今日の午前11時に、輝明の家に都古が来る予定だ。輝明と里江は玄関で都古が来るのを待っていた。  
 ピーンポーン…と、インターホンが鳴った。  
 「都古ちゃんだ」  
 時計を見ると、11時ちょうどだった。  
 里江はドアを開けた。  
 「おはようございます、おばさん」  
 都古が出て来た。  
 「都古ちゃん、おはよう」  
 里江が微笑みながら挨拶をする。  
 「おはよう、テル」  
 「都古ちゃん…おはよう。都古ちゃんに手紙出したから」  
 「うん、待ってる」  
 輝明も都古も微笑んだ。  
 「お邪魔します…」  
 都古が輝明に微笑みかけた。輝明は嬉しそうだ。  
 都古は靴を脱ぎ、家に上がった。  
 唐突に、プルルルルル……と、電話の呼び出し音が鳴った。里江は急ぎ足で電話がある場所へと向かっていった。  
 「カレーはやっぱりチキンカレー」  
 「え?」  
 今日、輝明や里江と一緒に昼食を食べる約束をしていた都古だが、悪い予感が胸を過ぎる。もし、今日の昼食がチキンカレーだったら……。昨日の河原家の夕飯は、チキンカレーだったのだ。できればあまり食べたくはない食べ物だ……。  
 しばらくして、里江が玄関へ戻ってきた。手にはバッグを下げていた。  
 「輝明、お母さん……今、堀田先生から電話があって、先生と会わなくちゃいけなくなったから、今から行くわね……。都古ちゃん、折角来てくれたのに本当にごめんなさいね」  
 「あっ、いいえ……気をつけて下さいね」  
 「いってらっしゃい」  
 「行ってきます」  
 里江は靴を履き、足早に家を出て行った。  
   
 
 
 
 輝明と都古は、2人きりになった。  
 
 
 里江が出掛けた後、輝明の部屋で2人は話をしていた。動物園の事、飼育員の事、動物の事………都古にとっては、とても懐かしい話だ。  
 「都古ちゃん、大丈夫?」  
 突然、輝明は都古を心配した。彼の心に、何かが見えたようだ。  
 「テル………?」  
 「都古ちゃん、悲しい顔をしている」  
 「……テルには、私の心が見えちゃうのかな…」  
 「……見えない」  
 「ふふっ……そうだね」  
 都古は苦笑いした。  
 「テル、私ね……河原さんとの約束、守れなかった……」  
 「約束は、守らなければいけません」  
 「でもね、人には……守れない約束だってあるの」  
 「守れない約束…」  
 「テル、今日はね……テルと新しい約束をしに来たの」  
 「約束?」  
 都古は輝明を抱きしめた。テルの背中が頼もしく感じる。  
 「…私はテルを必要としているの。だから………私とずっと一緒にいよう?今度の約束は………必ず守る」  
 「都古ちゃんとずっと一緒にいる………約束」  
 「テル………大好きだよ」  
 輝明にキスをする都古。  
 「都古ちゃん……大好き」  
 輝明は都古の背中に手を回す。ゆっくりと、都古の背中をさする。都古はテルから唇を離した。  
 輝明の目から涙が零れた。都古の目にも、涙が流れていた。  
 「もっと……早く言えばよかった………」  
 こんなにも純粋な彼を好きになった事、早く言えばよかった……。都古は後悔した。  
 「………………」  
 輝明は下を向いた。ズボンに、テントが張っていた。  
 「……テル」  
 無意識の内に都古は、輝明のペニスを愛おしむように輝明の股間をズボンの上から触っていた。  
 「都古ちゃん……気持ち良い」  
 「……テル、これはテルの事が大好きだからする事なんだよ……服を脱いでからベットに行こう」  
 「……はい」  
 生まれた時の姿になろうと、2人は服を脱ぎ始めた。  
 
 「テル……触って……」  
 ベットの上で、生まれたままの姿をして寝転ぶ二人がいた。  
 「はい…」  
 輝明の大きな手が、都古の右の乳房に覆われる。  
 「ぅ……あぁっ………」  
 「都古ちゃん……気持ち良い?」  
 「き……気持ち良いよ……テル」  
 テルのペニスを触り、優しく扱く。  
 「あぁっ……み……都古ちゃん……」  
 都古の秘部へ、輝明の手が伸びる。ふさふさした叢を越え、柔らかい膨らみに触れた。  
 「ぅあぁっ……テ………テル………」  
 都古は顔を赤らめた。  
 「テル………仰向けになって」  
 「はい……」  
 勃起したペニスを持ち、都古は輝明にまたがり、騎乗位で輝明と繋がった。都古は上下にリズミカルに動いている。  
 「テル………テルぅぅ…………ずっと………ずっと一緒だからね……!!!!」  
 「都古ちゃ……ん……うぁああああ!!!!!」  
 初めての挿入の感覚に、輝明は思わず射精をしてしまった。  
 都古はペニスを抜いた。輝明の精液が、都古の膣口からとろりと出て来た。  
 「約束………」  
 輝明は、譫言のようにその言葉を呟き続けた。  
        
     
       
    
 約束を破らないように……輝明と結ばれるために……。都古が歩く道は、遥か遠くまで光が射していた。  
       
       
     
        
       
       
     
        
 輝明の歩く道には、輝明を心から愛し、慕ってくれる人が常に傍にいる。その道では、色んな人に会う。その度に、ありがとうと感謝の気持ちを伝える。こんなにも素敵な人たちが傍にいてくれたんだ………そう、心から思える道を、輝明はこれから歩いていくだろう。  
 

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