新王として即位の式を終えて、僕はこれから住むことになる自室へと案内された。  
隣には妻のレミリアが控え共に中に入る。僕は椅子に腰を下ろしぐったりとしてしまう。  
「正直、まだ実感がわかない……」  
「王に成られた事ですか?」  
僕の呟きにレミリアが尋ねてくる。騎士になってから四年。その間に、僕の名声は同僚  
達の中では比べ物にならないほどに飛びぬけた物になっていた。そしてフォレン国王に  
は息子がいなかったので、自然と家来の中の優れた者に娘を嫁がせて跡継ぎとすること  
になった。そこで、僕にお声が掛かった。レミリア姫への憧れもあったし個人的な付き  
合いも深かった。そして男としての野心……。断る理由がなかった。  
「これから、ゆっくり慣れていけばいいんですよ」  
「そうですね……姫様」  
「もう……夫婦なんですから、そんな呼び方は止めてください。カーライル……」  
「ああ……レミリア……」  
今はぎこちないが、呼び捨てにも慣れるのだろうか?  
ふと、これからのことを考える。レミリアとの初夜……。その言葉を頭に浮かべただけ  
で手足が震えた。今まで十指に余る女の子を抱いてきているのに、何故こんなに緊張す  
るのだろうか?  
緊張はレミリアの方も同じで、触れた手が震えている。彼女の場合は、初体験に対する  
期待と恐怖だろう。  
それにしても、暑い。体中から汗が吹き出るのを感じる。  
「一緒に、お風呂に入ろうか?」  
「えっ? お風呂……ですか……はい、ご一緒します……」  
僕の提案に、レミリアは頬を赤らめ顔を伏せてから、答えた。  
 
手を繋いで脱衣所に入る。  
「恥ずかしいので……向こうを向いていて」  
レミリアにそう言われたので、僕ら背中合わせに服を脱ぎ始めた。姿は見えないが、衣  
擦れの音が否が応にも興奮を高める。つい、後ろを見てしまう。背中とはいえ、レミリ  
アの美しい体が視界に飛び込み、僕は服を脱ぐのも忘れたちつくしてしまう。服を脱ぎ  
ながら、レミリアのお尻が軽く揺れる。うう……立っちゃいそう……。  
その後、半立ち状態の物に苦労しながら僕は全裸になった。  
「私の方も……終わりました」  
レミリアがそう言うので、やっと僕らは振り返りお互いの体を見合った。  
栗色のふわりとした髪、程よく膨らんだ乳房、均整の取れた体のライン。  
「綺麗だ……綺麗だよレミリア……」  
「貴方の体、逞しい……。やっぱり騎士なのですね」  
「もう、元だよ」  
「あら……ごめんなさい」  
レミリアは謝るが、軽口だと分かっていたのでその後お互いくすくすと笑いあった。  
そして、また二人で手を繋ぎ浴室へ移動する。  
浴室では、まずその大きさに圧倒された。ちょっとした庭程度の大きさはあるかもしれ  
ない。兵舎の個室に備えてある風呂など比較にもならない。  
「二人で入るには、広すぎるねぇ……」  
僕が、冷や汗交じりに言うがレミリアは  
「そうですか? 普通ですよ」  
と、行った。つくづく育ちの違いを感じるな……。  
湯船から汲んだお湯を、レミリアにかける。  
「はあぁぁ……いい気持ち……」  
次はレミリアが僕にお湯をかける。  
「ふぃ〜……疲れが溶けて落ちていくようだ……」  
手で石鹸をあわ立て、そのまま手でレミリアの体を洗い始める。  
「あはぁん……貴方……ちゃんと全身を洗ってください」  
その声も聞かず、僕は胸や秘所など、レミリアの弱そうな部分を重点的に洗った。  
 
「はぁぁん……あぁぁぁ……もう、そんなことばかりするなら……」  
喘ぎに体を震わせながらもレミリアは石鹸を手に持ち泡立てる。それが終わると突如レ  
ミリアは、僕の物を握り上下に手洗いを始めた。  
「……こうです!! どうです貴方、綺麗にされる気持ちは?」  
「はうっ! おおお……レミリア、ちょ……やめっ!」  
僕は手を止め、一方的にレミリアに洗われた。楽しんでやってるんだろうけど、僕の弱  
い所を、絶え間なくレミリアの指が刺激する。お姫様が何でこんなに巧いんだ? 天与  
の才か、それとも王族ならではの性教育でも存在するのだろうか?  
考え事の最中もレミリアの手の動きは止まらない。  
「どうしたんです貴方? さっきから苦しそうに呻いてますよ」  
レミリアは軽く笑みを浮かべながら聞いてくる。この顔は分かってる顔だよ。  
「苦しくなんて……ないさ。気持ちいい、レミリアの手気持ちいいんだ、このままイか  
 せてくれっ!!」  
僕の求めにレミリアの攻めはどんどん早くなる。よく見ると彼女は空いている手で自分  
の秘所をいじくって、くちゃくちゃと音を立てている。  
「レミリアもイきたいの? だったら、僕に体を寄せて」  
そして僕も彼女の秘所に指を這わせて、こうしてお互いを攻めあう格好になった。  
「あぁん! ……いやぁっ! はぁぁっ……もう何も、考えられないっ!」  
「くぅ……ふぅっ、レミリア。君は僕のことだけ考えていれば……いいさっ!」  
広い浴室にじゅくじゅく、じゅぽじゅぽ、じゅるじゅる、と肉と汁の擦れある音が響く。  
「くあぁっ!! レミリアっ、イくぞ!!」  
「は、はいっ! 私も……あ、貴方ぁぁーっ!!」  
びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるーっ!!  
お互いの液がお互いの体を濡らしていく。とくにレミリアの方は僕の精液があちこち飛  
び散って、白い斑点のようだ。  
「はぁはぁ……気持ち……よかった。でもまだ……本当のえっちは……」  
「うん……まだだよ……。でもそれは、ちょっと休んでからね。はぁはぁ……」  
 
僕らはようやく湯船に身を浸す。これは先ほどの情事とは、また違う気持ちよさだ。  
疲れも取れて、僕は段々元気を取り戻す。これなら本番も頑張れるぞ!  
ふと気になってレミリアの方を見る。彼女は目を瞑ったままで軽く微笑んでいる。その  
顔は赤い。湯の熱さか、それともこれからの事を考えてか。  
このまま彼女に抱き着きたい衝動を抑え僕は聞いた。  
「体、もう温まった?」  
「え? ええ……十分です」  
「それじゃあ、揚がろうか」  
僕は先に立ち上がってから、レミリアと手を繋いで彼女の腕を引いて立たせた。  
その後、脱衣所に向かって体に残った湯を拭き取る。それが終わると僕は文字通り、レ  
ミリアをお姫様抱っこした。  
「きゃあ……」  
レミリアは短く悲鳴を上げたが、それからは黙って僕に身を委ねた。  
「では、姫様。寝台までお運びいたしますよ」  
足を滑らせないよう、注意を払いながら歩く。歩を進める度、振動がレミリアにも伝わ  
って彼女の胸がぷるぷる揺れる。激しい揺れの際は僕の体に触れて、形を歪める。  
レミリアを、二人が寝ることになるベッドに下ろす。王の寝台。随分と遠い所に来たな、  
とそんな事を思う。  
「どうしました? 貴方……」  
僕が黙ったままなので、レミリアが聞いてきた。心配になったのだろう。  
「考えこんでしまった……僕にやっていけるのか……ってね」  
つい、弱気な口をきいてしまう。そんな僕をレミリアは抱き寄せ彼女の胸に僕は顔を埋  
める格好になる。  
「出来ますよ……貴方なら……私も王妃として精一杯尽くします」  
根拠は無いのに、その声を聞くと自身が沸く。  
「ありがとう。僕を支えてくれ、レミリア……」  
今は、彼女を愛することだけ考えよう。  
「キスしよう」  
「今日、二度目になりますね」  
一度目は婚礼の際の誓いのキス。今度は、  
「人前で出来ないキスだよ……」  
 
そういって僕はレミリアに大人のキスをする。互いの舌を絡む。レミリアは動じた様子  
もなく、それを受け入れる。  
「あ……はぁん! ちゅっ……ちゅぱ……はぁぁっ」  
僕は手を伸ばし、レミリアの秘所に触れる。ちゅくちゅく、と音が立つ。  
「はぁぁっ! ……貴方……私っ! もう……早くくださいぃっ!!」  
レミリアが瞳を潤ませ僕に訴えてきた。  
「うん、分かったよ。愛し合おう……そして国を栄えさせよう……」  
レミリアの足を掴み固定させてから、僕は自分の物を彼女の秘所にあてがう。レミリア  
はびくんと、身を震わせた。  
「入れるよ」  
と一声発して、僕は中へと進んだ。  
「くぅあっ! ……つぅぅ!!」  
レミリアの悲鳴が耳を打つ。彼女の中はきつい。当然初めてなのだろう。処女であった  
ことを示す破瓜の血が二人の繋がっている所を赤く染め、痛々しい。  
「レミリア……苦しいかい?」  
「はい……でも、貴方に抱かれているから……だからいいんです……」  
 
僕の問いにもレミリアは健気に答える。その言葉が心に痛む。でも、彼女の気持ちを考  
えればここで止めることも出来ない。  
レミリアの気を紛らわせようと、大人のキスや胸への愛撫などを繰り返す。次第にレミ  
リアの苦痛もやわらいだようで、中の絞まりが緩まる。挿入を再開する。  
「あっ! はぁっ!! あっあぁっ! 貴方、貴方っ!!」  
「くうっ……はぁ。レミリア……。好きだ……レミリアっ!」  
余裕が出来てきたのか、レミリアは自分から腰を振り出す。僕も、それにあわせるよう  
に腰を振る。ぱん、ぱん、と肉のぶつかり合う音が響く。  
そろそろ限界が近い。  
「レミリア、中に出すよ。いいね!?」  
「は、はい……貴方。どうぞ出して……そして私達の子供を……」  
僕はまだ見ぬ子を想いながら、レミリアの奥深くに自分の物を打ちつけて果てた。  
「おおっ! イくぞ、レミリアーっ!!」  
「お腹が熱い……あ、貴方ーっ……カーライルぅ……」  
絶頂に達した後、二人は気を失ったようにぐったりと、ベッドに横たわった。  
目が覚めて、僕はレミリアを抱き寄せる。  
「お前も……国も……守って見せるよ」  
「はい……嬉しい……」  
突然の重責に押しつぶされそうな気持ちになったが、レミリアとなら……愛する妻とな  
ら越えていける。今ははっきりとそう思えた。  
 
完  
 

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