ブレスオブファイア  

ねぐらとしているジオフロントの踊場に湿った音と荒い息遣いが響いた。  
空は「雷」と「雨」───地下で見たケーブルの放電や、都市の埃を洗うためのシャワーとは比べ物にならない程の勢いと音、光を持った現象が満ちている。  
ニーナの細い手がリュウの肩を押して、自分から引き離そうとしている。  
だがそんな抵抗など物ともせず、リュウはニーナを掻き抱き、唇を貪った。  
舌を絡め、吸い上げる。ニーナが息苦しさを訴えるように、こぶしでリュウの肩を叩いた。  
いったんニーナの唇を解放すると、彼女は喘ぐように息をしたが、またすぐリュウの唇に塞がれた。  
今度は時折唇を離し、合間にニーナの名前を呼んだ。  
「ニーナ…ニーナ…!」  
何かを堪えるような声音に閉じられていたニーナの目がゆるゆると開き、リュウの視線とぶつかる。  
リュウは、ここに到って尚信頼の色を失わないその瞳の中に、苦しげに歪んだ自分の顔を認めた。  
「ニーナ…君が好きだ…」  
搾りだすように言って、彼女の濡れた服に手をかけた。  

 

空を開いて数日が過ぎた。  
最初の数日間は三人一緒にそこら中を調べ回っていたが、さして危険な物も無く、食べられる物もあるようだと分かり一段落付いた。  
弱った身体に加え、疲れもあって寝込みがちだったニーナも、だいぶ元気になり草原を駆け回っている。  

「リュウ、ちょっと…」  
リンが手招きでリュウを呼んだ。呼ばれたリュウは、バックパックを背負って武器を装備した物々しい出立ちのリンをいぶかしげに見る。  
「リン…?その装備はいったい…?」  
「うん、ちょっとね、下を見てこようと思って。気になるからさ。ニーナの事頼んだよ」  
リュウはちょっとそこまで買い物に、とでも言うようなリンの言葉に驚いた。何よりも、ようやくたどり着いた空からまた地下世界に戻る、と言うその事に。  
「私はこうしてあんたと一緒に来たけど…やっぱりトリニティの皆や下の世界が気になるんだよ。あ、あんたは残るんだよ。ニーナを一人に出来ないだろ?」  
言おうと思ったことの先を越されてリュウは一言も発せなくなる。ぱくぱくと口を動かし、何か言いたそうなリュウをしり目にリンはウインクして歩き出した。  
「心配ないよ…今更雑魚敵なんかにはやられないし…中央省庁区より先に行けなかったら、すぐ戻るよ。」  
ジオフロントの階段を降りながらリンはひらひらと手を振った。  
リュウは呆れながら(納得もして)徐々に小さくなるリンに手を振り、大きな声で「気を付けて」と叫んだ。その声はリンに聞こえたらしく、また手を振って…地下世界の中に消えて行った。  

 

リンを見送り溜息をつく。リュウはそこで、暫くニーナと二人きりになるのだと言う事に、今更のように気がついた。  
「……しまった。」  
口元に手を当て、独りごちる。呟いたその時、  
「うぅ?」  
背後から声が聞こえて、リュウは驚き跳ね上がった。  
「わ…!ニーナ…?!」  
先刻の様子をどこからか見ていたのだろう。ジオフロントとリュウの顔を交互に見て、何か問いたそうな顔をしている。  
「リンなら、すぐ戻るよ。心配ない」  
その言葉を聞くとニーナは安心した様子で少し笑った。地上までの道行きではリュウ達に心配を掛けまいとし、甘えた様子などは微塵も見せなかったニーナだが、最近は落ち着いたせいもあり少しリンやリュウに我侭を訴えるような所も出てきた。  
いつも甘えているリンが居なくなって寂しいのだろうと、リュウにも分かった。  
「おれが居るよ。おれじゃイヤ?」  
ニーナは首をふるふると振ってリュウの腕にしがみついた。  
顔を見上げて微笑む───幸せそうに。  
リュウもつられて微笑み…腕に寄せられた身体のぬくもりとその柔らかさに、心の中で溜息をついた。  

 

ニーナを、そう言う対象として見るようになったのはいつ頃からだったのか…リュウにも分からない。  
出会ったころはただ助けたくて…ただ守らなければ、と思っていたのに、近頃は無邪気に寄せられる顔、身体に心を乱され、揺るがない信頼に息苦しさを覚える。  
誰よりもニーナを愛しいと大事に思う気持ちと同じくらい、ニーナを、あの幼い精神(こころ)を持つ少女を抱きたい、自分の物にしたいと言う欲望が沸き上がる。  
そんな事をしたら、ニーナは傷つくだろう。恐ろしい思いをさせるだろう。  
思う気持ちだけで押しとどめて居られるのは寝食を共にするリンの存在と、やはりニーナへの愛しさからだが、今、リンは居ない。  
リュウは、自分は我慢強い方だと言う自信はあるが、いつものように無邪気に纏わりつかれて二人きりで…と言う状況になったら、欲望を抑える自信が無かった。  

 

晴れた日が続いている。空の上の向こう側に白い大きな「雲」が見えていた。  
リンがジオフロントの向こうに旅立ってから数日が過ぎた。今ごろは下の街のどこかに居るのだろうかと考える。  
野良ディクや他の敵にやられた可能性は考えない。何故なら、リュウはリンの射撃の腕前を良く知っているからだった。  
(この分なら…)  
ジオフロントのテラス状になった踊場でリュウは、あともう暫くは二人きりだ、と思ってまた溜息をつく。  
ニーナに対する我慢もそろそろ限界に近かった。  
やはり、リンが居なくて寂しいらしく、ニーナはしきりにリュウの側に寄りたがった。  
側に居れば自然と柔らかそうな頬や唇、透けるほどに薄い衣服の下の身体に視線が向かってしまうのだが、いけないと分かっていてもそれを止められない。  
自分を止まらせようとすると態度が硬くなってしまい、それがニーナには分かるらしく、不安げにリュウの顔を覗き込んでくる。  
口でいくら大丈夫だとか何でもないと言った所で、ニーナの表情は晴れず…。  
結果、ニーナは不安のあまり、リュウから離れようとしなくなる。  
(悪循環だ…)  
頭を抱えて呟く。  
例えリンがずっと一緒に居たとしても、このままではいつか自分は取り返しの付かないことをしてしまうと、リュウは思った。  
ニーナが精神的にも肉体的にも成長する。それを待ちたい気持ちもあるが、彼女が成長できる保証は無いし、好きな相手を前にして今のような状況では、難しいと心底思った。  
(そう言えば…ニーナはどこだろう?)  
ここ数日、リュウの目の届く所に常に居たニーナが、今日は見当たらなかった。  
独りで行動する範囲はジオフロントが見える所までと皆で決めてあった。ニーナもそれは守っている。  
遠くには行っていないだろう。  
側に居れば苦しくなるのに、居なくなれば不安が募る。リュウは少し笑い、勝手なものだと思った。  

 
 

その時。  
天井から差し込む空の光が暗く沈んだ。風が出てきて、リュウは冷たい湿った空気を感じた。  
辺りがすっかり暗くなったのを不思議に思ったリュウが地表に出てみると、遠くにあった白い「雲」がさらに大きく黒くなり「太陽」を覆い隠している。  
たちまち大きな水滴が落ちてきて「雨」となった。勢い良くばらばらと落ちてきた雨は強さに痛みを覚えるほどで、瞬く間にリュウを濡らす。  
「ニーナ…どこだ?」  
ニーナを探す。すぐに見える所には居ないようだった。  
何処か空の向こうで何かのうなり声のような音が聞こえたかと思うと、突然何かが光り、大きな音が響き渡った。  
見たこともない大きな放電だった。あんなものが頭の上に落ちたら、ひとたまりもない。  
あまりの音と光に、最後にチェトレと対峙した時の事を思い出したが、その考えをかすかな悲鳴がかき消した。  
「ニーナっ?!」  
声がした方に駆けて行けば、大音響にすくんだニーナが耳を押さえてうずくまっていた。  
空の上から遠のいていたうなり声がまた聞こえてきた。今度はさっきよりも近いようだった。  
リュウが名前を呼ぶと、ニーナは気がついて顔を上げた。恐怖で竦んでいるらしい彼女の肩を抱いてジオフロントの入口まで戻るのと、空が光ったのはほぼ同時だった。  
間を置かず、大音響が耳を打つ。ニーナが悲鳴を上げてリュウにしがみついた。  

「もう大丈夫だよ…中なら安全だから…」  
言いながら小刻みに震えるニーナの、小さな頭を見遣る。さらに肩に目を落としてさらにその下───服が濡れて、痩せた身体にぴったりと纏わり付き、  
小さな胸の上の淡いピンクがはっきりと見えているのが目に入り、服も肌も髪も全て濡れそぼったニーナの存在が、普段よりもずっと生々しく感じられてリュウは硬直した。  
「うう…ん、うー」  
この状況をどうすればいいのか、とにかく着替えさせて身体を乾かして…と、一人思案していたリュウは、ニーナが何かを差し出しているのに暫く気がつかなかった。  
「えっ…あ、何?ニーナ」  
ニーナが手にして差し出している物を見ると、それは少し離れた場所にある樹の実だった。  
これを取りに行っていて、朝から姿が見えなかったのかとリュウは気がついた。そして、ニーナの意図する事にも。  
ニーナは多分、最近むっつりと無口になり元気が無い自分のためにこの実を採ってきたのだ。  
幼いニーナに出来る事は少ない。それは回りも本人も良く分かっている。だから、ニーナはリュウのために自分が出来る事の中から一生懸命考えたに違いない。  
勝手な思い込みかも知れないが、ニーナがリュウの事を想い、行動を起こしてくれた事は確かだった。  
それだけでリュウの胸の中に我慢できない程の愛しさが沸き上がってくる。  
ニーナの手から果実が落ちた。  
気がつけば、リュウはニーナの濡れた身体を抱きしめていた。  

 

「うぅ…ぅ?」  
突然抱きしめられて訳も分からず、ニーナが不思議そうにリュウの顔を見ようとするが、強く抱き寄せられているためにそれはかなわなかった。  
耳に当たったリュウの胸から、速い心臓の音が聞こえてくる。  
「ごめん……ニーナ、心配させた?…不安だった…?おれは、ニーナを…」  
言葉を切って躊躇う気配があり、しばしの沈黙の後、リュウは言った。  
「おれは、ニーナが好きで、だから側に居られるとつらかった。側に居ると、何をするか、分からないから…」  
強く抱きしめながら告白した。  
これ以上、理由も告げず、よそよそしい態度でニーナを不安にさせたくなかった。  
反応を待つ。ニーナは暫く腕の中でじっとしていたが、やがて少し身体を離し…リュウの顔を見て、笑った。  
くすぐったそうなはにかんだ笑顔で、すぐまたリュウの胸に顔を埋める。  
心臓の鼓動が、さらに激しくなった。  
互いの濡れた服が、第二の皮膚のようだとリュウは思った。触れている所から熱が高まって行くのが分かった。  
自分はこの少女に受け入れられていると錯覚してしまう。  
「ニーナ…だめなんだよ、おれは、ニーナが恐がるような事を、したくない。離れないと…」  
細い肩に手を置き、身体を離そうとするがニーナはいやいやと首を振り、背中に腕を回してしがみついた。  
自分の言葉がまるでうわ言のようだとリュウは思った。本心ではない言葉、心の入らない言葉。心臓の音がうるさい。自分の言葉が聞こえない。それともこれは外で降っている雨の音なのか、リュウには分からなくなった。  
「ニーナ…もう…」  
言葉が途切れる。  
ニーナが顔を上げた。  
リュウはその細い身体と首を引き寄せて、深く口付けた。  

「ニーナ…君が好きだ…」  
搾りだすように言って、彼女の濡れた服に手をかけた。  
結び目を解いても濡れた布は滑り落ちる事無く二人の身体の間でわだかまった。  
リュウは尚も口付けながら片方の手でニーナの体の、その胸元をまさぐる。  
「…や……」  
突然胸を触られて、ニーナが体を硬くし、ぎゅっと目を瞑るのが視界の端に映る。  
反射的に上がった腕がリュウの行動を遮ろうと動いたが、力のまるで入らないそれはリュウを押し留めることは出来なかった。  
その時ようやく、リュウは自分が革の手袋を着けたままだったのを思い出した。濡れて外し辛くなった手袋をもどかしげに取り去ると、手のひらで直にニーナの肌に触れる。  
その肌は雨と、初めて受ける深い口付けに滲んだ汗でうっすらと湿って熱を持ち、リュウの手に吸い付くような感触を覚える。  
再度手の平で胸を包むとニーナの速い脈が感じ取れた。  
他人の身体をこんな風に触るなど、生まれて初めての事だった。  
しかもそれが想いを寄せ恋い焦がれた相手の素肌だと、そう思うとリュウの胸はさらに高鳴り、居ても立ってもいられなくなった。  
腰を抱き寄せて、小さいが柔らかくしっとりとしたその胸を夢中で揉みしだく。  
視線はニーナの表情に注がれていた。リュウの手が動くたび可憐な眉が寄せられ、口から吐息が漏れ出る。  
出来るだけ優しくしようと思っても体が言うことを聞かず、どこにもそんな余裕は無かった。  
指先で先端を探りだし、揉みながらそこを摘んだり押したりしているうちに硬くしこってくるのが分かる。  
「んふぅ…ふ……んん……!」  
胸を探られニーナはくぐもった声を漏らした。  
体中から力が抜けて、リュウの片腕で支えられ辛うじて立っている状態だった。  
二人の間でわだかまっていた布が水音をさせて落ちる。  
リュウはふらつくニーナを抱え、その場に横たえた。  
熱を帯びてきた体に踊場の床は冷たく、ニーナは鋭く小さな声を漏らす。  
組み敷いたニーナの身体を見つめると、リュウは思わず感嘆の息を漏らした。  
普段から薄い布を通してその身体の薄さ、白さを見てはいるが、下着だけを残した今の状況はやはり特別な物があった。  
痩せた身体と紅い翼、そして体中に走る青いライン。暗がりの中で肌は上気して艶やかに光るようだとリュウは思った。  

痛々しさを覚えるようなそれら全てが、リュウの欲望を刺激痛々しさを覚えるようなそれら全てが、リュウの欲望を刺激していく。  
「…ニーナ…」  
成すがままになっているニーナの細く白い首筋に顔を埋める。跳ねた体を押さえつけてそこを吸い上げたり甘噛みしたりを繰り返す。  
そうしながら、手がまた彼女の胸に触れて愛撫を始めた。  
「ひゃ…うんっ……やぁ……」  
耳に入るニーナの声に追いつめられるような気持ちでリュウは唇の位置をずらしていった。  
首筋から鎖骨、さらに胸元へと。  
リュウの唇が柔らかい胸を辿り、先程から指で弄られて敏感になっている先端を捕えた。  
「あ…っ!やー…!やぁ…っ」  
唇ではさむようにしてから軽く歯を立て、舌先で辿る。  
ねっとりと濡れた感触にニーナが息を詰め、体をすくませる。  
乳首の輪郭を舌でなぞって先端へ滑らせると徐にそこに吸い付いた。ちゅっ、ちゅっと音をさせて吸う傍ら指でもう片方の胸に愛撫を与えた。  
片方の胸を弄られて感じていたのだろうそこは、すでにぷっくりと膨らんでいた。  
「あぁ…あ、あ……あ、うんぅ……あん…」  
抑えられる事の無い声が、ニーナの口から溢れた。  
唾液で濡れた胸の突起から離れ、指で弄くっていたもう片方の突起を口に含む。同じように舌と唇で刺激して吸い上げる。  
「ひゃ…っ、ぁぁ…っ」  
「すごい…ニーナ、かわいい…」  
胸を吸いながら、リュウの手がニーナの上に残された最後の一枚に手を伸ばす。  
濡れて肌に貼り付いたそれは下の皮膚と薄い恥毛の色をうっすらと透かしていた。  
それを目にしたリュウの喉がごくり、と唾を呑み込んだ。体の中心に熱が集まるのを感じる。  
濡れた下着は思ったより脱がせづらい代物だった。ニーナの腰を少し浮かせ、少しずつずらして行くと徐々に隠された部分があらわになって行く。  

そこから剥がされるその一瞬、布とニーナの脚の間に粘性の水が糸を引くのが見えた。  
(濡れてる…?)  
リュウはすでに充分速くなってる動悸が、さらに激しくなったような気がした。  
体中から力が抜けきったニーナが視線だけを向けて来るのと、一瞬目が合った。  
目には涙が滲んでいる。羞恥、戸惑い、怖れ…そんなものが自身の内側の熱に混ざり合っているような、そんな表情だった。  
そこでようやくリュウ自分の服を脱いだ。今までは夢中で気がつかなかったそれが、急に存在を主張し始めたような気がしたからだった。  
「あ…」  
ニーナが声を漏らした。リュウの分身が力を持ち、天を向いているのが見えたからだ。  
全て脱ぎ捨ててニーナに覆いかぶさる。皮膚の全部で彼女の熱を感じた。  
だが、そんな皮膚でさえももどかしさを覚える。もっと直に、もっと深く触れたいと思う気持ちが突き上げてくるようだった。  
彼女の、ニーナの中に。  
せわしない呼吸を繰り返すニーナの唇を塞ぎ、舌を絡める。  
そこから顎に唇をずらし、首筋に滑る。ニーナの手が上がり、裸の胸をわずかに押したが気にせず、そこを強く吸った。  
「ひゃぅっ…!」  
小さく声を上げさせるとリュウの口元にわずかな笑みが浮かんだ。  
熱い手のひらがじっくりと愛撫されて感じやすくなっている胸をまたまさぐり、わき腹を通って腰を撫でる。  
「…ふ…ぅ……ぅう…ん………」  
ニーナは震えながら吐息のような細い声を出した。潤んだ目が敏感な所を触れられる度に閉じられる。  
その後を追うようにリュウの唇が熱い皮膚を辿った。  
胸から腹へ、そこから体の中心線を通る。指が臍の脇を過ぎ、下腹部から柔らかい茂みに。  
そこの感触を楽しんだ後、リュウは体を起こしてニーナの細い足に手をかけた。  
左右に押すと、ちゅぷ、と言う水音をさせてそこは開かれた。  
たっぷりと水気を含んだその場所は空に来て初めて見た「花」を連想させた。  
「ニーナ…すごいよ、ここ…綺麗だ。それに、こんなに濡れて…」  
腿にまで伝っているそれを手のひらでのばすように撫でる。リュウにそこを見つめられて、ニーナは恥ずかしいのだろう、手で顔を覆っている。  

だが顔を赤くさせているニーナに、リュウは熱のこもった声で優しく問いかけた。  
「さっきの…気持ち良かった?胸とか…触ったり、キス、されたり…」  
問われてニーナはもじもじと視線を彷徨わせて居たが、目を閉じてこくりとうなずいた。  
「…よかった」  
その様子にリュウは破顔する。  
リュウが与える、けして巧みとは言えない愛撫にニーナが快感を覚えてくれている事が嬉しく、身内の熱が更に高まり愛おしさが募るようだった。  
じっと見られて腿の内側、脚の付け根辺りを撫でられているとそれだけでニーナの開きかけの花びらは蜜を滴らせる。  
ニーナ自身もそこに触れることなど滅多に無いだろう。人目に曝されるなどは言うに及ばずだった。  
だがそれはリュウも同じで、初めて目にするそこの繊細さにどう接すればいいのか少し迷ったが、まずは触れてみる事だと思い到る。  
「触るよ…」  
「…!あっ……」  
言うのと同時に太股を撫でていた手がそこに触れる。  
反射的に脚を閉じようとしたが膝の間にリュウの体が入り込んでいるためそれは叶わなかった。  
まずは指でそっとなぞる。  
水気に滑りの良くなっている秘唇を挟むようにすると、ニーナが背筋を震わせ、快い事をその表情が伝えてきた。  
その反応に安心して、更にちゅぷちゅぷと音をさせてそこを擦る。新たに流れ出した水にリュウの手が濡れた。  
「ぁ……ああ……」  
リュウの指の感触にニーナの背中がむずむずと動き、腰を引こうとするのを許さずしっかり片腕で捕まえて固定する。  
柔らかい茂みの中の肉粒に指先が引っ掛かると、ニーナの体が波打った。  
「やあぁっ!?やぅ…っ!」  
唐突な反応の変化にリュウは驚いたが、その場所が最も敏感な部分だと分かる。  
「ここ…?ここが、感じるんだね…?」  
指でその突起を押しつぶすようにしたり、引っ掻くようにすると大きすぎる刺激にニーナの身体がびくん、と跳ねて手足を突っ張らせた。  
「ああぁっ…!!やっあ、あ、あ…!」  
与えられる感覚にニーナは怖れ、混乱してただ声を上げるしかなかった。  
熱に浮かされたように見つめて来るニーナの目が行為の中断を訴えていたが、その様子にリュウの興奮はさらに高まっていく。  

「ニーナ…!」  
両膝を折り曲げさせてたっぷりと濡れた場所を上向かせると、そこにリュウの顔が伏せられた。  
ニーナが気付いて止める間も無く、リュウの唇がそこに落とされる。  
突起を押し包むように舌を当て、ぴちゃぴちゃと音を立てて硬くなったその部分を舐め回すと、ニーナの身体が揺れた。  
「やー!…ぁあ…あ…やぁ…っん、んー…!やん…!」  
リュウの頭をどかそうと手が動いたが、そこに弱々しく添えられただけだった。  
恥ずかしさと未知の感覚にニーナは身悶え、止めどもなく声を上げた。膝がそれでもなお閉じようとして動く。  
リュウは、ニーナの細い指の感触と高く掠れる声に追い詰められる様な気がした。  
昂ぶった分身が、解放されるのを望んではち切れんばかりになっているのを、痛い程に感じる。  
舌の動きは休めずに、二枚の襞の間、とろとろに融けたそこに濡れた指をそっと潜らせた。  
「ああっ!!」  
体の中に何かが入り込む感触と痛みに驚いてニーナが声を上げる。  
入れた途端、そこはリュウの指を締めつけて来た。  
ゆるく動かしたり、中で指を軽く曲げたりすると引きつったような声が上がる。  
「ひっ、ひぅっ…あ、あぁ……!」  
思ったよりもずっときつく、狭い。  
リュウは愛液と唾液でべとべとになった口元をぬぐい、体を起すと痛みを覚える程に張りつめた自身を確かめるように触れた。  
この場所に、限界まで高まった自分が入るのかとリュウは不安になったが、同じくらい期待が高まるのを感じてもいた。  
もうこれ以上は待てそうも無い。  
そこから指を抜くと、ニーナの体が安心して緊張を解く。  
が、次にあてがわれたものの熱さに、すぐまたリュウの顔を見た。  
「ニーナ…もう、我慢出来ない…ニーナが欲しい…」  
普段は穏やかなリュウの顔は欲望と苦悶と、抑えきれない獰猛さが滲み出ているようだった。  
それでいて、声には哀願するような悲痛さがあった。  
「…いい?」  
有無を言わせない声音と存在感でそれでも問う。  
ニーナは怯えて震え、竦んではいたが目を閉じて口を引き結び、こくりとうなずく。  
リュウは頭の隅でぼんやりと、ニーナがどのくらいこの行為の意味を理解しているのだろうか、と思った。  

多分訳も分からず流されて、翻弄されてここまで来てしまったのに違いない。  
胸の奥で罪悪感が疼いた。  
だが、火のついた体はそれでも止まらず、先を求めて突き進もうとしていた。  
口内に溜まった唾液を飲み下すごくり、と言う音がやけに大きく感じる。  
曲げられたニーナの両膝を抱え上げてから、ゆっくりと自身を入り込ませていく。  
「うぁっ、ああああっ…!!」  
先端を入れただけでニーナの体が大きく揺れ、口から痛みを訴える叫び声が上がった。  
「あっ、ぅく、う、うう…!」  
さらに進ませると、体が裂かれるような痛みと衝撃に目は見開かれ涙が次々と流れ落ちた。  
無意識に伸ばされた両腕がリュウの胸を押しのけようとして動く。  
「ニーナ、ちからを抜いて…っぁ…」  
進入した僅かな部分をきつく締めつけられてリュウが言葉を詰まらせた。  
歯を噛みしめて息を詰めるニーナの、苦痛を堪える様に胸が痛んだ。  
すっかり硬くなったその場所はそれでも濡れて熱く、その先に進みたいと言う欲求が突き上げて来る。  
(だめだ…!)  
ニーナの中から身を引くと、それまで堰き止められていたものが弾けた。  
「うあっ……っく」  
「はぅ…あ…!」  
何かが脳天を突き抜ける感じがして腰に震えが走る。  
その瞬間ニーナの腹の上に白い飛沫が落ちて、その熱さに声が上がった。  
ニーナの上に飛び散ったそれは、胸にまで及んでいて、荒い呼吸の動きに合わせて汗と共に流れ落ちた。  
紅く上気した顔は、苦痛による涙と汗でびしょ濡れになり、しゃくり上げる声が聞こえて来る。  
リュウは乱れた呼吸で彼女の上を汚した白濁と、心が痛むようなその様子を見遣る。  
体を支配していた凶暴な衝動は去って、後悔が押し寄せてきた。  
(もういい、これで終わりにしよう…ニーナは充分応えてくれた…)  
ニーナを抱き締めて汗で額に貼り付いた髪をとき、そこにキスをする。  
「ごめん、ニーナ…恐かっただろう?痛かったよね…?」  
腕の中でニーナがリュウの顔を見た。不思議そうな顔で目が瞬きを繰り返す。  
「もうしないよ、きみが恐がるような事は」  
リュウはニーナと視線を合わせ、不安がらせないように笑って見せた。  
u 
安心させようとしたその笑顔を見るとニーナは眉を曇らせて小さく首を振った。  
目には涙が浮かんで、細い腕が上がり、リュウの首にしがみつく。  
「ニーナ?!どうしたの?…痛むの?」  
「うぅ…!うー…ぁ、あぅ…!」  
彼女を気遣ってかけられた言葉にもふるふると首を振り、言葉を紡ぐ事の出来ない口が、焦れたように声を出す。  
ニーナは、彼女の真意を測りかねて戸惑うリュウの顔に、何かを決意したような表情を見せた。  
次の瞬間リュウの唇にニーナの柔らかいそれが押し付けられた。  
触れ合わせた口を僅かに開き、驚き固まっているリュウの下唇を舐める。それだけの事で、背筋に電流が走った。  
「…ニーナ!何を…だめだ…!」  
首に回っていた腕が片方外されて、おずおずとリュウの裸の胸を過ぎ、腹筋を撫でさらに下に伸びていた。  
リュウが止めるよりも早くその場所にニーナの細い指が触れる。  
ニーナの指は、少し触れてリュウ自身の存在感に怯んで引っ込められ、もう一度、先程よりもしっかりと触ろうとしてくる。  
「あぁ…」  
しがみつかれた耳元でニーナの漏らす溜息が聞こえる。  
リュウは背筋を走る震えが腰に響くのを感じた。  
こくん、と喉が鳴って、指が撫で擦るように動き始めた。  
ニーナがそこをどうすれば良いのか知っているとは思えなかった。  
自分にされた事を思い出しているのか、それとも行き当たりばったりにしているのか。  
そんな埒もない事を考えていたリュウの思考は中断させられた。  
達した後のリュウは幾分か敏感になっているらしく、おっかなびっくりのたどたどしい指先にまで反応していた。  
「だめだ、やめるんだニーナ…!」  
こうなるとリュウにもニーナの言いたいことが分かった。  
彼女が行為の続行を望んでいるのだと言うことが。  
体を引きはなそうにもしがみつく腕は強く、与えられる刺激には抗い難いものがあった。  
もとより満足していなかった分身はすぐに勢いを取り戻していた。  
いつの間にか二人とも呼吸を乱して互いをきつく抱き合っている。  

どちらともなく顔を向けあう。  
リュウは涙で濡れたニーナの顔の、その瞳を見つめた。  
そして、錯覚ではなく自分はニーナに受け入れられているのだと言う事を理解した。  
ニーナはリュウを拒まない。  
行為の意味は理解していなくとも、リュウが欲すれば全てを差し出すだろう。  
多分、リュウから与えられるものが愛情であろうと苦痛だろうと、死であろうと受け入れるだろう。  
リュウは胸の奥から、涙が出てくるような悲しさを含んだ愛しさがこみあげてくるのを感じた。  
互いに顔を寄せ、啄ばむように口付け、すぐに深く重ね合った。  
最初の激情が信じられない程の穏やかさだったが、リュウの身内の熱は同じくらいかそれ以上に高まっていた。  
「ふ…ふン……ぅ」  
鼻にかかったニーナの声が漏れる。  
ニーナの唇を貪りながら、リュウの指が秘所に伸ばされる。  
そこはまだ充分熱く、口付けの合間にも新たな淫水が流れ出してきた。  
たっぷり舌と唇を味わった後、細い糸を引いて唇が離れた。荒い息をついてはいたが、二人とも表情は穏やかだった。  
「しっかりつかまっていて」  
ニーナの腕を自分の頚にかけさせる。脚を抱え上げて瞳を覗き込んだ。  
「痛かったら…苦しかったら、おれを殴っても噛みついてもいいよ」  
合わせた肌からニーナの背筋が震えるのが伝わる。  
静かなリュウの気配の中にさっきの獰猛さを感じたからだった。  
「今度は、途中でやめたりしないから…」  
微かにちゅく、と言う音がして先端が入り込む。  
じっとリュウを見つめていた目が閉じられて回された腕に力が込められた。  
「……っあ………!」  
「…ニーナ、ゆっくり息して…吸って、吐いて…出来るね?」  
圧迫感にリュウの声が低く掠れる。  
身体を硬く強ばらせながらもニーナは頷き、懸命に呼吸をしようとしていた。  
「…は、はっ…っあ、あうっ…あ、ああ、あ、ふぅ…っ!」  
身内を押し開く太さと硬さに耐えきれず声が上がる。  

背中に腕を回してさすり、いたわりながら、ニーナが息を吐くのに合わせて少しずつ進んでいった。  
ぬるぬるとした感触と熱さときつさに、意識や神経が根こそぎ刈り取られそうになるのを奥歯を噛みしめながら耐えた。  
「あっ、あああっ!いあぅっ…!!」  
ぐっと身を進ませ抵抗する場所を抜けると、ニーナがひと際大きな声を上げしがみついてきた。  
目じりから涙が流れて落ちる。  
細い指先に付いた小さな爪が背中に食い込んで僅かな痛みを感じさせたが、さほど気にならなかった。  
ようやく全てを収めると、背中をゆっくりと撫でながらニーナが落ち着くのを待った。  
「ニーナ…動いても、いい?…」  
「…う…んん…」  
小さく頷くの認めてからゆるゆると動き出す。  
「うあっ…!ああぁう…うーっ…!!」  
細心の注意を払って慎重にやったはずだったが、狭い内部はそれでも過敏に反応した。  
痛みを訴える声音に胸が痛んだが、今更止めることは出来なかった。  
せめて少しでも苦痛を和らげようと思い、抱き寄せた手で背中をさすり、強ばる身体を撫でる。  
「あっ…くぅぅ、ん…んん…」  
浅い動きを繰り返すうちに、ニーナの硬くなっていたそこが解れて行くのが分かった。  
内部の抵抗が薄れて抽送が容易になってきているのを感じ、リュウの動きが少し大きくなる。  
「ひゃぁっ…んんっ!うぁ…あ…!」  
とたんに声が上がるが、痛みによる悲鳴だけでは無くなっていた。  
くちゅくちゅと音がしてそこがさらに濡れている事を知らせる。  
ぎりぎり限界だったリュウは、その声と反応に自分を抑えられなくなってくる。  
「あうっ…あ、ああ…!!」  
痛みに混じる快楽にニーナは戸惑い、必死になってリュウと視線をあわせようとした。  
だがそれは、徐々に激しさを増していく動きに邪魔をされ叶わなかった。  
「ニーナ…ニーナ…!!」  
背中をさすっていた手が胸にまさぐり始めると、ニーナの身体がさらに跳ねた。  
「あ、ああぁっん…やぁ…あ」  

激しい出入りを繰り返されるそこはぐちゅぐちゅと音を立てて、彼女が感じているものを知らせていた。  
ニーナは自分の中で更に硬く大きくなったリュウに敏感な所を擦られて、ただ声を上げ続けた。  
「ああ、ニーナ…気持ちいい?…いいの?」  
リュウは夢中で腰を打ち付けながら問い掛けた。  
自分にニーナを悦ばせる事が出来るどと思えなかっただけに、喜びは大きかった。  
ニーナはすでに何も分からなくなっているのだろうが、リュウの問い掛けに、何度も何度も健気に頷いた。  
「おれも、いいよっ…っあ」  
そろそろ限界が近かった。  
早く解放したい気持ちと、このままいつまでもニーナの中に居たい気持ちとがせめぎ合う。  
ニーナももう限界が近いようで、リュウを受け入れたそこがひくひくと痙攣していた。  
身体の求めに勝てず、更に動きを激しくする。  
ニーナの口が動いて何か言葉を紡ごうとしていた。  
「……ュゥ………!リ…ウ………!」  
切れ切れの音から、それが自分の名前だと気付いた。  
「ニーナ…!……呼んで、もっと…おれの名前を、もっと…!」  
「リュ……あ、ああああぁっ…!!」  
ひと際大きな声がを上げて、ニーナが昇り詰めた。  
胎内がきつく収縮し、リュウはその締めつけに自らを解放した。  
「あ、んああ…」  
体の奥に熱い迸りを受け止めて、ニーナが溜息のような声を出す。  
力の抜けた体がニーナの上に崩れ落ちた。  
ニーナの鼓動と、耳の奥にざぁざぁと言う音が聞こえる。  
(そうだ、雨だ。)  
外は雨が降っていたのだと言うことをその時思い出したが、暫くしてそれはリュウ自身の早い血潮の音なのだと気がついた。  

激しかった雨は、いつのまにか上がっていた。  

空はもう太陽が傾き、赤く染まっていた。  
雨も雷も何も無かったかのような静かさだった。  
リュウはぼんやりと天井の隙間から覗く空を見ていた。  
傍らの毛布にはニーナが安らかな寝息を立てている。  
かなり無理をさせたが、怪我をしていたりする訳ではなさそうだった。  
リュウは彼女の中から身を引いたとき、愛液と白濁に混じって鮮血が流れ出たのを見て体中から血が下がった。  
見ればニーナの腿にも自分の下腹にも薄くなって乾いた血が付いている。  
最中にはとにかく夢中で、まったく気付かなかったのだ。  
ぐらぐらと揺れる頭でどこか傷が付いたのかと考えたが、女の子は初めての時、血が出ると聞いたのを思い出した。  
そしてそれは最初だけで、あとはもう何ともないのだとも。  
(これから、どうなるのか…)  
取りあえずニーナには良く言い聞かせて置かなくてはいけないな、と考える。  
(リンには内緒だよ、って言っても…分かってくれるかな?…)  
今度の事がリンに知られた時の事を考えると、何やら背筋が寒くなる気がした。彼女はニーナを、とても可愛がっているから。  
ぶん殴られるか、延々説教されるか…それ以上か…。  
今度の事は当分、二人だけの秘密だ。  
くしゃくしゃに寝乱れた髪を梳かしてやりながら、事の前にニーナが差し出した果実を手に取る。  
彼女が落としたものを拾い集めておいたのだ。  
赤い実をじっと見ながら、自分はこの少女の幸福の為に何が出来るかと考えた。  
自分に出来ることはあまりに少ないような気がした。  
だが、出来ることからしていこうと、リュウは思った。  
時間はたっぷりとある。  

取りあえずは、夢の中でリュウを捜しているらしいニーナのその傍らに身を横たえて、頭を抱き寄せる事にした。  
そして同じように眠りに落ちて行った。  

      <終わり>  

 
 

「…あんたはもっと、常識のある奴だと思ってたけど…」  
突き刺さりそうな、冷たい音がしそうなリンの視線が痛い。リュウとニーナの事が露見したのだ。  
ニーナの上にうっかり残してしまった首筋と胸元のキスマークから。  
問い詰めるリンの口調は柔らかかったが、嘘や誤魔化しを許さない迫力があった。  
リュウは、背中の真ん中を汗が一筋二筋と流れて行くのを感じた。  
「あんた達は、いつかそのうちそうなるだろうと思ってはいたけど…早すぎなんじゃ無いのかい?」  
盛大に溜息をつく。小さくなってるリュウをじろりと見遣って  
「それで…ちゃんと外で出したんだろうね?」  
問いただしてくる。何を、と聞く程にはリュウは馬鹿では無かった。  
きりきりとリンの目じりが上がって眉間の皺が深くなる。  
恐い。本当の事を言うのが恐い。体中に嫌な汗をかいているのが分かる。  
だが、リュウの性格上そこで誤魔化そうなどと言う考えは起こらなかった。  
「………中で、出しました」  
馬鹿正直に答えた次の瞬間、目の中に火花が散った。  
「このっ、大馬鹿者ーーーーーー!!!」  
強烈なスマッシュをテンプルに喰らってリュウは昏倒した。  
意識を取り戻した後リュウは正座させられて、「常識と避妊と責任」について延々と説教されたのは言う迄も無い。  

明るい太陽の下でニーナが笑う声が聞こえてきた。  

<おわり>  

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