毛狩り隊撲滅の合間。お金にも余裕が出来た機会に一行は宿に泊まり一時の休息を思う存分堪能していた。
雑魚寝部屋でいつも通り騒がしい皆をビュティとヘッポコ丸は一歩引いて見守り、突っ込み、時に巻き込まれている。
「そうだ! お金のある内に装備を揃えなければ!」
ボーボボが突然立ち上がる。
窓から夕日が丸く存在をアピールしている。店はまだ開いている刻。
しかし「装備?」とビュティは疑問を口に出した。壮絶な戦いで衣類が破けたり汚れたりしているのでそれの新調だろうか。
ボーボボの言葉にところてんは目を輝かせて駆け出した。
「じゃぁオレ、ところてん推進装備をパワーアップしてくる!」
「たすきと三角帽子だよね!? あれ装備じゃないでしょ!? 思いっきり普及用じゃん!」
ビュティの突っ込みを他所にそのまま天の助は外出。
いいだしっぺのボーボボも「先を越されてたまるぁぁぁ!」と天の助にタックルをかましながら外出。
二人の後ろ姿にビュティは「無駄使いしないでねー!」と叫ぶ。
「ソフトン様・・・私新しいタイツを買おうと思うのですけど・・・どんなのが好みです?」
「言っちゃったぁ! 恥ずかしいぃぃー!」と魚雷ガールは相手の返事も聞かずソフトンを引きずって外出。
横切る突風に無駄遣いをしないように言おうとしたが既に見えなくなった2人。
ソフトンさんがいるから大丈夫かな。とひとまず自分を安心させた。
それにしてもボーボボ達が心配だ。誰か引き止める人がいなければ意味の分からない食べ物やら何やらを買ってきて体に貼り付けてきそうだ。
想像を膨らませれば膨らませる程、せっかくの財布の中身がすっからかんになっていく。いてもたってもいられない。
そんなビュティを察してか心優しき少年ヘッポコ丸が声をかける。
「ボーボボさん達が心配ならオレが見てくるよ。部屋に誰もいないのも心配だからビュティはここにいて」
「あ、うん。ありがとう。──いってらっしゃい」
「い、い、いってきます」
何故だかほんわかとしたトーンの背景に包まれヘッポコ丸もボーボボ達のいそうな場所へ向かう。
田楽マンが何を企んでいるのか、ヘッポコ丸の背中に張り付き、にやり。と嫌な笑いを浮かべてそのまま彼と共に消え去ったが、特に意味はないと思う。
──久しぶりの宿だなぁ。
皆一緒の方が楽しいのと、節約のため大きな畳の部屋を借りて雑魚寝の予定。
いつもの野宿でも良かったのだが、たまには湯船に浸かり、ふかふかの布団に身を預けるのもいいだろう。
枕投げが楽しみという理由で来て早々ぴっしりと皺一つなく敷かれた布団は、さっそく皆が暴れたためぐしゃぐしゃだ。
「まったく皆仕方ないなぁ」とクスクス笑いながらビュティは直す作業に入った。
「あれ? ドンパッチ君は行かなかったんだ?」
「・・・」
「ドンパッチ君?」
「ドンパッチソードがその辺で買える代物だと思うなよ!」
「買えるでしょ。ネギだし」
一人の作業でも布団を整えるくらいならビュティの手だけで十分だった。
大人数分の布団が綺麗に並べられたのを見て、よしっ!とえっへんのポーズ。
丁度その時、ドンパッチは部屋の出入り口とは逆の障子を開ける。彼女もそこは部屋に入った時から気になっていた。
薄い木なのかなにかを編んで出来た椅子が4つ。小さなテーブルは「どうぞおくつろぎください」と泊まる人間を誘う。
その奥には大きな窓。安い宿とは思えない手入れの行き届いた窓はまるで存在しないようで、その向こうの夕焼けに染まった空と山を魅せていた。
「──綺麗だねぇ」
「セリフとるなよ! そんなにヒロイン面したいのかよ!」
「わ、痛いよ。ごめん。ごめんってば」
非難するほどの事ではないのだが、ドンパッチには妙に気に触った。
とりあえず自分の身長の届くビュティの膝をポカポカ叩く。
彼は最近どうにもイライラしやすかった。ちょっとした事で一喜一憂する様は自分にさらにイライラ。
ビュティが他の奴に突っ込むのも突っ込みの仕方がイマイチ気に入らないのかイライライライラ。
──この女がヒロイン面するのが気に食わない。そうだ。それが原因だ。
「メインヒロインはパチ美よ! 格の違いってやつを見せてやるわ!」
「え、ちょっと──うわぁっ」
パチ美モードの外見ではないが心はパチ美。どすこーい。とビュティを押すと崩れた。
布団をぼふっと顔に押し付ける。なにやら喚いているが聞こえない。フリ。
「そもそもこんな乳でヒロインを名乗るとは甘ったれとるわー!」
「──ぷは! さっきから何なのドンパッチ君! それに名乗ってな──っ」
布団を押しのけ顔を出せたビュティは抗議するが、へそに手を置き手を上に動かせばあっというまに手のひらは胸を包む。
あれ、柔らかい。と思いふにふにとすると、抗議の声は一度ピタリと止む。
目を伏せ口を結んでいるのは声だけは絶対に出さないぞという主張かはたまた声だけは恥ずかしくて聞かれたくないのか。
そういう態度をとられると無理にでも紐解きたくなるというもの。
ふにふにふにふにふにふにふに。
「ねぇ。──ホントにやめてよ。」
喋れる時には喋るビュティ。手はようやくドンパッチの頭を捕らえ力をかけられるようになったが、腹の上にまたがられた体制は崩せない。
真っ赤な顔での抵抗は彼の行為をほんの少しエスカレートさせた。
揉んでいるうちに膨らんだ突起のような場所。そこを集中的に刺激してみる。
それに気付くと彼女は先程より抵抗の意思を強めたが、彼を押しのける力は弱まっていった。
妙な感覚につっかえる事なく話す事もできなくなっていく。
グリッと刺激する指先。こねるように遊ぶ指。気付けば乳首の弄び方にもレパートリーが増えたように感じる。
んっ・・・。と時折耐え切れず漏れる声に彼女は恥ずかしさで視線を泳がせ、彼はそれを楽しむ。
しばらく楽しめばさぁ次は──
「──やっ! そこはだ──ぁっ!」
ズボン内部。子供っぽい下着の中に手を入れれば体温で温かく、今まで誰にも触られてないだろう場所はとろりした液体を出していた。
──へぇ、こうなるんだ。
指にそれをつけてニヤニヤしながらビュティの眼前に。染めすぎた顔がさらに羞恥を表したのは潤む目。
もう一度そのやらしい液体を指につけるとそのまま肉芽をぬるぬるにしてローションの代わりを務めさせる。
彼女は顔を横にゆっくり小さく振りながら、
「だ・・め、だよ。そこは、やだよぉ・・・」
と涙を零す。勿論無視。
強めに芽を押し込みながらめちゃくちゃに刺激する。
途端、ビュティには我慢出来なくなったようだった。
足を震わせ、腰を動かそう逃げようと抵抗する。
「っ! ──ぁ・・・はぁ・・・・ん・・・あ、あ、あぁっ・・・! やめっ──! あぁっ・・・はぁ──んん!」
びくん。と腰が跳ねようにもドンパッチが乗っている。
手で口を押さえ声を出さないように出さないようにとの努力も、体中を巡る快感に、自分の指先を唾液で濡らしてしまう事で意味を成さない。
ただただ自然と動く声帯に逆らわず口を開く事でしか、その耐え切れない快感のはけ口はなかった。
びくびくと震える足腰。いつまでも止めてくれない刺激。
苦し紛れにビュティの頭に走馬灯のように駆け巡るのは今までの旅の記憶。
なんだかんだで彼女を助けてくれるドンパッチ。
──あぁ、そうだったんだ。
こんな状況なのに思い当たってしまった気持ち。
「すき──っ・・・なの、に・・・・な」
「は?」
ぴたりと止まる彼の指。
弱い波をあらかた受けきると、ビュティはもう怒りとかそんなものはなく、何も考えずに言う。気付いたばかりの気持ち。本音を。
泣き笑いなのは気付いていても仕方がない。
「好きなんだ。ドンパッチ君が。だから、これ・・・嫌じゃないかも」
真っ直ぐにドンパッチを見る潤んだ瞳。落ち着いた薄いピンク色になった頬。
はにかんだ笑顔に彼は自分に向き合えた。
何故こんなことをしたのか。
八つ当たり?苛立つから?思えば苛立っていたのは自分に対してだった気がする。
──なんだかんだで愛しく思った少女への気持ちに向き合わない自分がイラついたんだ。
「・・・だったら・・・両想いじゃねぇかぁぁぁぁ!」
「そこキレるとこー!? え、それ本当──あ、あぁ! ちょっ──ふぁっ・・・あぁぁぁ!」
とりあえず、イかせた。
体を反らせてぎゅっと閉じた目。余韻から抜け出せず、はぁ、はぁ。と息づくビュティ。
少しして、彼女は落ち着くと、乱れた衣類を直した。
──怒られるかなー。
当たり前だけど。そんな事を思って叩かれるくらいの覚悟を決める。
だが、予想外にも、彼女は座りなおし、ドンパッチの額にキスを落とし、照れ笑いして「よろしくね」と言った。
──ああもう照れるじゃねーか。
女の子座りしている太ももに乗ると、今度は額なんて子供みたいな場所にじゃない。唇に唇を合わせた。