うわぁ…、遠子先輩相変わらず胸が…。
そんなことを思っていると、表情にでてしまったのだろうか、遠子先輩は急に怒り始めた。
「心葉くん、人の胸を見ながらどうしてそんな顔するの! 好きな女の子の胸を見て、どうして寂しそうな顔するのよ!」
「いや、だって先輩の胸…」
「違うの! 私は…えと…違うんだから!…えと…。そう! スレンダー! ちょっとスレンダーなだけなのよ! スレンダーなだけなんだから!」
腕をわちゃわちゃと動かし、顔を真っ赤にしながらスレンダーなだけだと連呼する遠子先輩。
そんなに、小さいことを認めたくありませんか…。そんなことを思いながらも、可愛い過ぎるその動きに小さく微笑んでしまう。
「もー、どうして笑っているの! 心葉くんなんて知らないっ!」
頬を膨らませて、ぷいと横を向いてしまった遠子先輩。その仕草の可愛さについ優しく抱きしめる。
「ふぇ…、えと、心葉くん?」
呆けた声を出す遠子先輩。その声に心葉の嗜虐心がくすぐられた。
「遠子先輩、胸って揉むと大きくなるらしいですよ? だから僕が、遠子先輩の胸、大きくしてあげますよ。」
そう耳元で囁く。すると遠子先輩は、首まで真っ赤にしながら抱きつき返し、
「……うん、よろしくね。心葉くん。」
と囁き返してきた―――。