カーマに捕われて何日たったのだろう。薄暗い部屋の中で、ニーナの朦朧とした意識の中にふとそん 
な考えが浮かぶ。煙を吸い込んで身体の自由を奪われてからの出来事は、ニーナにとっておぞましいも 
のでしかなかった。  
 
 カーマはニーナの身体の自由を奪うと、この部屋に閉じ込めた。最初は突然の暗さになにも見えなか 
ったが、徐々に視界がはっきりしてきたニーナの眼に飛び込んだのは、めだまグミと比べて形もはっき 
りとはせず、色も付いていない初めて見る生物だった。  
 ニーナは身体を動かして逃げようとしたが、煙のせいでまったくいうことを聞かない。  
「お気づきになられましたかな」  
 扉の小窓から、憎むべき男、カーマの声がする。なにか一言文句も言ってやりたかったが、舌も満足 
に動かず、口もだらしなくゆるんだままだった。  
「まあ、時間はあります。その間だはゆっくりお楽しみ下さい」  
 カーマはそう言って小窓を閉める。最初は何のことか分からなかったが、ニーナはそれを直ぐに思い 
知ることになった。  
 ズル……  
 鈍い音と共に、不定形の生物がニーナに近づく。それは時間をかけ、やがてニーナの肌に張り付く。  
「ッ……」  
 ニーナは声にならない声を上げる。やがて一匹だけでなく、無数の生物がニーナの身体に近づいてく 
る。  
 必死に逃げようとするニーナだったが、身体が動かないのでは仕方がない。無数の生物が身体をはい 
ずり回る感触に、ニーナを激しい嫌悪感が遅う。  
 
 やがて一匹が、ニーナの股間の服の隙間に滑り込む。  
「ッ!!!」  
 ニーナはそれを為す術もなく受け入れるしかなかった。  
 生物は、ニーナの恥丘をずりずりとはいずり回るうちに、丘を縦に割る一筋の割れ目を見つける。  
「ひぃ、ひぃやぁぁぁぁぁぁ」  
 麻痺した舌が、意味をなさない悲鳴を紡ぐ。もっとも、意味をなしたところで、この生物にそれが理 
解できた訳でもなかったが。  
 ニーナの秘唇に、生物はズルズルと入り込む。まだ何者の侵入も許していなかった洞穴を、その生物 
はゆっくりと進む。やがて何かが行く手を遮るが、生物はそれを無視してさらに進む。  
 ブチンッ  
 本来聞こえるないはずの音、処女の証を突き破られた音が、ニーナの耳に響く。それは、ニーナの幻 
聴だったのか。ただ一つはっきりしているのは、本来愛すべき人に捧げられる筈であったものが、たっ 
た今、正体不明の生物によって奪われたという事だった。  
 ニーナの意識はゆっくりとどす黒く染まった絶望という沼に沈み込んだ。  
 
 ニーナは自らの身体を眺める。正体不明の生物はニーナの膣の中に何匹も潜り込み、まるでそのお腹 
は胎児を宿しているかのように膨らんでいる。ただ一つ違うのは、その中で生物が蠢くたびに、そのお 
腹の表面がボコボコと歪むことだった。そして生物はニーナのアヌスにも潜り込んでいた。直腸と膣の 
中でそれぞれその生き物は勝手気ままに動き回り、それを隔てる薄皮を擦り立てた。何時終わるとも知 
れぬ気だるい快楽に包まれたまま、ニーナは糸の切れた人形のように床に転がり、ただ助けを待つのだ 
った。  
 

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