前回までのあらすじ。  
みんなもご存じ銀之介少年。彼の赤裸々な変身シーンが全国ネットで放映されたもんだからもう大変。  
これ以上ここにはいらんめぇと、ついに海を越え、アメリカの大地へと逃げることとなった銀之介少年。  
しかし、その放送を見ていた彼女達が居た!  
 
時は流れて一年と半分くらい、飯波高校同窓会が、始まろうとしていた……  
その準備のために集う人々、出会う人々。  
そんなこととは全く持って関係のない我らが銀之介少年。うっかり迷った山中で、かつての友人神楽あずさと出会ったのであった。  
ここから続き。  
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焦りとか、動揺とか、ともかくそう言った類のもの。そして、ほんのちょっとの胸の高鳴り。  
では、その原因は何か。  
それは柔らかかった。  
それは暖かかった。  
それは震えていた。  
ついでにちょっといい匂いがした。  
まさにそれは、神楽あずさその人だった。  
がっちりとその両腕で、銀之介の胸部をホールドしてしまっているのである。  
更には、ぴったりとその身を寄せてくるのである。  
「え……あ、あの、神楽さんっ!?」  
前回よりもパワーアップしてしまった青少年殺しの状況(命名:神楽ブリーカー)に、あたふたわたふたと慌てふためく銀之介。  
そしてまた悲しいかな銀之介、神楽ブリーカーから逃れようにも振りほどくだけの力もない。  
「お願い……もう少しだけ、このままで居させて…」  
涙混じりにそんなことを言われて、無下にできるような人間でも無かった。  
 
結局、銀之介がその天国のような地獄のような状況から解放されるまでには優に15分ほどを要したのであった。  
 

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