今まで鼻を押し付けていた部分をあらためて見る。  
 そこは、琴吹さんの穴の形に布地が食い込み、扇情的な光景を作り出していた。  
 ぼくは限界まで舌を突き出し、先を尖らせると、一気に突き挿した。  
「んうあぁぁっ!!」  
 声を震わせ、激しく身を捩る琴吹さんだったけれど、ぼくが押さえつけている限り、逃げることはできない。  
 そのまま、呼吸ができなくなることも厭わず、顔を限界まで擦り付け、布地ごと穴に捻じ入れるように舌を押し込む。  
「んーっ……!ひあぁっ……!」  
「……ぷはぁ……」  
 息継ぎのため、ぼくは仕方なく力を抜く。  
 そしてまた挿し込み……抜き……挿し込み……抜き……。  
 その動作を何度も繰り返し、煮詰めすぎたジャムのような、エグ味のある濃厚な味を楽しむ。  
 ときおり、フェイントで動きを止める。  
「んんーっ!じ、じらさないで……ふあぁ……んあっ!……はぁ……ん……ひっ!?」  
 上下に動かす。緩急をつけてえぐる。  
 深く挿し込んだまま、ソコを広げるように円を描く。  
 顔全体を押し付けているので、自然と鼻先でも刺激をあたえることになる。  
「ああーっ!あっ、んっ、んんーっ!あっそっそんなっあぁ!あひっ、ひうっ!」  
 琴吹さんの味……琴吹さんのにおい……最高だよ。  
 布地を吸い上げ、口に含み、染み込んだ琴吹さんの汁をちゅうちゅうと絞り取り、喉に流し込む。  
「えふ……飲んじゃった。すごく美味しいね……琴吹さんのおまんこ汁」  
「い、やぁっ、言わないでぇっ!エッチなこと言っちゃいやぁっ!バカ!変態!」  
 琴吹さんに可愛いく罵られる悦びに背中を震わせながら、ぼくは舌による愛撫を再開する。  
 ただし今度は、両手で太ももを抑えつつ、親指を伸ばして足の付け根を引っ張り、穴を広げて……。  
「ふああぁぁっっ!!うっ、ふっ、あああっ、んあああああっ……!だめぇ、あ、あたし、も、もうっ……!」  
 琴吹さんの腰がぐぐっと突き出され、ぼくの顔に押し付けられる。  
 ああ、なんていやらしい動きなんだ……もしかして、もう、イっちゃいそうなの?  
 エッチなご奉仕で好きな女の子を絶頂に導けるなんて、男冥利に尽きることこの上ない。  
 でも……まだ、だめだよ。  
 ぼくは、顔を離す。  
「ああっ、嘘っ!いやっ、や、やめないでぇ!お願いっ、い、いじわるしないでぇっ!してぇっ!してぇっ!」  
 琴吹さんの欲情が、羞恥心を上回ったみたい。  
 シーツをぎゅっと握り締め、首をぶんぶんと左右に振りながら、あられもなく腰をぐぐっと跳ね上げ、はしたなく快楽を要求する。  
「しないでほしいの?してほしいの?どっち?」  
 にやにやしながら言う。  
 でも琴吹さん、心配しなくても大丈夫だよ。ぼくだってもう、やめられないから。  
 ただし、ここからは……直接、してあげる。  
 まずはスカートを脱がせる。ジッパーを下ろし、ずるずると引っ張り、足を抜く。  
 そして、お尻の下に差し入れると、琴吹さんの腰を上げさせ、ぼく達のはしたない匂いがたっぷり染み込んだ布を、ずるずると引き下げた。  
 
 髪と同じ色の茂みが目に入ってきたところで、いったん止める。  
 細く柔らかく縮れの無い、真直ぐな毛質。そして、可憐なまでに薄い。  
「知ってる?ここが濃いと性欲が強くて、薄いと弱いんだって」  
 爪の背で撫で付ける。  
「あれ、やっぱり迷信だったね。だって、琴吹さん、薄いのに、こんなにエロエロだもんね」  
「やぁっ……もお、やぁっ……」  
「やだって言っても、もうこんなに濡れちゃってるもの。ただでさえ薄い毛が、肌にべっちょり張り付いて、やらしいね」  
「ちっ、違うもん……それ、井上の唾だもん……」  
 ……うん、まあ、ぼくの唾も確かに含まれてるかもしれないけれど。  
「でも、それにしてはずいぶんニチャニチャしてるよ。ほら、こんなに糸ひいてる」  
 親指と人差し指を使ってそれを示すと、琴吹さんは、両手で顔を覆って、ぶんぶんと大きく首を振って否定する。  
 でも、追加のご奉仕をねだるように、両足を閉じて内股をすり合わせてるんじゃ、意味無いよ。  
「ねえ、続き、してほしい?」  
 尋ねると、琴吹さんは顔を隠したまま、コクン、と小さく頷いた。  
「じゃあ、脱がすよ……」  
 今度は、まだ履いたままの靴下のところまで引き下ろす。  
 そこで手を離し、琴吹さんの足首を下着で拘束する。  
 そのまま足を曲げさせ、両膝をつかむと、ぼくはゆっくり左右に開いた。  
 淫らで歪つな平行四辺形が、琴吹さんの滑らかな脚線美で描き出される。  
 その、足首の対角にあたる場所を、ぼくは全神経を集中させ、目に焼き付けるように凝視した。  
「やぁ……こんな格好……そ、そんなに、見ないで……」  
「こ、これが、琴吹さんのおまんこ……。すごい、お尻の穴まで濡れちゃってる……。  
それに、まわりのお肉がぷっくり充血して、真っ赤に膨らんで、いじってもらいたがってるみたい。  
それなのに、ここはまだ閉じたままなんて、琴吹さんは、こんなところまでツンデレなんだね」  
 指を伸ばして、そのツン状態をぱっくりと開く。  
 むにゅっ……と、つやつやしてうっすらとピンク色をした綺麗な粘膜が剥き出しになり、ぼくほ思わず息を呑む。  
「こっ、これが、あ、あそこの穴、なんだね……。すごい……とってもエロい眺めだよ……。  
中はもう、すっかりデレデレだね……。ちっちゃいお口をやらしくぱくぱくさせて、まるで餌をねだる金魚みたい……。  
それに、こ、こっちのもっとちっちゃい穴は、おしっこの穴かな……?その上の……」  
 割れ目の上の部分を指で押し、持ち上げ、それを露出させる。  
「この、突起は……ク、クリトリスってやつ……?」  
「うー、バカ、もぉっ……聞くなぁっ!」  
 いやいやをする琴吹さんは、まだ顔を隠したままだ。  
「ねえ、顔も見せて」  
「いやっ……あ、あたし、今、すごくエロい顔してるもんっ……」  
「だから、見たいんだよ。琴吹さんのエロい顔……ぼくだけにしか見せない顔。よく見せて……」  
 
 琴吹さんの手首をそっとつかんで、優しく顔から剥がす。  
 もちろん、体を両足の間に割り込ませ、膝から手を離しても足を閉じられないようにするのを忘れない。  
 琴吹さんは、ぷいっとそっぽを向き、ぎゅっと瞼を閉じていた。  
 けど、口は半開きで、はぁっはぁっと悩ましげな吐息を繰り返している。  
「本当にエロい顔になってるね……。発情した琴吹さんも、とっても魅力的だよ」  
 横顔の頬にキス。  
 横顔の耳にキス。  
「やん……あふ……もう……井上なんか、すごい変態顔になってるじゃない」  
「仕方ないよ……琴吹さんが、あんまりエッチなんだもん」  
「バカ……」  
 それからまた体を下の方へずらしていき、至近距離からソコを観察する。  
「ねえ、発情したおまんこ、もっとよく見せて」  
「や……だめぇ」  
「毛が薄いから、割れ目が隠れないね。ほら、穴がひくひくするたびにエッチなお汁が垂れてくるのが丸見えだよ。  
琴吹さん、いっぱいいっぱい、欲情しちゃってるんだね」  
 そう言うと、琴吹さんは目を少し開けて、ぼくをにらみつけた。  
「い、井上が、そういうふうにしたんじゃない……!そ、それなのに、そんなこと、い、言わないでよっ!バカ!」  
 そして、また横を向くと、言った。  
「いいから、は、早く、つ、続き……してよ」  
「――――っ!」  
 その強烈なまでのおねだりを聞いて、ぼくの心の中のどこかが、決壊した。  
 もう、本当に止められない……っ!  
 ぼくは、琴吹さんの発情の中心に、思い切り、吸い付いた。  
「んんぅーっ!」  
 布越しとは比べ物にならない濃厚な香りと、直接触れる柔肉の舌触りに、ぼくの理性が侵されていく。  
 劣情の赴くまま、酸味と塩味の利いた媚粘膜を、ひたすら舐め上げ、吸い、舌を差し込む。  
「ああっ……い、井上っ……舌がっ、んふっ、は、入って……ふあぁっ!」  
 琴吹さんの穴が、差し込んだ舌をきゅぅっと締め付けてくる。  
 そして、さらに奥への挿入を求めるように、ひくひくひく……と淫らな蠕動を繰り返す。  
 その刺激に、舌が射精してしまいそうだ。  
「ふっふあっ……あっあっ……もう、あっ、うあっ!」  
 琴吹さんの声が、どんどん切なさを増していく。  
 ぼくは追い詰めるように、舌先をくにくにと蠢かせ、奥から溢れてくる粘液を掻き出すように、激しく抽迭を繰り返す。  
 琴吹さんの背中がのけぞり、足にググッと力が込められるのがわかる。  
 突き出された腰が、ガクガクと震え、暴れる。  
 握り締めた手で引っ張ったらしく、シーツが縒れる。  
「ふぁっ!もうっ……あ、あたしっ、も、もうっ……ふあっ、うあぁぁ――――っ!んあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――っ!!」  
 びくんっ!と琴吹さんの体が大きく跳ね、今までと質の異なる、粘り気の少ない淫液が、じゅわぁ……と奥からあふれ出てくる。  
 ぼくは、それを舐め取り、吸い上げると、口に溜めてくちゅくちゅと味わい、飲み込んだ。  
 そして、今度は、割れ目の上の方で、待ちわびるように突き出ている、可愛らしい突起に舌を這わせた。  
 
「うひゃぁっ?!うっ、ああっ、そこ、だめぇ、だめぇっ!お、お願いっ、今は、やだぁ!や、やめっ……てぇ……!休ませてぇっ!」  
 ぼくは顔を上げる。  
「じゃあ、イく時に『おまんこでイク』って言ったら、やめてあげる」  
 そう言ってから、腰を掴み、舌の腹を突起にべちょっと押し当てると、円を描くように動かした。  
「なっ!?バ、ババババババカっ!!そそ、そんなこと、言えるわけ……きゃうぅっ!やあぁっ!やだよぉっ!こんなの、やぁっ!」  
 琴吹さんは必死で、ぼくの頭を両手で押しのけ、引き剥がそうとするけど、どうやら力が入らないみたい。  
「うふあっ!いやぁっ!つ、つらいのぉっ!お願い、だからっ……!いやぁっ!く、くすぐったいよぉっ!うあぁっ!ふあぁぁっ!」  
 舌の先端で突付く。  
 唇で挟んでしごき、軽く吸い上げる。   
「ひっ!だめっ、やめっ、うはぁっ!ふあああっ!やめてぇっ!いやぁっ!いやぁぁぁっ!」  
 吸い上げたまま、筆で履くように、上下に、左右に、苛める。  
 突起の側面を、右回りに、左回りに、何度も責める。  
 下から持ち上げ、小刻みに震わせる。  
「うあ、あっ、う、嘘……ま、またぁっ……またぁっ!いやあぁっ!お、おま……い、イク……おま……ん……ううっ……  
もう、やあっ……ゆ、許してぇ……い、あ、あぁぁぁぁぁぁ――――――っ!!」  
 さっきよりも弱々しく、首をのけぞらせ、上半身を左右に捩る。  
 琴吹さんが発する淫靡な芳香が、さらに濃度を増したような気がする。  
「またイっちゃったの?本当にエロい体だね。とっても可愛いよ、琴吹さん。でも……」  
 ぼくは、匂いの中心へ、再び舌を伸ばした。  
「ちゃんと、言えてなかったよね」  
「そ、そんな……いやぁ……だ……だめぇ……ほ、本当に……もうだめ……もうだめなの……やめ……てぇ……ゆ、ゆる……してぇ……」  
 琴吹さんは、ぼくの頭を、ほとんど力の入ってない手の平で、ぺしぺしと叩く。  
「バカ……バカ……うあ、やあ……こ、壊れ……壊れちゃう……からぁっ……ふあぁ……いやぁ、だめ、だめ……なの……うあぁ……  
い……言う……言うの……言う、からぁ……お、おま……イクから……イク……おまんこで……イク……うあ……イクぅ――――――!」  
 琴吹さん……今度はちゃんと言えたね……。  
 でも、自分で言わせておいてなんだけど、琴吹さんのそのセリフは破壊力抜群で、ぼくの暗い情欲の焔に、油を注いだだけだった。  
 ぼくは構わず、お口でのご奉仕を続けた。  
「うあ、うそ……いったのに、いったのにぃ……なんでぇ……あたし、いったよぉ……うああ……死ぬぅ……また死んじゃうぅ……  
また……おまんこ、死んじゃうよぉ……あぅ、あ……あああ……んぅ……ひうぅぅぅ――――――…………」  
 琴吹さんの足にぐぐっと力が入る。  
 でも、ぼくが押さえているので、ぴんっと伸ばそうとしても伸ばせず、太腿をぶるぶると震わせる事しかできない。  
 琴吹さんの穴から、ごく少量の体液がぷしゃっと噴出し、ぼくの顔にかかる。  
 ぼくは、ようやくソコから口と手を離した。  
 
 琴吹さんは、力尽きたように手をだらんと伸ばし、よだれと涙でぐちゃぐちゃになった顔で、絶え絶えに息をしている。  
 足は、がに股のまま投げ出され、すっかり開ききった秘密の唇をさらけ出している。  
 身に着けているものといえば、ただ腕が通っているだけのクリーム色のブラウス、そして足首に絡まった靴下と下着。  
 ぼくは、ブラウスを脱がし、もはや縒れて紐みたいになってしまったその下着を足首から抜く。  
 そして琴吹さんの上半身を起こし、抱きしめると、おでこにキスをした。  
 そういえば、必死で顔をうずめてたから、琴吹さんのイってる顔が見られなかったな……。  
 そんなことを考えてたら、両頬をぎゅうーっとつねられた。  
「ほほふひはんっ!?ひょっほ、ひひゃひ……」  
「し、信じらんないっ!バカ!最っ低!」  
 琴吹さんが思いっきり引っ張っり、ばちんと手が外れる。  
 うわっ、本当に痛いよっ!?  
「あたし、やめってって、言ったよね?つらいから、休ませてって……言ったよね?」  
「ええと」  
「言ったよねっ!?」  
「……はい」  
「はいじゃないっ!き、聞こえたんなら、やめなさいよっ!す、すぐだと、めちゃくちゃくすぐったいんだからっ!  
そ、それに、あああああんなセリフまで言わせてっ!言ったのに、何でやめないのよっ!?もう!バカ!変態!死んじゃえ!  
だいたい、あたしばっかり、あんなに、何度も、その…………と、とにかくっ!すっごく恥ずかしかったんだからねっ!」  
「ご、ごめん……。でも……気持ちよかったでしょ?」  
「しっ、知らない!もうっ、バカバカ!だっ、だいたい、あたしばっかり脱いで、井上はまだ服着たまんまじゃないっ!  
ふっ、不公平よっ!い、井上も、み、見せなさいよっ!」  
 琴吹さんは、恥ずかしそうにうつむくと、すごいことを言った。  
「こここ今度はっ、あ、あたしの番なんだからっ!や、休ませてなんか、あげないんだからねっ!」  
 
 
(続く)  
 

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