現実
ネリーブレンの中で涙を流す少年がいた。
「…何で…泣いてるんだ…オレ…?
姉さんがあんな事になって悲しいのか…?」
泣いている少年、ユウの姉である依衣子がオルファンと一体になってしまった。
…だから泣いてるのか?
わからなかった。
涙を手で拭うと、光が目に射し込み、雄大な自然と少女の笑顔が目に入った。
「…ヒメ?」
ユウはネリーブレンから降りた。
すると、ヒメと呼ばれた少女が彼の元に駆け寄る。
「元気ね?」
「ヒメこそ…怪我はないのか?」
「私は平気よ。それよりブレン達の方が心配よ!
随分エナジーを吸われたみたいだから」
ユウはブレンの方を見ると、足元の輝いた花の存在に気付いた。
「ここの花がこんなに輝いているのは、オルファンに反応しているからなのか?」
「きっとそうよ、だから、こんなに綺麗なものを作り出せるオルファンが何もかも奪ってしまうなんて嘘よ」
でも…そんな綺麗なものを作り出したオルファンが…家族を奪った。
優しかった頃の姉をも奪った。
今度は、姉の存在自体をも奪おうとしている。
だから、ユウはヒメの言った事を認めたくなかった。
「ヒメ…これは幻覚だ」
「ユウ…」
ヒメはユウの気持ちを何となく察していた。
でも、オルファンはヒメに家族の温もりを教えてくれた。
だから、ユウにはわかってほしかった。
今起こっている事は現実であること、
まだ諦めてはいけないこと…
「…これが?こんな風に感じ合えるのに?」
「ヒメ…んっ…」
ヒメの唇がユウの唇を奪っていた。
ヒメの温もり、ヒメの匂い、ヒメの柔らかさ…全てが伝わってきた。
「んっ…ちゅ…ふむ…れろ…」
「ヒ…ヒメ…ん…」
突然舌を口内にねじこんで来たヒメにユウが驚く。
しかし、すぐにユウもその行為を受け入れ、自分の舌をヒメの舌へと絡めていき、
その感触に、暖かさに酔った。
ヒメの頭を右手でしっかりとおさえ、左手で美しい髪を撫でていく。
ヒメもユウを抱き締めるようにして、ユウを求める。
「ユウ…ふぁ…ん…」
「ヒメ…はぁ…」
二人のキスは今も続いている。
だが、どちらからともなく唇と舌を離していった。
二人の唾液が混ざり合って、二人の唇を透明な糸が繋いでいた。
その糸が次第に薄くなって消えていくのを見たヒメが口を開いた。
「私は…イヤだよ?みんなと…ブレンと…ユウと逢えたコト…幻覚だなんて」
「…ヒメ。でも…うぁっ!?」
ユウのズボンがヒメによって下ろされていた。
「今はそんなことしてる場合じゃ…」
「ユウがそんな気持ちで行っても…オルファンやイイコさんは助けられないよ?」
ヒメがユウのパンツの上から細い指でユウの肉棒を擦りあげる。
「…くぁっ…」
次第にユウの肉棒が大きくなっていく。
それを見たヒメがユウのパンツをゆっくりと下ろしていく。
「…すごい」
「ヒメ…もう、わかったから…」
「ん…れろっ…ぴちゃっ…」
「…!?うぁっ…ああっ…」
肉棒に暖かい感触が伝わり、ユウの体が快楽でどさっと地面に沈んだ。
ヒメはそんなユウを見ながら少し恥ずかしそうに、
ユウの顔を見ながら舌を使ってユウの肉棒を愛撫していく。
唾液と先走り液が光に反射して眩しい。
「ん…ヒメの舌…暖かいな…」
ユウもそんなヒメを見ながらヒメの髪を撫でる。
「んふ…はむ…ちゅぷ…じゅる…ちゅる…」
ヒメの愛撫が舌を使うものから、唇で扱く動きに変わった。
ユウは、ヒメの可愛い唇に自分の肉棒が飲み込まれる様子を見ていた。
ヒメも顔を上下させてユウの肉棒を唇を締めて抜いていく。
その度に先走り液が舌に絡んでいった。
「ヒ…ヒメ、オレ…もう…離れ…」
「んっ…んむ…じゅぷっ…ちゅう…ちゅうう…!」
ユウは絶頂が近い事をヒメに知らせ、離れるように促す。
しかし、それを悟ったヒメは愛撫をさらに強めていく。
「ヒメ…!そんなにしたら…くっ…もう…出る…」
「んっ…!?…ん…ん…」
「くぁ…はぁっ…はぁっ…」
ヒメは唇をしっかり締めて、ユウの想いをすべて口内で受け止めていく。
そして、律動が終ったことを舌で確認する。
そしてそのまま、肉棒の奥に溜った残滓を吸い上げた。
「んっ…ちゅう…ごく…ごくん…」
「んっ…くっ…」
そして、ヒメが喉を動かしてユウの精液を全て飲み干していく。
「ユウ…やっぱりこれは…幻覚じゃないよ。
だって…ユウの想い…すごく熱かったもん…」
ヒメが笑顔でそう言ってユウの額に自分の額にコツンと当てた。
「…ヒメ。そうだな。これは…幻覚じゃない…ヒメだって…あんなに暖かかった。
それに…オレもヒメも逢えたコト…幻覚になんかしたくない…!」
「キャッ!」
突然ユウがヒメを押し倒した。
そして、ヒメのズボンを脱がし始めた。
そのままヒメの下着もブーツの足首辺りまで脱がしていく。
ヒメのピンク色の秘所が露になり、ユウが息を飲む。
「ん…スカートが邪魔だけど…ヒメ、キレイだ。すごく…」
「ユ…ユウ、恥ずかしいよ。そんなに…見ないで…」
ヒメが顔を赤くしてうつむく。
そんなヒメの様子が、ユウは愛しくて堪らなかった。
「ヒメ…なんか、すごく…かわいい」
「やっ…ん…ふぁ…」
ユウがヒメの秘所に指を這わせる。
ユウが指を曲げてその媚肉を擦る度にヒメが可愛らしい声で喘ぐ。
身をよじらせて涙目でユウを見つめるヒメの姿は、ユウにとって申し分ない興奮剤となった。
ユウの肉棒は再びはちきれんばかりに膨張していた。
「ヒメ…オレ、もう…だめだ…また…!もう挿れて…いいよな…?」
「…ウン」
ヒメの気持ちも確認できた為、ユウがヒメの上にのしかかり、肉棒を秘所にあてがう。
「重くないか?」
「ウン、大丈夫。フフッ…ユウがそうやっていつも優しいから…私、ユウのコト…好きだよ?」
「な…バカ!…でも、オレもヒメの事…好きだ。だから…」
「ユウ…いいよ…」
ユウの言いたい事を察知したヒメが合意の合図を出す。
ユウが肉棒を挿れやすいように、自分で足を開いて秘所を押し広げる。
ユウは少しそんなヒメに見とれてしまう。
「ねぇ…早く…恥ずかしいんだから…」
「あ、ああ。悪い。じゃあ…いくぞ…」
「ああっ…!ん…」
ユウが肉棒をヒメの秘所へと押し進めた。
さっそく、ヒメの膣内の柔肉がユウの肉棒へと絡みつき、締めつけていく。
「くっ…ヒメ…」
「ユウの…熱い…熱いよぉ…」
「ヒメの中も…すごく暖かくって…柔らかくって…く…」
ユウがヒメの中をもっと感じたいと腰を前後させ始めた。
ユウがヒメの体の奥を突く度に、ヒメが大きく喘いだ。
「ふああっ…!ああん…!ユウ…!いいよぉ…!もっと…もっとぉ…」
「ヒメっ…!オレも…すごく…気持ちいいよ…」
二人の耳を結合部から生まれるグチュグチュという、卑猥な音が犯していった。
結合部から漏れた液が、二人の体を伝ってポタポタと落ちていった。
ヒメはユウの背中に足をかけてユウを求める。
「ひっ…あん…!ユウ…ああっ…ん!お…奥が…」
ユウも快楽を貪るように、ヒメに腰を激しく打ちつける。
ヒメの可愛らしい胸を服の上から揉んだりした。
「ひぁん!きゃ…ん…ユウぅ…っ…あ…は…」
「ヒメ…オレ…もうすぐ…」
「…はぁっ!ん…私も…もう…ユウ…好きぃ…あぁっ…」
ヒメがユウの肉棒を絞り取るように、肉棒をかつてないほどに締め付ける。
「くぁぁっ!ヒメぇ…もう…出すぞ…」
「んっ…ああん!来てぇ…ユウ…」
「…くっ…くぅ…はぁっ…はぁっ…」
ユウの肉棒から大量の精液が射出され、ヒメの胎内を犯していく。
「あっ…!?ああっ…ん!ふああああ!ユウ!熱い…熱いよぉ…あああん…!」
「はぁ…はぁっ…ヒメ…」
ユウがヒメも達するのを見届けて、自分の肉棒をヌプッと引き抜いた。
それと同時に、愛液と精液の混じった液がヒメの秘所から溢れでた。
ユウはヒメの体を起こして抱き合って、二人で息を整えた。
二人が顔を見合わせると、軽いキスをした。
「ありがとう…ヒメ。ヒメは…いつも強いな」
「…ユウ」
「まだ…まだやれるかもしれない…ヒメ、行こう!」
「うん…!」
(いつもの…ユウに戻った)
二人が服を整えてブレンに乗り込む。
まだ、何も終っていない。
「…ヒメが話しかける事を試したんだから、今度はオレが試してみるさ」
「出来るよね?イイコさんを助ける事だって」
「オルファンもね」
「トマト畑、直さなくちゃいけないから…」
もう一度、ユウはヒメにキスをした。
もう、大丈夫。
そんな意味が含まれていた。
ヒメも、そんなユウを見て安心した。
大丈夫。今のユウなら、きっとみんなを…助けられる。
「オルファンさん!私の一番大切な人をあげるのよ!
私の愛してる人なんだから!
さびしく…ないでしょーう!?」
オルファンの暖かな輝きが、世界を照らしていった…