青い帽子、黄色いしましま。
※一応ED後という形を取ってますが、書いてる物がEDまでゲームを進めてないので
おかしい点がありましたらツッコミヨロシクです。
どさっ、と獲物の野兎と木の実を入れた袋を根本に置き、
その木へと俺は寄りかかった。
ゆるりと尾を揺らぎ、大きくあくびをする。
すっげぇ気持ちいい……。
……何ヶ月。こうして俺たちは生活していたんだろう。
凄く平和で良い天気で、眠たくなってくる。
アイツを拾った最初の頃に、似てるんだよな。リュウ。
ウィンディアで暮らしているその義弟の名前と姿を思い出すと、
不意にニヤニヤと笑いがこみ上げてくる。
それは、数ヶ月前。
リュウがウィンディアの王女、ニーナと結婚の儀の時のこと。
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__いま、世界を救った勇者、リュウをこの国へ受け入れ、
よりウィンディアの発展を祈ろうと思います。
妙に長ったらしい大臣の挨拶が終わり、礼をすると、
大きな拍手が起こる。
俺は、こういうのが余り好きじゃない……それに、腹が空いたし。
目の前にあるゴチソウに目は奪われ、うっ、涎がでそうに……
と、俺が頭の中で壮絶な葛藤を繰り広げていると、
「ではリュウ殿、挨拶を……。」
大臣がリュウに挨拶をさせるらしい、どんなことをしゃべるんだろうな。アイツ。
…………
静まりかえる大衆……。リュウは立ち上がらない、
俺は、そっと耳を澄ませる
「リュ、リュウ!?、リュウってばっ」
……どうやら、リュウの奴はボケーっと座ったままだったらしい。
ニーナに揺さぶられ
「は、はいっ!」
ガタンッと、音を立て、大きく立ち上がると
「うわぁぁぁっ!?」
王座から大きくバランスを崩し、両手を振りながら前後に揺れた
「……っとっと」
…………。
リュウがバランスを立て直し、直立した頃には……
大衆の視線がリュウのほうをじっと見ていた。
っつ、……ヤバイ、笑いが……。
と俺が口を押さえて居たら、
周りの奴らがどっ、と笑い出した。
顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしているリュウと、呆れながら笑顔を取り繕ってるニーナの顔を見たとき、俺も笑いが堪えられなくなってしまったのは、言うまでもなく……。
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そんな記憶がよぎったりして、俺はまた思い出し笑いをしそうになるのである。