僕、竹田啓司はひとつ年下の彼女の宮下藤花の部屋にいた。
藤花の家には今まで何度か行ったことがあったけど、こういうコトになったのは初めてだ。
藤花の両親は母親の実家の方に行っていて明日までは帰ってこないという。
今夜この家には僕と藤花しかいないという事で、夜も更けてきて、つまりその、そういうムードになったのだ。
先にシャワーを浴びた僕はベッドに腰掛けて藤花が来るのを待っていた。
僕は初めての体験を前にして少し緊張していたが藤花もそれは同じはずだ。
ガチャリ
藤花が部屋に入ってきた。
僕は一瞬、バスタオル一枚の藤花を直視できなくて視線を逸らしかけたけれど、ビビっちゃいけないと思い直して、彼女を見つめて横に来るよう促した。
風呂あがりで熱気が立ち上っている藤花を抱き寄せてキスをする。
藤花が裸だという事実に僕は堅くなっていて、抱擁もキスもなんだかぎこちないなと自分でも思った。
それでも舌を差し込んで藤花の口の中を探ると彼女も応じてきた。
藤花と舌を絡め合っているうちに僕のモノはすっかり大きくなった。
「藤花……」
バスタオルをはだけようとすると藤花はそれを両手で押さえた。
「先輩、電気消して……」
僕は部屋の明かりを消して藤花をそっと押し倒した。
藤花の胸に触れると、想像していたよりも柔らかい感触に喉がゴクリと鳴った。
たぶん藤花のバストは標準サイズといったところだろうけど、僕を熱くさせるのには充分だった。
キスをしながら胸を愛撫する。
藤花の息づかいが荒くなってきた。
「んくっ……」
藤花が息苦しそうにしたのでキスをやめた。
カーテンの隙間から入ってくる街灯の光が浮かび上がらせている藤花の身体の曲線が、彼女の呼吸に合わせて僅かに上下している。
僕は吸い寄せられるように首筋に唇を落とした。
「んっ……くすぐったい……」
そのかすれた声は普段の藤花からは考えられないくらいに色っぽいものだった。
少し興奮して僕はいっそう強く首筋を吸った。
「あっ……や……」
藤花の小さな声に理性が削られるのを感じた。
唇をいったん離して今度は胸元に口づけた。
軽くついばむようにしながら移動させていき、最後に藤花の胸の頂点を口に含む。
「ふぅん……」
藤花の熱い吐息と甘い香りと吸い付いてくるような柔らかさに僕はすっかり火が着いていた。
夢中で藤花の胸を吸い、舌先で突起を転がす。
「はぁ……ふぅんっ……」
藤花は少し喉をのけぞらせ、ため息とも喘ぎ声ともつかないような声を漏らした。
僕は胸に口をつけたまま藤花の下半身に手を這わせた。
すると茂みの下に驚くほど柔らかい感触をみつけた。
その部分を探ると藤花の身体がビクリと反応して両足で僕の手を挟み込んでくる。
はっきりとしたことは分からなかったけれど、藤花のソレは湿っていたような気がした。
「恥ずかしい……」
藤花が消えそうな声でポツリと呟いた。
「可愛いよ」
藤花の耳元に口を近づけて囁く。
そろそろ僕も我慢が出来なくなっていた。
僕は藤花の足をそっと割って自分の身体を滑り込ませた。
「先輩……」
藤花の身体が震えた気がした。
それは微かなものだったので、本当に気のせいだったのかも知れないけれど、とにかく僕は、やさしくしよう、と決めた。
自分のモノを藤花のアレにあてがって、
「宮下、いくよ?」
と訊くと藤花はコクリと頷いた。
僕はひとつ唾を飲み込んでから、ゆっくりと腰を沈めようとして……
「どいてくれないか、竹田君」
藤花に押しのけられた。
「えっ?」
あっけに取られている僕をよそに彼女は部屋の明かりをつけて押入れからスポルディングのバッグを取り出した。
「宮下籐花と愛を確かめ合っているところを邪魔してしまってすまない」
そう言い終わる頃にはバッグに入っていたあのコスチュームをすでに着込んでいた。
「ブ……」
……ブギーポップ……
僕はもう頭がテンパっていて、言葉にならなかった。
ブギーポップは僕の方に近づいてきて
「中断させてしまったせめてものお詫びだよ」
と、僕のモノを握って素早く擦り始めた。
ブギーポップの手の動きに僕は訳が分からないうちに達してしまった。
僕が射精するのを見届けると、
「それじゃ、危機が迫っているんでね」
と、ブギーポップはあっという間に窓から出ていった。
……なんか寂しい……
部屋にひとり残された僕は喪失感に襲われていた。
開けっ放しの窓から風が入って身体を冷やす。
(そうだ、こびり付く前にやらないと)
ティッシュを持ってきて僕はベッドに放った精液の後始末を始めた。
〜完〜