郵便配達ご苦労さんと、毛むくじゃらの生物に声をかけてから、受け取った封筒を見る。  
差出人は、ヒルダ=ライオール。  
文面は、誕生日のお祝いをするので来るようにとの事。  
その場で返信をしたためる。もちろん出席の旨を記したものだ。  
「はい、これ返信。しっかり届けろよ」  
と、毛むくじゃらに手紙を渡す。  
毛むくじゃらは「ミュウ、ミュウ」言いながら窓から飛び出し、去っていく。  
今度から、窓際に郵便受けでも付けとくかと、思いながその後ろ姿を見送った。  
 
足取り軽くライオール邸へ向かう。女の子からのお誘いに、浮かれないわけがない。  
受付を済ませて、会場へ入る。  
人が多い。国中のえらいさん方ばかりで、僕のような下っ端ははっきり言って浮いている。  
そんなわけで、端の方をじりじり進んでヒルダさんに近づいた。  
見るとヒルダさんは、なんだかつまらなそうな顔をしている。  
きちっと背筋を伸ばして椅子にすわり、胸を張っている。  
胸と言えば、ついその立派はおっぱいに目が行ってしまう。  
大きい。国中で一ニを争うほどと思う。これより立派な物を僕は他に知らない。  
「このたびは、誠におめでとうございます」  
と、大げさに祝辞を述べた。  
「あら貴方は……。来てらっしゃったのね」  
少し、表情が緩んだんで頬が朱になる。  
僕が来ているのに気づいたからかな? だとしたら嬉しい。  
「他の招待客とは、話さないんですか?」  
と、僕が質問をする。  
「ああいう方々は、私のお祝いに来ているのではありませんから……」  
「それってつまり」  
「そう、我が家に取り入ろうという魂胆」  
そう言われると、この場にいる人たちが出世欲に駆られた謀者の集団に思えてくる。  
なら僕はどう思われているのだろう。  
 
「一杯……いかが」  
とヒルダさんは飲み物の入った瓶を傾ける。僕はグラスを取って、液体を受ける。  
その時、間を詰めたヒルダさんが僕に顔を近づけ、  
「お開きになっても……しばらくお残りになって」  
と、囁いた。  
僕はグラスをあおり一気に飲み干した後、招待客の群れに戻っていった。  
 
言われた通り、居残りをしている。一人ぽつんとホールに立っていると、えらく寂しい。  
「お待たせしましたわ。さぁ、着いていらっしゃい」  
現れるなりヒルダさんはそう言う。  
「どちら?」  
「私の部屋へ」  
随分と奥まったところへやってきた。  
ヒルダさん曰く、ヴァイオリンを弾くので音が響かぬよう他の部屋と離れているのだとか。  
「こちらですわ。さあ、お入りになって」  
と、室内に招かれる。  
見ると、小さな円卓に飲み物の瓶がニ本。それに軽い食べ物が数皿あった。椅子は二つ。  
「改めて誕生日のお祝いをしたくて……貴方と二人で」  
そう言ってヒルダさんは椅子に座りながら瓶の栓を抜く。  
向かい合うように僕も椅子に座る。お互いのグラスに液体をそそぎ、乾杯――。  
「それでは改めまして、おめでとうヒルダさん」  
僕、先ほどよりはくだけた言い方で祝った。  
「嬉しいわ、カーライルさん」  
ヒルダさんもやわらかい言い方で僕に返事をする。  
歳が同じなのに、どうも対等な物言いということが今まで出来ずにいた。  
せめてこの席の間だけは普通の友達のように接したい。  
その後、二人はたらふく飲んで、食った。世間のしがらみを忘れるように。  
 
「うーんうーん」  
はっ! 急に目が開き体が短く震える。まぶたが重い。  
「む……むぅん……うるさい、ですわねぇ……」  
と、言いつつ身を起こすヒルダさん。どうやら二人して寝ていたようだ。  
軽く、水を飲む。意識がはっきりとしてくる。  
「ところで、カーライルさん。貴方、今日贈り物は持ってらしたの?」  
「えっ! そ、それは」  
持ってこなかった。とは言えずにあたふたしているとヒルダさんは、  
「私、これから汗を流しますので、上がってくるまでに渡す準備をなさっておいてくださいませ」  
と、言って浴室へと消えていった。  
「それって……まさかな……」  
落ち着こうと思うのだが、浴室から響く湯の音を聞くと、いやらしい事ばかり考えてしまう。  
「あのドアの向こうで、全裸のヒルダさんが……」  
そう口に出すことで僕の物が起き上がる。  
ゆっくりとズボンのジッパーを下ろして自らの物を取り出す。  
浴室にいる女の裸を想像しながら、僕は自分でしごき始めた。  
しゅっしゅっと、肉の擦れ合う音が部屋に響く。  
この先にはさらにいいことが待っていると思うと、自然としごく速度は速まる。  
「イきそうだ……紙は? ちり紙は?」  
部屋を見渡すがそれらしい物は見つらない。  
「仕方ない……これでっ!」  
僕は書きかけの楽譜を掴む。  
びゅっ……びゅるっ……びゅるるる〜〜!!  
筒状に折り曲げた楽譜に注ぐ。  
「ふぅ〜、間一髪。でも、後で怒られるかもな……」  
僕は、書きかけから使用済みとなった楽譜をゴミ箱に投げた。  
 
ヒルダさんはまだ上がってこない。  
「なら、贈り物はこっちから届けに行くか」  
あらかじめ全裸になってから脱衣所を通り、そして浴室へ。  
「なっ! か、カーライルさん、なんでっ!!」  
慌ててヒルダさんは胸と大事な部分を手で覆うが、その立派はおっぱいはどうにも隠しようがない。  
ぷるん、ぷるんと震えて存在を誇示する。  
「待ちくたびれて、こちらから届けにきました」  
「そ、そう……それは関心ですわね……」  
「これが僕からの、お誕生日プレゼントです」  
と、言ってキスをした。  
「ん……んんぅ〜っ……くちゅっ」  
ヒルダさんは目を閉じ、僕の舌を受け入れる。  
「はぅ……むちゅ……じゅるっ……んちゅ」  
僕の背中にヒルダさんの手が回る。強く抱きしめるので彼女のおっぱいが、ぷにぷにと形を変えて僕を興奮させる。  
そのおっぱいを掴み、一つ揉む。力を抜くと指に吸い付くように元の形に戻る。  
「あふん……!」  
と、ヒルダさんは一声喘ぐ。  
「どうです、ヒルダさん。気分は」  
「んっ! 何だか苦しいの……胸が……熱くなって」  
そういって、僕にもたれかかる。  
「じきに楽になれます。そのために、その胸で……」  
「私の胸をどうしますの?」  
「僕のこれをしごいて欲しいんです」  
僕はヒルダさんの手をとり、僕の物を触らせる。  
「っ!」  
ヒルダさんは驚いた顔をし、手を引っ込める。  
「だめ? でしょうか……」  
「い、いえ。やって差し上げますわ」  
ヒルダさんは気丈にそう言った。  
 
タイル張りの床に寝転がる。  
「うぅ…冷たい」  
「それで、どのようにすれば……」  
「じゃあ、僕の上に重なるようにうつ伏せに」  
「……」  
むにゅ、とヒルダさんのおっぱいが当たる。体重も加わり、はじけそうな程だ。  
「そ、そのまま、おっぱいを僕の股間の辺りまでずらして」  
「……」  
ずりゅりゅ〜。  
「で、そのおち○ちんをおっぱいで挟んで、上下にしごいてください」  
「わ、わかりましたわ……」  
ずりゅ、ずりゅ。  
今まで体験したことが無い、圧倒的な質量のおっぱいから発せられる刺激で、僕の物はどんどん膨張していく。  
「はぁ……んっ……これが……気持ちいいんですのね……」  
「は、はい。堪らなく……くぅっ……はぁ……はぁっ!」  
僕はヒルダさんに、パイズリ以外特に何も教えなかった。今は、この他に類のない刺激を堪能したかった。  
「くっ!! はぁ……あはっ……くぅっ。出るっ!!」  
ぶしゅ……びゅる〜っ!  
ヒルダさんの胸に挟まれ180°の角度になっていた僕の物から出た精液は、僕の胸の辺りに飛び散った。  
「な、なんだか……妙な気分」  
「まぁ、こんな汚して。ほら、私が洗ってあげますわ。」  
その後、二人で体の洗いっこをしてから湯船につかった。  
 
「それじゃ、湯船の縁を持って。そうお尻はこっちに」  
「う、後ろ向きで? 不安になりますわ……」  
湯につかったままで後ろからヒルダさんとすることにした。  
秘所はよく濡れている。もっとも彼女の愛液かお湯か、定かではないが。  
(でも入るだろう)と、思い僕は、自分の物を入れ始めた。  
ちゅぷり。水気たっぷりの音が浴室にこだまする。  
 
「いっ…ん!!」  
「痛くはない? ヒルダさん」  
「んっ……少しつらいですけど……我慢できないことは……」  
「それじゃ……奥へ行きますから」  
ずぶ……ずぶ……。  
僕の物がゆっくりヒルダさんの中へと入っていく。  
ヒルダさんの体が揺れるたび、おっぱいがお湯をかき、たぷん!たぷん! と、いやらしい音が鳴った。  
「ヒルダさんの体は、本当にえっちだなぁ」  
「バカ言ってないで、続けなさいっ……」  
「それじゃ……本格的に、行きますよ」  
腰を引いて突く。また引いて突く。  
それを繰り返すたび、たぷん!たぷん!と、音が鳴り、そのうち、たぷん!たぷん!と、聞こえれば  
女がいなくても腰を振るのではないかと思えてくる。  
こういうのを何と言うんだっけ? たしか、パブロフの……。  
いや、そんなことより今はこの感じを味わおう。  
ずちゅずちゅずちゅ。  
「あん……はぁっ……あん……あぁっ……な、なにかが、来る……はぁぁっ!!」  
「僕も、もうちょっとで……少し……待ってっ」  
じゅぼっ!!  
と、僕は自分の物を抜いてヒルダさんのお尻の割れ目にそれを挟み、しごいた。  
ぴゅるぴゅるぴゅるー。  
三回目ともなると精液の量は随分少ない。  
僕は、ヒルダさんの背中に飛び散ったわずかの精液を指で広げ、”愛している”と書いた。  
ヒルダさんが首をひねり、顔をこちらに向ける。  
声は無い。ただ、嬉しそうに微笑んだ。  
なんだかその顔を見ていると、僕は四回目をしたくなってきた。  
 
完  
 
 

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