「ん…っ、」  
 
少し腰を揺するだけで面白いくらいに反応する。  
けれどこいつはあくまでいつもと変わらない表情のまま俺を見下ろして動きを再開した。  
…いつもと変わらない、というのはちょっと語弊かな。  
普段は青白いくらいに病的な頬はほんのり赤く染まり、黒いルージュは艶めかしく光沢を放って、一目で発情しきっているのが分かる。  
閉じられている事が多いその唇の隙間から時折赤い舌が覗いて、なんとも扇情的でたまらない。  
アーモンドを縁取る長い睫毛は涙の滴できらりと輝いていて、潤んだ瞳で俺を悩ましげに見つめながら懸命に腰を動かしていた。  
 
「っは、…ああ…っ」  
 
宮下とは違う喘ぎ方。  
はあはあと苦しそうに肩で息をするその姿はいつもの皮肉めいた印象と随分違う。  
 
…いつからだっただろうか、こいつとこうして繋がりあうのは。  
 
宮下の奇行が気になって屋上を入り浸って…こいつとよく話すようになって、気が付いたら自然に細い肩を押し倒していた。  
抵抗が無い事をいい事に柔らかい身体をまさぐって無茶苦茶に犯した。  
今思うと進学とか就職とか、自分でもよく分からないぐちゃぐちゃした感情をこいつにぶつけてしまったのかもしれない。  
最低だ。けれど、その最低の行為が俺を興奮させた。  
 
「あ、ああ、あ」  
 
それからこいつに会う度、時間の許す限りその身体にむしゃぶりついている。  
時には後ろから。時には立ったまま。  
獣のように吠え、理性など吹き飛ばして激しく交わる。  
 
「…た、けだ…く…」  
 
眉を寄せ悩ましげに腰で円を描く。物足りない、といった動きに俺は苦笑し、細い腰を掴んで一気に突き上げた。  
こいつの口から悲鳴に近い女のような喜声が上がる。  
…いや、女の身体なんだから女の声が出て当たり前なのかな。  
跳ね上がる身体を俺のリズムで翻弄させつつ、丁度こいつが座っているあたりに目を落とした。  
マントの隙間から覗く若々しい茂みはぬらぬらと光り、まだ幼さを残すヴァギナは限界まで拡げられ無理矢理ペニスをねじ込まれている。  
先端で静かに主張するクリトリスは可哀相な程に充血していて、思わず指で触れてしまった。  
 
「ぁあン!」  
 
また女のような声が出た。  
俺はこいつのこの余裕の無い声が好きだった。  
いつもはクールな顔で殆ど感情といったものを出さないこいつの奥にあるものを、俺の手で引き出す事が出来る。  
可愛い。愛しい。支配してしまいたい。  
宮下へ向ける想いとはまた違う。  
宮下だけれど、宮下じゃないこいつ。  
 
「ふ、…ッああ、竹田く…ッ」  
 
俺の指にクリトリスを擦り付けるように腰を揺する。  
ぐちゃぐちゃと音が響き、指だけでなく手の平まで汚れていく…  
 
「竹田君…!」  
 
 
縋るような声に、俺はその柔らかい身体を目一杯掻き抱いた。  
 
 

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