部屋に響く喘ぎ声、耳にかかる熱い吐息。汗に濡れた肌に張りつく、彼女の長い髪。抱き寄せるよ  
うに背中にまわされた、漆黒の翼。  
 ニーナと夜を共に過ごすようになって、どれだけの時が過ぎたのだろう、ニーナを抱くリュウの頭  
に、ふと、そんな思いがよぎった。  
 初めてニーナを抱いたのは、最後の戦いの終わった夜だった。  
 いつ終わるとも分からない共同体での宴。やがて一人、二人と仲間は自分の部屋に戻っていき、  
リュウの前に残っていたのはニーナだけになっていた。もしかしたら、二人の仲に気がついていた仲  
間が、気を利かしてくれたのかもしれない。  
 軽い口付け、絡む指、身体を寄せ、深いキス。服を剥ぎ取り、身体の隅々まで舐め合った。  
「どうしたの、リュウ」  
 動きの止まったリュウを促すように、ニーナが聞く。  
「いや、何でもない」  
 あの夜と同じように、ニーナはリュウの腰に脚をまわして、動くように促す。  
「ニーナも好きだなぁ」  
 リュウは、ニーナの奥を小突くように、腰を押し付ける。  
「ん……ぁ、だって、こんなに気持ちいいんだから、嫌いなほうがどうかしてるわよ」  
 

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