ラウンダバウトは、主人にいわれた通り、自室で休息を取っていた。  
寝る前に飲むように言われた錠剤…栄養剤か何かだろうか。  
確かめもせず飲むのは些か不安でもあったが、主人の命令だ。水と一緒に飲み下し、しばらくしてベッドに入ろうとした時、主人が訪れた。  
 
「調子はどう?」  
「どう、って…別に何ともありませんが…」  
「そう。誘発してやらないとダメなのかしら?」  
「何を…うわ!」  
 
主人――レインが何の前触れもなく自分の胸に触れてきた。  
あまり抑揚のない華奢な身体。だがそこは微かにだが膨らんでいて、指先で円を描くようになぞってやると、普段あまり表情を変えない彼女の表情が少し、変わる。  
 
「ぁ…?」  
「キたかしら?」  
「す、すいませんそれ以上、は…ッ」  
「あら、珍しく息が乱れるのが早いわね」  
「すいません何だか…治まらなそう、で…」  
 
下は、というと。  
本来あるはずのない箇所の膨らみが見て取れて、レインはクス、と笑った。  
 
「大丈夫。そうしたのは私だし、きちんと責任も取るつもりよ」  
 
指でトン、とズボン越しに先端を突いてやると、苦しそうに息を吐き出した。  
 
「さっきアナタにあげた薬ね、バイアグラなのよ」  
「バイ…?」  
「勃起機能障害の治療に使ったりする薬ね。健康体に害はないけど…3時間くらい勃起が持続するわ。  
合成人間で、しかも両性具有のアナタにも効果があるか些か疑問だったんだけど、どうやらその心配はなさそうね」  
「そのようですね…痛いくらいです……ッ」  
 
本当に、秘所はズボンの中で今まで経験のない程に怒張していて、その熱にラウンダバウトは戸惑った。  
 
「大丈夫よ。責任取るって言ったでしょう?」  
 
そういうとレインは、ラウンダバウトの衣服を脱がしだす。ズボンのファスナーを下げ、下着を下ろすとズボンの隙間から怒張した男性器が顔をだした。  
それは華奢な彼女からは想像もつかないくらい大きく太く、赤紫に熟れていた。  
 
「凄…がちがちじゃない」  
「すいません…」  
「いいえ。」  
 
レインはためらいもなくそれを口に含み、舌でじわじわとねぶった。  
途端にピク、と男性器が反応を示し、ラウンダバウトは声にもならない息を詰めた。  
 
「……ッ」  
 
わざと汁気のある音を立てて、彼女の羞恥心を煽る。一際深く銜え込み、喉に先端を擦り付けてやると、やっと彼女は普段とは違う表情を見せる。声も、少しずつだが漏れだし、刺激に合わせ小さな呻きを上げる。  
「ぁ…ダメです…出ます……ッ!」  
 
だが朱巳はそのまま口を放さず、腰を引く彼女を押さえ付けて喉の奥目がけて発射させた。  
 
「ぁー…ッ!や、放し…ッ」  
彼女が出した精液は予想以上に多かったが、朱巳はそれをゴク、ゴクと音を立てて嚥下した。  
ようやく全て飲み下した後、肉棒を解放すると、まださっきと同じ硬度を保ち天を向いていた。  
 
「さすが。よく効くわね。まだまだイケるじゃない」  
「…そんな、こと…」  
「ね、今度は私としない?」  
「え…?」  
「だって、あと数時間はこのままなのよ?ずっと口でするのは御免だわ。それに…」  
 
朱巳は言いながら服を脱ぎだした。  
 
「したくなっちゃったの。ダメかしら?」  
「…光栄です」  
 
そのまま二人でゆっくりと後ろのベッドに倒れていった。  
 
 
あの後、朱巳は愛撫もそこそこに彼女のものを受け入れた。  
 
「…ッ、ぁ…」  
 
朱巳の膣内は狭く熱く、進む度にキュウキュウと締め付け、飲み込む。まるで全身朱巳の中に溶け込んでしまいそうな錯覚に陥る。  
やがて最奥まで入りきると、彼女は大きく一息ついた。  
 
「動いて、いいですか?」  
「ええ」  
 
言われるとすぐに激しく腰を揺さぶり、数回出し入れをしただけで発射してしまう。  
 
「ぁ…ッ!……すいません」  
「いいのよ。アンタのデータを取りたいんだから」  
 
にやりと不敵な笑みを浮かべた朱巳に、ラウンダバウトは再び欲望の塊を打ち付け始めた。  
 
 
「…んッ、…ハァ、ハァッ」  
「ぁ……んぁ、…くッ」  
 
 
ラウンダバウトはあれからずっと、腰を振り続けている。もう何時間になるんだろうか。  
朱巳の秘所は何時間も繋がっているにも関わらず、挿入したての時と同じように締め付け、収縮を繰り返す。その度にラウンダバウトは軽く呻くように息を詰める。  
 
「ぁ…また、出ます…ッ!」  
 
何回目か判らない熱い液体を、朱巳の中奥深くに吐き出す。  
既に何回も膣内に出しているので、二人の結合部はお互いの体液が溢れだし、シーツに濃い染みを作っている。  
 
最初の頃はそれこそ粗相のように垂れ流していた射精も、だんだん間隔が長く、量も少なくなってきた(それでも常よりは多いが)。  
それが不満なのか、朱巳はラウンダバウトの動きを止めさせ、自分で身体を起こし座位の形をとる。  
そして、手を伸ばし何やらごそごそと脱いだ衣服の中から探し出しでいる。  
 
「もっと、イキ狂いなさい。でないと…つまらないわ」  
「え……?」  
 
すると朱巳は、ラウンダバウトの女性器の方に手を伸ばし…あるモノを取り付けた。  
 
「今まで触れていないのに…濡れてるのね、淫乱」  
「あ…ッ?あぁっ!」  
 
それは極太のバイブレーターだった。いきなり太い塊を最奥まで突っ込み、スイッチを入れた。  
ヴィィンと、機械的な音とともに彼女の中で振動を始める…それとともに、朱巳の膣内の男性器も更に膨張したようだった。  
 
「…ぅ、く…ハッ…!」  
「ほら、腰、動かして」  
「ハイ…すみません…んぁぁ」  
 
あまり刺激に慣れていない女性器への強烈な刺激に、彼女は更に昂ぶってきたようだった。朱巳にさっき以上に激しく腰を打ち付ける。  
 
「あ、出します…!く、はぁ…ッ」  
 
今までには聞いたこともない甘い吐息を吐いて、ラウンダバウトは射精した。  
 
「ぁ、ぁぁッ、…ッ、」  
「あら、止まらないみたいね」  
「言わないで…下…あぁッ…」  
 
どく、どく、どくどく…  
 
また大量に出るようになった精液。もはや精子は殆ど含まれない透明な粘液だけを吐き出しているに過ぎないのだろうが。  
こうして腰を止めて密着しているだけでも後ろの刺激で何度も達してしまう。  
 
前からも後ろからも大量に体液を垂れ流しながら、ラウンダバウトは朱巳に覆いかぶさるように抱きついた。  
そしてそのまま意識が白んでいくのを自覚した。  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ラウンダバウトが目覚めたのは次の日の昼をとうに過ぎた時間だった。  
 
「……あら、起きたのね。遅よう」  
「…おはようございます。レイン…元気ですね」  
「根性が違うのよ」  
 
朱巳は何事もなかったかのような涼しい顔をして、パソコンに向かっていた。  
 
 
ふと、あんなに膣内に射精して朱巳は妊娠しないのか不安になった。自分は合成人間でしかも両性具有だから本当に生殖器として機能しているのか微妙だが。  
朱巳はMPLSだからそのくらいの調整は朝飯前なのかも知れない。その辺は朱巳の方が詳しいのだろうと深く考えないことにした。  
 
「レイン…何を?」  
「んー?アンタの昨日のデータをね、まとめてんのよ」  
「…は?」  
「凄いわねーさすが合成人間。一晩にリットル単位で射精出来んのはアンタくらいのもんよ」  
 
からからと小気味よい笑い声で朱巳が笑ったが、ラウンダバウトはバツが悪そうにシャワーを浴びに重い身体を動かした。  
 
 
 
 
完  
 
 

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