「うーん」
駄目だ、やっぱり捨てアドだったらしい。
ななせが麻貴先輩に教えてもらったアドレスに、メールを送ってみたけれど送信されなかった。
うぃーん
「うーん」
しかしそれにしてもあの先輩も何を考えているのだろう。
一児の母となって少しは真人間に近づいてきた、と流人くんが言っていたけど、あの麻貴先輩だからなあ。
うぃーん
「うーん」
いや、それより遠子先輩だ。あの日以来会ってないけど、元気にしてたのだろうか。
ななせの話によると元気そうだったらしいけど、会いたかったな…
身勝手な考えなのかもしれないけれど…
うぃーん
「うーん」
「ちょっ、ちょっと!そ、そんなところでっ…わ、わざとらしく…、う、唸って、ないで、は、早くコレ、は、外しなさいよっ!」
声のする方向を見ると、両腕をベッドに拘束され、乳首と、クリトリスにローターを装着されているななせの姿があった。
まあ僕がやったんだけど。
「ダメだよ、ななせ。これは、罰なんだから。約束は昨日一日の間のはずだったのに、最後の命令は12時過ぎてたよね?」
ぼくは心からの笑顔で言った。
まあ、まさか留守中に早くも画像データを送られてるとは思わなかったので、その腹いせもないといったら嘘になるけど。
「ううっ!き、気づいてた癖にっ!もう12時回ってたことを!だ、大体、そ、それなら、な、なんで、まだメイド服着てるのよ!」
ななせの指摘通り、もう約束の時間は過ぎたのだから、メイド服を強制される義務はない。義務はないけれど
「ああ、これはアフターサービスですよ、お嬢様」
再び、メイド:コノハちゃんのスイッチを入れ、ななせの秘所を指でかき回す。
「あんっ!」
「随分と感じてるんですね、お嬢様。」
ななせの秘所から早くもとめどなく愛液が溢れていた。
いつもよりも、反応が早い。
ぼくのメイド服姿に興奮しているのか。
両手を固定されている状態で責められてるのがいいのか。
はたまた、夕飯に混ぜた隠し味が功を奏したのか。
おそらくその全部だろう。
「お嬢様、本当はこんな風にいぢめてほしかったんですね」
「はぁ…ち、違うっ!そ、そんなんじゃ、ない…」
息も絶え絶えに否定するななせ。
だが、なろうと思ってもなかなか素直になれない上の口とは裏腹に、下の口は本当に素直だ。
「でも、こんなにびしょびしょになってますよ?これって感じてるってことですよね?」
そういいながら、糸を引いている愛液ををななせの目の前まで見せつける。
「か、感じてるんじゃないっ!そ、そ、そそれは汗よ!」
言い放った瞬間ななせの顔がより一層赤くなった。
まるで咄嗟にした言い訳が、あまりにバレバレだったから、かえって恥ずかしくなったかのような態度だ。
「ああ、汗だったんですね。申し訳ありません。では、拭き取らせてさしあげます」
舌で。
びちゃ、にちゃ、ずずっ、
「ちょっ、あん!あああぁ!!はぁ、うんっ!はぁっ…」
汗まみれで濡れたままの不快な状態でいつまでもいさせるわけにはいかないので、舌で丹念に拭き上げる。
しかし拭けども拭けども、滲み出てくる汗は増える一方で、ななせの秘所はますます湿ってきている。
「う〜ん、なかなか乾きませんね」
「はぁっ…はぁっ…ば、ばかっ…、か、乾くわけないでしょ…、も、もう、は、早く…」
「やっぱり奥の方から汗ばんできてるから、なかなかうまく拭けないみたいですね」
と、言っても、舌じゃ、ななせの秘所の奥の方まではどうやっても届かない。
ならば別のもので拭き取ればいい、ポケットから今日、いや昨日、こんなこともあろうかと買っておいたものを取り出した。
「これなら、奥の方まで届いて拭き取ることができますよ」
そう微笑みながら、ぼくは取り出したバイブレーターのスイッチを入れ、汗ばんで潤滑しやすくなったななせの秘所に一気に差し込んだ。
「ひっ!…あんっ、やっ!はぁ…はぁっ…」
決してイカさないよう、調節しながらゆるやかに動かす。
「どうですか、お嬢様?このままイカせましょうか?」
寸止めを繰り返したため、もう限界間近のはず。だが返ってきたのは
「嫌ぁっ…」
拒絶の意志だった。
「バ、バイブじゃ嫌ぁ…こ、心葉のをちょうだい…っ!」
その言葉を待ってたよ。
「わかったよ、ななせ」
メイド:コノハちゃんスイッチ再びオフ。さようなら、コノハちゃん。
メイド服を脱ぎ捨て、もう必要のなくなった拘束具及びローター、バイブと言った小道具を取り外す。
ななせも限界間近だが、ぼく自身もさっき寸止めされ、妙な中断があったためムズムズした半端な状態だった。
はむっ
ななせは、3割がた意識を飛ばしながらも、左手で自らの秘所を愛撫しながら、ぼくの肉棒に舌を這わせる。
くちゅっ!ずちゅっ!ちゅばっ!
しばらく卑猥な二重奏を響かせていたが、ぼくもほぼ準備はできていたので
「ななせ、もういいよ」
完全に蕩けた表情のななせに声をかけ、肉棒から離させ、ゴムをかぶせ臨戦態勢に入った。
ななせはゴムを被せたぼくの肉棒を見るたびに、最近では何かを訴えたそうにしているが、いつその訴えは口に出るのだろうか。
「入れるよ」
「んっ!」
正常位で挿し込み、ぼくが覆いかぶさる形で、互いに向かい合う。
ななせは、当初は自分の恥ずかしいときの顔を見られるのが嫌、という理由であまり好きではなかったらしい正常位だが、
今ではぼくの顔が見れるから、一番好きな体位だという。
「あんっ…はふっ!はぁっ!あっ!あっ!あっ、こ、心葉、イクっ!イっちゃうっ!!」
「ぼくもっ!イクよっ!ななせっ!」
ビクッ!ビクビクッ!
ゴム一枚を隔てた状態でも十分に伝わる熱さ、おあずけしていた一週間分の精を放ち、一気に脱力した。
心地よい疲労感の中、ふとななせの方を見ると、ななせも落ち着いたのか、目の焦点が合ってきて、ぼくの方を見るとにっこりと微笑んで…
殴られた。
「…痛い」
「こ、ここここっちのセリフよ!な、な、何してくれてんのよ!こ、こ、こんな拘束具やバイブとか、いつのまに買ってたのよ!」
「え?昨日だけど」
「あ、あああの格好で!?」
「最近ずっとカンヅメ状態だったし、ネットの通販とかなんか好きじゃないし」
「バ、バ、ババカじゃないの!?買うなら別の日でも、ていうか買うな!こんなもの!」
「せっかくだから休み中にいろいろ試してみたかったからね」
「このバカっ!」
こうして別の意味での第2戦が始まり、なし崩し的に、本当の意味での第2戦を調子に乗って交えたため、原稿を取りに来た佐々木さんの顰蹙を買ったのはまた別の話。