「本当の初体験」  
正樹×綺  
 
 
彼女、織機綺と出会ってからすでに半年以上がたっている。  
実のところ、ぼくはまだ織機と何の行為もしていない。  
性行為はおろかキスすらもだ。  
むろんぼくだって健全な高校一年生だ。当然そういう事はしてみたい。  
それに、ぼくが望めばきっと彼女も応じてくれるだろう、しかしぼくと彼女の幾分か複雑な事情もあって、いまいち踏み切れ無い。なにかいいきっかけがあれば、とも思うのだが…  
まあ、焦っても仕方が無いし気長にいこう、などとぼくは考えていた。  
しかしいつだって物事が起こるのは急で、当事者の知らないところですでに回りだしているものなのだ。  
そして案の定、そのきっかけも急に訪れた。  
 
季節は夏。蝉の声がうるさく、うだるように暑い。  
そんな中、ぼくは夏休みを実家で過ごすため、学校の寮から家へと向かっていた。  
そこでぼくの携帯(もっと織機と話したくて、病院から退院したあと買った物だ)から着信を表すメロディーが流れる。  
表示をみると凪からだった。  
「はい」  
「正樹、オレだ」  
まるで男のような口調だが、凪はぼくの姉なのだ。  
「久しぶり、なんか用なの?」  
「おまえ今日から夏休みだったよな?」  
「うん。今寮から家に行くところ」  
「オレん家に来い」  
いきなり言われた  
「は?」  
「だからオレのマンションに来いって言ってるんだ」  
「それは分かってるけど…何故?ぼくになんか用でもあるの?」  
「いや、オレは用は無い」  
いまいち要領を得れない。  
「じゃあなんで?」  
「綺も今日から夏休みなんだ」  
「はぁ?」  
ぼくはマヌケな声をだした。しかし凪の言ってることが意味不明なのだ。仕方が無い。  
「あー、もう!正樹!おまえ鈍過ぎるよ。綺と二人っきりにしてやるから、マンションに来いってことだよ。オレはこれからでかけるから。で、明日の昼頃までは帰ってこない」  
綺と二人っきり?それは願ったり叶ったりだけど…  
「えっ!あ、それって…」  
いまいち凪の言っていることが解らない。  
「本当に鈍いなあ…まあいいや、もう綺はいるから早く来いよ」  
とりあえず頷いておくことにする  
「あ、うん。分かった」  
「ああ、言い忘れるところだった。ちゃんと避妊はしろよ。んじゃオレは健太郎待たせてるし、もうきるわ。うまくやれよ」  
さらりとんでもない事を言われた。好き勝手に用件を告げると、凪は一方的に電話をきってしまった。  
「な、凪。どういう意味だよ?凪、凪ー」  
向こうから帰ってくるのはツー、ツー、という機械音のみ。ぼくはこの義理の姉の言っていたことがうまく飲み込めず、しばらく道に立ち尽くしていた。  
 
つまり要約すると「織機と二人っきりにしてやるから、いろいろやっちまえ」ということだろう。「ただし避妊だけはしっかりしろ」と。  
うーん、凪ってそんなやつだったけ?むしろ彼女は、ぼくと織機がそういう行為に及ぶのを危惧している、という感じだったのだけど。  
凪の急激な変化を訝しがりながらも、ぼくは今某ドラッグストアのコンドーム売場の前にいる。  
いちいち用意していくのも、がっついてると思われるかもしれないが、やはり避妊は大切だ。(ってなに冷静に分析してるんだ、ぼくは…)  
しかし一口にコンドームといってもその種類は実に多彩だ。  
超薄型、快感を全く損ねません。  
イボ付き、マンネリ化したセックスに。  
無臭、臭いが気になりません。  
あげくの果てにイチゴの香りと味、などといったものまである。コンドームに味なんてつけていったい何の意味があるのか?  
吟味した結果、ぼくは当店売れ筋bPの薄型コンドームを、買い物籠に入れた。何本かのドリンク、そして適当に選んだお菓子と共にレジに持って行った。  
少し緊張したが、レジのお姉さんは全くいつもの調子で対応する。コンドームだけを小さな紙袋にいれてくれた。そんな気遣いに感心しながら、ぼくは支払いを済ませ、店を出た。  
いざ、織機の待つマンションへ。  
 
 
今日正樹が来てくれる。  
期待に胸をふくらませながら、私は夕飯の準備を進めている。  
同居人の凪はついさっき出掛けて行った。正樹と私を二人っきりにしてあげようという、彼女の気配りなのであった。  
しかし凪は最近、私と正樹の恋愛に関してすごく協力的だ。なにか心境の変化でもあったのだろうか?  
やっぱり羽原さんと何かあったのだろう、今日も彼と会うと言っていたし。  
少し彼等の仲がうらやましい。私も正樹と………  
ここでぶんぶんと、首を振る。  
だめよ、そんなこと考えちゃ、私は正樹と一緒にいられるだけでも幸せなんだから、と自分をたしなめる。  
それに実を言うと恐怖心もあった。  
性行為自体が怖いのでは無い。  
私は、もう何人もと交わってきたし、それを任務にしていたときもあった。もっともここ半年ぐらいは、誰とも行為に及んでいないけど。  
正樹とのセックス、初めて行う好きな人とのセックス。それでも感じられなかったらと思うと怖いのだ。  
交配実験を任務としていた私は、男を楽しませるためのありとあらゆることを、刷り込まれていた。しかし何故か性行為における快感を得たことは無かった。  
それが統和機構によるミスなのか、私の心の問題なのかは、分からないけれど。  
もちろん男達を満足させるるために感じているふりはしていた。(その行為も正樹と出会ってからは、ものすごい苦痛になった)  
 
でも、もし正樹に求められたら、私は迷わず彼を受け入れるだろう。それは彼に対する罪悪感や彼に嫌われたくないという気持ちもあったが、それよりなにより、私は彼が好きのだ。どうしようもなく好きなのだ。  
そんな思考を巡らせている間にも料理はできあがった。我ながら器用だと思う。味付けもうまくいった。料理学校に通ってるだけあって私の料理の腕は確実に上がっていた。  
ちょうどそのときインターホンが鳴った。  
 
 
綺が扉を開けた。  
部屋には料理のいい匂いが充満している。  
正樹は緊張しながらも口を開く。  
「織機、久しぶり」  
「うん。…とにかく上がって」  
綺に導かれて正樹はリビングへと向かった。  
テーブルの上の料理を見て正樹は息を飲んだ。  
ビーフシチューにロールキャベツ、サラダ、コーンスープ。かなりのご馳走だ。  
「うわぁ…凄いな…」「正樹が帰ってくるから嬉しくって、いっぱい作っちゃった」  
少し照れた様子の綺。それを見て正樹は幸せな気分に包まれた。  
(織機がぼくのために…うれしいな)  
「とにかく座って、冷めないうちに食べましょう」  
「ああ、うん」  
二人は向かい合う形で椅子に座った。  
「いただきます」  
正樹が食べるのを見守る綺。一口食べて彼は叫んだ。  
「うわぁ!すっごくおいしいよ!」  
流石プロ志望だけあって、綺の料理はかなりのものだった。  
「本当?嬉しい。」  
綺は途端に顔が緩む。(正樹がおいしいと言ってくれた)  
彼女はただそれだけで、今まで感じたこともないほどの幸福感に包まれた。  
二人は最初こそ緊張した様子だったが、綺の料理のおいしさと、もともと二人ともお互いに好意を抱いていたので、あっと言う間に打ち解けた。  
 
「えっ!本当?凪と羽原さんが!!」  
「そうなのよ、あの二人最近すごい、仲良いの」  
「そういえば、電話で羽原さんを待たせてるとか言ってたな…」  
最近、急接近したらしい二人の事や、互いの学校での出来事などを話して会話は大いに盛り上がった。  
食事を終えてからも、正樹が買ってきたお菓子等を摘みながら永遠と話続ける二人。  
もう時計は十二時を回っていた。  
「んっ、もうこんな時間か。ぼくお風呂入ってくるね」  
「うん、分かった」  
シャワーを浴びながら念入りに体を洗う。  
(どうしよう…織機がお風呂から上がったら誘ってみようかな…でも…)  
そんなことをあれこれ考えている間に、すっかり長風呂になってしまった。  
そして結局決心のつかないまま彼はバスルームを綺に譲った。  
綺もまた念入りに体を洗う。  
(正樹、ちょっと様子が変だった…ひょっとして私とセックスしたいのかな?)  
男性経験が豊富なだけあってこういうことには鋭い綺。  
(どうしよう…正樹、奥手だからこっちから誘ってみようかな?でもHな女の子だと思われたら嫌だし…)  
この時綺は自分の奥から、初めての願望が浮かび上がってくるのを感じていた。  
(でも、でも…私も正樹とセックスしたい…正樹と一つになりたい…)  
そして彼女も決心のつかないままバスルームを後にした。  
 
結局、弱気なぼくは織機のことを誘えるわけも無く、ただ「おやすみ」と一言いって来客用の部屋で一人、ベッドに寝転がっている。  
悶々としたままなかなか眠れない。  
コンドームまで用意したのになんてざまだ。せっかく凪がお膳立てしてくれたというのに…まったく情けない…  
そんな自己嫌悪感に苛まれる。  
いや、まだ遅くない。いますぐ織機の部屋をノックして、優しい言葉をかけて誘えば良いのだ。  
よしっ!ぼくは遂に決心してベッドから起き上がる。すでに心臓は早鐘を打っていた。  
トン、トン  
ぼくの部屋がノックされた。口から心臓が飛び出しそうになる。  
「正樹…起きてる?入ってもいい?」  
「えっ!あ、お、起きてるよ。ど、どうぞ」するとドアを開け織機が入ってきた。  
「ど、どうしたの?」  
「んっ、ちょっと用があって…ごめん迷惑じゃ無かった?」  
申し訳なさそうに織機は聞いてきた。  
「い、いや迷惑だなんて…ぼくも今ちょうど君の部屋に行こうとしていたところだし」  
うっかり口をすべらせてしまった。  
織機はかぁっと頬を紅く染め、俯きながら聞いた。  
「なんで?」  
ぼくはパニックに陥った。  
「そっ、それはその、あの、えぇっと…つまり…」  
しかしさっきの決意を思い出して、なんとか平静を取り戻す。  
こういうことは男のぼくから言わなくてはならない。  
「き、君を誘おうと思って…ぼくは本当に君の事が好きだから、だから…君とセックスがしたい」  
はっきりと、ぼくは言った。  
 
「本当?本当に私とセックスしたいの?」  
いつかと同じ質問、あのときは答えられなかったけど今度は、はっきりと頷く。  
「うん」  
織機はぼくに抱き着いてきた。  
「私も正樹の事が好き、本当に大好き。正樹としたい…」  
柔らかい彼女の身体、ほのかに香る石鹸の匂い。  
ぼくはたまらなくなり彼女をきつく抱き締め、唇を重ねた。  
「んっ…」  
しばらくして唇を放すと、彼女はさらに頬を紅く染め、微笑んでいた。  
「やっと私たち恋人同士になれたね」  
「織機…」  
「…もう恋人同士なんだから、名前で呼んで欲しいの」  
「わかった…綺…」  
「正樹…」  
見つめ合うぼくと綺。しばらくすると彼女は服を脱ぎ始めた。  
マヌケな顔をしてそのようすをじっと見るぼく。  
綺はついに一糸纏わぬ生まれたままの姿となった。ふくよかな胸、くびれたウエスト、適度に肉付きのよいふともも。ぼくは心の底から思った。  
(綺麗だ)  
 
「正樹も服、脱いで」  
綺にせかされて素早く服を脱ぐ。ぼくも生まれたままの姿になる。  
「すごぉい…正樹のもうおっきくなってる」  
ぼくの下半身のものはすでに大きくなり、反り返っていた。  
「綺のせいだよ…君が可愛過ぎるから」  
「正樹…好きっ!」  
ぼくらはもう一度唇を重ねた。今度のは深く長いディープキス。  
綺の唇を貧っていると彼女の白魚の様に綺麗な指がぼくの大きくなったものに触れた。  
「うっ、わ!」  
思わず大きな声が出る。  
「うふふっ、正樹敏感なのね」  
綺は笑った。その笑顔はとても妖艶でいつもの彼女からは想像も出来ない。  
綺はひざまずき、ぼくの反り返ったものに顔を寄せる。  
「ええっ!な、何?」  
「じっとしてて、私が正樹のこと気持ち良くさせてあげるから」  
ぼくは綺の唇を見つめる。まるでリップのCMにでてくるようなぷっくりとした形の良い唇。  
綺はぼくのペニスに口を近づける。彼女は舌を出してぺろぺろと、まるで子猫のようにぼくのペニスを嘗め始めた。白魚のような美しい両手の指でぼくのペニスをしっかりと包み込むように握り、亀頭を嘗め回す。  
ピチャピチャといやらしい音をたてながら綺は舌を移動させる。亀頭からカリへ、そして裏筋、玉へとうまく舌をつかいぼくを気持ち良くさせる。  
 
綺は愛おしそうに、慈しむようにフェラを続ける。  
ハーモニカのようにペニスの根本をくわえ、亀頭へと唇をスライドさせる。爪先を遣って尿道も刺激する。そしてついにその可愛い口にぼくのペニスを含んだ。  
綺の口の中はあったかくてやわらかくて…  
口の中で舌を器用に使いぼくを絶頂へと導いてゆく。  
「ま、正樹、きもちひひ?気持ちひひ?」  
「んっ、うん…あっ…綺…も、もう」  
限界だった。  
「いいよ。私の口の中に射精して…正樹の全部飲んであげるから…」  
「くうぅぅっ!」  
ドクンッ!ビュルルル………  
「!」  
ぼくは綺の口の中に大量の精液を流し込んだ。  
「ん…」  
綺はゴクンとそれを全て飲み干してしまった。  
「ふふっ、いっぱい射精たね…、正樹のすごく濃くって…おいしかったわよ…」  
上目づかいに見上げられてぼくは堪えきれなくなった。  
綺を抱きたい。  
 
「綺っ!」  
ぼくは綺をベッドに押し倒した。  
少し乱暴に胸を愛撫する。  
「まっ、正樹ぃ!」  
耳元で囁かれる彼女の甘い声がぼくの性欲をかきたてる。  
彼女のふくよかな両胸を鷲掴みにして、揉みしだく。すごくやわらかい心地よい感触。  
「正樹っ!気持ち良いよぉっ!はぁん…おっぱいが…おっぱいがおかしくなっちゃうっ!」  
綺は大きな嬌声を上げはじめる。彼女の胸の先端のピンク色のかわいい乳首を口に含む。  
「はぁんっ!あっ!あっっ…だめぇ、私そこ弱いのぉっ」  
乳首が硬くなり、ピンッと上を向く。カリッっと、柔噛みをしてみる。  
「ひゃんっ!」  
綺のかわいい喘ぎ声がさらにぼくを興奮させる。  
手が下の方に伸びる。彼女のそこはすっかり濡れていた。  
 
「もう、こんなに濡れてる…」  
「ち、違うのぉ…正樹が…正樹がぁ…」  
綺は良く分からない自己弁護をする。  
そんな彼女が愛おしくてたまらない。  
「何言ってるの?Hな君もすごい可愛いよ」  
哀願するような目付きでぼくを見つめる綺。「本当?…じゃあもっとしてぇっ、もっと私のこと気持ち良くさせて欲しいのぉ…」  
言われなくとも、もとよりそのつもりだ。胸からお腹、腰、ふとももへと舌を這わせる。  
「んっ…あっ!…はぁん…あ、あ…」  
ぼくの愛撫に過敏に反応をしめす綺。そしてついに彼女の秘部へとたどり着く。  
綺の両足を開かせる。隠された秘部があらわになる。ピンク色でとても綺麗。  
「綺のここ、すごく綺麗だよ」  
綺は恥ずかしそうに声を搾り出す。  
「あんっ!そんな見ちゃ、だめぇ…恥ずかしいのよ…」  
その要請は却下されました。  
ぼくは雑誌等で得た知識を総動員して彼女の秘部を愛撫する。顔を近づけ、指でそれを開き舌でクリトリスを刺激する。  
「きゃうっ!あん!あっ!そこは…だめぇぇっ、はぁ…んくっ!いやぁぁ…」  
綺の喘ぎ声が大きくなる。  
「あれ?駄目なの?嫌なの?その割には気持ち良さそうだけど…やめちゃっていいの?」ちょっと意地悪な言葉もかけてみる。  
「やめないで!やめないで!!もっと…してぇぇっ!!」  
綺は息を切らせながら懇願する。ぼくはさらに指も使い、熱心に綺を愛撫する。もうあそこは充分に濡れていた。  
ぼくも限界が近い。  
 
「綺っ、もう限界!」  
「きてぇっ!正樹のおっきいので、私の膣内をめちゃめちゃに犯してぇ!」  
ぼくは、ついに挿入だというところでコンドームを着けてないことに気がついた。  
危ない、危ない。危うく生でやってしまうところだった。  
「ちょっと待ってて、ゴム着けるから」  
ぼくがコンドームを取りにいこうとすると、綺が腕を掴んだ。  
「綺?」  
「いいの、そのままきてぇ…今日、安全日だから」  
ぼくはゴクッっと唾を飲み込む。綺と生で交われる。その誘惑は童貞のぼくの理性を流すには充分過ぎるほどだった。  
ぼくは彼女の足の間に腰を入れ挿入しようとする。が、なかなかうまく挿入れることができない。  
「そこよりもう少し上よ、挿入れやすいように広げてるから、ゆっくり…挿入れて」  
そう言って綺は自ら指をつかい穴を広げた、奥の肉壁がぴくぴくとうごめく。  
ぼくは綺の膣内へと進んで行った。  
 
な、なんなんだこれ、信じられないほど気持ちが良かった。  
ぽかぽかで、ぬるぬるで、きつきつで……  
やばい、挿入れただけで射精しそうだ。  
「はぁんっ!今、今、私、正樹と一つになってるよぉっ!ずごいの、すごいのっ!…正樹ぃう、動いてみて」  
綺はいっそう大きな喘ぎ声をあげ動きを要請してきた。  
おそる、おそる腰を動かしてみる。  
「っ!!!」  
凄まじいほどの快楽、あっというまに果てそうになる。しかしぼくにも意地というものがある。女の子一人、満足させられずに何が男か、ぼくは今までなんのために身体を鍛えてきたのか?  
やばいな、もうわけが分からない。  
それでもぼくは必死に腰を動かした。  
「あ、あっ!あん!んっ、ああっ、あっ…はあっ」  
綺はもうすっかり気持ち良くなっているようだった。  
「ううっ!綺の膣内、ものすごく気持ち良いよ」  
「わ、私もすごく気持ち良い。正樹、初めてなんでしょう…うますぎるわよ…はぁん!」  
もう一度キス、深く、長く、いやらしく。  
「きゃうっ!なにか、私…変になりそう」  
綺の膣内がヒクヒクとぼくのを締め付ける。  
「んっ!ぼくも、もう射精そうだ。」  
 
「ああっ!!正樹っ!わたしも、もう!一緒に、一緒にイこ。膣内に、私の膣内に正樹の精液、全部射精してぇっ!」  
ぼくは奥へ、さらに奥へと入れていく。  
「ああん!奥まで、奥まできてる〜。私もう、くうっ!」  
さらに腰の動きを激しくする。部屋の中にいやらしい音と二人の喘ぎ声が響く。  
「あ、綺ぁっ!はぁはぁ…もう限界だよ、綺の膣内に射精すよ」  
ぼくは綺の一番奥へと進める。  
「はぁっ!わ、私も、もう…ああんっ!イクッ!イッちゃうっ!」  
 
ドクンッ!  
ぼくのものが大きく脈を拍つ。それと同時に腹部に温かいものを感じた。  
綺の潮吹きだった。  
ぼくは綺の膣内に勢い良く精液を流し込む。  
はぁ…最高だ。まさに絶頂。  
「ああっ!膣内に射精てるぅっ。熱い。熱いよぉ…あんっ!まだ射精てるぅ!」  
射精が止まらない。まるで詮が抜けたように射精続けている。  
「綺の膣内が気持ち良すぎるから…止まらないよ…うっ!うう…はぁ、やっと全部射精たよ…」  
一時はもう精液が無くなってしまうかと、思った。  
凄い、膣内射精がこれほど気持ち良いなんて…いや、違うか。愛する人とするセックスがこんなにも良いものだなんて。  
「はぁ、はぁ…綺、凄く良かったよ」  
ぼくは再び綺を強く抱き締める。  
「私も凄く気持ち良かった…私イッちゃったの初めて…」  
綺も、ぼくを抱き締める。  
再び唇を重ねる二人、今度はさわやかなキス。  
唇を離し、萎んだものも引き抜く。どろっとした白い液体が綺の膣内から零れ落ちる。  
初めてのセックスを終え、ベッドの上に仰向けに寝転がるぼくと綺。  
「愛してるよ、綺」  
綺麗な髪を撫でつつぼくが囁く、綺もぼくを見つめながら言う。  
「私も、正樹を愛してるわ」  
 
 
私の、大好きな正樹でも感じられなかったらどうしよう、という不安は結局、杞憂となった。  
私は正樹との性行為で信じられないほど感じていた。胸を愛撫されていたときすでに絶頂に達しそうだった。  
正樹が満足するまではどうにしかして私も果てまいとがんばった。  
それでも、あそこを愛撫されているとき、挿入されていたときは意識がほとんどなかった。いくらか記憶が飛んでしまっている。ひょっとしたらとんでもなく淫乱な言葉をしゃべったり、淫乱な行為をしてしまったかも知れなかった。  
それでも終わった後の正樹や、今隣で眠っている彼の様子を見ていると、大いに満足してくれたようで私は幸せだった。  
以前はこんなことはなかった、終わった後もただやっと終わったかとか思ったり、嫌悪感を抱いたりしただけだった。  
でも、今はまた正樹とセックスがしたい、という気持ちさえ沸き上がってくる。正樹は知ってるか、分からないがセックスというのは体位によって感触まるっきり違うものなのだ。騎乗位、座位、バックなどなど、これから二人でいろんなことを試してみたかった。  
ここで自分がもの凄くいやらしことを考えてるのに気付き一人で赤面した。  
「…正樹のせいだからね」  
ぼそっと呟き、私は布団にもぐりこみ正樹の身体にぴったりと密着すると、深い眠りへと落ちていった。  
 
 
朝、綺が朝食を作る音で目が覚めた。  
実にすがすがしい気分だった。リビングに行くとすでに綺は料理を終えテーブルへと運んでいるところだった。  
「おはよう、綺」  
「おはよう、正樹」  
ぼくは挨拶を交わすと手伝うよと、言って料理をテーブルに並べるのを手伝った。  
「こうしているとまるで新婚の夫婦みたいだね」とは、恥ずかしいのでもちろん言わない。  
「あのね…な、凪が帰ってくるのはお昼過ぎなの」  
朝食を食べていると綺がもしもじとしゃべりだした。  
「そうだね、昨日そんなこと言ってた」  
「だから…だから…」  
「んっ?何?」  
「御飯食べてからまだ時間があるわよね」  
「そうだね」  
「…また私、正樹としたいの…」  
「えっ!」  
綺は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。  
「また私、正樹とセックスしたいの…だめ?」  
今度は彼女からの誘いだった。答えは決まっている。  
「いいよ。しよう」  
ぼくは大きく頷いた。  
closed.  
 
 
午後一時をまわった頃オレはマンションへと帰ってきた。  
腰が痛い…昨日はほぼ徹夜で健太郎としていたため眠気もひどかった。  
「ただいまー」  
「おかえりなさい」  
オレが部屋に入ると正樹と綺が出迎えてくれた。  
二人はとても幸せそうだった。  
「その様子じゃうまくいったようだな」  
二人は恥ずかしそうに顔を見合わせて、笑った。  
「そういう凪だって、昨日は楽しんだんだろ?目の下にクマができてるよ」  
「ああ、健太郎が寝させてくれなくてな…って何言わすんだおまえは!」  
オレは可愛い弟に軽く蹴りをいれると、自分の部屋に行き、泥の様に眠った。  
 
 

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