「なにやってんすか。お姫様」  
泊まるところを探すために、町のお姉さんに声をかけているところにその人は現れた。  
おれ、苦手なんだけどなぁ…  
「借りを返しに来たわ。あたし借りを作っとくの好きじゃないの」  
「別に、あんたのためにやったわけじゃないからなぁ。遠子姉に頼まれただけだし」  
「それでも、あたし自身が気にするのよ」  
はやいとこ話を切り上げて、次のお姉さんに声をかけたくてもそうはいかないらしい。  
「じゃぁ、一緒に寝てくれるんすか?」  
少しずるいとは、思うけどこれでもうどっかにいってくれるだろ。  
そう思いながら、言った言葉には意外な返事が返ってきた。  
「いいわよ。ただし、私のやり方に付き合ってもらうわ」  
「そうそう。これで借りなんて……は?」  
「いいからウチに来なさい」  
「ちょ、ちょっと訳わかんないんだけど?なぁ、おい」  
訳も分からぬまま屋敷へと連れてかれた。  
 
 

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