を緩めてしまったのか我慢が限界に達してきた。  
(あ・・・だめ・・・だめぇっ・・・・早くっ・・・愛美さん早くぅ・・・・っ!!)  
「さてと・・・」  
がちゃがちゃっ  
「あれ?瞬兵いないのかな?鍵しまってる。・・確か合鍵がここに・・・」  
菜々子の状況など知らない愛美はのんびりと鉢入れの下の合鍵を取ろうとする。  
内股に両手で前を押さえて必死で我慢する。  
「・・・あれ?合鍵も無いや・・・まったくもう・・・誰?持って行ったの・・菜々子ちゃん、ちょっと裏口から開けるし待ってて」  
「は・・・は・・・い・・・」  
「?菜々子ちゃん、ほんとにだいじょうぶ?調子悪そうだよ?」  
「い、いえ!!元気です!!」  
「・・・?」  
振り向くと同時に股間の手をさっとどけ笑顔を作る。  
「ほんとう・・・?じゃあちょっとまっててね」  
「はい!!」  
そのまま庭を通り裏へ回っていく愛美の背中を見送ると再び前を手で押さえて下唇を噛んで悶える。  
「はぁ・・・はぁ・・・っダメ、ダメっ・・・・やだよぉ・・・っ・・まなみさぁん・・・はやく・・」  
一秒が十分にも、一時間に感じる苦悶から解放される時が来た。  
 
「菜々子ちゃーん、今開けるよー」  
ドアの擦りガラスの向こうに愛美の姿が見える。  
 
 
ぱぁっと、菜々子の顔に満面の笑みが広がった・・・  
だが、その安堵は全身の弛緩をまねいた・・・・そう、股間の弛緩をも・・・  
 
「ひぃっ!・・・・・・・・・・ぁ・・・・・ふぁ・・・・」  
ぷしゃあああああああああ・・・・・・・・・・・・・・  
白いオーバーオールに染みが広がり、布地が吸い尽くせなかった奔流がその健康的な足から垂れ落ちていく。  
 
「ぁ・・あ・・・止まって・・・・!!とまってよぉ・・・・っ・・」  
 
いやいやをするように頭を振り泣く。全身から力が抜け床にぺたんとすわりこむ。  
菜々子の必死の願いも全く無視して、堰の限界を切った金色の怒涛は股間から流れ続け徐々に玄関先に湖が形成されていく・・・・。  
 
ドアを挟んだ愛美は菜々子の声に何がおきたのか混乱し、ドアを早く開けようとがちゃがちゃと音を立てる。  
 
「菜々子ちゃん!?菜々子ちゃん!?どうしたの!?まってて!今行くから!!」  
「あけないで!!あけないでぇっ!愛美さん!!あけちゃだめぇぇぇっ!!」  
 
ようやく水流は流れ終えた、だが、今のこの惨状は一目見れば何がおきたか簡単に判断できる。  
見られたくない、という悲痛な叫びを菜々子はあげるものの・・・・・  
 
がちゃっ・・・・・・・・・  
 
「菜々子・・・・ちゃん・・・・?」  
「・・・・・・・・・・・・・・・うっ、ひっく・・・うぇぇぇん・・・・・」  
 

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