僧侶のソフィア=ラディスを連れてアンディーヌ湖へやって来た。
普段は首都ファウトの水がめとして機能し、夏場はボート遊びや水遊びなど行楽地としても賑わう地である。
「……水が冷たくて、気持ちよさそうですね」
湖を一望して、ソフィアさんが呟く。
「そうですね、これだけ暑いと泳ぎたくなります。でも今日は……」
といって僕は手に持っているものを見せる。
「あら……それは?」
「釣竿ですよ……ソフィアさんは釣りをした事ってありますか?」
ソフィアさんは頭を横に振って、”したことない”の返事をした。
「それなら、どうでしょう……やってみませんか? 釣竿は二人分ありますから……どうぞ」
差し出した手にソフィアさんの手が触れる。……少しザラついてる。教会での奉仕で掃除をすることが多いからか?
「あの……騎士様?」
おおっと、手を握ったままでぼうっとしてしまった。
「そ、それじゃ、始めましょう!!」
だから照れくさくなって、いやに大声を出してしまった。
しばらく無言の時間が過ぎたがソフィアさんの方から話をしてきた。
「釣りって……こうやってのんびりしながら出来るんですね。なんだか私に向いています」
「ははは、それじゃあのんびり行きましょう」
「はい……」
二人はまた無言になった。何の変化もない釣り糸と水面を眺めているとなんだか、ぼうっとしてくる。
「ふぁぁぁ……」
「まぁ、大きなあくび」
言われてぎょっとした。恥ずかしいところを見られたな。
「あわわ……み、見てたんですか」
「……はい、しっかりと」
僕は黙りこくってしまう。別にどうということもないのだが。
「し、しかしぃ〜っ! 釣れませんねぇーっ!!」
また大声が出てしまう。すぐに声の調子を普段どおりに戻して、
「すみません……誘っておきながら、こんな調子で……」
と詫びた。
「いいえ……こうやっているだけでも、楽しいですよ」
「そ、そうですか……?」
「ええ……」
そこで、会話が止まる。竿を握ったまま目と目があったままの二人……
その長い長い三度目の沈黙は、湖からの音で唐突に破られた。
バシャンッ!
「あら……なんだか、急に竿が……重くなって……」
といいながらソフィアさんの竿は握られたまま水面に引っ張られる。
「それって、つまり……引いているんですよ!」
「えっ……」
僕の説明にも良く分からないという顔をする。
「魚が針に、かかったんですよ……竿を、引いて下さい」
「はっ、はい……」
グンッ……とソフィアさんの腕に力が篭る。だが、なんとも頼りない引きだ。
「いいですか……慌てずに、ゆっくり持ち上げて下さい」
「う、うーんっ……も、持ち上がりません」
「あらら……それじゃ、手伝います!」
堪らず僕はソフィアさんの背に回り包み込むように彼女の竿を握る。
「おおおっ……こいつは大きいぞ!」
さっきまでののんびりした空気はどこへやら。僕は俄然燃えてきた。
「あ、あの……」
腕の中のソフィアさんが言う……って腕の中? これって抱いてるような物じゃないか…!! と釣りの事など消し飛びそうになったが、
「お……くっ、引っ張られるっ!」
強い引きが来たので再び釣りに気持ちを向けた。気合一閃――
「そーれっ!」
と天を突かんばかりに竿を振り上げる。
「つ、釣れたぁ!! ……と、あわわわ」
勢いあまって僕はソフィアさんを抱いたような格好のまま倒れてしまった。
倒れたままで視線は糸を伝って先端へ動く。本来、針があるべきところには、
「けっこう、大物だな……やりましたね、ソフィアさん」
「いいえ……私一人では、釣り上げられませんでしたもの……手伝っていただけたから、釣れたんです」
喜びを露に言うソフィアさんだったが、やがて身をよじりながら言った。
「あの……そろそろ離していただけませんか?」
あっ、そうか、さっきからずっと抱きしめてるだっけ…でも僕は、
「……いえ、もっとこのままでいさせて貰えませんか!」
真顔で言い、強引に唇を奪ってしまう。
「あん……騎士様……むんん……ちゅぱっ」
ソフィアさんは抵抗しない。そのまま息が切れるまでキスをした。
湖に近い茂みにソフィアさんを横たえる。ふと、視線を回すと夕日が暮れようとしていた。
「ソフィアさん……あの、抱いていいですか?」
「……もう、ここまでしておいて……そんなこと言わないで下さい……」
服の上がから胸を愛撫する。薄着なためか、程よい弾力を持って答えてくれる。
「はあん……騎士様……私も騎士様を……」
と言って手を出して僕の体を触ってくる。そのままお互いにあちこち触りあった。
「くぅ……ソフィアさん……もっと激しく動かして……」
「あ……あのぉ……こうですか?」
「ああ! ……いいっ!!」
ソフィアさんは僕の物を握りしごいている。
りゅりゅりゅりゅっ!!
りゅりゅりゅりゅっ!!
「はうっ!! ……そう……もっと早く、くぅうっ!! おおお!!!」
ソフィアさんの手を動かす速度が上がるり、段々僕の頭の中が真っ白になっていくような気がした。
びゅびゅーっ!!
「ああ!? 騎士様の先っぽから真っ白い液体が沢山……っ!!」
僕の精液を浴びながらソフィアさんが言う。精液まみれになった彼女の服を脱がせる。それから僕自身も脱ぎ、二人は全裸となった。
「まあ……逞しいお体……!」
「ソフィアさんはまるで教会の聖母像の如くです」
「お上手ですね」
軽く冗談を言い合ったところで敷布に寝かせ、張り詰めた物をソフィアさんの中を目指して入れた。
「うっ! ……締まるっ」
「はう!! ……くぅっ……痛ぁ」
ソフィアさんをいたわり、ゆっくりのんびりと事を進める。全身満遍なく愛撫を施し痛みを散らせる。
それが効いたかじょじょに腰が動かしやすくなってきた。
「……少し激しくしますよ」
「はい、どうぞ……遠慮なさらず……」
僕の腰の撃ちつけを全身で受け止めるソフィアさん。体を丸め必死に耐えている。
「くぅ……うう……また出そうだ、ソフィアさん!? 出しますよ!!」
「えっ!? ……出す? 何を? あの白いのを……!?」
僕は寸前で物を抜き出し、ソフィアさんの顔をあたりに持ってくる。そこで、放った。
ぶしゃーっ!
「……おおお!!」
「はう……かぁ……けほっ!!」
今度は顔が精液だらけになってしまったソフィアさん。
「私の体中に、騎士さまの精液が……」
僕は自らのにおいにうんざりしつつもソフィアさんをぎゅっと抱きしめた。
その後、日が暮れて真っ暗になった湖で身を清めたころには、釣り上げた魚はもう生ぬるくなっていた。
「これじゃ、晩飯には使えないな……」
だから帰る道すがらで二人分の食事代がとんだのだった。
完