時刻はそろそろ正午を回ろうとしていた。  
この日ユウは朝から慌しかった。  
姉との朝風呂時にはクインシーが覚醒してしまい。  
予定より早く来てしまったヒメと姉との修羅場。  
それらトラブルを何とか乗り越え、今ユウは満足気な笑みを浮かべている。  
目の前にあるのは桃色に染まった女体。  
愛する姉・イイコが、俯いて微妙に身体を震わせながら、一糸纏わぬ姿で  
立っている。  
「何度言わせるのさ姉さん、ちゃんと俺の顔を見てよ」  
「で、でも…」  
「今更恥ずかしいなんて言うつもりはないだろうね?」  
「それならユウの方こそ何で今更こんなことさせるのよ…」  
恨みがましい声で言うが、先刻までのようにたとえ虚勢とは言え強い語気  
ではない。  
抑えても抑えても身体の奥底から湧き出してくる肉欲に抗えず、「言う事  
を聞くから」と口に出してしまった今のイイコには弟の淫靡な命令に抗う  
術も無ければ気力も無い。  
「何度も言ってるだろ、確かに姉さんはいつも抱いてるし、一緒にお風呂  
に入ったりもしてるけど…」  
「あっ」  
不意にユウの手が太腿のあたりに触れ、直接性感帯に触れられたわけでも  
ないのに敏感になってるイイコは思わず声を漏らす。  
「こうやって改めてじっくりと見たことはなかったからね、うん、見れば  
見るほど綺麗な身体だよ…」  
言葉での羞恥責めの範疇を越えた、心底からの感想をつい口にしてしまう  
ユウであった。  
 
「またそうやって人を煽てて…」  
弟の賛辞に、裸体を晒すこととは別種の羞恥に身をよじるイイコ。  
「煽ててなんかいないさ、余計な肉が少しもついてないこんな素晴らしい  
プロポーションなのに」  
掛け値なしにそう思うユウ。  
確かにカナンのような肉厚で触ると果汁が噴き出しそうなダイナマイト・  
ボディも好きなのは間違いない。  
そして、もしイイコがただ痩せているだけなら魅力はない。  
しかしイイコの肉体は、グランチャー乗り時代と比べれば格段に減ったと  
はいえ欠かさずに続けられている運動と、トレーニングの量が減った分を  
補完する農作業で、その引き締まったプロポーションを維持していた。  
もちろん乳房も尻も、小振りではあるがきちんと女らしい柔らかい曲線は  
維持している。  
ただ痩せているのではない、無駄なく引き締めているのだ。  
それは鋭い眼光と共に、彼女の雌豹のような魅力を引き立てていた。  
だが今の彼女は雌豹というより…。  
(雌犬よね、まるで…)  
イイコの心の中で、また何かが囁いた。  
「また、あんたなの…」  
自分の心の中に現われた自分自身に、敵意を露にするイイコ。  
(つれない返事ね…。そろそろ雌犬である自分を受け入れる気になった?)  
「何よそれは!わたしはイサミ・イイコ、人間よ」  
(認めなさい、あなたは雌犬…堕ちる所まで堕ちてもう這い上がることは  
できない)  
「そんなことはない…わたしは」  
(そして、どんどん堕ちていくのよ、弟の前で浅ましく尻をふったように)  
「やめて!思い出させないで…」  
先ほどの自分の行為を思い出すと、羞恥で心がずたずたになりそうになる。  
(受け入れるのよ、淫乱な雌犬である自分を…)  
「いやだ…!わたしは…わたしは!」  
 
内面の声に反発するイイコの脳裏に浮かぶ自分の姿。  
犬のように首輪をつけられ。  
犬のように四つん這いになり。  
犬が尻尾を振る様に、尻を高く上げて振る。  
「いやだ…そんなこと…」  
自分の妄想を強く否定するイイコ、だが。  
妄想の中で、自分についた首輪の紐を持つ手の主を見る。  
おぼろげな姿が次第に輪郭をはっきりとさせていく。  
それは、優しい笑顔を浮かべたユウ。  
(ふふふ、仕方ないなぁ姉さんは、尻尾を振っておねだりかい?)  
そう言って首輪を引きイイコを引き寄せると、欲しくてたまらなかった熱い  
肉の角をもたげる。  
歓喜に満ちた表情で、尻をより高く上げてそれを受け入れ…  
 
「どうしたの姉さん?」  
「…言わせないで、早く、早くしてユウ」  
上気した顔で喘ぐように呟くイイコに、怪訝な顔になるユウ。  
「姉さんってば!」  
「はっ?」  
ようやく我に帰るイイコ。  
ユウの目前で裸体を晒しながら、淫らな妄想にふけっていたことに気づいて  
愕然とする。  
「な、何でもないよっ!」  
ユウにそのことを気づかれまいとそっぽを向くが。  
「何を考えてたのかな?姉さん」  
「何でもないったら」  
「そう、何でもないってわりには…」  
ニヤニヤといやな笑顔を浮かべるユウの視線の先を見て、イイコは心臓が  
とまりそうになる。  
既に濡れていた薄めの茂みの下の秘所は、もう滝のように愛液を滴らせて  
いた。  
 
 
時間軸はほんの少し、一分ほど遡る。  
「また、あんたなの…」  
(?)  
「何よそれは!}  
(ね、姉さん…ちょ、ちょっとやりすぎたかな?)  
突然独り言を言い始めた姉を見て、ユウは焦っていた。  
最初はクインシィが周期を無視して顕現し出したのかと思ったが。  
イイコとクインシィは人格の交換であり、同時に現われることはない。  
明らかにそれとは違う姉の奇行をまのあたりにして、ユウの背筋に冷たい  
物が走った。  
それほど酷い仕打ちをしたつもりはない。  
ちょっとじらして、ちょっと羞恥を与えただけだ。  
だが元々イイコの心はそんなに強くない。  
確かにクインシィ化していなくても充分気が強い。  
しかし気が強いのと、心が強いのとは別なのだ。  
心が強い人間は二重人格になったりはしない。  
姉の繊細な面を考慮せずに恥辱を与え続けたことを後悔するユウ。  
(ごめん姉さん、ちょっといじわるし過ぎたよ…姉さんのしたいことなら  
何でもしてあげるから、正気に戻ってくれよ…)  
だがその悔恨は数十秒も続かなかった。  
「いやだ…そんなこと…」  
などと目に見えない物と話続けるイイコの、秘所から滲み出している愛液  
を目にして。  
(…ひょっとして、妄想中ってこと?)  
自分の視線に晒されながら、淫らな妄想をしている姉。  
その事実にユウの中で二つの感情が生まれる。  
一つは姉がここまで堕ちてしまったことへの寂しさ。  
もちろんそれには「お前のせいじゃお前のっ!」という突っ込みが相応しい  
のだが。  
もう一つはこのをネタにもっともっと責め弄ろうという気持ちだった。  
(余計な心配させられた分、もっと恥ずかしい目にあわせてやるよ姉さん)  
 
苦痛には限度というものがある。  
あまりにも酷い苦痛には感覚が麻痺してほとんど感じなくなる。  
それは肉体的苦痛のみならず、精神的苦痛においてもまた然り。  
だが、精神的苦痛の一種と思われがちな「羞恥」にはこれは当てはまらない。  
もちろん同じ様な羞恥に対してはどんどん免疫がついていく。  
俗に「恥知らず」と言う状態だが、実はこれはあくまでその種の羞恥に対し  
慣れているだけで、別の種類の羞恥に対してはやはり反応してしまう。  
今のイイコは、まさにその状態だった。  
一つの羞恥に慣れた所で、別の羞恥をユウに突きつけられる。  
そして今彼女は、ユウの手によらず、自らの業によって新たな羞恥を感じて  
いた。  
 
「どうしたの姉さん?こんなにトロトロにしちゃって」  
弟の目前で裸体を晒すというただでさえ恥ずかしい状況の中で淫らな妄想を  
してしまい。  
あまつさえ興奮の余り秘所から滝のように愛液をしたたらせた。  
その事実を突きつけられたイイコの口からは。  
「いっ、いやっ!」  
空気を切り裂くような悲鳴が上がる。  
力が抜けたように、その場に座り込むイイコ。  
先ほどに続いて二度目だ。  
「驚いたよ、まさか姉さんが」  
そんなイイコを楽しげに見下ろすユウ。  
「俺の目の前で、いやらしい事を妄想しているなんて」  
「そ、そんなっ」  
「そうなんだろ?」  
力なく頷くイイコ。  
否定すれば、それは「見られただけで濡らした」ということになり、どちら  
にせよ淫乱の謗りは免れないのだから。  
 
 

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