僕にお月様を見せないで

満月の夜、人里離れた森の中。  
ワイルドウルフと化した銀之助。  
両手で拳銃を構えた楓。  
「やっぱり私は、あなたをほおっておくわけには行かないわ。  
 そのかわり、弾丸は一発。仕留めそこなったら、私を好きにしていいわ」  
銃声。しかし、彼女は両手を真っ直ぐに上に伸ばし、満月に向って発砲していた。  
楓は、銃を投げ捨て、そのまま迎えるように両腕をひろげる。  
襲いかかるワイルドウルフ。鋭い爪で楓の衣服を引き裂く。  
「あぁっ、来て。ワイルドウルフ様。  
楓は服とともに能面を脱ぎ捨てたかの様に、ケダモノの様な淫らな表情を浮かべた。  
「お願いっ、突いて、貫いて、噛んで。」  
激しく交わる。二匹のケダモノ。  
楓は、後背位で、雌犬の様に喘ぐ。  
「あぁっ、引き裂いて。お願いっ。背中を引き裂いて。アイツの、アイツの傷を引き裂いて、消して」  
ワイルドウルフが楓の背中に爪を立て、一気に引き裂く。  
「あぁっ。ワイルドウルフ様ぁぁぁっ」  
鮮血とともに苦痛とも快楽ともつかぬ絶叫を上げ、楓は絶頂に達して果てた。  

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